【公募記事】 わたしは「朝」を届けるN高生

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N/S高新聞では、この度、N中・N高・S高生全体に、記事の公募を行いました。
背景には、より多くの生徒に書く機会を提供し、書くことの喜びや楽しさ、他者に読んでもらえる嬉しさを体感してほしい!という思いがあります。

今回は公募テーマ「N中・N/S高でやってよかったこと」への応募作品の中から、多くの人にぜひ読んでほしい記事を公開します。

公募テーマ
「N中・N/S高でやってよかったこと」

目次

わたしは「朝」を届けるN高生

はじめまして。N高等学校3年の竹内こころと申します。
今私は、「わたしたちの『朝』を届けようプロジェクト」という活動をしています。
この活動こそが、私がN高でやってよかったことです。

プロジェクトについて書く前に、今に至るまでを書かせてください。

2020年夏。
全日制高校の1年生だった私は、起立性調節障害という病気になりました。
起立性調節障害とは、自律神経系が乱れ、朝起きられなくなったり、めまいや立ちくらみ、頭痛などが起きる病気です。
思春期に多く、中学生の10人に1人が発症しているとも言われています。(一般社団法人日本小児心身医学会|起立性調節障害より)

そんな起立性調節障害に突然なり、朝起きられないことやその他の症状から私は学校に行けなくなりました。

欠席が重なったことで単位を落とし、留年の危機が迫ります。
どうしても留年はしたくなかった私は、今の学年のまま進級できる通信制高校への転入を考えるようになりました。

そこで出会ったのがN高です。
ぼんやり「通信制高校」で検索していて出てきたホームページ。
何校も通信制高校のホームページを見てきていましたが、初めて「楽しそう」とワクワクしました。

多種多様な先生。最先端を行く学習。さまざまな課外学習。
そこには普通とはちょっと違う選択肢がたくさんありました。

「普通からはみ出していけ」
「自分のままでいい」

全日制高校からはみ出して、どうしようかと思っていた私に、N高は進むべき道を示してくれたようでした。
私のままでいい。好きなことをしよう。好きなようにしよう。思いっきりやってみよう。
N高でそんな学園生活を送りたい。
そうして私はN高への転入を決めました。

「N高で思いっきり何かをする」
そんな想いを抱いて転入してきましたが、1年生はレポート提出期限に追われ(10月転入だったため2ヶ月で終わらせないといけませんでした)、2年生はメンタルが安定せず、何もできないまま3年生を迎えてしまいました。

最後の1年。
ここで何かしないとせっかくN高に転入した意味がなくなってしまう。
ここで何かしないと。

そんなある日、私は報道番組で起立性調節障害を題材にした映画を自分達だけで作った高校生の特集を目にします。
それを見て、私は「起立性調節障害の啓発活動をしよう」と決めました。
頑張っている彼女たちを見て、負けられないと思ったのです。

実はずっと起立性調節障害の啓発に関わりたいと思っていました。
起立性調節障害はとても認知度・理解度が低い病気です。中学生の10人に1人が発症しているというのにです。

認知度・理解度が低いことから、周りから「怠けているだけ」「甘え」「学校をサボりたいんでしょ」など、心無い言葉を浴びせられることがあります。確かに朝起きられない様子は一見ダラダラしているように見えるかもしれません。

でも起立性調節障害はれっきとした「身体の病気」なのです。気の持ちようや気合ではどうにもなりません。
それを理解しておらず、心無い言葉を発して、当事者を傷つける人がいます。
SNSを見ると傷ついた当事者がたくさんいて「もっと起立性調節障害を知ってほしい」と叫んでいます。

そんな現状を私はずっと変えたいと思っていましたが、ずっと行動ができないままでした。そんな時に先ほどの特集を見たのです。
テレビ画面の奥から彼女たちの想いや熱気が伝わってきて、私を奮い立たせました。やるしかないと思いました。

「起立性調節障害の認知度・理解度を上げる」
そうするために、私はリーフレットを作成し配布することを思いつきました。
「わたしたちの『朝』を届けようプロジェクト」の誕生です。

ちなみに「朝」には、起立性調節障害当事者の起きられない苦しい辛い「朝」の現実を届けようという意味を込めました。

わたしたちの「朝」の現実を届ける。
起立性調節障害を1人でも多くの人に正しく知ってもらう。
そして、周りの無知や無理解に苦しむ人を1人でも多く減らす。
このことをプロジェクトの目標にしました。

リーフレットを作成するために、私はまずSNSアカウントを作り、アンケート調査を開始しました。当事者の声を聴くためです。
集めた声と参考サイトをもとにリーフレットを作成。起立性調節障害という病気について理解でき、当事者の声も届けられる。そんなリーフレットになったと思います。

リーフレットを作成し終え、次にすべきは配布です。
でも当方高校生。印刷や配送ができるような、まとまったお金はありません。
そこで思いついたのは「クラウドファンディング」でした。
サイトを1から作り、なんとかこの7月の頭にクラウドファンディングを始められました。今、クラウドファンディング挑戦の真っ只中(2022年7月29日終了予定)です。

「N高でやってよかったこと」
この言葉を見て出てきたのは「わたしたちの『朝』を届けようプロジェクト」でした。
現在進行形だけど、はっきりとやってよかったと言えます。

SNSで発信・活動をしていく中で、嬉しいコメントをもらったことがあります。

「こんなプロジェクトが欲しかった」
「このような働きかけが支えになる」
「このプロジェクトが行動を変えるきっかけになった」

どれも嬉しくて、本当に行動してよかったと思いました。
N高に来て、このプロジェクトを初めてよかったと思いました。

N高でなければこのプロジェクトは生まれなかったと思います。
時間の余裕的にもですが、何よりも「チャレンジできる環境があること」が大きいです。周りにはたくさん行動している同級生がいて刺激を受けました。こんなにも切磋琢磨しあえる環境はどの高校にもないと思います。

N高に来てよかったです。
このプロジェクトを生むことができてよかったです。

まだクラウドファンディングは途中で、成功するかどうかもわかりません。
でもはっきりと「やってよかった」と言えます。
失敗したとしてもこれからどこででも胸を張って「私はわたしたちの『朝』を届けようプロジェクトをしてよかったです」と言えます。
そんな自信を私はN高で手に入れることができました。

この、わたしたちの「朝」を届けようプロジェクトは現在クラウドファンディング中です。
ぜひサイトを覗いてみてください。

私の高校生活最後の夏の挑戦。
一緒に朝を届けませんか?


▼竹内こころさんが挑戦しているクラウドファンディングはこちら
(2022年7月29日終了予定)

わたしたちの「朝」を届けようプロ...
わたしたちの「朝」を届けようプロジェクト powered by BASE わたしたちの「朝」を届けようプロジェクトのクラウドファンディングサイトです。

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