活躍生徒vol.43:ゼロから600万円へ純資産拡大 ファンドマネージャーを目指す吉川玲さん

取材・文=作(S高4期・ネットコース)
写真=吉川玲さん
生徒数がついに3万人を超えたN高グループ。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒は、どんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……気になりますよね! そこでN高グループ新聞では「活躍生徒」と題してインタビュー企画を始めることにしました。第43弾となる今回は、中学生の頃から投資を始め、ゼロから600万円まで純資産を増大させた吉川 玲(よしかわ れい)さんにインタビューをしました!
投資に目覚めたきっかけと多方面での活躍
Q1. N高等学校所属で通学コースの3年、吉川玲です。
N高等学校所属で通学コースの3年、吉川玲です。
Q2. どんな活動をしていますか?
N高グループの投資部(*)に所属し、投資活動をしています。部の活動の一環として、企業ゼミという企業のことを深く調べて発表する活動も行っています。
また、日経ストックリーグ(*1)という日経新聞が開催している金融・経済コンテストに参加しています。
*1 日経ストックリーグとは
中学生・高校生・大学生を対象にした金融・経済コンテスト。参加チームは仮想資金500万円を使って株式ポートフォリオ(各銘柄への投資の配分を円グラフなどで表現したもの)を構築し、その成果をレポートにまとめる。提出されたレポートの審査によって各賞が決定し、最優秀賞チームには海外研修旅行への招待がある。
参加者には無料の学習教材が提供され、希望すれば無料で日経新聞を読むことが出来る。
https://manabow.com/sl/
Q3. その活動を始めたきっかけを教えてください
中学1年生の頃に、友達が投資をやっていたので、興味を惹かれてやり始めました。父も投資信託(*2)をやっていたので、最初は父と同じ商品に投資する所から始め、中学卒業時に0円から100万円に利益を増やしました。
*2 投資信託とは
多くの投資家から集めたお金を、専門家が株式や債券などに分散投資し、その運用成果を投資家全体で分け合う金融商品のこと。ただし、元本保証はないので、損をする可能性はある。
Q4. その活動であげた成果や実績を教えてください

(投資番組出演時の吉川玲さん)
成果だと勝手に思い込んでいるものなのですが、まずは「NED」(*3)に登壇したことです。「視点を広げると未来が広がる 〜株式投資で学んだ多角的視点〜」というテーマで登壇しました。
また、テレ東BIZの投資番組『ハリセンボンの投資ドキュメント 株はじめます!?』に投資部として出演し、投資を教えました。
さらに、投資部の活動として、村上さんによる増額面談(*4)で100万円まで投資の資金を増額してもらったのですが、そのお金を使って32%の利益を出しました。
その他にも、高校入学後は年間100万円ずつ利益額を増やしていたのですが、今年1年間で300万円の利益を出して合計600万円まで投資の利益を増額させました。
また、投資部の活動で決算説明資料などの企業情報をしっかり理解するために簿記2級を習得しました。
*3 NED(Nプレゼンフェス)とは
今年からNプレゼンフェスと名称が変更された、N高グループのプレゼンフェス。
イベントは「スピーチ」「スキルバトル」「探究」の三部門があり、「オリジナルのアイデアを見つけ、広げるために”表現する”場」がコンセプトだ。
https://nnn.ed.jp/news/szgqxuu5u/ 2025年度のNプレゼンフェスの紹介リンク
吉川玲さんが出演したNED動画リンク 吉川玲さん登壇は2:22:34からです
https://www.youtube.com/live/o4Un4uSCLoc
テレ東BIZの投資番組『ハリセンボンの投資ドキュメント 株はじめます!?』の動画
*4 村上さんによる増額面談とは
投資報告レポートの結果を元に、優秀な部員のみが個別面談をする事ができ、投資の姿勢や考え方についてアドバイスを貰える。また、プレゼンやこれまでの成果などを元に、投資資金の増額をしてもらうことが可能。
村上さんとは
村上世彰さん。投資部の特別顧問であり、投資家でもある。M&Aコンサルティングを核とする村上ファンドの創設者。
投資をする際に意識していること
Q5. 村上さん面談で増額した100万円を元手に32%の利益を出したとのことですが、具体的にはどんな投資判断が功を奏したのでしょうか?
私が投資をする前提条件として、「一生持てる株」というのがあります。トヨタ自動車という有名な企業がありますが、この企業は余程の事がない限り潰れません。あとはNTTドコモや三菱UFJフィナンシャル・グループなんかもそうですね。そういう所に投資をすることで利益を出しています。
Q6. 投資部の活動として行っている活動と、その成果を教えてください」という事前質質問をした際に、企業研究ゼミで、WATAMIやリクルートに投資をして利益を上げたとありましたが、なぜこれらの企業に投資をしたのでしょうか?

