【イベントレポート】高校生が制作したメタバース学園ドラマを観たら細田守監督に取材できた日

取材・文・写真=江畑終太郎(N高6期生・ネットコース)
取材同行=いよ(N高7期生・ネットコース)

この方は、まさか……?

ほ、細田守監督だ!!!!!!
今回は昨年9月21日に行われた、Meta×角川ドワンゴ学園共催のメタバース学園ドラマ制作プロジェクト生徒作品上映会の様子をお届けします!
どんなイベント?

メタバース学園ドラマ制作プロジェクトとは、2023年6月〜9月にかけて、N/S高の生徒が様々なプロクリエイターにフィードバックを受けながら、VR(またはメタバース)が実装された学園生活を想像して、メタバースプラットフォーム上で短編映画制作に挑戦した企画です。
脚本・演出や撮影、VRワールドなど、その全てが生徒自身の手で制作されます。
そして、そのプロクリエイターというのが——

といった、そうそうたる顔ぶれ! 協力企業にはスタジオ地図・Cluster・MIMIGURIなど、聞き馴染みのある名前が一堂に集結しています。
本イベントは、そのプロジェクトで完成した作品の上映会です! 生徒たちの努力の成果、ぜひ最後までご覧ください。
——イベント約1時間前

新幹線と山手線を乗り継いで約3時間。イベント会場がある秋葉原駅に到着。

サブカルチャーの聖地であるアキバで、また新しい文化が生まれると思うと嬉しくなりますね。


取材班は打ち合わせのために、ドリンクバーオールスターの写真が貼られたサイゼリヤに集合。



ぐァつぐァつ、アキバのサイゼって“本物感”あっていいよね





なんか良くないこと言ってません?



そういえば、いよさんって細田監督の映画観たことある?



いくつかはありますよ





挨拶するときに『よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!』って言ったらウケるかな





つまらなすぎるので帰ってください


こうして有意義なミーティングを終えた我々は、イベント会場へ足を運びました。
会場の様子


大人多!!!!!!
入場してまず思ったのがこれでした。ITの香りがする大人の数が、このプロジェクトの大きさを物語っています……。


参加者には、学校法人ドワンゴ学園の理事長を務める山中伸一さんや


Metaの日本法人であるFacebook Japanの代表取締役を務める味澤将宏さんなど、ものすごい肩書きを持った方々が勢揃いしていました。


そしてもちろん、特別講師であるプロクリエイターの山田由梨さんと細田守監督の姿も!


こうして生徒や関係者が集まり、準備は整いました……。ここからは生徒たちが制作した作品の上映会が始まります!!!
上映会スタート
No.1 Virtual Vision『ひらけゴマ!』


幼い頃から魔法使いに憧れてきた主人公が、不思議な校長と出会い、メタバースだからこそできることを経験していく中で、自分の『夢』を見つける物語です。
見ているだけでワクワクし、実際にメタバースの世界に入ってみたいと思えるような作品になっております。主人公が見つけた夢とは一体何なのか、不思議な校長とは一体何者なのか。
広大な世界とオリジナル音源と共にお楽しみください。








〜講評コメント〜



観ていて本当にワクワクしました! メタバースの無限に広がる空間を生かしたカメラワークが工夫されてますね。この作品自体が魔法のように感じます……!



肯定的に世界を描くというのはプロの世界でも難しいことだけど、それを最後までやりきったことがすごい。あと、主人公の役者さんが……うまいね! 全体をすごく観やすくしてくれている。とっても良かったです



本来12分の作品を泣く泣くカットして5分にまとめたそうだニャン!
No.2 RINK2tudio『ラナンキュラス』


今まで自分を愛することができなかった2人の高校生が、「自分を愛せるように」と一歩踏み出した”あの日”を切り取った物語です。
誰もが迎える思春期特有の”自分”と”心”のすれ違いや、SNSの恐ろしさをテーマに、アートコンテストへ向けて頑張る美術部の2人の成長を制作しました。
アートチックな世界観へと、ピアノの音と共に深く、深く沈んでいきましょう。








〜講評コメント〜



メタバース上のドラマとアニメの違いは、目に見えているキャラの裏にいる人を想像させるところだと思うんです。現実を忘れられる時間でもあるのだけど、現実をより直視させられる時間でもある。そこがすごく表現されてて、VRならではの面白さがありました!



