曲作りに挑戦した高校生

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N/S高等学校のネットコースには時間割がないので、生徒が自由に過ごせる時間が多く持てることが特徴です。
その自由に使える時間の使い方は生徒によって、全く違います。

この記事では、その時間を活用して、楽曲の制作に打ち込んだ三人の方を紹介します!

ゆてぃ  N2 ネットコース 曲&イラスト担当
N高に入学した初日に、「ピアノ好きの集い」という集まりを立ち上げ、今年の8月に「ピアノ同好会」へと昇格させました。
曲作りは今年の2月から始めました。「夜雨に散る」は作曲を始めてから3曲目です。

写真提供=ゆてぃさん

myui  S2 通学週1 歌唱担当

歌うことが好きなので、カラオケ同好会や弾き語り同好会に参加しています。
音楽活動は今回が初めてでした。

写真提供=myuiさん

Ryu  N3 ネットコース 作詞担当
音楽関係の同好会や部活には特には参加していないです。
音楽が得意な親友と音楽シューティングゲームを作って賞を頂きました。

写真提供=Ryuさん

込めた思い

夜雨に散る feat初音ミク

夜雨に散る feat.初音ミク作曲 MIX&Mastering 絵 アニメーション 映像 : yutytwitter https://mobilyoutube.com

ーーこの曲「夜雨に散る feat初音ミク」に込めた思いを教えてください!!

この曲は、コロナ禍で暗くなってしまった我々Z世代の心情を表しているものです。曲調に関しては、テンポよく、聴いていて心地の良い曲を意識して制作していました。

曲の全体像ができた後、よりクリアで聞きやすい音楽へ磨き上げるため、制作全体では58バージョンもの試作品を作り、聴いては調整するの繰り返しでした。

楽曲制作、開始!!

ーー曲作りを始めたきっかけは何ですか?

ゆてぃ  曲作りを始めたきっかけは、同じN高で知り合った人(以降、創始者)がTwitterでこの曲のためにメンバーを募集していたからですね。他にも7人がこのチームに参加していました。始まりが好調なスタートだったので、チームはやる気がある雰囲気でした。

Twitterの募集を見た時は、自分自身でリリースした曲が一曲しかないころだったので、「興味ありますよアピール」程度の気持ちでした。作曲歴もかなり浅いので、作曲担当が自分メインになるとは思っていませんでした。

myui  ちょうど自分が歌う事の楽しさに気づき始めたタイミングでTwitterの募集を見つけました。自分の歌に自信はなくとも、歌うことは好きだし作曲に携わる機会なんて滅多にないと思い、応募しました。

Ryu  僕は暇だったので何も考えずに応募しました笑。

ーーどうやって作ったのですか?

このグループの創始者がディスコードで立ち上げたサーバーを通じてやり取りをしていました。曲の試作品をメンバーに聞いてもらうときは、YouTubeに限定公開で投稿し、リンクを送っていました。制作ソフトはsteinbergのCUBASE artist12 です。

ーー作成中のエピソードを教えてください!

ゆてぃ  自分のアイディアだけでなく、メンバー全員の意見をまとめて具体的に反映させる作業が大変でしたが、自分では思いつかないようなアイディアをメンバーがたくさん出してくれて、それらを吸収することでクオリティの向上に繋がりました。

制作中は、主にオンライン上でメンバーとたくさんのやり取りをしました。共に議論し、より良い音楽へ仕上げていく流れは、漠然と見えていた理想が鮮明になっていくようで、とても楽しかったです!

myui  私は人生で初めて作曲に携わる機会だったので、曲に関しては意見を出すだけで微々たる力での参加でした。だから、ゆてぃやRyuみたいな苦悩はしていないのですが……笑。制作しているときに意見が対立したり、創設者が失踪したりした時はどうなるかと思いました。

それでも、全ての工程が楽しかったです。ゆてぃがこの曲について話し合うために、名古屋に来てくれたのも思い出ですね。

Ryu  僕が書いた詩を元にゆてぃが中心となって歌詞を組み立てていたのですが、そこで様々な課題と歌詞作りの難しさに直面しました。

一つは、『文法VS語感』です。多くの場合は、文法的に正しくて歌いやすい歌詞になることが望ましいのですが、実際はそう簡単にはいきませんでした。僕は文章を書くので文法的に考えて、ゆてぃは歌いやすさを重視するので、度々意見の衝突がありました。それでもめげずにお互い正直に意見を出していったことで今のような歌詞を作り上げられたと思います。

ーー長期間のグループ活動をやり切れた理由や工夫は何だと思いますか?

