VR、N/S高生のホンネ
取材・文=青西04(N高7期生・ネットコース)
取材協力=イベント参加生徒
「仮想空間上の未来の学校を考える」というワークショップで制作したN/S高生の作品が、先日東京・新橋にてお披露目された。
同日午前には学園とMeta社による提携も発表され、N/S高生にとってもっと身近になっていくことが予想されるVR。
しかし時代の先端、期待の最新技術の宿命として、どこかとっつきにくいイメージは常につきまとう。
では、イベントに来場したN/S高生はVR、そして新しい教育についてどう思っているのか。また、今回のイベントを通して、捉え方がどう変わったのか。デジタル技術を駆使して生活しているイメージがあるN/S高生に、ほんとのところを聞いてみた。
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ーー「使ってみたい。」
そう率直に話してくれたのは、新しい教育や、その質の高さを求める学園の熱意に惹かれて転入したという生徒。
今回の発表を見て、『学んだ知識が積み重なっていく学校』をコンセプトにして作られた、本の樹をイメージした学校に関心を持ったという。
ーー「VRって今は半分ゲーム機みたい。これはVRじゃないとできないよね、みたいなことが増えてほしいし、そういうものを作っていきたい。」
こう熱い眼差しで語ってくれたのは、先ほどの「学んだ知識が積み重なっていく学校」の製作チームとして事前ワークショップに参加し、製作者という立場で発表を見た生徒。VRというツールを使わないのは「宝の持ち腐れ」だと感じ、今回のワークショップ参加を決意したという。仮想空間上で自分のアイディアを形にする難しさに直面しながらも「VRにしかできないこと」を追求して製作したと教えてくれたその表情は、なんだかとっても充実感で満ちていた。
今回のイベントを通して創作をより身近に感じた生徒もいた。
ーー「そこらへんの人でもって言ったらあれだけど、誰でも、それこそ自分でも気軽にクリエイティブなことができるって思った。」
久しぶりのオフラインイベント、しかも関心のあるVRにまつわることだから、と発表を見に来たこちらの生徒。一億総クリエイター時代を肌で感じていた。今回の発表で、VRは創作のための身近な道具だと感じたようだった。
「空想が好き。」と教えてくれた別の生徒もVRとの距離が近づいたと話してくれた。
さらにはこんな発見も。
ーー「インプットだけじゃなくて、アウトプットの道具として使えるんだっていう気づきがあった。」
体験学習実行委員(※)をしているという生徒の言葉。普段からYouTubeの360°動画などでVRに触れているというが、自分から発信するための道具としてVRの存在を捉え直したと教えてくれた。イベント開催の裏側を学びたいと参加した今回の発表会で新たなVRの活用法を見つけていた。
(※)体験学習実行委員会
トークセッション、ワークショップ、職業体験などを生徒主体で作り上げる委員会。
ーー「新しい教育、最先端の技術がどんどん身近になっていってほしい。」
参加者の根底にある思いを汲み取り、言葉に表してくれたこの生徒。VRがさらに身近なものになっていくことを期待する声は取材中多く聞こえてきた。
今回取材したどの生徒も、こちらの急な質問に真っ直ぐな熱い視線で答えてくれた。技術がどんなに変化を続けても、未来を自分たちでよりよく作っていきたいという根本の思いは変わらない。生徒たちの目は、これから着実に拡張させていく手作りの未来を真剣に見つめているようにも見えた。
今回取材に協力してくれた生徒、そして貴重な取材の機会をいただいたことへの感謝の言葉で結びとしたい。
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