【I am … !】楽しんでいる自分で誰かのためになりたい 〜N高生ななこさんと音楽活動〜

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取材・文=にら(N高7期・ネットコース)
写真=ななこさん

「あれもいい。これもいい。でも少し違う……。」
自分はどこに進むべきなのか、何をしたくて、どうなりたいのかがわからない、自分の軸を見つけられないと悩む人は、10代に限らず多くいるはずだ。
私が今回インタビューをしたのは、音楽活動一本に力を注ぐN高生のななこさんだ。
インタビューでは、音楽活動に向ける熱い想いと、大きな夢に向かって行動し続ける姿勢について聞くことができた。

企画『I am … !』について
何かに熱中しているN/S高生から、リアルな経験を聞くインタビュー企画。
肩書きでは表せないその人自身の姿から、一歩を踏み出すためのアドバイスも受け取れるはず。

目次

プロフィール

ななこさん N高7期生・ネットコース
佐賀県在住 東京で組んでいるバンドグループのドラムとして活動中

ななこさんが音楽と出会ったきっかけ

佐賀県に住む高校2年生、ななこさん。
ななこさんは現在、東京のメンバーと組んだバンドのドラマーとしてドラムを叩きつつ、作曲活動にも取り組んでいる。

ななこさん

とりあえず作曲のために他の楽器もできるようになりたくて。
だからドラムに限らずギターとかベースとかも練習しています。

バンドのメンバーとセッションをした際の写真

ななこさんがドラムと出会ったのは、中学校で入部した吹奏楽部だったそうだ。

ななこさん

中学校から吹奏楽部に入って、初めに全ての管楽器を吹かされたんですけど、私は一個も吹けなくて。
それで先生に「君、向いていないね。」って言われて打楽器担当にされてしまったんです。
でもそこで出会った打楽器のドラムが一番楽しくて、そこからドラムをずっとやっていこうと思ったんです。

ななこさん

ドラムと出会ったのは、本当に成り行きで、打楽器を勧めてくれた先生には感謝しています。

自然な流れで出会ったななこさんとドラム。
その楽しさを初めて感じた瞬間は、文化祭の吹奏楽部の演奏だったという。

ななこさん

一番最初に「ドラムって楽しいな」って思ったのは吹奏楽ですね。
中学校の文化祭で「夜に駆ける」を、吹奏楽部全員で演奏したんですよね。その時はもう本当に楽しくて。

ななこさん

吹奏楽ってだいたいクラシックとか芸術的な音楽ばかり演奏するんですよ。だからノリのいいJ-popを管楽器のみんなと一緒に演奏したことが本当に楽しくて……。

目をキラキラと輝かせて話すななこさん。ただ壁にぶつかることも多いという。

ななこさん

私はもう、ずーっと壁にぶち当たり続けていて、それを乗り越えながら成長し続けている感じですね。
だからぶち当たってきた壁が、数えきれないほどにあって。

ドラムの手のリズムと足のリズムが合わない、速いスピードの箇所が叩けないといった壁から、バンドメンバーと合わせたときにできない、合わないといった壁まで種類は様々。
ななこさんは日々、どうすれば改善できるのかを考え、努力し続けるそうだ。

楽譜の写真。
書き込みの量から、ななこさんのドラムに対する熱量が感じ取れる。

何度も壁にぶつかり続けることは、私たちが想像する以上に過酷なことだと思う。
きっと、ななこさんの「ドラムが好き」という熱意が、壁を乗り越え成長し続けるための原動力となっているのだろう。

ななこさん

今はもちろん、ドラムの練習で上手く叩けないフレーズもあるんですが、正直活動そのものをどうしていこうかという思いもあって。
作曲活動も今からしていこうと思っているけれど、上手く進まないとか……。

ななこさん

活動場所もないし、模索する日々です。

誰かにとっての一つのロールモデルになりたい

ななこさんが作曲を始めるようになったのは今年に入ってから。
作曲のきっかけは中学生の頃のななこさんの体験にあったそうだ。

ななこさん

中学校の時、すごく中学校が好きじゃなくて。
規則とか校則とかたくさんあるし、縛られることばっかりでつまらない毎日が続いているような感じがして、最終的にあんまり登校しなくなったんですよね。

中学校は高校に比べて制限が多く、息苦しさを感じる人や、そこに適応できないことで居心地の悪さを感じる人もいると思う。そして制限された空間の中だけで生活していると、他の人と同じように過ごすことこそが正しいとも感じてしまうだろう。