本当に日々こういうことを思いながら過ごしているんだってことが、一種のリアリズムとして伝わってくるのが素晴らしいと思いました。しかもそれを、みんなにも伝わるような形で表現している。根本的な実感に嘘をつかずに作品をつくったことがいいですね



色合いを使って細かいところまで演出したみたいだぜ!
No.3 VFmovieエンターテイメント『おじさんと春』


私たちVFmovieは「今を楽しまなきゃ損」をコンセプトに『おじさんと春』という作品を制作しました。突然VR空間で出会った不思議な少年に振り回される達也。
一緒に遊ぶ中で過去のワクワク感を思い出す達也に待っている真実とは?
楽しげな雰囲気のワールドとシナリオに加わる、ノスタルジーと主人公の変化を…ぜひ今、お楽しみくださいませ。








〜講評コメント〜



発想が斬新! ちょっと怖さも感じつつ、考えさせられる作品だと思うんですよね。自由でなんでもできる中で、こんなこともできるかも……でもそれってヒューマン? みたいなとこまで考えてしまって、すごくいい作品だなと思いました……!



おじさんの声がめちゃくちゃリアリティあるなと思って、その“ズレ”が良いんだよね。アニメっぽいキャラに声がズレないと、この設定の面白さが活かせないわけだから。その最初のつかみをうまくやってるところと、少年との対比がすごく良かった



おじさん役は、本当に現役のおじさんにお願いしたそうじゃぞ!
最後には特別講師であるバーチャル建築家の番匠カンナさんからのビデオメッセージが!





全制作チームのみなさん本当にお疲れ様でした。まったく甲乙つけられない作品になったと思っています。視聴者として笑ったり、ワクワクしたり、涙腺が緩んだり、とても心動かされました。高校生でこれをつくったというのは、世界的に見ても最前線だと思います。ここで得た経験から、何かを創作するということにそれぞれ向き合ってくれると嬉しいです
インタビュー
上映会が無事終了して、ここからは質疑応答のコーナーへ。


大手メディアが次々と取材をしていく中、なんとN/S高新聞を代表して細田守監督にインタビューできることに!
質問できるのはわずか1問……どうなる???





先ほど、“高校生の実感”というものが良い作品につながるというお話をされてたと思うんですけど、細田さんが高校生のときにメタバースがあれば、どんなものをつくっていたと思いますか?





驚くのは皆さん僕が高校生のときよりよっぽど、あらゆる面で能力が高い。僕だったら途中で投げ出してたかもしれないなぁ。僕は学生時代にひとりでペーパーアニメをつくってたけど、その難易度に比べて、今回の皆さんの方がよっぽど高いから僕なんかとても追いつけないかもしれない





技術と機会を与えることができる社会の変化もあると思うんですよね。こういったアドバンテージを活かしてほしいし、活かすヤツがいるだろうってのが、ありありとわかります。N/S高にすごい才能が顕在化してあるわけなんで、世界に紹介されていくと良いなと思いますね



場所によらずに世界に向けて発信できるっていうのが昔と違いますね
おわりに


生徒たちのこだわりが詰まった作品を楽しんでいただけましたか? どれも強い個性とこだわりを持ち合わせていて、とても完成度の高いエンターテイメントでしたね!
これからはメタバースを使った表現方法が、映画や演劇のようにポピュラーになっていく可能性を感じます。




カタカタカタカタ……





メタバースのイベント記事、早く完成させないと……!







記事の締切まで残り……1分⁉︎
テレレレ テ〜レ〜 テレレレレレ〜 テレレン テ〜レ〜 テレレレ〜ン♪
The summer Wars/『サマーウォーズ』より





はぁ……! ひぃ……!


カタカタカタカタカタカタカタカタ……




よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!


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