【それ、本当に流行語ですか?】新語・流行語大賞 現役中高生が予想してみた。

この言葉たち、本当に流行ったのか?
新語・流行語大賞にノミネートされた言葉を見て毎年、こう思う。
例えば去年は、ドラマ「不適切にもほどがある!」の略称「ふてほど」が流行語大賞だったが、流行の真っ只中に身を置いているはずの中学生(私)は「ふてほど」という言葉なんて聞いたことがなかった。もちろんドラマの存在は知っていたが、「ふてほど」なんて略し方をしている人は周りにいなかった。
(以下、「新語・流行語大賞とは」の公式サイトからの引用)
この賞は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。
「現代用語の基礎知識」選 T&D保険グループ 新語・流行語大賞 ”https://www.jiyu.co.jp/singo/”
つまり、これはいわゆる若者界隈でなく、あらゆる世代が口にし、目にし、耳にした言葉だということだろう。この基準でいくと、「ふてほど」は、少なくとも「目」をにぎわせたとしても、「口」と「耳」はどうだろうか……。
大人(多くは、社会人になってから電子機器やスマートフォンに触れ始めた中年の人たち)が選ぶ「流行り」は、中高生から見たらどうなのか?
せっかく「大賞」というのだから、私たちZ・α世代が、忌憚のない意見を大人にぶつけてみようではないか。
N高グループ・N中等部に所属する全生徒に向けてアンケートを実施し、それぞれ年間大賞予想とトップテン予想を行った。さらに、「これがノミネートされて欲しかった」という言葉も集めた。
一応、この記事では新語・流行語大賞に関する中高生の率直な意見だけではなく、きちんと「予想」として順位もつけている。
12月1日に新語・流行語の年間大賞とトップテンが発表される。SNSやメディアを積極的に見る若者の価値観と、「審査員」として選ばれた著名な方々の価値観の相違もわかるだろう。
【参考:第42回2025年新語・流行語大賞 ノミネート語】
- No.01エッホエッホ
- No.02オールドメディア
- No.03おてつたび
- No.04オンカジ
- No.05企業風土
- No.06教皇選挙
- No.07緊急銃猟/クマ被害
- No.08国宝(観た)
- No.09古古古米
- No.107月5日
- No.11戦後80年/昭和100年
- No.12卒業証書19・2秒
- No.13チャッピー
- No.14チョコミントよりもあ・な・た
- No.15トランプ関税
- No.16長袖をください
- No.17二季
- No.18ぬい活
- No.19働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相
- No.20ビジュイイじゃん
- No.21ひょうろく
- No.22物価高
- No.23フリーランス保護法
- No.24平成女児
- No.25ほいたらね
- No.26麻辣湯
- No.27ミャクミャク
- No.28薬膳
- No.29ラブブ
- No.30リカバリーウェア
参考サイト:2025年新語・流行語大賞候補30語をざくっと100文字で・「現代用語の基礎知識」選 T&D保険グループ 新語・流行語大賞
※以下記事執筆にあたり、言葉の説明など上記2つのサイトを参考に執筆している。
新語・流行語 年間大賞予想
以下、N高グループ(N高/S高/R高)・N中生にとったアンケートの結果を記載する。

年間大賞の予想が一番多かったのは「ミャクミャク」。
N高グループでも万博を訪れるイベントが開催されたり、生徒の中でも何度も訪れた人がいたりした。万博自体の開催期間が半年間と長く、常に話題に上がり続けていたことが大きな原因なのかもしれない。InstagramやYouTubeshortなどでもミャクミャクをモチーフにしたスイーツやアクセサリーなどを見かけた、という声も多かった。
映画もネットミームも! 新語・流行語大賞 トップテン予想

