N/S高囲碁棋士祝賀会!〜プロを生んだN/S高の環境に迫る〜

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取材・文=Lyra(りら)(S高一期生・ネットコース)・もも(S高三期生・通学コース)

みなさんは、N/S高にプロの囲碁棋士が在学していることをご存知ですか?

社会のあらゆるところで活躍しているN/S高生ですが、その活躍は囲碁界でも目覚ましいものなんです!

今回は、N/S高出身、および在学中の囲碁棋士の活躍を祝賀する「囲碁タイトル獲得&プロ合格祝賀会」の様子と、N/S高出身のプロ棋士である上野女流二冠、関天元へのインタビューをお届けします!

囲碁界で目覚ましい活躍を残すN/S高生の勇姿を通して、N/S高にある無限の可能性が感じられるような記事になっています。ぜひ最後までご覧ください!

目次

囲碁棋士祝賀会って?

「囲碁タイトル獲得&プロ合格祝賀会」とは、N高卒業生のプロ囲碁棋士、関航太郎(せきこうたろう)天元、上野愛咲美(うえのあさみ)女流二冠のご活躍や、在校生のプロ合格、囲碁部員の全国大会入賞などを記念して開かれた祝賀会で、品川プリンスホテルにて行われました。

会場の品川プリンスホテル。立派な会場にとてもワクワクしました!
川上量生理事があいさつされる様子。「N/S高生及び卒業生の多岐に渡る活躍を祝う会をまた開催できて嬉しい」と話されていました。

記念対局

祝賀会では、関天元、上野女流二冠と在校生4名がチームを組んで、記念対局が行われました。

対局は、関天元のチームと上野女流二冠のチームの対抗で行われました。
関航太郎天元。チームメイトの宇津さん、なこなしさんと囲碁について真剣に話す様子も見られました。
上野愛咲美女流二冠がチームメイトと話す様子。終始笑顔で対局にのぞまれていました。
対局を終え、健闘を讃える拍手を送る上野女流二冠チーム。

花束贈呈

記念対局の後は、関天元と上野女流二冠のご活躍や、在校生の活躍を記念して、花束が贈呈されました。

花束を受け取る関天元と上野女流二冠。これからのタイトル戦や大会に向けての意気込みを話されていました。
2022年度にプロ棋士へ合格された在校生の河原さん。「関天元、上野女流二冠のように強くなって、在学中にも結果を残せるよう努力していきたいと思います」とコメント。

パーティーを終えて

この囲碁棋士祝賀会は、囲碁界で活躍されている皆さんの対局を目の当たりにできた、とても貴重な機会で、参加した生徒は多くのことを感じていました。

囲碁部部長・いたさん(N高3年)

関天元、上野女流二冠の姿を見て、何かに特化して活躍されている方っていうのはすごくかっこいいなと思いましたし、見習いたいなという風に思いました。

また、僕は部長として囲碁を通じた交流を大切に活動しています。今日のことを受けて、今後もより一層、囲碁を通じた交流を大切にしたいと思いました。囲碁部部長として、囲碁部の運営を頑張っていきたいと思います。

囲碁部運営・チヌさん(S高2年)

関天元、上野女流二冠の意気込みに迫力を感じました。後ろを振り返ることなく、次のタイトル戦や大会に向けて精進しようとする姿はとてもかっこよかったです。

囲碁部副部長・かわらたにさん(S高2年)

関天元、上野女流二冠と囲碁を打てたことが何よりも嬉しかったです。二人はとても優しい方で、一緒に囲碁を打っていてすごく楽しかったです。また、10月7日(取材時から1ヶ月後)に初めて囲碁の大会に出るので、今日の機会を受けて囲碁の勉強をより一層頑張っていきたいなと思いました。今日の機会は、僕にとって勇気をもらえる機会でした。

この囲碁棋士祝賀会は、囲碁が好きなN/S高生はもちろんのこと、「好きなことを精一杯頑張りたい!」と思っているN/S高生にとって、勇をもらえる機会になったのではないでしょうか。取材をした私たちも、とても勇気をもらえました。

プロの囲碁棋士から見る、N/S高の良いところ

パーティー終了後、関天元と上野女流二冠にインタビューをさせていただけることに!