(三井化学株式会社への訪問時)
日経平均(株式市場の動きを把握する際の代表的な企業の銘柄)という代表的な指数があるのですが、その数値が横這になってあまり動いていなかったからですね。それで、個人銘柄の方をピックアップして投資をしました。
もう一つ理由としては、少し難しいのですが、TOB(*5)という、今ある株価よりも高く買収したいなって思える企業だったからです。TOBというのは、ある人が100円で買おうとしても、別の人が150円で買いたいですと言って、企業が企業を買収するような感じの事をTOBと言います。
*5 TOBとは
「Take Over Bid」の略。株式公開買付けの事であり、不特定かつ多数の人に対して買付価格や期間などの公告などを通じて、その保有する株券などを売ってくれるように誘導し、取引所外でそれらの株券などを買い付ける事をいう。
Q7. 活動の中で嬉しかったことは何ですか?
投資活動でいうならば、自分の予測通りに動いた時です。
自分が所有している株価が上がった下がったとかではなくて、自分が持っていない株だったとしても、市場の参加者だったらこう動きそうだなと予測していく感じです。
さまざまな情報から考えて10%ぐらい変わるかななどと予測したものが、実際にその通りに上がったり下がったりすると、嬉しいと感じます。
具体的に考えると、自分がよく行くコンビニでは以前よりもお客さんが増えているな、もしかしたら業績が良くなるかもしれないって考えたり、今年の夏は昨年よりも猛暑日が多かった。エアコンを沢山使うから電力会社が儲かるかもなとか、そんな風に予測して行きます。
大体は外れるんですけどね(笑)。
投資スタイルの変化と成長
Q8. 中学から投資を始めて高校まで続ける中で吉川さんの投資スタイルはどのように変わりましたか?
中学の頃は投資信託(*2)と呼ばれるパッケージのようなものを買っていました。中学一年で投資を始めた頃は親と同じものに投資をしていたのですが、中学2年生辺りでは友達と一緒に考えて、自分達で判断して買うようになっていましたね。
親が日経新聞を読んでいたので、私も友達と一緒に日経新聞から情報収集をしていました。
銘柄ではなくて日経平均株価とかトピックス(東証株価指数)とか、S&P500(アメリカの代表的な株価指数)など、指数ばかりを見ていましたね(笑)。
高校生になってからは指数だけではなくて、銘柄や企業情報なんかにも注目して、多角的な視点で投資をするようになりました。
Q9. 企業を多角的な視点で見る必要があると気づけたのは何故ですか?
高校2年生あたりです。投資部に入部する前は日経新聞と友達との情報交換しか調べるツールがなかったので、一面的な視点になりがちでした。良くも悪くも日経新聞だけが情報源だったので、このような記事が出たから上がるんじゃないかとか下がるんじゃないかとかいうふうに予想していました。
しかし、投資部に入って多くの人と関わったり、学んだりしていく内に、多角的な視点が必要である事に気づきました。
実は、高校1年生の頃に一度投資部に落ちてしまったんです。当初は落ち込みましたが、これをきっかけにして、親が投資している投資ファンド(*6)を運営している人に会いに行く事にしたんです。藤野英人さん(*7)という方で、私がファンドマネージャーになりたいと思ったきっかけになってくれた人です。
高校1年生の9月から現在まで、藤野さんのもとに月に1回通っています。
*6 投資ファンドとは
多くの投資家から集めた資金を、専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券、不動産など様々な資産にまとめて投資・運用し、その収益を投資家に分配する基金のこと。
*7 藤野英人(ふじの ひでと)さんとは
日本のファンドマネージャーであり、レオス・キャピタルワークスの創業者で代表取締役会長兼社長。
中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネージャーとして豊富な経験を持つ。
Q10. 月に一回通っている、というのはプライベートの方でですか?
はい、そうです。私自身が藤野さんが運営しているファンドの株を買っていて、月に一回ファンドの報告会があるんです。それで、その講演を聞いた後に、雑談が出来るので、自分の現在の市場の見方などを壁打ちしたり、情報交換をしたり、市場に密接している人にお話を聞く機会になっています。
色々な情報をここで交換していくみたいな感じです(笑)。
ファンドマネージャーへの道
Q11. ファンドマネージャーになりたいとのことですが、自分ならではのファンドを作るとしたら、どんな特徴を持たせたいですか?

