完全密着 〜ハンドスピナーの天才と呼ばれた高校生〜

——天才
いつの時代にも、そう呼ばれる稀有な人物が存在する。

アルベルト・アインシュタイン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、フリードリヒ・ニーチェ、そして……

現役高校生の江畑終太郎。通称『END』である。
IQ1000オーバー。3歳のときに「フェルマーの最終定理」を完全に証明し、ねとらぼに取り上げられたことで一躍時の人に。

なによりも特筆すべき点は『ハンドスピナー』を回して、精神を集中させる独自の思考法である。これにより、通常では考えられないような領域へ到達できるのだという。
今日はそんな彼の1日に密着し、天才たる所以を紐解いていく。
AM 5:00
天才の朝は早い。
気だるそうに起床したEND。すると、いきなりハンドスピナーを回し始めた。

哲学的な回答をするEND。これは取材班に対する問いかけなのか、あるいは挑発なのか。ただ弄ばれているだけなのかもしれない。

正直、言ってる意味は全くわからなかったが、なにかいい感じの例え話をしたのだろう。

その後、ENDは7時間もの間ハンドスピナーを回し続けた。いや、回され続けたと言ったほうがいいだろうか。
AM 12:00
天才は食事の方法も斬新だ。
昼時、戸棚からおもむろにレトルトカレーを取り出したEND。

通常なら湯煎をして温めるのだが、ENDは違った。なんとパウチに直接ストローを突き刺したのだ。そして、そのまま当たり前のようにカレーを吸い始めた。

偶然にも情熱大陸に出演した落合陽一氏と全く同じことを語るEND。やはり、天才には共通する感覚があるということだろうか。
PM 20:00
独特な食事を終えてからも、ハンドスピナーを回し続けていたEND。

しかし、ここから事態は急変し始める。

突然立ち上がったEND。顔色は悪く、なにかをぶつぶつと呟いている。どうやら尋常ではない様子だ。






部屋の外に飛び出したENDは、その後も戻ることなく、現在も行方不明となっている。彼が気づいたハンドスピナーの真実とはなんだったのだろうか。謎は深まるばかりだ。
回り出したハンドスピナーは、もう、止まらない。


「はぁはぁ、なんだ……今のは……」
「ま、まさか……」

「あれが、別の人生⁉️」

「そんな……俺はどの人生でも、ハンドスピナーを再び流行らすことができないのか?」
「くそ……もう、ここまでなのか……?」



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