生きたいならやりたいことを探すためにぶつかりまくれ!

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取材・文=ぴぽ(N高6期・ネットコース)

ぴぽ Profile
  • N/S高新聞実行委員会3期メンバー
  • 「N/S高生の生活の様子や活動内容を知りたい!」と思い、いろいろな人へインタビューできる新聞実行委員会へ入会。
よろしくね

約20000人の生徒が在籍しているN/S高。

それぞれのN/S高生が、どのような生活の中で、どのような活動をしているか気になりませんか?

今回は、かつてのN/S高生、中山田さんという卒業生を紹介します。

中山田さんは、ともに日経新聞社主催「日経SDGs FESTIVAL 高校生SDGsコンテスト」に取り組んだ仲間でもあるのですが、私が初めてDMを送った相手でもあり、課外活動の募集を紹介してくれたり団体活動に誘ってくれたりして、私の活動範囲を広げてくださった恩人でもあります。

各方面で積極的に活動される中山田さんですが、どうして積極的に活動しようと思ったのかや活動する上で大切にしていること、どのような未来を望んでいるのかなど、パーソナルな部分に関してはあまり聞く機会がありませんでした。

今回のインタビューで、彼のN高在学中には聞けなかったお話を伺うことができました。

目次

取材相手のプロフィール

中山田 倖一さん

高校時代の大まかな活動歴 

・NS高内生活リズム同好会発起人 初代代表 (参加者数100名以上の規模に成長させる)

・SDGsクリエイティブアイデアコンテスト応募

・森永製菓 × 5校合同課題解決型学習「プロジェクトN」参加

・U-18サミット2022運営

・Panasonicと考える未来の広告企画

・N/S校内オンラインMinecraft脱出ゲーム企画「中生代からの脱出」企画

・任意団体X-gene代表

・日経新聞社主催「日経SDGsFESTIVAL 高校生SDGsコンテスト」N/S高代表チームの代表者として全国発表

(以上、活動を始めた順に表記・重要と考えられるものは太文字表記)

経歴

2004年 三重県桑名市生まれ 三重県いなべ市出身。

受験競争や学習方法の押し付け、高圧的な態度をとる教師に疑問を感じ、9ヶ月間の積極的不登校に。

この期間に今の考えの根底にあるものが形成された。

うつ病を経験し、N高等学校に2年次に転入。

社会的分野に以前から関心があったこと、2年次の級友(オン通)を通じて社会課題に興味を持ったことをきっかけに、U18サミットやX-geneでの活動をはじめる。

人生を懸けて「すべての人が目的をもって、自分らしく生きる社会」の実現を目指す。

はじめに

中山田さんは自分の軸を明確に持って活動に取り組まれている方なので、インタビューした際に教えてくださった回答方針をみなさんに共有します。

インタビューを通しての回答方針

「やりたいことがないなら死ねばいいと思った」

私が生きる目的は自分のしたいことをするため。情熱を持って取り組むことが楽しいから。

明日死んでしまってもいいと思える人生を歩む。

でも生きたいんだろ?じゃあやりたいことがあるのだからそれを探せばいいじゃん。

私は最初この言葉を見た際、痺れました。

衝撃的な言葉じゃないかと。なんてことを言うんだと。

それと同時に「自分はこのままでいいのか。」と褌を締めてかかる※ような気持ちになりました。

でもこの言葉は、夢ややりたいことがなく活動できていないと嘆いて落ち込んでいる人たちに喝を与えるような言葉でも罵倒するような言葉でもなく、もがいてる自分を肯定してくれる言葉だと私は捉えました。

この言葉を念頭にインタビュー記事を読むと、インタビュー内容の理解が深まるだけでなく、夢を叶えようともがいている姿の美しさが感じられると思います。

ちょっと豆知識

※みなさんは、「褌を締めてかかる」という表現を知っていますか。

私は「帯を締め直す」と最初書こうとしたのですが、検索してみるとその表現は間違っているそうです。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14189829154

勉強になったので皆さんに共有したいと思います。

X-geneについて

ーーどういう経緯で立ち上げましたか?

