【N/S高生の今】とあるS高生のリアルと、これから

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この記事は、N/S高新聞リニューアルに先駆けて行われた「N/S高新聞 実行委員ワークショップ」内で、参加者同士でインタビューを行い、原稿にしたものです。

取材・執筆=萩原晴太郎

N・S高。

2016年に発足して以来、瞬く間に頭角を現し、2021年現在延べ20000名余りにも上る、日本最大の生徒数を擁する通信制高校である。

しかしながら、生徒数が膨大すぎるあまり、その内情を把握するには、部外者はおろか生徒であっても至難の業だ。

そこで本記事では、まさに今S高に在籍する生徒のお一人にお話を伺った。
N・S高には無数の生徒が渦巻いている。
だが、そのうち一人のリアルにフォーカスをあてることで、全体像に迫ることができるかもしれない。

話をしてくれた人
小島佑馬(こじまゆうま)さん
・S高一年生
・ネットコース所属
・趣味はパソコンいじり、友達とゲームをすること
・最近は自分が何徹までできるか疑問
・朝は苦手
・レポートに追われている
・雑学には自信アリ

目次

東京に花屋敷ってあるじゃないですか……。

インタビューは、差し当たって双方の挨拶から始まった。

──萩原晴太郎です。佑馬さんと同じく、S高のネットコースの一年生です。よろしくお願いします。

お願いします。

率直に言って、このときの筆者は、それはもうカチコチに緊張し切っている。
そこで、とにかく場の空気を和ませようと、当人が自身アリという「雑学」について水を向けてみた。

──早速なんですけど、自己紹介のところで、雑学には自信がある、と仰っていましたが、これは面白い!みたいなイチオシの雑学があったら教えてもらえませんか?

うわ、無茶振りですね(笑)
えっと、晴太郎さんって、日本一古い遊園地とか言われたら、何を思い浮かべますか?

が、返ってきた話題は全く想像の斜め上をいった。

一応、筆者もそれなりに雑学は好きだ。
その昔、何冊か「雑学全集」みたいな、その界隈の本を読んだこともある。

その本曰く「カバの汗はピンク」だとか、「シーランド公国で爵位が買える」だとか、そんなようなことが書いてあった気がするが、事ここに至っては全く無関係である。

遊園地なんて、最後に遊んだのは小学生の頃か。

──いや、見当もつかないですね……(笑)

東京に花屋敷ってあるじゃないですか。あのめちゃめちゃ古そうな、ザいかにも古いって感じの見た目出してるのに、実はあれ一番古いんじゃないんですよね。あの遊園地が。
今ぱっと浮かんだのがそれだったんですけど、そんな感じですかね(笑)

──な、なるほど……。

その場では間の抜けた返答をしてしまった。
後に調べてみると、花屋敷は第二次世界大戦に際して取り壊され、終戦後再開園した過去があり、現存する最古の遊園地は大阪府の「ひらかたパーク」らしい。

一つ賢くなった。

N・S高に入学した理由

──S高のネットコースを選んだ理由について教えていただけますか?

中学校の頃に、睡眠の方に障害、というほどでもないですが、小学校、中学校に全然通えていなくて、通信制高校を探していった先に、N高・S高があったという感じですね。

──それで、N高・S高に入ったという形ですね。

はい、その通りです。

とりまく友人関係

──最近の楽しみに、友達とゲームをすること、と挙げられていたと思うんですが、どんなゲームをするんですか?

ずーっとコロコロ流行りが変わっちゃうんですけど、最近だったらスプラトゥーンをみんなでやろうってことで、ツキイチっていう、なんかちょっとした大会があるんですよ。それに出るまでやろうかなっていってたり……。

──おお、結構ガチで……。

いや、そんなことないんですけど(笑)、みんなで頑張ろうって、やってたり……その前は、Among usをひたすらやり続けるっていうのはやってましたね(笑)

いずれも、複数人でこそ成立するゲームであり、遊び方である。
その友人関係について、詳しく伺ってみた。

──そういう、やはり友達って、N高とかS高でつくった友達なのか、それとも外部の友達なのか……どうなんですかね?

今よく遊んでるのは中学生の頃からの友達なんですけど、一度S高の友達からお誘いをいただいて、マインクラフトをやったことがあって、今も、あんまりやらないんですけど、楽しかったので、またいつかやりたいなって思ってます。

──その方とは、どちらで知り合ったんですか?

ネットコースのクラスが一緒で、その中で一緒にゲームをやろうっていう話題が出ていて、そこに参加していった形ですね。

──なるほど、そこで出会ったんですね。

はい。

佑馬さんの生活リズム

──朝が苦手って(自己紹介に)書かれていましたが、毎朝何時くらいに起床されてますか?