N/S高在学中からプロの囲碁棋士として活躍されていたお二人ですが、その活躍の背景にはN/S高ならではの環境があるそうです。

話をしてくれた人

関 航太郎(せき こうたろう)天元

N高等学校卒業生。15歳でプロ入りし、18歳で新人王戦優勝。2021年には、史上最年少(20歳0か月)で天元位を獲得し、その翌年には天元のタイトルを初防衛。2023年には第70回NHK杯にも優勝するなど、様々な功績を持つ。

上野 愛咲美(うえの あさみ)女流二冠

N高等学校卒業生。14歳でプロ入りし、史上最年少(16歳3ヶ月)で女流棋聖を獲得。女流5タイトル(女流本因坊、女流名人、女流立葵杯、女流棋聖、扇興杯)すべてを1期以上獲得し、「グランドスラム」を達成した。

囲碁棋士の仕事と勉強の両立

Lyra(りら)

在学中は棋士としてどのように活動をしていましたか?

上野女流二冠

棋士としては木曜か月曜に対局がありました。

全日制の学校だと授業か対局を選ばないといけないですが、N/S高では授業を受ける時間を自分の生活スタイルに合わせて選べるので、棋士の活動に多く時間を割くことができました。在学中は対局の後によくレポートをやっていて、対局に負けた後だとそれが気分転換にもなりましたね。

関天元

特に彼女は対局以外でも毎日囲碁の勉強会に行ってたので、全日制の学校で授業を受けることはしんどかったんじゃないかな。

上野女流二冠

N/S高に行くことで囲碁の時間を増やせたのは、棋士としてすごくよかった。

インタビューに笑顔で答える関天元と上野女流二冠。
Lyra(りら)

先ほど対局の後に勉強しているという話が上野先生からありましたが、N/S高在学中は、どのようなスケジュールで勉強や活動をされていましたか?

上野女流二冠

勉強は、やはり対局の後が多かったです。
その他にも、朝起きて朝ごはんを食べた後すぐレポートやってたりしましたね。特に数学は頭を使うので、朝によくやっていました。

関天元

僕は囲碁の勉強に行き詰まってしまった時にやってましたね。普段の囲碁の勉強の合間でレポートをやっていました。

Lyra(りら)

おふたりは、N/S高の大きな利点である「好きな時に勉強できる」ところを存分に活用してらっしゃいますね。

質問の答えを真剣に考える上野女流二冠と見守る関天元。
Lyra(りら)

N/S高に在学していて良かったなと思うことはありますか?

関天元

中学3年生の時にプロ試験に合格したのですが、当時僕は中学校が結構好きで、学校へあまり行かずに囲碁に専念してる人も多くいる中で僕は頻繁に通っていました。
ただ、タイトルを取ったり大会で優勝したりするのは、普通に学校に通っていると難しくなってきます。競争が激しいので。
もしN/S高に在学せずに全日制の高校に通っていたら、学校が好きだからと通っていたでしょうし、タイトルを取ったり大会で優勝したりするのは難しかったのかなと思います。

関天元

N/S高を卒業してすぐ、新人王戦という大会で優勝できたのも、N/S高の学習スタイルがすごく自分に合っていたおかげですね。

上野女流二冠

授業を受ける時間を自分の生活スタイルに合わせて選べるところに加えて、授業が面白いところがN/S高に入ってよかったなと思うところです。
スクーリングでの科学の授業で、アニメに出てくるキャラクターの真似をして授業をされている先生がいて、すごく引き込まれましたね。他にも音楽もつけてくれました。
私にとって科学はちょっと難しくて、ハードルが高かったんですけど、面白い授業をしてくださる先生がいたから興味を持てたし、そういう先生が全員って言っていいほどみんな面白くて。N/S高に入ってよかったなと思うポイントですね。

N/S高に入ってよかったことを笑顔で話す上野女流二冠。

棋士としての心構えとメッセージ

もも

囲碁棋士になろうと思ったきっかけはなんですか?

