名物授業の最優秀賞者!秘訣はコミュニケーション?

  • URLをコピーしました!

取材・文=みとさん(S高1期・オンライン通学コース)

N/S高等学校 通学コース・オンライン通学コースとN中等部の名物授業の1つである、プロジェクトN(※1)で最優秀賞をとった生徒にインタビューしてきました。

※1:「プロジェクトN」(通称:プロN)はN/S高の通学コース等が取り組んでいるPBLのひとつで、各省庁やさまざまな企業の協力のもと、社会的な課題解決を行う学習です。ICTスキルや社会人スキルの習得を目指しながら、具体的な制作物をアウトプットする一連のプロセスが高く評価されました。

https://nnn.ed.jp/course/commute/curriculum/pbl/ 
目次

まずは、最優秀賞の時のプロNについて覗いてみよう!

みとさん

今回のプロNでやったことを教えてください。

村上さん

「廃校をリノベーションしよう」というテーマで取り組んでいました。各班1つ、既にある廃校を選択して、その廃校がある地域の課題を解決できるように、廃校をリノベーションするという内容でした。そして、発表スライドと企画書、モックアップを成果物として作成するように言われ、我々の班では3DCGをモックアップとして提出しました。

みとさん

企画書があるということはかなり要求される内容が厳しかったのですか?

村上さん

そうですね、割と企画書もしっかり作ってって感じでした。

次は、考え方を覗いちゃおう!

みとさん

今回のプロNでどういったリノベーション内容を考えられたのですか?

村上さん

我々が選んだ廃校が割と都会の方の学校だったので、雇用の少なさや健康意識不足、少し地域経済が衰弱しているといった地域課題に対してアプローチをし、企画内容としては室内栽培施設とレストランの複合施設というものを考えました。アイデア自体独創性があるものではないですけど、実現可能性を重視したので、地域の課題を解決に近づけるアイデアだということで評価していただけたのかなと考えています。

みとさん

どのようにしてその考えに至ったのですか?

村上さん

室内栽培に決めたのは、廃校というのが栽培施設として適しているのではないかとか考えたからです。このプロジェクトが始まった段階では、廃校をリノベーションする形の案なら、ホテルやカフェはいっぱい出てくるのだろうなぁと考えたからです。では、ありきたりのアイデアは我々としてはつまらないと思っていたので、ありきたりなものでないようにしようと考えていました。では、どうやったらありきたりじゃないものができるかと考えた時に、「なんで廃校でやるのか?」という部分に重きを置いたらありきたりでないものができると考えました。そう考える中でで「学校って教室のレイアウトがほぼ同じだよね」「同じような部屋が何個もあるよね」「じゃあ栽培施設としてすごく役に立つ要素じゃないの?」となっていったという経緯です。

みとさん

同じような部屋が何個もあることが栽培施設として役に立つというのは元々知っていたのですか?

村上さん

元々栽培に興味があったというわけではないですけど、なんとなく「教室のレイアウトが同じということは湿度や温度の管理がしやすいのでは?」となり、室内栽培施設にたどり着くまではすごく早かったです。
今回のプロNで最優秀賞をとれた理由の一つが、案を考えたのが早かったからだと思っています。とんとん拍子で考えられていましたが、特にそこに詳しかったというわけではないです。

みとさん

そのアイデアは普段から見ている畑などから思いついたのですか?

村上さん

普段、畑を見ることはないので、本当に思いつきって感じです。

今回のプロN楽しかったのかな…?

みとさん

今回のプロNの満足度はどれくらいだったのでしょうか?

