N/S高新聞のスタッフにインタビュー!【後編】〜1年半の成長とこれから〜

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取材=きほちゃ(N高7期・通学コース)、たみふぁ(N高7期・通学コース)
文=児嶋るこ(N高6期・ネットコース)

普段お世話になっているN/S高新聞のスタッフ3人にインタビューしました。前編では、N/S高新聞立ち上げのときのスタッフの心情や、生徒主体で動くコミュニティーに成長していった要因などについてお話を聞きました。この記事は後編です。

前編はこちら

*記事の中に、1期生・2期生・3期生という言葉が出てきます。1期生は実行委員が始まった時に入った生徒のことで、2期生は2022年6月に、3期生は2023年1月に加入した生徒のことを指します。

目次

お話を伺ったスタッフ

とのさん
N/S高新聞をメインで担当してくれているスタッフさん!
早口言葉「てんやわんや」を言えないところがかわいいです。

  

薫さん
フリーランスで活動している編集者さん。
N/S高新聞では、主に企画や記事執筆・校正のサポートをしてくださっています!

   

よしさん
N/S高新聞のTA(※)さん。(2023年3月で卒業。)
東大新聞の元編集長です!

※TA N/S高新聞実行委員会の運営や生徒の活動をサポートしてくれるスタッフのこと。

”高校生の学び合いの力、舐めんなよ!”

生徒

1期生が活動しているところに、2期生、3期生と加入していくことによって起こったN/S高新聞の変化ってありますか?

とのさん

めっちゃあるな〜!

薫さん

私、実は、2期生を募集することに最初は反対だったんです。まだ1回しかサイクルを回してないのに、もう2期生を入れるなんて早すぎる!1期生をないがしろにしてるんじゃないか!って思っていたんです。だけど入ってみたら、私が想像していたよりも化学反応があって。2期生が入ったことによって結果的に1期生がガッと成長したんです。2期生が自由な企画を出してくることによって新聞委員全体の活動の幅も広がって。この世代の学び合いの力舐めんなよって言われてるような気持ちになりました。見方がガラッと変わりましたね。

よしさん

これは褒め言葉なんですけど、結構びっくりしたのが、新たに入ってきた2期生が、前からここにいた感じに振る舞ってくれるところで。他のコミュニティーとかで付き合いがある人もいるだろうけど、2期生ってことをいい意味で感じさせない振る舞いが、N/S高生特有なのか、それともN/S高新聞に来てくれた人たちに積極的な人が多いのか分からないけど。

とのさん

2期生もほんと頑張ってくれたなって思いますね。1期生は2期生を受け止めようっていう姿勢でいてくれて、2期生は新しい人やコトに挑戦してくれた人が多かった。TAやスタッフがタスクフォースを用意して後押しする雰囲気、さらには失敗してもいい雰囲気みたいなのを1期生も作ってくれましたね。

生徒

今3期生もどんどんタスクフォースに応募してくれる子がいて、積極的にやってくれているじゃないですか。それが本当に1期生から2期生、そして3期生に繋がっているなって感じます。

とのさん

2期生も、1期生にしてもらったことを3期生にしてくれているなとすごく思います。

生徒

3期生が入ってからまた違う感じがする、みたいなのはありますか?

とのさん

3期生はやっぱ多いね。めっちゃ記事出るやんって思って。

薫さん

週5日配信するようになったもんね。でもやっぱり3期生は過去の記事を見てくれているからか、最初から表現が上手な人、原稿の型とかをちゃんとわかって書いている人が多いなと思います。これから自分の企画で記事を書いていく時にどんなことが起こるのか、また楽しみですね。

よしさん

選考も難しかったですよね。3期生を募集する時、執筆コースの定員は40人って言いながら、全然40人も取るつもりなかったんですけど、結果的に40人入りましたからね。それだけ文章が上手かったり、熱意があったりする人たちが集まってくれたなって感じはしますよね。

生徒

これまでのN/S高新聞の歴史を踏まえて、活動開始時からN/S高新聞の成長したところ、その中で思ったことなどを教えていただきたいです。

薫さん

全部ですね(笑)。

とのさん

当初とは別物ですよね。

よしさん

あの頃は完全にスタッフが投げたものをやってもらって、返ってきたものをフィードバックして、みたいなラリーをしていく感じの活動の仕方だったので、そもそも組織として全然違いますよね。

とのさん

はじめは学校が提供するプログラムだった。今はみんなが作るコミュニティーになりました。

薫さん

いい意味でスタッフがみんなに引っ張られている感じ。

よしさん

スタッフがこれやってくださいって言って、みんながやるんじゃなくて、生徒がこれをしたい、じゃあスタッフがこれをするねっていう動き方に変わりましたよね。

とのさん

だいぶ良くなりましたよね。

N/S高新聞の好きなところと課題

生徒

N/S高新聞の好きなところをお聞きしたいです!