そうですね、平均すると十時くらいだと思うんですけど、本当に遅い日は十二時とか、下手したら一時過ぎることも……僕が睡眠時間が長くないと活動できないタイプの人間なので、そんな時間帯ですね。遅いと思います。

──なるほど。ではその反対に、徹夜はいつまでできるのか、みたいなことも書かれていたと思うんですけど……徹夜は、よくされるんですかね?

いや、流石に体調に障ると思うので、気をつけてるんですけど、中学生の頃に課題が間に合わなくて、二徹くらいしたことがあります(笑)

──高校生の今は、どのくらいの時間に就寝されていますか?

大抵は一時過ぎくらいですかね。

必修授業と課外授業、受講してよかったもの

──では、そのスケジュールの中で、いつ頃にどの程度勉強されていますか?

最近は、そうですね、友達と通話をする夜の時間帯に一緒に並行して進めることが多いので、21時~24時くらいの時間を勉強に割いたりしています。同時進行なのであまり効率はよくないですが。

──なるほど、レポートが「やばい」と仰られていましたが、実際のところレポートはどの程度進んでいますか?ざっくりで大丈夫です。

今日が締め切りだと思うんですけど、それなのにまだ一つ残ってるという状態です(笑)

──レポート一単元を終わらせるのに、平均どの程度の時間がかかりますか?

授業の時間とほぼ同じなので、ものによるんですけれど、分からないところをもう一度やり直すとかはあまりしない(基本的に一周であらかた理解できるため)ので、大体二時間~三時間くらいで一コマ終わらせられます。

──S高の授業について、先程あらかた理解できると仰っていましたが、授業が分かりやすい、または逆に分かりにくい、とかはありますか?

あー、正直(な話)なんですけど、東京書籍版の方はあんまり良くない、というか分かりにくいかなと思ってます(笑)ただ逆に、オリジナル版の授業は分かりやすく、丁寧なので、基本そちらを取るようにしています。

──必修授業以外に取り組んでいる課外授業はありますか?

えっと、今はプログラミングと、最近はやっていないのですが、DTMを取っていたと思います。

DTMとはデスクトップ・ミュージックの略称で、パソコンを介して音楽を制作することだ。
N・S高には、著名なボーカロイドプロデューサーが初学者に向けてこれを解説する課外授業が存在する。
先立って、パソコンいじりが趣味と言及していた佑馬さんらしい課外授業かもしれない。

──課外授業はいくつか受講されているんですね。

はい。

──そしたら、課外授業を受けてこれが変わった、といったことってありますか?

僕は先程言った通り、パソコンを触る人間なので、アプリケーションを作ろうかなと思ったときに、プログラムが出てくるっていうのは(作ったことはないんですけど)、よかったなと思っています。過去に一度だけ、ソフトのコードのみを渡されたことがあって、それをビルド(プログラムのソースコードを組み立てて実行可能な形にすること)するのが無理だったんですけど、最近できるようになって、それはよかったなと思っています。

──なるほど、複数の課外授業を受けるなかで、これをこれから受講する人におすすめしたい、といった授業はありますか?

そうですね、DTMは僕自身キーボード(楽器)とかがなくて、途中で止まってしまっているんですが、意欲がある人は(一般的な文字入力のための)キーボードとパソコンさえあればできると思うので、それに授業もすごく楽しかったので、おすすめしたいと思います。

──既にDTMのジャンルで曲を作ったりはされていますか?

曲と言えるかはわからないんですけど、8小節くらいの短い区間でメロディを作ったりはしたことがあります。

N・S高と将来の展望

──それでは、オリジナルの授業や課外授業など含めて、総じてN・S高のカリキュラムに満足していますか?

そうですね、全体的な(拘束される)時間が少ないので、その点には満足しているんですが、大学受験(用の授業)までしっかり観なければ大学に行くための学力を身につけることができない、という意味では、もう少し必修授業のレベルを上げてほしいのかなと思います。

──なるほど。というと、大学進学を視野に入れられているんですか?

僕は将来記者になりたいという目標があって、新聞社とかが、基本大卒以上でしか採ってくれないので、大学進学は最低条件かなと思っています。

おわりに

N・S高生と一口に言っても、20000人の生徒がそこにいるということは、それこそ学校生活や進路は20000通りある。
今回佑馬さんにお話を伺って、同じ学年ながらも、既に将来の目標を見据えている様子にはっとさせられた。

これらの記事を読んでいただいた方が、N・S高生に興味を抱くきっかけになれば幸いだ。
そして、私自身も、改めて他生徒の方々に目を向ける良い機会となったと思う。

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