村上さん

最優秀賞をいただけたこともあって満足度は高くてとても楽しかった。室内栽培施設の案が固まり始めてからは「これいけるな!」という感じで「賞とるわ」とキャンパスの友達に話せるほど自信がありました。

松本さん

私としても9割から10割の満足感がありました。アイデアが早く決まったこともあってスケジュールに余裕が持てました。1つ1つの案について深く考えられたり、スライドや発表までこだわれたので納得いくものまで落とし込めたことが満足感につながりました。

山田さん

100%だと思っています。実は1年生なので、一番最初のプロNβ(※2)で最優秀賞を取りました。今回のプロNは面白かったし成功体験も得られたので、それが3学期や4学期(※3)でも生きてきてとても楽しかった。

呉坪さん

自分も満足度は100%です。山田さんと同じで1年で最初のプロNβで、プロNβっていうのはなんなんだっていう困惑もあり、さらに先輩とも完全に初対面でした。それでも3Dも全く触ったことがない中、全力で取り組んで取り組める環境を作ってくれるなど先輩2人が導いてくれました。先輩たちが考える案自体も自分の今後のためにもつながるものばかりで、最高を体験してしまったからこそこれからどうなるのかなと逆に不安です。

※2:高校通学コースのプロジェクトNでは、基礎的なスキルを身につけるαクラス、応用・実践的なスキルを磨くβクラスが実施されています。βクラスは実社会に即して、発表会で評価されます。(2023年度現在)

※3:N/S高 通学コース・オンライン通学コースは4学期制のため、1学期・2学期・3学期・4学期と分かれています。今回インタビューした生徒が最優秀賞を取ったのは2023年度2学期です。

ん?3D・・・!?

みとさん

3Dは初めて挑戦したんですか?

呉坪さん

メンター(※4)に3Dソフトを教えてもらって、使い方を一から学びました。

みとさん

3Dには元々興味があったんですか?

呉坪さん

チームに3D要員がおらず、元々興味があったのと、メンターさんにもソフトを教えてもらったからやってみようと思いました。

みとさん

周りから見て初挑戦の呉坪さんはどう映りました?

村上さん

頼もしいという言葉しか出てきません。初めてだったのに遅れることなく作ってくれたり、途中で要望とかも反映してくれたので助かりました。

松本さん

モックアップを作らないといけない中、私はフォトショップやイラストレーターができたので2Dで作ることはできました。でも3Dできる人いたらいいのになぁという中、呉坪くんが自ら「なんとかやります!」と手を挙げてくれて、その際に感じた熱意からたくせました。

山田さん

同級生から見ても、その時の呉坪さんは目が輝いてました。

呉坪さん

先輩が製作中、とても褒めてくれました。それがやりがいになって、作るのが楽しくなって、みるみるつくられていきました。

※4:N/S高等学校ではメンター制度を導入しています。一般的な学校でいう担任の先生のような形で生徒に関わりますが、英語などの科目の授業を行うことはありません。

呉坪さんが作成した3D作品

褒めてくれた先輩!1年次生はどう思ってた?

みとさん

そんな先輩たちに対してどう思っていました?

山田さん

本当に頼もしかったです。初めてのプロNβだったので、どうなるんだろうと不安がある中、2人の先輩がマネジメントしてくれて、すごいなって思いました。

呉坪さん

最初は緊張してガチガチで、身長高い先輩怖いって思ってたんですけど、「タメ口でいいよ」って言ってくれたり、心理的安全性を高めようと頑張ってくれて、すっごいやりやすかったです。

そんなやりやすかったプロN!どこが面白かった?

みとさん

今回のプロNで面白かった部分を教えてください。

呉坪さん

3Dはすごく面白かったです。元々、図形などが得意だったのもあるんですけど、自分の手で何かを作るのがすごく楽しかったです。

村上さん

話し合いをしている最中が、プロNやっているなと感じて面白かったです。プロNのβでもあまり喋ってくれない子とかもいるんですけど、1年次生2人がどんどん自分から話してくれて楽しかったです。

松本さん

似てるんですけど、アイデアが決まった後にどのような部分をモックアップにするかとか、案を細かいところまで考えたり、実現可能性とかがどうやったらより伝わるかなど、細かいところの話し合いがすごい楽しかったです。

山田さん

最初上下関係あるのかなって思ってたんですけど、同級生くらいの感覚で接してくれて、仲良くもなれたりしました。そういったこともあって、このメンバーで取り組んでいくことが面白かったです。

プロNは授業!成長した点とかもあるのかな?