X-geneのキャッチフレーズである「世代で社会をまわしたい」の通り、

世代間交流を活性化させることが、社会課題の解決に向けた言論的貢献になると考えて立ち上げました。

その考えに至ったわけは、イベント運営に携わった U-18サミット2022(社会問題に関心を寄せる18歳以下の約50人がオフラインで集うイベント)に参加していた、ソーシャルアクションに情熱を注ぐU18に感銘を受けたからです。

イベントに参加し、「若者と大人が社会について議論することは可能」であるが、現状では「世代間の社会的議論に関するコミュニケーションは不足」しており、これらを解決することができれば、様々な分野にビッグインパクトを与えられると思いました。

(U18系列のイベントであるU23サミットの参加者集合写真※中山田さんは左の1番後ろ)
(U18サミットで担当だったプログラムの説明準備のために、パソコンとプロジェクターを触っているところ)

ーー活動内容を教えてください。そしてこれからどのような団体になっていきたいか教えてください。

インターネットでの発信が主な活動です。YouTube、noteそしてDiscordなどさまざまな媒体で活動していますが、活発に更新しているのはYouTubeとnoteです。YouTubeは「世代で描く未来の社会」を目指し、U18と大人の対話番組「クロスカ」や社会変革の夢を語る「ドリドリ」で、(合意形成を図る上で軽視されがちな)世代別の価値観を中心とした議論の活性化につながる番組づくりを意識しています。

Twitterでは「世代に生み出す新たな関心」をテーマに、社会や社会課題に対しての関心が深まる投稿をしています。

(クロスカとドリドリのロゴ Youtube ch:https://m.youtube.com/@x-gene

そのために、SNSを活用したX-geneの認知拡大から、視聴者同士の議論やプロジェクト創出が行えるDiscordへの流入を伸ばし、世代間の言論にムーブメントを巻き起こす団体になっていきます。

ーー所属している方とは元々どのような関係性であったのか。また、どのようにして他のメンバーを誘われたのか興味があります。

前述したU-18サミット2022の運営、グループ応募型コンテストなど、活動を通じて知り合った仲間、中学校時代の友人など関係は様々で、N/S高生に限りません。

兎にも角にもX-geneのビジョンに共感してくれた人や、共に目指したいと感じた人に連絡しまくりました。在籍者の知り合いの知り合いなど、メンバーの輪も広がっていきました。

過去に在籍していたメンバーは、オンライン通学コース・職業体験・スクーリングでの出会いが多かったですが、Slackのプロフィールから興味をもった人にいきなりDMを送って誘ったこともあります。

積極的に「自分」を表現し行動すれば、N/S高校で仲間を見つけることも十二分に可能だと思います。

誘う際は、基本的な情報はもちろん、「X-geneのビジョン」と「あなたが必要な理由」を特に情熱的に伝えてきました。両者ともに相手の心を掴むことに繋がりますが、特に前者はX-geneとその人のパーソナリティが合致するのかという最も重要な判断基準になってきます。

ーー動画制作やホームページの制作過程で、工夫している点を教えてください。

先程お話したように、X-geneは発信活動がメインですので、全ての制作物に語りきれないほどの工夫が凝らされています。その中でも3つピックアップしてお話します。

1つ目は、X-geneだとひと目でわかるブランドデザインです。

X-geneのイメージカラーは、“X-geneの社会課題への意識と力強く社会を前進させる意思”を表したオレンジと、“多様な意見が受容される安心感”を感じさせるグリーンです。

この2色を基調としたロゴデザインを中心に、X-geneで策定したブランドガイドラインを元に、すぐにX-geneと認知できるよう制作しています。

X-geneのロゴ

2つ目は、オリジナルキャラクターの制作です。X-geneのメインターゲットは「環境不足によって持っている意見を言い出せないU18」であることから、同じ目線でコンテンツを楽しめるオリジナルキャラクターを制作しました。

noteにて誕生の経緯を詳しく紹介しています。

オリジナルキャラクターは、さまざまなコンテンツで活躍していく予定です。

私たちのオリジナルキャラクターが誕生しました|X-gene【世代で社会をまわしたい】|note

3つ目は全ての媒体のハブとなるように設計されたWebサイトです。

Webサイトは、前述のようなブランドデザインのポリシーが反映されており、X-geneの基盤になる場所です。

X-gene | Website

こういった制作や活動の裏側をnoteで発信しています。今後さらにパワーアップしてお送りしていく予定なので、良かったらフォローお願いします!

