オンライン通学コース生が授業でまなんでいること

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取材・文=井上 凛(S高・2期オンライン通学コース)
写真提供=川村 美陽さん

ネットコース、通学コースに加えて、2021年新設されたオンライン通学コース。
新しく出来たコースとあって、生徒数は最も少ない。
授業や委員会で行われている活動についてもっと知りたいと思い、インタビューさせてもらった。
 前回は島袋さんに教えてもらい、今回は川村 美陽さん編をお送りします。

話をしてくれた人

川村 美陽(かわむら みひな)さん
S高2期・オンライン通学コースのベーシッククラス(授業を週3日受講するクラス)
オンラインで授業を受けるときの7つあるユニットの一つ、ユニット4に所属
神奈川県在住

ーーいつもどんなことをして過ごしていますか

今日はユニット4の企画委員会のミーティングが午後1時半までありましたが、長い時は2時くらいまであります。その後お昼ご飯を食べます。その後ネット学習室(※1)に行ってレポートする日もあれば、そのまま遊ぶ日もあります。

※1 ネット学習室
オンライン上にメンターやTAさん(※2)が駐在し、学習の質問や相談をしたり、仲間同士で集まって勉強することができる。

※2 TAさんとは、ティーチングアシスタントのこと。
グループディスカッションやグループトークでファシリテーターを務めて議論を盛り上げる手助けをしてくれる。

ーー企画委員はどんなことをやってるか教えてもらってもいいですか?

ユニット4内での企画を考えたり、その企画の授業内告知や進行用のスライドを作ったりしています。今度、ガーティックフォンっていうお絵かき伝言ゲームの企画をやろうと思っていて、今日はそれを試しに遊んだりしました。canvaというスライドを作れるサイトがあるんですが、そのテンプレートを使ってスライドを作っている時間がほとんどだと思います。

ーー委員会に入ろうと思ったきっかけはどんなことでしたか?

自分がやれることは全部やりたいんです。委員会募集のフォームが送られてきた時に、「いけるかなあ」と思って答えました。できそうなことは全部やっておかないと損しちゃうという感じで入ったんです。

川村さんが所属するユニット4企画委員会が制作したホッケのキャラクター。授業中に 話題になることも。
製作者:ユニット4企画委員会

ーー川村さんはまだ1年生ですが、N/S高に入る前から委員会をしようという意欲があったんですか?

全然そんなことはなくて、今までこんな精力的に活動したことはありませんでした。中学生の頃はほとんど学校に行けていなくて、行ってもちょっと自習して帰るというのを繰り返していました。人と話すのがあまり得意じゃなくて、友達も全くいなかったです。なので、今オン通で委員会に入って、友達もそこそこできた自分に自分が一番驚いているっていう感じです。本当に最近は毎日が楽しいです。

ーーオンライン通学コースに入ろうと思った理由は、中学の頃に苦労されたことなどと関係があるのでしょうか?

ネットコースだと、自分から動いていかないと人と関わる機会ってほとんどなくて、でも通学コースは長時間なので自分には大変だなと思いました。ちょうど良いバランスのオンライン通学コースが自分に合っていると思って選びました。

ーーオンライン通学コースに入って感じたことは何ですか?

授業が他の学校の授業と全く違うなと思いました。他の学校の授業では、授業中に話すのは良くなくて、答えてねと言われた時だけ話すのだと思います。オン通ではチャットでいつでも思ったことを話せたり、チャットが盛り上がれば盛り上がるほど、楽しく授業が進みます。思っていたよりもすごく自由な場だなと思いました。

ーー逆に残念に感じることはありますか?

オン通は私も含めてシャイな方が多いと思うんです。なので、グループディスカッションの授業で、なかなか思うように進まない時があるんですよね。思いっきり議論できる場というイメージだったので、こういうことがあるんだなと感じました。徐々にユニットの仲を深めて議論できるようにみんなで成長したいです。

ーー最近授業を受けていて感じたことはありますか?

