【2023年度卒業生インタビュー】多くの人と繋がるために

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取材・文=Hiiro_116(N高7期・ネットコース)

「人は誰でも自分のキャプテンだが、実生活で自分の欲しいものを手に入れるには、まわりの人と協調しなければならない。そしてこの事は若いうちに学ぶのが一番良い。」

これは、もはや知らない人はいないであろう、幅広い年代に愛され続ける『ウォルト・ディズニー・カンパニー』の創始者、ウォルト・ディズニーの言葉です。

今回、この春にN高等学校を卒業する生徒にインタビューをしました。
インタビューを通して、私は上記の言葉を思い出したのですが、みなさんは協調の大切さをどれだけ知っているでしょうか。
記事を読んだ後には、協調性についての考え方が変わっているのではないでしょうか。

ひーさん
N高等学校6期生通学コースつくばキャンパス
趣味は本屋に行くことと料理(最近はアニメ飯、特にジブリ飯の再現にハマっている)
N/S高新聞実行委員会2期生

ーー今回このインタビューを受けたのは、何がきっかけだったのでしょう?

新聞実行委員会のSlack(※1)チャンネルで募集を見つけました。
私が最初に書いた記事がインタビュー記事だったこともあり、「インタビュー」に思い入れがあったので、面白そうだなと思いました。
これまでの活動を振り返るきっかけにもなるなと考え、参加することにしました。

あとは単純にインタビューされる側になったことがなかったので(笑)。

(※1)

メッセージアプリの一種。 N/S高では学園からの連絡手段として使用される。

目次

N/S高での生活

ーーN/S高への進学を決めた理由を教えてください。

中学校は、一年生まで学校に通っていて、二年生からは部活動のみ登校する生活をしていたんです。
進路で高校について考えていた時に、母に通信制高校をすすめられました。

N/S高は検索していて見つけました。
他の学校にはない特徴があり、キャンパスの雰囲気の良さなどに魅力を感じたことがきっかけです。


ーー在籍していて感じたN/S高のメリットは何ですか?

好きだなと思ったところは、世界を広げられるきっかけが多くあることです。

例えば、Slackではトークセッション(※2)などのイベントのお知らせがあったり、N予備校(※3)では通常の教科学習以外に、裁縫などの技術について学べる講座もあります。

「やってみたい」を刺激してくれる無限の扉があることが良い点だと思います。
「扉をあけるのは自分次第!」ということを教えてくれたのもN/S高です。

(※2)
現代社会で活躍するその道のプロや著名人、積極的に活動しているN/S高生、OB・OGなど多彩なゲストをお招きし、対話を含めた講演を行う。
第一線で活躍する人の「想い」を聞くことで、興味関心を広げ、自分の「好き」を深めることができる。

(※3)
双方向参加型の生授業、オリジナル教材、フォーラムを搭載した学習サイト・アプリ。
N/S高生はコンテンツを無料で利用できる。

https://www.nnn.ed.nico/

ーーN/S高での思い出の出来事を一つ教えてください。

インターン先の長期プロジェクトに参加したことです。
「食べることでメンタルヘルスに作用するにはどうしたら良いか」というテーマで、心の健康について学ぶプロジェクトでした。

成果発表では、チームで考案した「みそしる点前」というお点前について発表しました。
最初は、「食」「メンタルヘルス」「アート」という言葉だけがあって、全体像はふわっとしたものだったのですが、自分たちのこれまでの経験や美術館での見学、街の探索をしているうちに、0から1を考え、作品をつくることが出来たこと、その挑戦の繰り返しが思い出の一つとなっています。

プロジェクトの中で一緒に活動したメンバーと合宿をしたり、鎌倉に抹茶を飲みに行ったことも良い思い出です(笑)。

写真(提供:ひーさん)
プロジェクトでの活動風景

写真(提供:ひーさん)
みそしる点前の実演中

N/S高新聞実行委員会

ーーN/S高新聞実行委員会に入ったきっかけは何ですか?

