高校生は入場無料!?本好き必見!文学フリマをしこたま楽しんだ1日レポート!

取材・文=雛谷さなん(S高4期・通学コース)
写真=みるくもちoさん(R高1期・オンライン通学コース)、奇想天外公式Xより
本って、素敵だ。
たかだか文字の重なり合いの羅列だというのに、繋がるだけで意味を持ち、景色を描き、感情を産む。頁(ページ)を捲るだけで心臓は高鳴るし、ときに締め付けられ、考えさせられる。
本に人生を左右されたものはこの地球上で決して少なくはないだろう。そう、わたしは常々思っている。
本といっても分厚い小説だったり難しそうな新書だけ、といったくくりじゃない。
漫画だって、料理本だって、画集だって、雑誌だって、本だ。
そんな信念を持つわたしは、11月23日、とあるフリーマーケットに足を運び入れた。
謳い文句は、作り手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自らの手で販売する、ということ。
自分が思う、自分が作った、自分で選んだ文学作品を展示、販売する文学のお祭りである。そこには私が想像しない文学が人の数だけ存在するのだ。
本のページをめくったときと同じように、心臓が高鳴っていく。
文学フリマ東京41。東京国際展示場、通称・東京ビッグサイトでしこたまマイペースに楽しんだ1日を紹介しよう。

寝坊しました
文学フリマの入場は12時からと、いささか遅めのように感じる。
わたしはブースに出店するサークルのメンバーをやらせてもらっていることもあるため、早めに到着しておこうと思っていた。といってもブースを準備するわけではない。
ブース準備開始の10時30分に入場できるのは各サークル二人までと制限があり、わたしはその二人に抜擢されなかったのだ。
だからわたしの入場は一般参加者となんら変わりなく12時……のはずだが、ブース準備をするメンバーに渡すべきものがあったため、早くに到着したかったのだ。
具体的にいうと、午前11時には国際展示場駅を降りて、メンバーとちょっと顔を合わせて、他のブース準備に選ばれなかったメンバーと合流するまで近くのスターバックスでお茶していたかった。
お茶していたかったのだ。
目を開けたら9時。布団の中。寝巻き姿。すっぴん。自宅から東京ビッグサイトには2時間以上はかかる。
終わったかと思った。
いやまじで終わったかと思った。
こういうとき、なにも考えずに体だけを動かすのが最良なのだと学んだ。
頭が真っ白のまま、ダッシュで着替え、ダッシュで準備し、ダッシュで家を出て、ダッシュで電車に乗った。朝ごはんを食べられなかったから電車の中で空腹に苦しんだ。
だけど間に合った。
国際展示場駅行きのりんかい線に乗り込んだときなんか、もう勝利のドーパミンドバドバだった。
わたしってすげー。
メンバーに渡すべきものは渡せたし、会場開始前には到着できたので、勝利である。
朝食兼昼食として食べた勝利のサンドイッチは大変美味であった。
合流するメンバーとも会えたし、入場も開始されたため、早速進むこととする。
嗚呼なぜ、まだ会場入りしてないというのにこんなに疲れているんだろう!
文学フリマで一番嬉しいこと
長蛇の列ってこのことか、と思いながら列の最後尾に並ぶ。
今日は曇りだったけれど、時間が経つとチラチラと青空が見えるような天気だった。

参加する人の列にはたくさんの人がいる。まさに、たくさんだ。
ベビーカーを押している人もいるし、老齢のおじい様やおばあ様方もいれば、着物を着ている方もいる。
なんだかカラフルな絵画でもみているようで、楽しみがさらに加速した。
メンバーと「どんな本欲しい?」だとか、「狙ってるブースとかある?」みたいなことを話しながら、列を進んでいった。
余談だがわたしは今回、事前情報をなにも入れずに挑んだ。
どこの書店がだとか、どの作家さんがだとか、何にも頭に入っていない状態である。だからメンバーの情報はとても心を躍らせるものだった。
時間はあっという間に過ぎて、すぐさま順番がきた。
誘導のスタッフに従って、入場口に回される。たくさんのスタッフさんがチケット確認とかで忙しない様子だった。
高校生の一般参加は無料のため、チケットを買わなくても良い。その代わりに、入場する際に身分証を確認される。もちろんわたしは学生証を見せて、入場した。
入場する際に、提供社でもあるpixiv小説編集社がトートバッグを配布しているのだが、今回は得ることができなかった。
まだ一時も回っていないのに得られないとは。文学フリマの参加者が年々増えていっている証拠である。
入場したとしても、会場ホールまでの道筋は長い。
そもそも会場が1階と2階に分かれているので、とても大きい。
途中でスタッフさんからパンフレットをもらう。
全てのブースがどこにあるのか、どういうジャンルなのか一覧できるパンフレットは、大変嬉しい。