(SusHi tech tokyo2025「持続可能な未来都市を、高いテクノロジーでがコンセプトであるグローバルイノベーションイベント」の写真)
上場企業に投資するファンドとベンチャーキャピタルと呼ばれる成長が見込まれる未上場のベンチャー企業への投資と貧困層に投資するという3つを基本としたアクティブファンド(*8)を作りたいと思っています。
*8 アクティブファンドとは
運用担当者(ファンドマネージャー)があらかじめ決められた運用方針の元で、投資する企業やその投資割合を決定し、運用するファンドのこと。投資する銘柄を厳選する事で市場平均を上回るリターンを目指す。
Q12. 貧困層に投資したいと考えるようになったきっかけはありますか?
N高グループで行われたカンボジアで実施した宿泊型体験学習プログラム(*9)に参加したことがきっかけです。カンボジアのNPO法人の方の案内で小学校を訪問して、現地の村を見学させてもらったんです。このように表現したくないのですが、一番良い家だと言って連れて貰った先が高床式倉庫みたいな家でした。階段もガタガタとしていて、とても裕福には見えませんでした。
NPO法人の社長の方が、「カンボジアにはこのような家が沢山あるけど、10,000ドルあれば経済的に豊かなフェーズに乗れるんだ」という事を話していて、それって投資で解決できるのでは?と感じたからです。
*9 N高グループのカンボジアで実施した宿泊型体験学習プログラムとは
「アソビとハナビでつながる友達の輪 〜カンボジアの子供たちとふれあおう〜 」をテーマとして、2024年に実施された宿泊型体験学習プログラム。
YouTube動画リンク
Q13. ファンドマネージャーになった際には個人投資が出来なくなると聞いていますが、それでも目指す理由は何ですか?
私がファンドを立ち上げる時の前提条件として、自分はもう投資をしなくても大丈夫な状態になるというものがあります。個人投資が出来なくなる、というのは新たに投資をすることが出来ないだけで、これまでに保有してきた株はそのままなんです。
目標としては、大学の4年間で一億円まで純資産を拡大するつもりで、一生持ち続ける株を厳選して買うつもりです。
それで、自分が出来上がった状態を確保したうえでファンドを立ち上げます。
成長の秘訣
Q14. 成果を上げる事ができた理由はなんですか?
教訓をメモしているからだと思っています。勝てる日も負ける日もあるのですが、その負けた日に「どうして俺は負けたのか?」というのを全部の取引を見返して分析しています。
また、自分の中の教訓が5つあります。1つ目がメインなのですが、感情を持ち込まない。投資をする時に、自分の感情を持ち込んでしまうと正しい判断が出来なくなるんですよね。というのも、本当は買いのはずなのに、「いや、業績が悪かったし、まだ下がるんじゃない?」って思い込んで、売りに入ってしまう時があるんです。あとは、自分の感情が不機嫌な時も、適当に買っちゃえとか適当に売っちゃえとか思ってしまう事が本当にあり、大きなミスをした事があります。
2つ目は無理には投資しない、3つ目は早めの損切り、4つ目は板が薄いのは触らない(*10)で最後がナンピンしない(*11)です。
*10 板が薄いのは触らないとは
主に株式投資のデイトレードの世界で使われ、注文が少なく、値動きが不安定な銘柄には手を出さない方がよいという意味。
*11 ナンピンしないとは
保有している株などが値下がりした際に、平均取得単価を下げるために追加で買い増しをしないという投資戦略のこと。
Q15. 一番損をした際にはどのくらいの損失が出ましたか?
これには2つの表現があります。含み損と実現損益です。
実現損益はそのままの意味で、例でいうと、十万円の損切りといって、十万円のマイナスを出してしまったという事です。
含み損というのは、今の所は株価が十万円負けている状態になっているけど、これから上がるかもしれないので、確定していない損益の事です。
含み損の方は2024年8月5日で1日で一気に40万円減りました。また、その月は値下がりが激しく、2日間で70万円の含み損が出ました。
実現損益の方は26万円です。
おわりに
今回は、中学生の頃から投資を始め、ファンドマネージャーという夢に向かって精力的に活動をしている吉川玲さんにインタビューをしました!
投資を始めとして経済コンテスト、NED出演など、数々の活動に参加をすることで活躍の場を広げています吉川さんですが、なんと磁石際実行委員への参加もされていたそうです!
専門用語を簡単に説明したり、笑顔を見せるなど、優しい配慮には心温まりました。
今後の活動にも注目です!
投資部とは
「N高グループ投資部」とは、実際の資金を用いて株式投資に挑戦し、社会の仕組みや経済の動向を実践的に学ぶプログラムです。村上世彰特別顧問をはじめ、投資のプロフェッショナルによる講義を受講できる機会もあります。投資を通じて経済への理解を深めるだけでなく、リスク管理や意思決定の力を養い、社会におけるお金の流れを主体的に考える力を育みます。
2019年に開講した「N高グループ投資部」は、今年度で6年目を迎え、これまでに多くの生徒が実践的な学びを経験してきました。
N高グループ投資部の募集は、在校生は3月、新入生・N中等部生は4月に行っています。詳しくは下記URLからご確認ください。
https://nnn.ed.jp/about/club/investment
※詳しい募集タイミングはメールや投資部公式Xでご案内します
※受講はN高グループ(N高/S高/R高/N中等部)の生徒に限ります。


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