元から文章を書くことが好きだったので、最初は「N/S高新聞実行委員会」という名前に魅力を感じ、興味を持ちました。

当時本を作るワークショップ(※4)に参加していて、そのインタビュー記事(※5)をみて感動したことが応募の決め手です。
その時、私はこれまでの人生のターニングポイントについて書いていて、ワークショップのテーマである「等身大」という言葉を少し難しく感じていたんです。自分なりにそこから得た気持ちを綴っていたのですが、この記事が公開された時に衝撃を受けました。
タイトルの言葉の切り口がとても秀逸で、すごくしっくりきたんです(笑)。見る人の切り口によって、こんなにも表し方に鮮やかな色が出るんだなと、とても面白い発見がありました。

(※4)
グループをつくり、イベントごとに決まったテーマのワークに取り組むイベント。
社会で生きていくために求められる「自分の考えや他者と協力・連携していく」ことなど「正解がない課題に取り組む」トレーニングをすることができる。

(※5)
記事はこちら!
https://nshigh-news.jp/2022/06/2011/

ーー執筆した記事を1つ教えてください。

一番印象に残っているのは、先ほど一番の思い出にあげた長期プロジェクトの特集記事「メンタルヘルスってなんですか?」(※6)です。

プロジェクトに携わった海外の方へのインタビュー記事で、翻訳家の方にお手伝いいただきながら進めました。

計五人の委員が関わった記事で、役割を分担しながら執筆を行いました。
複数人での執筆は初めてで、チームワークが難しかったですが楽しかったです。

(※6)
記事はこちら!
前編:https://nshigh-news.jp/2023/07/8817/
後編:https://nshigh-news.jp/2023/07/8887/

ーーN/S高新聞実行委員会での活動で自分の力になったと思うことは何ですか?

記事の企画書を作ることを通して、「やりたい」を言語化できるようになりました。
スタッフさんからのフィードバックからも気づきが多くあり、言語化する能力はかなり身についたように思います。


ーーN/S高新聞実行委員会の良さは何だと思いますか?

周りの仲間の雰囲気が暖かいことですかね。
振り返り会(※7)の運営をした際には、お互いを頼れる環境になっていることを実感できました。

N/S高新聞実行委員会は、そこにいるだけで価値がある実行委員会だと思っています(笑)。

(※7)
クォーターごとに実施されるN/S高新聞実行委員会内での活動を振り返るミーティング。
テンショングラフで自己分析をしたり、数少ない委員との交流機会でもある。

次に、N/S高生活の中で今まで行ったという活動について深堀りしていきます!

LES WORLD(レ・ワールド)(※8)

(※8)
特定非営利活動法人LES WORLD。
広く国内外の人々に対して、音楽、芸術、ダンスなどのエンターテイメントを通した教育に関する事業を行い、自己肯定感の向上に寄与することを目的とする。
以降、レ・ワールドと表記。

https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/112001179

ーー具体的にどのような活動をするところなのでしょうか?

学内では、体験学習実行委員会(※9)などワークショップを作る実行委員会がありますよね。
レ・ワールドでもそのようなワークショップをつくる活動が行われています。

(※9)
ワークショップやトークセッションなどの職業体験を生徒だけで企画・運営する実行委員会。

無人島や海外に行き、イベントの中で制作したステージを行う、表現ワークショップを実施します。
イベントを通して、自己内省について多くの学びを得ることができます。

昨年の夏頃に課外学習の案内をもらい、この活動に参加しました。
140人で無人島に行きました(笑)。


ーー140人!? すごいですね……。
  この活動を始めたきっかけを教えてください。


実は、無人島に興味を持ったことがきっかけなんです(笑)。
だから、無人島に行くイベントへの参加が最初でした。
そこでのミュージカルに心を動かされて、他のイベントにも参加するようになりました。


ーー活動を通してどのようなことを学びましたか?

レ・ワールドさんの無人島や他のイベントにも参加したことから、ワークショップの可能性の広さを感じました。

また、参加することで他のワークショップへの興味も沸き、次の活動へと繋がっていきます。
私は、参加する側だけでなく、ワークショップの運営も経験することができました。

写真(提供:ひーさん) レ・ワールドでの活動風景

まちのこ団(※10)

(※10)
一般社団法人まちのこ団。
まちで育つ子どもたちの”原体験を豊かにすること”をミッションに、茨城県を中心に関東地方で活動をしている。

https://lit.link/machinokodan#

ーー具体的にどのような活動をするところなのでしょうか?