パンフレットを流し見しながら、会場まで進んでいく。
回るのはひとまず後にして、まずは自分たちのサークルのブースに向かった。
辺りを見渡すと、わたしと同じように足早に向かっていく人もいれば、もうすでに購入し終えている人もちらほらと見える。
わたしも早く回りたい。
そういう思いで進んで、一歩、会場に入る。

人のざわめきと、たくさんの足音。数え切れないほどの人がここにいる。もう一つあるホールにもこれだけの人がいるのだろう。
わたしにとって一番嬉しいのは、文学フリマにたくさん人がいることだった。
ここにいる人たちは本が好きな人たちだ。自分の文学をもち、他者の文学を読もうとしている人たちしかいない。
すれ違う人もみんな、本が好きな人たちなのだ。
そう思うと胸がいっぱいになって、ままならない感情になる。
たくさんいる本好きの中の一員になれたようで、居場所があるようで、嬉しいだとか感動だとかのさらに上をいく感情で胸がいっぱいになってしまうのだ。
わたしにとって、文学フリマで一番嬉しいことはこの光景を見ることなのだ。
回るぞ〜!!
一度ブース担当となったサークルメンバーと顔を合わせた。
長机の半分という狭い空間で、いかに私たちのサークルの味を出せるかが勝負どころなのだろうと思う。
我らがサークルの味をうまく出せてるだろうか。読者の皆様にもご判断いただきたい。

二十四節気をテーマとしたアンソロジー作品を販売していた。
本のみならず、原稿用紙に全て手書きで書いた掌編などもある。一体誰が手書きなんてしたのだろう(笑)。
狐面を被っているのは我らがサークルのリーダーだ。奇想天外はその言葉の通りの物語を届けることが目的である。
狐面をつけた集団をどこかで見かけたら、声をかけてほしい。全員、N高グループに所属しているか、OB達なので。
話しは戻り、いざ回り始めよう。
目当てのブースなどないから、本当に端から端まで見て回る虱潰しのような回り方を始めた。
様々な人の声が交錯している。
様々な文学がここにある。
本だけではない。アクリルキーホルダーだったり、お菓子だったり、コーヒーだったり。
「これって実際どうなの?」ってくらいたくさんある。
でもそのワクワク感が楽しい!
次はどんな文学があるんだろう。
次はどんなワクワクがあるんだろう。
そう思うことこそが、文学フリマで大切なんだろうと、回りながら思った。
たくさんの本を手に取って、たくさん眺めて、ブースにいる作者と会話をすることが文学フリマの楽しみ方ってものなのだ。
文学フリマの閉場は17時ちょうど。
つまり私はその日5時間ぶっ通しで回りまくったということである。
11月は日の入りが早い。すでに空は暗くなり始め、国際展示場から見える海が夕日をキラキラと反射させていた。
万歩計を見るとすでに15,000歩も歩いていた。購入した戦利品を入れたバッグで手が痛い。
だが、私はまだ帰るわけにはいかない。
打ち上げだ〜〜〜!!!

打ち上げのサイゼリアがこの世でいちばんおいしい。
あとがき
これが文学フリマ東京41をしこたま楽しんだ私の1日である。
ご覧の通り、記事の半分以上が会場に入る前のワクワク感で埋まっているという事実。
ただ本当に私は入る前がいちばん楽しみで、楽しいのだ。
ジェットコースターに乗車する前がいちばん怖いように、私は文学フリマの会場に入る前がいちばん楽しみで楽しい。
このワクワクを是非とも、読者にも知ってほしい。
文学フリマは高校生以下の入場が無料という破格の対応である!
きっと、若者に文学に触れてほしいからという願いがあるのだろう。
この記事が文学フリマに足を向ける一助になることを、願うばかりだ。


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