ゆてぃ   あくまで僕個人の考えではありますが、お互いの個性を理解し合えるメンバーだったからこそ完成できたと思います。

myui  みんなのモチベーションが高かったのが一番の理由だと思います。どんどん完成していくモデル版を聴いていくうちに、この曲を歌えることがとても楽しみになっていきました。

Ryu  僕が意識したのは、仕事内容の明確化と時間制限です。仕事を始める前に必ず「誰が何をやるのか」「誰に決定権があるのか」「いつまでなのか」などを決めるようにしていました。またゆてぃなど、チームメンバーのモチベーションが高かったことが良かったと思います。

ーー私生活との両立で困ったこと、工夫した点はなんですか?

ゆてぃ  「夜雨に散る」の制作は、自分がドハマりしてしまったこともあり、N高のレポートをそっちのけで制作に没頭してしまいました。制作期間中のレポートを巻き返すのが一苦労です。

myui 自分自身の声を分析するためにカラオケによく行くようになりました。家で歌っていると怒られるので、カラオケで練習するしかなかったのですが……金欠ですね。バイトを頑張ってます笑笑。

Ryu 私生活とは両立させました。何日もぼんやりと内容を頭の中で練っていて、ある時ダムが決壊するみたいにだだだーっとアイディアが浮かんできたので、一日で完成させました。

この曲を通して

ーーやり終えて思ったこと、学んだことを教えてください!

ゆてぃ  今まで自分は、単独でしか曲を作った事がなく、今回初めてチームでの制作となりました。ですが、よりたくさんのアイディアを集められ、共に同じ音楽の完成に向けて協力することは、高校生活の中でも、とてもいい経験でした。

楽曲制作は、単独での活動になりがちですが、他の人のアイディアを取り入れて制作するのはとても楽しかったので、今後も機会があったらまたチームで楽曲を制作をしたいと思っています。

myui  この曲を作る前は楽曲制作なんて自分にはできないと思って、全く触れてきませんでした。ですが、参加してみてほんとに楽しかったので、これからも作曲に携わりたいと思うようになりました。

あと、自分の歌声が好きではなかったのですが、この活動で歌う事が決まってから歌に真剣に向き合って練習するようになり、皆に聞いてもらう機会も多くなって、今は自分の歌声が好きになりました。これからは表現力を磨いて行こうと思っています!

Ryu  僕は制作中、権利的な問題が起こらないかひやひやしました。例えば、「最終的に誰に決定権があるのか?」「誰のYouTubeで配信するのか?」などです。今回は運がよく、大きなトラブルにはなりませんでしたが、次に何か作るときは一番最初に決めておくべきだと思いました。

ーーこの曲作りは将来の夢と関係していますか?

ゆてぃ  現在は趣味として制作していますが、将来音楽を仕事にできたら幸せです。

myui  曲作りは、ゆてぃとユニット「VANCUT」として活動を予定しています。これは私は趣味として進めていく予定ですが、仕事にできたらいいなあという憧れもあります。

Ryu  趣味の範囲でやっていて、今思い描いている将来の仕事とは関係ないですね。

ーーこれからのチーム活動の予定を教えてください!

ゆてぃ    技術にもよりますが、楽曲制作はある程度時間を要するので、リリースのペースとしては、数か月おきという形になります。制作はこれからも続ける予定です。

現段階で僕自身はmyuiと音楽ユニット「VANCUT」による作曲を考えていますが、「夜雨に散る」のこのチームによる今後の活動計画はありません。この曲のためだけに集められたメンバーなので、タイトルのように散っていく様ですね。

myui  今myui ver.を収録しているのですが、この曲は音程や表現が複雑なところが多いのでなかなか納得がいかずすごく時間がかかっています。サビは特に音程の上下が激しいので歌うにはとても難しい曲です……。その分、完成したときにはとてもいいものになると思うので、めげずに頑張ります!

今回はN/S高の通学コースとネットコースに通いながら、楽曲制作に打ち込んだ三人にお話を伺いました。

私は今まで「高校生は学校に行くことで精一杯」なものだと思い込んでいました。ですが、今回のインタビューで、「高校生でも自分のやってみたいことに挑戦できる」ということや「友人たちと挑戦する時間は、オンラインでも関係ない高校生の青春だ」ということを教えて頂きました。

それは自由な時間を多く確保でき、挑戦できる環境が整っているN/S高ならではだと思っています。そんな環境を利用して、三人みたいに自分の好きなことや挑戦したいことに時間を使えるのは、とても素敵なことだと思います!私も三人を見習って、自分がやりたいと思ったことに臆せず挑戦し続ける学校生活を送りたいと思います。

読んでくれてありがとうございました!
読者の皆さんには、限りある自分の時間を大切に、毎日を精一杯楽しんでほしいと思っています。

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