子どもの原体験を豊かにすることを目標に活動している団体で、積み木や駒など、団長さん(※11)が手作りしたおもちゃで子どもと交流をするイベントを行います。

2年生の7月頃から参加しました。

(※11)
まちのこ団では、代表のことを「団長」と呼ぶ。

https://note.com/machinokodan/n/n547365ed5e2d

ーーこの活動に参加しようと考えた理由を教えてください。

ある時、電車で子どもを見かけたときに、「そういえば、子どもと関わるきっかけが少ないなあ」と感じたんです。
子どもと関われる活動について検索していた時にまちのこ団を見つけました。

最初は、まちのこ団のホームページに掲載されていた映像で、子供たちがスタッフさんと一緒に遊んでいる様子や笑い声、見守っている保護者の方、通りすがりのおじいさんおばあさんが笑みを浮かべる空間をみて、興味をもちました。

そこで、わたしも誰かの居場所になれるような場所を提供したいと考えるようになり、応募を決めました。

ちょうど地元でイベントが開催されるという情報を聞き、応募前に実際のイベントにも足を運んでみました。屋内外問わず車ひとつで、街中に遊び場・居場所を生み出しているというのが、とても輝いて見えました。


ーー活動をする上で難しいと感じたところはありますか?

子どもたちとの接し方です。
最初は、「お姉さん!」と声をかけられても、「どうしたの?」と返事をかえすことしかできないくらいでした。

他にも、おもちゃでの遊び方がわからず、困ることがありました。
デジタルに触れ過ぎたせいか、アクティブな遊び方をほとんど知りませんでした……。


ーー活動を通して理解の深まったことなどがあったら教えてください。

活動することで、だんだんこどもたちと話すうえで重要な点などがわかってきました。

「しゃがんで目を合わせて相手の興味のありそうなことについて触れる。」
「興味について引き出し、挑戦できる場づくりをする。」
こうすることで、興味が話題のきっかけにもなり話しやすいです。

おもちゃについては、「私もわからないから一緒にやってみない?」というように伝え方を変えました。

嘘を言わず正直に取り組むことの大切さも感じました。
正直に話した方が、まっすぐ伝わるんです。

また、この活動を通して、より子どもに興味を持つようにもなりました。

これまで、自分よりも小さな子達と関わる機会が少なくて、どちらかというと「怖い」という印象を持っていました。泣かせちゃったりしないか、どう対応しようかと考えてしまい、戸惑っていました。

でも今は、どう対応しようかと考えるのではなく、「目の前にいるこの子の気持ちにどう答えようか」を考えるようになりました。そうすると自然に、笑顔の空間になっていったんです。

子供たちと楽しく向き合えるようになりました。

写真(提供:ひーさん) まちのこ団での活動風景

これから

ーー卒業後、どのようなことを行いたいと考えていますか?

大学や専門学校などには進学せず、旅をするつもりです。

元々やりたいことがウェディングについてで、性別や場所、人数、人種などに関係なく、そばに居たい人とそばに居られるような結婚式を実現したいと考えてきました。
そのために、「世界をもっと見たい」「話題や知識を体感しながら学びたい」と思い、様々な場所・人に触れられる「旅」を選びました。

春からはタイに行き、よりアクティブに活動できるようになると思っています。
旅先でワークショップを開催するという夢もあるので頑張ります。


ーー今までの活動で得たスキルをどのように活かしたいですか?

N/S高に入り、地元にしかいなかった友達が全国にもでき、視野が広がりました。
また、活動の中では企業や法人の方とつながることができ、人脈もできました。

このような、さまざまな分野の人との関わりで得た知識を活かして、さらにそれを深めていきたいと思っています。

他にも、ファシリテーション研修のようなイベントに参加し、初級の資格を得たため、これからのワークショップ作りに活かしていきたいです。

読者へ

ーー活動をする際に意識していることはありますか?

活動をする仲間と関わる際には、第一印象が大事になってきます。
私は特に挨拶に気をつけていて、すれ違った時に少し笑顔を意識するだけで印象は変わります。

活動の中では、無理なものは無理というあきらめの判断も大事です。
できる人の手を借りることを検討することは良いことだと思います。
助ける・助けられる関係を意識し、その環境をつくるようにしています。


ーー最後に、これから何かを始めたいと思っている人におすすめしたいことを教えてください!

中学生の時に歩く範囲が家だけだった人間でも、興味を持ったものに一つ挑戦してみたら、他の事にも一歩踏み出せるようになりました。
行動範囲は少しずつでも広げていくことができます。
「ちょっと楽しそう!」というアンテナは大事にしてください!

N/S高は最高の場所!!

いかがでしたでしょうか。
活動に対して正面から向き合う人の姿をしっかりと感じられたのではないでしょうか。

私は何よりもつながりの広さに驚きました。
挑戦を恐れない気持ちや自分に正直なところの現れなのかなと思いました。

ここで一番最初に戻ってみましょう。

協調の大切さはどこにあると思いましたか?
他にもこのお話から得られることがたくさんあると思います。
あなたの読後感を大切にして、ぜひこれからの活動に活かしてください!!

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