自分の強みを探して、夏休みを使ってやってみたいことを可視化するという授業で、普段思いつかないようなことを思いついたんです。授業でワークシートを記入していったら普段思い付かないことがどんどん思いつくということに、はっとしました。

ーーいいですね。最近の授業で、印象に残ったことはありますか。

PBL(※3)です。制作段階の授業内でアイデアを煮詰めて、あとは個人で完成させています。この前のプロジェクトNでは、発表する直前までスライドを作っていたので、台本が無い状態で発表に臨みました。それでも、全国発表会で発表するユニット内候補者四人のうちの一人に選ばれたんです。結局全国発表会に出ることはできなかったのですが、もう少し早くスライドを作り終えて、きちんと台本もできていたら出られたかもしれないという後悔がまだ残っていているので、印象に残っていますね。

※3 PBL(プロジェクトベースドラーニング)
テーマにあわせて、その業界の第一線で活躍している方をゲストに迎え、実際に取り組んでいる問題や、そこで求められるスキルなどを学ぶ。
中長期的にひとつのプロジェクトに個人またはグループワークで取り組み、時間管理やグループワークのコミュニケーションスキル、制作やプレゼンのスキルを身につけている。

ーー発表の時に心がけたことはなんですか?

心がけるべきことを心がけられなかったほどいっぱいになっていました。でも、時間内に分かりやすく伝えて話すということは心がけていたと思います。スマホのタイマーを3分にセットして、それをチラッチラッと見ながら話しました。

ーーオンライン通学コースの授業について話していただきましたが、次は川村さんの所属するユニット4について話していただけますか。

雰囲気がいいユニットだと感じます。騒がしすぎず、ほどよい感じの雰囲気が自分に合ってるなと思います。
反対に、こっちはネガティブな感じになっちゃうんですけど(笑)、ネット学習室の少人数部屋で他のユニットのイベントが開催された時に、10人くらい参加してたんです。でもユニット4で私たちが企画しても10人集まらないんです(笑)。なので、他のユニットと比べたらそこまで精力的に活動してるってわけではないと思います。でも、ユニット内のノリはいい感じだから、そこが程良いところなのかなと感じますね。

ーー川村さんはどんなところをノリが良いと感じていますか。

ホッケのネタを受け入れてくれているところだと思います。ユニット4では企画委員の私たちでホッケを無理やり流行らせようとしている感じがあって。でも他のユニットにはそこまで浸透してない気がするんですよね。オン通全体のマインクラフト(※4)をするイベントに参加した時に少しホッケネタを仕込んだら、「なんでホッケ?」っていう反応になって。他のユニットでナマハゲを推しているユニットがあるんですが、ナマハゲと比べたらそこまでホッケのイメージがないのかなあと思いました。

あとは、チャットが活発な感じがします。さっきも言ったように、授業中にチャットで反応するほど授業が盛り上がります。授業が盛り上がっていたりするところをノリが良いと感じますね。

※4 マインクラフト
サイコロ型のブロックを積み上げて建物を作ったり、冒険したり、自動的な装置を作ったりするゲーム。デジタルな積み木にたとえられることもある。

コエテコマガジン より引用

ーー授業中にチャットでどんな風に盛り上げると良いのか教えてもらえますか?

授業内容について「面白いことを言わなければならない」という意識を一旦しない感じだと思います。スライドの内容やメンターさんが授業中話してる内容についてチャットで反応したり。自分が授業中「ん?」って思ったことをチャットに書き込むだけでも話が広がります。

ーーオンライン授業で少人数の部屋になっても、積極的に行動しているんですか。

少人数の部屋になるとまだ緊張して1分くらいシーンってする間があったりするんですが、気まずいのでなるべく一番最初に挨拶やこれからどうするかを話すようにしています。

オンライン通学コースでは、授業で基礎を学ぶ基礎クラスと基礎よりも少しグループ活動が多くなる応用クラスがあり、希望に応じて自分で選ぶことが出来る。4つに分かれる学期ごとにクラスを変更することが出来るので、出席率や授業での取り組み方が上がってきたと思ったら変えてみても良いかもしれない。川村さんは基礎クラスから応用クラスに移動しました。