よしさん

全部好きだけど、そうだなぁ。前例や先輩がそうだからっていう理由で何かを諦めたりとか、逆に何かをイヤイヤやったりすることがあまりなくて。若い組織っていうのもあるけど、やりたいと思ったことをとりあえず口に出したりSlackに投げたりしてみる。そして、そういうチャレンジのマインドを「なんか言ってるよ」で片付けずに、それ僕もやりたいとか、もっと良くするためにはとか、雑談ででもどんどん膨らませていこうとする雰囲気は、なかなかあるものじゃないと思っていて。すごいなと思うし、N/S高を卒業した後もその心持ちでいてほしいですよね。

薫さん

私は3つ思い浮かんだんですけど、1つはポジティブなところですね。文章を校正されることって、人によってはちょっと否定されている気分になったりとか、受け止め方が難しいことだと思います。でもN/S高新聞の人たちは、すごくポジティブに捉えて、「そういう考え方があるんですね!だったらこうしてみます!」と、常にちゃんと自分の中で消化して前に進もうとしてくれる姿勢があって。すごくびっくりすると同時に大好きなところです。

薫さん

2つ目が、自分が雑誌編集者だった頃を思い出すと、「このネタは私のものだ!誰にも渡さないぞ!」みたいな、自分の企画や手柄、スクープを独占したいっていう思いが強くありました。だけど、この新聞実行委員の人たちは、自分がやりたいことに対して、私もやりたいって人がいたら一緒にやりだすんですよ。うまいことチームワークが働いていて、すごいなって思います。

薫さん

あともう1つ、記事を書くにあたって「自分がN/S高に入ってこれに困ったから記事にしたい」みたいに、誰かのために書きたい人がすごく多くて。自分のクリエイティビティーを発揮して書くのも素敵なことですが、誰かの役に立ちたいと思って記事を書く高校生ってなかなかいないと思うので、そういうところもすごく好きですね。

生徒

N/S高新聞って、すごくあたたかいところじゃないですか。なんでこんなにあたたかい場所なのか、どう思われますか?

薫さん

最初からそう言われてたよね。ほんわかしててあたたかい場所だって。集まる人の空気が似ているのかもね。

とのさん

よしさんが工夫したことなどはありますか。

よしさん

ここに身をおくことによって朗らかな方向に僕の人間性がシフトしていった部分は絶対あるので、むしろ僕の方が影響を与えてもらっているんですけど。

薫さん

まあ、とのさんの影響じゃない?

よしさん

そう思います。

生徒

最初にいた人たちがすごくあたたかくて、その雰囲気が継承されているのかなとも思います。

よしさん

そういう文化って引き継がれますよね。いいものも悪いものも。

生徒

逆に、N/S高新聞の課題ってなんだと思いますか?

とのさん

いっぱいあるけど、課題をみんなが見つけられてないっていうのが課題なんじゃないかな。みんなが多分潜在的に思ってたり困ってたりすることが絶対あるはずなんだけど、それがもっと注目されて変わっていく感じになったらいいんじゃないかなって思う。

これからのN/S高新聞

生徒

最後の質問ですが、これからN/S高新聞をどうしていきたいか、またどうなってほしいか展望はありますか?

薫さん

「書くことを一部の人の特権にしない」っていう園さん(※)の考え方があって。私が2期生を入れることに反対していた時に、「生徒が2万人いたら2万人全員が、好きなように書いて好きなように発信できる状態を目指したい」という話を聞いて、納得したんです。将来的には誰もが書いて誰もが出せるような委員にしていけたらいいなって思いますね。ちょっと壮大すぎるかもしれないけど。

※園さん N/S高新聞実行委員を管轄する部署の部長。N/S高新聞の発足に携わった方。以前園さんにN/S高新聞の発足についてインタビューした記事もあるのでこちらもぜひ!

とのさん

来年はそういうことをやろうかな。

よしさん

高校の組織ってどんなに長くても3年で人が入れ替わっちゃいますが、3年も4年も時代が変わればやりたいことが変わるのは当然なので。どんどん組織のあり方や、メディアの特徴が変わりながらも、その時に中にいる人がやりたいことをやれる環境をスタッフは提供し続けて、あとは生徒がやりたいようにやればいいんじゃないかなって思います。

とのさん

N/S高新聞の活動を通して、多くの人によりよく生きる力を身につけてもらうのが、私の運営の一番の目的です。それに則っていれば、多分私が想像していることよりももっと面白いことをみんながやってくれるんだろうなと思います。今いるメンバーには、自分達がやりたいことをやってほしいです。10年後、いや1年後でも私の想像とは全然違ってくるんだろうなぁ。

おわりに

N/S高新聞にこれまで携わってきたことについて、3人のスタッフに振り返ってもらいました。いかがでしたでしょうか?

普段はあまり聞かないような運営スタッフの思いは、一委員として聞いていて背筋を正したくなるような気持ちになりました。N/S高新聞の委員メンバーにもぜひこの記事を読んでほしいと思います。

実行委員ではない皆さんにも、N/S高新聞がどのようなところか、少しは知っていただけたのではないでしょうか? これからのN/S高新聞も楽しんで読んでもらえると嬉しいです!

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