最多参加王に聞く、N/S高ワークショップに参加する生活

取材・文=かこ(N高6期・ネットコース)
N/S高にはさまざまなワークショップ(以下「WS」)が存在する。どれに参加すれば良いのか悩んでしまうほどだ。しかし私はあまりWSに対して積極的ではない。理由は、参加するWSを選ぶのが大変だからだ。この記事を読んでいる人の中にも私と同じ人がいるのではないか。
WSに参加する学校生活はどのようなものなのか。今回は高校1年生にして、2021年度のWS参加数が100回以上となった「WS最多参加王」にお話を伺った。

話をしてくれた人=南 宰(みなみ おさむ)さん
通称「WS最多参加王」
N高等学校1年生(取材当時)。好きなものは映画。
参加できるWSはすべて申し込む
――初めて参加したWSと、そのときの気持ちを教えてください。
どなたかのトークイベントでした。2021年の4月に入学したのですが、最初は、N高のしくみがよくわかりませんでした。そのときWSというものがあるんだと知って、軽い気持ちでトークイベントに参加しました。実際に参加してみて、ネットの学校なんだなと感じました。画面上に映っている人は日本、というか世界中から参加しているのかもしれない。より多くの人と手軽につながれる、N高の魅力が伝わってくるイベントだなと感じました。
――これまでたくさんWSに参加してきたと思うんですけど、今まで参加したWSで楽しかったものをいくつか教えてください。
「東京スカイツリー」を建てた鳶(とび)職人の方のお話はとても感動しました。その人のおもしろさが伝わってきて、お話をお聞きしてきてよかったなと思います。あと「パナソニック」さんのイベントも楽しかったです。広告を作っていくとか、ペルソナをたてて考えていくとか、そういった手順を知れて良かったです。企業とコラボしているイベントは、その企業のことも知れるのでおもしろいです。
――先程名前が挙がったWSはもともと興味があって申し込んだのですか?
参加できるものは基本的にすべて申し込んでいます。受けなかったら後悔するんです。以前ネットの記事で「やらない理由は自分で作っている」というのを読んで、それから申し込まないと罪悪感があるから基本的に参加しています。
――ではチャンスがあったらすべて挑戦しているんですね。
そうですね。
WSからつながったイベント「U‐18サミット」
――WSに参加して学んだことはありますか?
問題があったらどう解決するかとか、どういう生き方や考え方があるのかということを学びました。いろいろな人がいるので、その人の数だけ試行錯誤がある、その人の数だけいろんな考え方があるということに気づきました。
――では変わったことはありますか?
ほとんどのWSに参加していると、僕の顔とか名前を覚えてもらえて、気になった方からダイレクトメッセージで声をかけていただいたりしました。それでつながった方からイベントの運営に誘われたりもしました。
――そのイベント運営の誘いは受けましたか?
はい、今も運営に関わっています。「U‐18サミット」というものです。18歳以下の参加者が未来について語り合うイベントです。ゲストの方を呼んで政治や経済、社会について考えあう場になる予定です。
――このお誘いを受けたとき、どう思いましたか?
このイベントを実際にできるのだろうかとは思いましたけど、今では運営に関われてよかったなと思っています。そのきっかけはWSなので参加してよかったなと思いました。
――すごいですね。世界が広がっていく感じが…。WSに参加することからイベント運営へと…。きっと初めて参加したときには考えていなかったであろうつながりができたと思うのですが、昔の自分に一言言えるとしたら、なんと伝えますか。
チャンスを見つけて参加してよかったよ。後悔しなくてよかったよと伝えます。
WSは交流の場。参加してみることが大切。
――WSがある学校生活は南さんにとってどのようなものになっていますか?
そうですね、WSは僕にとって「教室」みたいな感じです。
――「教室」ですか?
N高の良いところでもあり、悪いところでもあるんですけど、自分から話さないと誰ともつながらないというか関わらないですよね。でもWSに参加することで、一般的な高校より多くの人と、よりおもしろい人と出会うこともできる。そういう意味で「教室」というか、交流の場だなって思います。
――最後に、まだWSに参加したことのない生徒に一言いただけますか?
そうですね、例えば、キャッチボールをするとき、自分の手を握っていてはチャンスが訪れてもボールは取れませんよね。それと同じで、WSに参加するまではハードルがあるかもしれませんが、思い切って手を広げて参加してしまえば、そこでチャンス、ボールはつかめます。一度どんなWSでも良いので参加してみてください。良い考えを吸収できると思います。
終わりに
WSに参加することで、知識だけでなく、つながりも広がっていく。
私をはじめ、N/S高生の中には、WSに対して消極的な生徒もいると思う。しかし、WSは自分の世界を広げるきっかけになる。この記事を読んでいるあなたがWSに参加したことがなかったらぜひ参加してみてほしい。
ちなみに私は、お話を伺ったあと、さっそくWSの申し込みをしてきた。
WSに参加するときは、きっと「勢い」も必要だ。
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