みとさん

2学期のプロNで得られたことを教えてください。

村上さん

多分、2学期のプロNで得たものが一番あるのが自分だと思うんです。今回、実現可能性に重きをおいて取り組んだプロジェクトだったので、「これ実際やりたいな!将来!」って思うようになって、将来の選択肢に起業が加わりました。

山田さん

コミュニケーション能力がこの4人で話して上がりました。メンターからも「コミュニケーション能力上がったね」「あの4人で良かったね」って言われて自己肯定感があがりました。それとプロジェクトに取り組むこととコミュニケーションを取ること、賞を取ることの3つの楽しさが感じられました。

松本さん

最初は映像編集の方の進路を考えていたんですけど、この時のプロNが楽しくて、進路が経営系の学科に傾いたのが自分の中での変化でした。ちょうど7~9月頃で、映像系と経営系で悩んでいたんですけど、この時のプロNで踏ん切りがつきました。

呉坪さん

3Dはもちろんあるんですけど、それよりもコミュニケーション能力が得られたものだと思ってます。その延長線上で、他人の意見に対して違うなと感じた時に、自分の意見をぶつけて、会話に協力する力がついたと感じています。

みとさん

他人の意見が違うなと感じる時に自分の意見を伝えるのは、苦手な人もいるかと思うんですけどスムーズに話せましたか。

呉坪さん

自分が意見を出した時に「実現可能性的に難しいんじゃない」とか言われたこともあったんですけど、自分が違和感を持ったら相談してみるようにしてました。

山田さん

自分もたまに意見を抱え込むことはあったんですけど、この4人でプロジェクトに取り組んで積極的に言って行った方がいいのかなぁと感じ、ちょっと引っかかる部分があった時に「ここちょっと気になるんだけど」って言えるようになりました。

最優秀賞の秘訣!?社会でも大事なコミュニケーション!

みとさん

コミュニケーションの面で3年次のお2人が気をつけていたことはありますか?

村上さん

僕は後輩と同じ班になったら絶対に「敬語を使わなくていいよ」と言っています。僕が敬語を使われるのが好きじゃないっていうのもあるんですけど、敬語だと自分で考えた言葉を咀嚼して丁寧な言葉で言うという段階を一個挟まないといけなくなっちゃうんです。それだと本当に言いたいことを、その時に思った感情で言葉を発せないと考えているので、そのように伝えています。

松本さん

心理的安全性にはちょっと気をつけています。意見を言いやすい雰囲気にできたらいいなと考えていて、納得できなそうな雰囲気がある時に、意見を聞くようにしてました。でも中盤くらいから自分から言ってくれるようになって気にせずグループワークできるようになりました。

みとさん

1年次生のお2人はこういうのがあったから喋りやすかったとかありますか?

山田さん

先輩方の配慮で本当にラフだったから話しやすく、とにかくやりやすかったです。それに、自分も先輩になった時に話しやすい雰囲気を作ってあげたいなと思いました。

呉坪さん

先輩方が最初からタメ語でいいなど意見を出しやすい環境を作ってくださったので、アイデアが決まるのが早かったです。自分が思ったことを先輩に伝えると、すぐにみんなで検討して、早くいい案になっていきました。

みとさん

最初のコミュニケーションがうまく行ったからこそ、細かいところまで詰めることができたと感じましたね。

村上さん

そう感じたことは間違ってないと思って、やっぱりいいコミュニケーションからいいアイデアに繋げていくことはすごく大事なことだと思います。

それじゃあこの経験をどう生かすのか?

みとさん

プロNで得た経験を活かして今後頑張っていきたいことはありますか?