X-gene【世代で社会をまわしたい】|note

活動やライフスタイルについて

ーー団体以外にも様々な外部活動に参加されていますが、計画通りに進まなかったり、メンバー同士で意見のすれ違いがあったりした場合はどうしていますか。

たしかに2つとも、チームでプロジェクトを行うときによく起こる問題だと思います。

その対策として、私はプロジェクトを始める前に、「パーパス」と「リーダー」を明確にしておきます。

1つ目に挙げた「パーパス」とは、目的や存在意義といった意味があります。

”なぜこのプロジェクトを行うのか”、”何をもってゴールとするのか”を事前に決定するのです。計画通りに進まない場合は、このパーパスに沿った優先順位を再度話し合い、作業を再開します。ときには、タスクやプロジェクトごと廃止することもあります。

メンバー同士で意見のすれ違いがあった場合も同様に、パーパスを基準に判断します。

2つ目は、プロジェクトの「リーダー」です。

ここで説明するリーダーは、名目上の代表者ではなく、最終意思決定者・責任者の役割を指します。

先程パーパスの説明で、「優先順位をつけて、時にはタスクやプロジェクトごと廃止する」「パーパスを基準に判断する」と話しました。

互いの意見を理解し合い、パーパスに沿った議論をした上で、この「優先順位付け」「廃止」といった最終意思決定をして責任をもつのがこのリーダーです。

メンバーの活発な意見出しは重要ですが、プロジェクトの目的はパーパスを達成することだから、リーダーがはっきりと決断しなければなりません。

逆に言えば、メンバーは決定に不満があろうと、全体としてパーパスに向かうためにリーダーの決定に従う必要があります。

経験上、プロジェクト開始時に「パーパス」と「リーダー」を明確にすることや、何が起きても諦めない情熱をメンバー全員が持つことで、どんなプロジェクト上の課題も解決できると信じています。

ーーSlackのプロフィールに「将来の夢:起業家、人が『生きる』のゲームチェンジャー」とありますが、具体的にどういう未来像を描いているか、またその夢に対して努力していることを教えてください。

私は、「すべての人が目的をもって、自分らしく生きる社会」を人生を懸けて目指しています。これを実現させる”国際社会連続起業家”になることが私の未来像です。

「すべての人が目的をもって、自分らしく生きる社会」を人生の目的に掲げる背景は

目の前のすべき事のみに囚われ、前のめりに息絶える人々の多さに落胆したからです。

朝の地下鉄はスーツ姿の疲れ切った顔で溢れます。ドアが開き、濁流の一部を成すひとりひとりに、笑顔の幼少期の面影が見受けられることはありません。実際、日本の幸福度は先進諸国の中で最下位(*1)です。

社会の一構成員にとどまった現状を”あたりまえ”の一言で片付けて、結局何がしたかったのか分からずに死んでいく。

これが幸福な人生であると思いますか?

さらに、テクノロジーの進化によってこの課題が浮き彫りになると考えます。

わかりやすい例としては、AIの発達による人間労働の必要性低下です。

働く必要がなくなったとき、働くという常識に縛られることによって守られてきた人々は 「人生の目的」を失い、右往左往するでしょう。しかし、目的を持って生きている人は右往左往することなく、その人自身の人生を歩めると思います。

人々の人生に直接関わる「人生の目的」や「幸福度」は、今も重要視されつつありますが、テクノロジーの進化によってさらに見て見ぬ振りはできない状態にまで陥り、人類の大きな課題になると考えます。

テクノロジーの進化によって突きつけられた、「人生の目的を持ち、本質に立ち返って生きろ」という正しくも厳しい未来の姿を解決したいです。

これらの理由から、私は「すべての人が目的をもって、自分らしく生きる社会」の実現に命を懸けています。

命を懸けているので、私の行動すべてが夢のための努力と言えます。

X-geneの活動、大学進学に向けた学習や準備、英語学習などに大別されます。

進学や英語学習は進路に大きく関わってきますので、後でお話しようと思います。

(*1)参考文献 : The World Happiness Report

N/S高について

ーーN/S高に入学した理由、また日頃の自由時間はどう活用しているのか教えてください。

私は自由に学べる環境に魅力を感じ、2年次にN高等学校に転入してきました。

経緯の詳細についてお話しします。

高校受験で第1志望校に落ち、滑り止めだった私立高校の特別選抜というトップコースに特待奨学生として入学しました。級友は20人と少なく、その名のとおり大学受験に大きく期待されたクラスです。そこでの受験競争や学習方法の押し付け、高圧的な態度をとる教師に疑問を感じ、積極的不登校になりました。