吹奏楽部で叩くドラムは楽しいけれど、中学校にはいきたくない。
当時のななこさんの悔しさ、もどかしさ、苦しさは、私が軽く言葉にできるようなものではないと思う。

ななこさん

なんか、私みたいに音楽やりたいのにやれない、やりたいことがたくさんあるのにできないという人は、学生に限らずめちゃくちゃいるんだろうなって思っていて。

ななこさん

そういう人たちが一歩でも踏み出せるような曲を作ったりとか、私みたいに、N高に行って作曲活動して、やりたいことをやれたみたいな人たちの人生の経験を、音楽の力を通して一番伝えたいです。

ななこさんは日常のどんな場面でも、いい歌詞が思いついたときには、すぐにメモをするという。
苦しい期間、気持ちの葛藤を乗り越えたななこさんが紡いだ言葉に、楽器の音色を加えることで、一つの曲が完成するのだ。

作曲をしている画面(DTM)

最高の演出をするために

ななこさんは佐賀県に住みながらも、東京で組んでいるバンドの活動に励んでいる。

そのため月に1~2回、東京へ行ったときにだけバンドメンバーと合わせ、それ以外の時は一人で黙々と練習し続けているという。

ななこさん

毎日、だいたいこの曲、このことをしたいということがあって、それができるようになるまで時間を決めずにひたすら練習しています。

ななこさん

家では気づいたら2時間くらい、でもスタジオに入ると普通に4時間とかやり続けちゃいますね。休憩はしつつですけど。
作曲は練習に満足したらするみたいな感じです。

バンドのグループ名はシークレットとのことだったが、通常は4人で活動しており、ライブのときにのみキーボードの方を呼び、5人で演奏をしているそうだ。
今年の5月にはライブも行ったという。

ななこさん

ライブはライブハウスとかを借りて、お客さんも来るような感じでやっています。

ななこさん

ですがその内部では照明をどこでどんな感じに光らせたり暗くするか、曲順はどうするかなど、そいういうことをたくさん考えて、最高の演出ができるようにしてからやっています。

これらのことは、バンドリーダーを中心にメンバー全員で考え、ライブ当日を迎えるそうだ。

また演奏する曲についてはこう話してくれた。

ななこさん

今のバンドでは、「ずっと真夜中でいいのに。」というバンドの曲をカバーしているんですけど、ゆくゆくは完全オリジナルの曲をガンガンやっていきたいなという意向です。

ななこさん

オリジナルの曲をやるにしても、やっぱり経験は大事なので。

5月に開催したライブの写真

バンドは合わせるだけでも楽しいけれど、上達する、成長していくことに対する喜び、達成感がさらにその楽しさを倍増させてくれる、と話してくれたななこさん。

そんなななこさんの夢は、さいたまスーパーアリーナに立つことと、フジロック(※)などのフェスに出ること。

そして音楽活動に対してはこのような思いを抱いているそうだ。

ななこさん

私にとって音楽活動とは「感動を与えること」ですかね。

ななこさん

私は以前、大きな音で演奏された音楽を聴いたときに、自分のモヤモヤが解消されたことがあったんですよね。
だから人のためになる音楽をやりたいなと思っていています。

ななこさんが憧れている「ずっと真夜中でいいのに。」のライブの写真。
ななこさんもこのグループのように、たくさんの人に感動を与えたいと話してくれた。

フジロック

フジロックフェスティバル(FUJI ROCK FESTIVAL)のこと。
新潟県湯沢町苗場スキー場で7月下旬に開催される音楽フェスティバルのこと。

おわりに

ななこさんは最後に、何かを始めたいと思っているけれど、行動に移すことができないN/S高生に対してこのようなメッセージをくれた。

ななこさん

誰か大人に『何か後悔していることはありますか』と聞くと、多分数えきれないくらいの答えが返ってくると思うんですよ。
やっぱり私くらい、まだ16年くらいしか生きていない人間だと後悔ってそんなにないのかなとも思っていて。

ななこさん

だから、若いからこそわからないこともたくさんあるけれど、若いからこそできることはたくさんあると思っているので、とりあえず一歩だけ踏み出してみて欲しいです。
あの、右足出せば左足も出るので。

自分と同じN/S高生にはやりたいことをやって欲しい、と話すななこさん。

一歩踏み出す、右足を出すことさえしてしまえば、もう一歩左足を出すのは案外自然とできてしまうものらしい。

この一歩が次の一歩へ、そして自分のなりたい未来へと近づくための一歩なのだと考え、初めの一歩を踏み出す勇気を持つことが重要になるのだろう。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • とっても素敵な企画✨ななこさんの苦労や努力がドキュメンタリー風に描かれていて、私も頑張ろうと思えました!

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