村上さん

このプロNがきっかけで、起業っていう将来の目標ができたので、大学も経営系に進もうと思っています。そこでがんばって将来、起業できたらなと思っています。

松本さん

私もこのプロNがきっかけで経営系に興味を持てたので、村上さんと同じ学科に行って、一緒に学べたらと思っています。そして、村上さんのアイデアをブラッシュアップする形で取り組んだ時が一番成果ができたので、サポートできたらなと考えています。

山田さん

元々経営系には興味があって、今回のプロNを通してもっとやりたいなという気持ちが強くなりました。だから、今後頑張っていこうと思っています。

呉坪さん

自分は3Dに初めて触れて面白かったので、3Dをがんばっていけたらなと思っています。

プロNの強みを教えてください!

みとさん

プロNをやってて身についたことや良かったことを教えてください。

村上さん

プロNはすごく学びの要素が強くて、数学や歴史みたいな勉強ではないけど、大事な経験だと思います。コミュニケーション能力やITスキル、柔軟な発想、批判的思考など全日制の高校で身につきづらいことが身につくので、「良い経験」だと思います。

松本さん

プロNの一番の特徴として、プロNの授業で学べることは1つや2つではないと思っていますが、かといって全部を一気に学べるかというとそうでないと思うんです。同じチームになっても学んでいることは各々違ってて、好きなことをグループワークを通して強みを伸ばしていけるのが大きな特徴だと思っています。呉坪さんが3Dができるようになったり、村上さんがリーダーシップやアイデア力を学ぼうとしたり、私も批判的思考を学ぼうとしていたので、実践を通して学びたいことを学べることがプロNの一番の強みなんじゃないかなと思います。それがまた面白さにも繋がっています。

山田さん

プロNを受けることによって柔軟な考え方や概念にとらわれない考え方が身につくと思います。今後必要になる、そういうクリエイティブな考え方が一番強みなんじゃないかなと思います。

呉坪さん

先輩方は優しく接してくれたので威圧感はなかったんですけど、先輩たちとの付き合い方や目上の人に対する意見の仕方が身につくと思います。それに話さざるをえない環境なので、コミュニケーション能力もだいぶ身につくと思います。

最後に、あなたにとってのプロNとは?

みとさん

あなたにとってプロNとは?

村上さん

僕は1年生の2学期からずっとプロNβだったので、起業家になりたいという目標もできたし、すごくターニングポイントというか、人生の中でも重要な経験がプロNβだと思っています。

松本さん

真剣に取り組めば色んな学びが得られる場だと思っています。逃げようと思えば逃げられる環境の中で、積極的に授業に参加してここを伸ばそうという姿勢があれば、かなり成長できるいい授業だと思います。ハードルこそ高いんですけど、それを超えた時にかなり大きな学びが返ってくる場だと思っています。

山田さん

本当に色んな経験ができるから、ハードルは本当に高いけど、それを超えた時に本当に自分がやりたいこととか、自分の伸ばしたいスキルが、普通にやるより倍以上伸ばせる場所だと思うので、チャレンジすべきだと思います。

呉坪さん

プロNβは色んなスキルが学べる場で、プロNαはスキルを身につけようという場だと思うんです。プロNβはスキルの種がいっぱいあって、それを自分で探して自分で育てる場なのかなと思います。

まとめ

みなさんはこの記事からどんなことを感じましたか?プロNを受けたことがない方はプロNがどんな授業なのか、プロNを受けたことがある生徒はプロNの強みや受けることの大切さがわかってもらえたら幸いです。今回、インタビューさせていただいて、村上さんと松本さんの仲の良さやコミュニケーションの大切さ、プロNの強みが伝わってきました。私はオンライン通学コース生で、プロNを受講しています。4学期のプロNは今まで以上に真剣に取り組もう、そう思わせられるインタビューでした。ぜひこの記事から、コミュニケーションの大切さを実感していただきたいと思います。プロNの受講などを考えてみてはいかがでしょうか?

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次