ミャクミャクの次にトップテン入り予想が多かったのは「エッホエッホ」。
写真家ハニー・ヘーレが撮影したメンフクロウのヒナが草むらを懸命に走る写真が話題になり、その画像に「エッホエッホ」という擬音を加えた姿がネット上で拡散された。N高グループSlackワークスペースの絵文字(※)にも、エッホエッホが追加され、学内でもそれを真似した投稿が流行ったように感じる。
主に「エッホエッホ 〜は〜だって伝えなきゃ」などの文言と画像がセットで拡散された。
3番目「チョコミントよりもあ・な・た」は、アニメ「ラブライブ!(※)」のラジオ番組で誕生した期間限定声優ユニット「AiScReam(アイスクリーム)」のデビュー曲「愛♡スクリ〜ム!」が元ネタ。曲中に登場する掛け合いパート(ルビィちゃん! 何が好き? チョコミントよりも あ・な・た)がTikTok内で使用され、主に若者世代で大流行した。
「国宝(観た)」は、22年ぶりに記録を塗り替え、実写邦画の興行収入ランキング1位となった映画「国宝(※)」の流行を表すもの。題材が「歌舞伎」という、若者にはあまり馴染みのないテーマだったが、主演を吉沢亮、横浜流星と、若者世代を中心に人気の俳優がつとめたこともあってか、世代を問わずに大ヒットした。N高グループ新聞でも歌舞伎を題材にした記事が出ており、異例の拡散がされている(※)。
ちなみに、ノミネートされているのに「これは流行語ではない!」と思われている単語もいくつかあった。
「フリーランス保護法」は一つも票が入らず、「企業風土」「薬膳」「リカバリーウェア」は僅か2%の人しか選んでいなかった。そもそも年代的にあまり必要としない、馴染みのない言葉たちだったのかもしれない。
【トップテン予想の生徒の理由】
- ミャクミャクは万博でグッズなどがよく見られた。国宝は記事も出たし、映画もとても流行っていた
- リアルでもSNSでも広く使われているのを見た
- SNS(TikTokやTwitter)で話題になっていた
- 「ラブライブ!」のアニメを知らない層にも知られているな〜という印象です!! 街中のJKが言っててびっくりました笑
- 熊被害についてSNSで呟く人が多かった
- 「ビジュイイじゃん」は親戚の子供や妹、店の中で知らない人でも歌っている人が多かった
- 「国宝」はインスタに「観た」と載せている友人が多かった
これも流行りました!! 新語・流行語大賞に入れて欲しかった言葉10選
今回ノミネートされていないものの、「これも流行ったんじゃない?」とN高グループ・N中生が感じる言葉をリストアップ。確かに、TikTokやXなどのSNSで日々生まれ続けるネットミームの中では、かなり拡散されているものが多い。

特に多かったのは「肘打ち界隈」「〇〇すぎて今これ」「今これ界隈」といった、SNSから生まれた言葉。
インフルエンサーがその日の「萎える」エピソードを言ったあと、画面に向かって肘打ちし、映像が終了するというものだ。
さらに、9月19日に公開された映画「チェンソーマン レゼ篇」に関する言葉も多かった。公開されてから3ヶ月でノミネートには至らなかったのかもしれないが、その影響力は「流行語」として十分なのではないか。
主題歌のミュージックビデオ「IRIS OUT」はSpotify Japanデイリーチャートで歴代最多再生数を樹立し、オリコン週間ストリーミングランキングで9週連続1位を達成するなど、爆発的な人気を誇っている。さらにSNSでは、ヒロインであるレゼのコスプレ、イラストが拡散されるなど、流行りは収まらない。
終わりに
新語・流行語大賞の中高生による予想は、あなたの価値観と一致しただろうか? ちなみに、筆者は流行りにとてつもなく疎く、この記事を書くためのリサーチでこの一年の流行りに追いついた(気分になっている)。
やはり、若者世代を中心に流行したものだけではなく、社会全体で俯瞰して考えた時に「軽妙に表現」しているものがノミネートされ、トップテンや年間大賞に選ばれるのだろう。その趣旨は理解できるが、ぜひ若者世代が聞いても「なんだその単語?」と疑問に思わないような単語を選んで欲しいものだ。
記事を書く中で一つわかったことは、中高生の情報源がSNS中心であり、新聞やテレビからの情報はほとんど含まれていなかったことだ。流行に敏感な個人の発信が爆発的に拡散され、それが全世界に影響を及ぼしていく。
しかし、それでも、新聞やテレビなどの「オールドメディア」から新語・流行語大賞に選ばれる言葉は多い。それは、SNSで多くの情報を入手する若者世代だけではなく、全世代に「流行った」と認識される必要があるからだろう。どんなにキャッチーな言葉が若者世代で流行ったとしても、それがSNSから出て、テレビや新聞からしか情報を取らない世代に認識されないと、流行りとは言われない。
テレビの素晴らしさや新聞の情報の信憑性、価値などはあり続けるだろうが、SNSからの情報がベースに成り立っている学生生活を送っている中高生は圧倒的に多い。
どの情報に触れ、どのような視点を持つのか。選定者によって、新語・流行語大賞は180度変わりうるだろう。
新語・流行語大賞、若者の意見を積極的に取り入れてみてはいかがですか?


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