上野女流二冠

ライバルに負けたくないからですね。
5歳くらいの時からずっと、関くんとよく囲碁の勉強をしてて。囲碁の勉強を頑張って強くなっていく関くんや他のみんなに負けたくないと思って、プロを目指しはじめました。

関天元

直感で、囲碁が自分に向いてる気がしたからですかね。

もも

すごい自信!
プロになるためには揺るがない自信も大切なんですかね。

関天元

囲碁に限らず、自信はすごく大切だと思います。

お互いがプロを目指す理由に「そうだったんだ!」と新たな発見をされていた様子でもありました。
もも

プロ棋士になるまでに苦労したことと、それを乗り越えてきた方法について教えていただきたいです。

関天元

プロになること自体に苦労しました。
中学生の時に受けたプロ試験は何回も落ちたし、年齢が重なってくると進路のことも同時に考えないといけなくもなるし。
相当時間の使い方が上手くないと学校とプロ試験の両立は難しいので、それに苦労しましたね。

上野女流二冠

私もプロ試験には何回も落ちました。次点だったことも結構ありましたね。
そういう時は、師匠にアドバイスやケアをしてもらったり、妹に励ましてもらったりしていました。

関天元

あとは、苦労を乗り越えるためには地道な努力が一番大切だと思いますね。

苦労を乗り越える方法について真剣に話す関天元。
もも

確かにおっしゃる通りだと思うのですが、努力することはかなり大変なことだと感じます。
目指していることがあっても、その道中で大きな壁にぶつかってしまう時がある。目指しているという理由で、その大きな壁を乗り越えられる場合もあると思いますが、そうではない場合の心持ちをぜひお伺いしたいです。

関天元

僕の場合は「囲碁が強い自分が好き」なので、その気持ちを原動力にしています。
対局に負けると、悲しさや悔しさを通り越して、何もする気が起きなくなるんですよね。そういう時の自分はなかなか好きになれない。
その自分よりも、囲碁に勝てる強い自分が好きだから頑張ってますね。

上野女流二冠

自分の体調を整えるためのルーティーンも大事かなと思います。夜はリラックスするためにアロマを焚いてみるとか。
あとは他の人と競うこと。私の場合は、ライバルに負けたくない気持ちをバネにして囲碁の勉強をしてます。

関天元と上野女流二冠は私たちの質問に真剣に向き合ってくださいました。
もも

N/S高の後輩に向けてお二人からメッセージをお願いします。

関天元

今は、生き方が多様化してきている時代で、いろんな仕事があると思います。
そのような中で大事なのは、自分の仕事にプライドを持って、日々頑張ることだと思うので「どういう仕事をするか」ということよりも、プライドを持てる、自分の好きなことを見つけてそれを頑張ることが大事かなと思います。

上野女流二冠

私は高校時代にやっておけばよかったと思うことが多々あるので、今だからこそできることを大切にしてほしいなと思います。

関天元

例えば?

考える上野女流二冠
上野女流二冠

制服ディズニーとか(笑)。

関天元

制服ディズニーいっとけってアドバイス……薄いなあ……

Lyra(りら)

上野先生だからこそ出せる答えですね(笑)。

上野女流二冠

あとは、好きなことを見つけることがすごく大事だと思うので、とにかくいろいろなことに挑戦してみてほしいです。

笑顔の関天元と上野女流二冠。終始和やかな雰囲気で質問に答えてくださいました。

関天元と上野女流二冠は、N/S高の最大の特徴である「授業を受ける時間を自分の生活スタイルに合わせて選べて、自分のやりたいことや好きなことに集中できる」環境を大いに活用し、ご自身のプロ囲碁棋士としての活動に励んでおられました。

今回のお話は、本当に好きなことがある生徒にとって、勇気をもらえるお話だったのではないでしょうか。

校長先生に聞く!プロの囲碁棋士を生み出せるN/S高の環境とその強み

関天元と上野女流二冠へのインタビューの後、N高の奥平校長先生とS高の吉井校長先生にもインタビューをさせていただけることに!

お二人には「プロの囲碁棋士を生み出せるN/S高の環境とその可能性」というテーマでお話を伺いました。

Lyra(りら)

関天元や上野女流二冠のような社会で大いに活躍されている人材を多く輩出していることはN/S高の大きな特徴だと言えますが、N/S高ではなぜそのようなことが実現できるのでしょうか。

奥平校長先生

生徒がやりたいことや好きなことに無条件に挑戦できる環境であることに尽きると思っています。

僕らはそんな環境を作ること以上のことはできなくて、上野さんや関さん以外にも様々なジャンルで活躍している人がいますが、N/S高は彼らに対して専門的なスキルを教えることができないです。
どのジャンルで活躍してる人も、やりたいことや好きなことに無条件に挑戦できるN/S高の環境をベースに、様々な活躍をされているのだと思います。