その後うつ病と診断され、家で物思いにふけりつつ、自分と向き合う期間を過ごしました。うつ病がほぼ治ってきた頃、転入できる高校を探し始めましたが、全日制高校は制度や単位取得上転入するのは難しかったため、複数の通信制高校を比較しパンフレットの内容に惹かれてN高等学校への転入を決意しました。

日頃の自由時間は、存在しません。「すべての人が目的をもって、自分らしく生きる社会」の実現のために常に学習や活動に時間を費やしていますし、それが趣味みたいなものです。

ーー今年度をもってN/S高を卒業されますが、2年間どうでしたか。入学した頃と変化はありましたか。卒業した後の将来の進路を教えてください。

生み出せた価値は、「社会課題の解決」という新たな視点を持てたことです。受験しか知らなかった自分の視野を広げ、視座を高め、社会的な物事が好きだと薄っすらと感じていた自分への1つの解となりました。2年次の級友が導いてくれた世界、前籍校に居ては間違いなく知れなかった世界でした。人生の指針を持てたことはN高で得た大きな価値であり、入学からの大きな変化だと思います。

しかし、この指針を見いだせたが故に、もっと成果を出したかったという後悔が残りました。それは人生の短さへの焦りも混じっているのでしょう。残りの人生80年のうちの40分の1がこのスピードで過ぎ去ってしまったのです。だからこそ、これからの人生は指針をもとに数字として得られた結果にもっと固執し、挑んでいこうと思います。

卒業後はアメリカ、カリフォルニア州のDe Anza Collegeというコミュニティーカレッジへの進学を目指しています。現在は進学に向けた大詰めの段階です。

コミュニティーカレッジ卒業後はカリフォルニア州立大学群に転入し、学士号を取得したいです。大学4年間では、コンピュータサイエンス(計算機科学)を軸に、社会学や哲学も習得し、「すべての人が目的をもって、自分らしく生きる社会」実現への糧にしたいです。

大学卒業後の社会情勢や自らの実力を鑑みて、日本に戻るか、一度現地で就職してみるか検討する予定です。

ーーN/S高の生徒で、自主的に活動したい、なにかチャレンジしてみたいと考えているが何をしたらいいかわからない人に向けて、今までの経験を踏まえたアドバイスをお願いします。

なんとなく持っている自分の考えに「なぜ」と「目的はなにか」をぶつけ続けてください。「なんとなく」や「一時の楽しさ」で行動していては自分のしたいことは見つかりません。逆に考えすぎる人は、なんでもいいので行動してみると新たな発見が多いでしょう。N/S高のワークショップは定期的に行われていますし、気軽に参加できるのでピッタリだと思います。私は職業体験を含めて複数回参加しました。そして思考するとき、行動するとき、全てにおいて常識にとらわれないことがこの上なく肝要です。もう一度いいます、「なぜ」と「目的はなにか」をぶつけ続けてください。苦しくても続けてください、私ももがき続けます。

おわりに

自らの信念を生き抜いている中山田さんのインタビュー、みなさんはどう感じましたか?

私もSlackのプロフィールや部活動で興味を持った人に、DMを送って意見交換して考えを深めています。

私はN高に入学し、今までとは違う人生観を持つことができました。

N/S高に入学できた皆さんは、ただ通信授業を受けて単位を習得するためだけに在籍していてはもったいないですよ!

いろんな活動に参加しましょう!

私は今年3年生になりました。

特筆するような活動ができなかった1年次の反省を生かして、2年次にたくさんの活動に参加しました。中山田さんと同じく、私もN高で“自分の視野を広げ、視座を高める”ことができました。

まずはたくさんの在校生にインタビューできる新聞実行委員会に遊びにきてください!

多様なライフスタイルを歩むN/S高生にインタビューする中で、今までになかった考え方や価値観を味わうことができると思います。

お待ちしてます!

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