ーー基礎クラスから応用クラスに移動して、何か思ったことはありましたか。

基礎の頃現状維持だったのが、応用に入ることによって、基礎クラスにいた時よりも成長が加速して行っている気がします。今はついていくのが大変なんですが、やる内容が難しいほどたくさん内容が入っていると思うので変更して後悔はしていません。

ーー応用は授業内容が難しくなるんですか。

授業内容は基礎クラスよりも少し踏み込んだ内容なので難しくはなってると思うんですけど、授業内容がっていうよりは、他の人がすごくてグループディスカッションは積極的に自分から話せないと話に入れないみたいな感じですね。

ーーすごい人、どういう人なんですか?

自分の意見を正しく言語化出来る人をすごいなって思いますね。私は自分の意見を言葉にして相手に伝えるのが苦手なので、それができる人を尊敬します。あとは、積極的に前に出ようとしていて、「これで終わらないぜ」っていう意欲がある人をすごいなあと思いますね。

ーー向上させようと頑張っているのはなぜですか?

自分のためというのが一番だと思います。やっぱり、自分がいい人間になるため、素敵な人間になるためみたいな感じですかね。ざっくりしてるんですが、基本的に何か行動を起こすときは、「これをやったら素敵な人になれるかな」って考えています。

ーーユニットの企画委員で企画を考えたりする以外に企画委員のメンバーと交流はありますか?

企画委員会という範囲外で何かやったことはまだありません。slack(学園のコミュニケーションツール)のダイレクトメッセージで誰かと遊んだりするようなことはなくて、、企画委員会の委員会中にちょっと遊んだりすることはあります。あとは雑談交流会を開いた時に人が来なくてそのまま遊んだりすることもあります。

ーー雑談交流会では普段はどんな活動をしているんですか?

いくつかお題を用意して、ルーレットでランダムに決めて、決まったお題について雑談するという流れをひたすらやっている感じです。メンターさんが来たときは、深い話をしてくださることもあるので盛り上がります。

ーー委員会はどんな雰囲気なんですか?

わちゃわちゃガヤガヤしてるわけでもなくて、かといってしんと静まり返っているわけでもないので、「落ち着いた騒がしさ」とでもいうような感じがあると思います。普段真面目な人が、めちゃめちゃふざけてるみたいな感じなので、それこそユニット4の雰囲気みたいな感じですね。すごく自由な委員会です。

ーー全然違う質問になっちゃうんですけど、ホッケのどんなところが好きですか?(笑)

ホッケのどんなところ、えええ。まずホッケって、知らなくはないけどマイナーな魚っていうイメージがあるんです。サーモンやアジじゃなくて、ホッケなんですよね。まず聞いた人が「なんでホッケ?」ってなる感じのところとか。あとこのキャラクターの、何を考えているかわからない目も好きです。

ーーホッケは授業と委員会以外にも登場することはあるんですか。

オン通全体のイベント(企画)があるんですけど、そのイべントに参加してそこでわかる人にはわかるみたいな感じで少しホッケネタを出すことはありますね。例えばマインクラフトのイベントがあったらホッケの建築をちょっと作ったりしています。

ーー企画委員会の中でもホッケのような流行がたくさんあるのですか?
いや、外に出せるのがたくさんあるわけではないですね。最近は更新されていないんですが、委員会の迷言まとめ的なものはあったりします。

ーーめいげんまとめですか?
そのめいげんっていう漢字がこっちなんですよね、『迷言』。なんかよくわからないっていう意味での迷言ですね。なんか意味わからないけどちょっとクセになる言葉をまとめる画像みたいなのがあったりしますね。

川村さんにインタビューをさせてもらい、委員会活動で考えていることや通学コースにもある授業は、このコースではどんなことをするのか知ることが出来ました。自分たちで楽しみながらオンライン通学コースを良くして行っているのが印象的だなと感じました。二人の方にお聞きしたことで、今オン通生の方や、興味を持ってくれている方、これから他のコースでN/S高の高校生活を送っていく方の生活に役立てていたら嬉しいです!

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