吉井校長先生

環境に加えて、そうやって様々なジャンルで活躍している方が学内にいることも強みだと思います。
お互い刺激になるのはもちろん、自分もそんな風に活躍していけるチャンスがあるんだと思えて目標にできると思うので、それも大きく作用しているのかなと。

Lyra(りら)

僕自身も、N/S高新聞実行委員として活動する中で目標にしたい先輩がいて、その先輩と一緒に自分の好きなことをずっとやってきました。
そんな環境は、僕をとても成長させてくれたなと思っています。

奥平校長先生

上野さんや関さんとLyra(りら)さんは一緒だね。やりたいことや好きなことを思いっきりやっているから。
プロの囲碁棋士であろうとN/S高新聞実行委員であろうと、それぞれが好きなことややりたいことを思いっきりできていることが何よりです。

吉井校長先生

Lyra(りら)さんやももさんの取材する姿を見て、目標にする後輩だっているかもしれないですしね。

もも

気合い入れないとね。

Lyra(りら)

確かにそうですよね。精進します!


Lyra(りら)

生徒に対して、N/S高の環境をどのように活用してほしいと考えていますか?

奥平校長先生

どのように活用するかは生徒に任せたいなと思っています。
僕は「やりたいことや好きなことに無条件に挑戦できるN/S高の環境を大いに活用してほしい」ということを生徒一人一人に伝えたいです。
それは僕がこのパーティーや取材を通して伝えるだけでは足りないので、僕から職員やメンターを通じて生徒一人一人に伝え続けていきたいです。
今日の会だけで満足せず、伝え続けることを大事にしながら、伝わったか確認することもしていきたいですね。

吉井校長先生

N/S高の環境を活用して頑張っている生徒がいるということを、生徒はもちろん、職員やメンターも含めてN/S高全体に伝えていきたいですね。
頑張っている生徒がいることを知ってもらえる機会をより増やしていきたいです。
そうすることで、N/S高とその生徒を誇りに思ってくれる人が増えると良いなと思います。

奥平校長先生

N/S高の環境を活用して頑張っている生徒がいるということを伝えるのももちろん大事な一方で、それを受け取った生徒には「やりたいことや好きなことをめっちゃ頑張っている人いるけど、僕にはできないよな」と思わないでほしいです。

奥平校長先生

例えば、好きなスポーツを極めて、プロとして活躍している生徒がいたとして、「あの人はプロとして好きなこと頑張ってるけど、僕はそうじゃないな…」と思ってしまうかもしれないけど、そうではなくて「でも僕はこれができる、これが好き」と胸を張ってほしい。そこには、プロだろうがなんだろうが優劣なんてないですから。
そのように規模感に関係なく生徒一人一人が自分のやりたい気持ちや好きな気持ちを大切にできる盤石な土台がN/S高なので、生徒それぞれの気持ちを大切にしたいですよね。


今回のインタビューを受けて「やりたいことや好きなことに無条件に挑戦できる」N/S高の環境の素晴らしさと無限の可能性を改めて目の当たりにしました。

これからも、「やりたい!」「好きだ!」と思える気持ちを大切に、やりたいことや好きなことに目一杯挑戦していきたいと思います。

終わりに

「授業を受ける時間を自分の生活スタイルに合わせて選べて、自分のやりたいことや好きなことに無条件に挑戦できる」N/S高だからこそ、関天元や上野女流二冠のような囲碁界で目覚ましい活躍をされている方々が生まれ、今回の祝賀会に繋がったのだろうと感じました。みなさんはいかがだったでしょうか?

これからも、N/S高の環境を存分に活用し、自分の好きなことややりたいことに目一杯挑戦し続け「N/S高にいてよかった」と思えるようになりたいですし、好きなことややりたいことがある皆さんのことをたくさん応援できる記事を発信し続けたいです。

最後に、僕たちの質問に優しく答えてくださった関天元、上野女流二冠、奥平校長先生、吉井校長先生と、素晴らしい祝賀会に招待してくださった学園スタッフの皆さんに心からお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • N/S高の囲碁界もこんなに盛り上がっていたんですね!
    お二人のお話を聞いて、N/S高での生活環境をもっと活かして自分のやりたいことをやれるだけやってみようと思いました!

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