情報を発信することで得られるものは?​​​​〜S高校長吉村総一郎校長先生にインタビュー

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取材・文=まどやん(N高5期・通学コース)

角川ドワンゴ学園が運営するN高等学校。2016年の開校から入学者は増え続け、より多くの生徒を受け入れるため、昨年度S高等学校を創立した。2022年現在、生徒数は両校合わせて2万人を超える。

私はN高に入学して2年が経つが、実はN/S高の2人の校長先生とはお会いしたことがなく、よく知らない。私と同じく、自分の学校の校長先生のことをあまりよく知らないという方は多いのではないだろうか。

今回私は、校長先生のことをよく知ること、そして多くの人に校長先生を知ってもらうことを目標に、S高校長の吉村総一郎さんに生徒に対する思いを聞いた。

吉村 総一郎(よしむら そういちろう)先生
1982年広島県呉市生まれ。S高等学校校長。N高等学校・S高等学校N予備校でプログラミング講師をしている「教育従事プログラマー」でもある。
愛称はsifue(しふー)校長。
引用:sifue校長のポートフォリオより

目次

N/S高をiPhoneのような存在に


ーーS高の校長先生として、これからのN/S高は社会にとってどんな存在になってほしいと思いますか?

いろんな通信制高校が社会にある中で、スマホにおけるiPhoneのような立ち位置になってほしいです。どういうことかというと、最先端で高品質、さまざまな用途に対応し、多様性を受け入れられる。多くの人に学びや前進を促せるような存在になってほしいです。

ーーすごく分かりやすい例えで、共感できます。N/S高はネットの高校なので、他の高校に比べると生徒との関わり方が少し異なると思いますが、N/S高生と接するうえで意識していることはありますか?

できるだけ、生徒さん自身が情報発信できるように意識しています。自己紹介をしてもらったり、話をしてもらったり。その内容が他の生徒に見える状況になればいいなと思っています。なので、生徒とはSlack(学園のコミュニケーションツール)のオープンなチャンネルとか、配信されているところで話します。

というのも、コミュニケーションが公開されることで「この人って、こういうものに興味あるんだ」とか、「こんなものが好きなんだ」ってわかるわけです。それで、興味を持った人たちがその人に話しかけたり、友達作りをしたりする機会になります。もちろん、プライベートじゃないと話せないこともあると思いますが、できるだけ個人が嫌じゃない形で情報発信をして、それを周りの人が気付ける形にしてあげたいという気持ちがあります。それが、生徒さんの財産になると思っています。

VRで生徒と交流する様子。sifue校長は生徒と一緒にイベントに参加するなど、生徒との交流に尽力している。インタビュー中も、その熱意を感じた。

ネットの高校で「やりたいことの軸」を見つける

ーーN/S高生が卒業するまでに、経験しておいてほしいことはありますか?

実はN/S高を立ち上げたときからの思いで、ネットで友達を作ってほしいって気持ちが一番大きいです。同じ趣味や嗜好を持つ高校生と交流して、一緒に何かを生み出すようなプロジェクトをして、情熱のあるものに打ち込んで。一生の思い出に残るような、アツい経験をしてもらえれば嬉しいです。

ーーこれから私も、自分から積極的に友達を作っていこうと思います。では、今の高校生に期待することはありますか?

今の日本の教育って、少し揺らいでいると思うんです。コロナ禍で学習がしっかりできなくなるなど、世の中の状況がすごい勢いで変化しているんですよ。そんな世の中でも重要なのは、自分が好きになれるもの、情熱を燃やすものを見つけて、アツい経験をすることだと思います。N/S高は、そういった情熱を燃やすものを見つけるチャンスにあふれていて、いろんな機会を常に提供している高校です。最初は、自分が何を好きなのかわからないと思います。でも、選り好みはせず、いろんなものを学んだり体験したりして、自分が好きになれるものを探して、たくさん情報発信をしてもらいたい。

インターネットで正しい情報を得るために、インターネットで間違った情報を書いてみる、という方法があります。そうすると、いろんな人が「いやそれ違うよ」って教えてくれます。「間違った情報を放っておくのは嫌だから」って。だから、間違っていても情報を発信することは非常に重要です。いろんな人がフィードバックをくれるんですよ。そうして、自分が好きになれるものはなにか、情熱を燃やせるものはなにかということに気付いてもらえれば、すごく嬉しいです。

ーーN/S高生と接するうえでも生徒自身の情報発信が大切だとおっしゃっていましたが、すごく大切なことなんですね。

インターネットって、検索性がすごく高いじゃないですか。だから情報発信すればするほど、反応が自分に戻ってくるんです。そこから得られる情報がすごく有益だったりすることもあるんですよ。そこですごく大きな気付きを得て、成長できるんです。情報発信をすればより重要な情報が得られるという、インターネットの特性をしっかり活かしてもらうことが、良いことだと思います。

ーー今までにないインターネットの見方で、すごく新鮮です。最後に、sifue校長は今まで、勤めていた会社が経営破綻してしまったり、学校の校長先生になったり、高校生のときは想像していなかった人生を歩まれていると思います。そんなsifue校長から、将来に悩む高校生に一言お願いします。

自分が初めて就職したときはプログラマーになったんですが、そのころはWebプログラマーって仕事はなかったんですよ。ましてや、ネットの高校の校長もなかったんです。つまり、自分は常に今までにない未来の仕事みたいなことをずっとしているんです。でもやりたいことは一貫していて、IT技術やソフトウェアを使って人を幸せにしたいというのがモチベーションだったんです。モチベーションに早く気付いて、自分のやりたいことの軸を見つけられていたんです。それはすごくハッピーだったなって思います。

今やっているS高の校長も、ネットの高校を通じていろんな人を幸せにしたいという思いで務めています。そういったやりたいことの軸を見つければ、世の中の状況が変わっても、その状況に合わせた自分のやりたいことを見つけていけるんです。それをするためには、やはりいろんなことを体験してみることが重要です。物怖じせず、いろんな環境に飛び込んで、いろんな体験をして、情熱を燃やせることを見つけることが重要だと思います。

インタビューを通して、sifue校長のイメージは大きく変化した。今までは遠い存在のように感じていたが、今はすごく身近に感じる。そして、N/S高で提供してもらっているたくさんの機会をもっと有効に活用し、友達作りに励もうと思った。

読者の皆さんにとっても、私と同じようにsifue校長を身近に感じたり、これから何か行動をしたりするきっかけになればと思う。

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