元CAの講師に聞く、ビジネスマナーのあれこれ

  • URLをコピーしました!
文=笹岡ほのか(S高2期ネットコース)

社会に出て働く上で、ビジネスマナーはとても大切です。

ですが、ビジネスマナーって具体的にどんなものなのかご存知でしょうか?

2023年6月ごろに学内で開催された「ゼロから教えて!身だしなみ&マナー」というワークショップでは、バイトや就職で使える面接時のマナーを実践的に学びました。

そのワークショップに、講師として登壇された榊原陽子(さかきばらようこ)さんに「ビジネスの場において基本となる心構え」について教えていただきました。

榊原 陽子さん
株式会社マザーリーフ代表取締役
さくら社会保険労務士法人 代表社員
一般社団法人 CAネットワーク 常務理事
目次

今回のイベントについて

ビジネスマナーの研修などに携わっている榊原さんは、今まで身だしなみのマナーを高校生にオンラインで教える経験はありましたか?

榊原さん

 高校生に対してのビジネスマナー研修は、たまに行っていました。卒業式や職業体験の前に最低限の礼儀作法を身につけて欲しいということで依頼があり、学校へ訪問したことがあります。また、オンライン上でのビジネスマナー研修はコロナの影響もあり時々やっていました。ですが、高校生対象にオンライン上で研修を行う試みは初めてでした。

N/S高生に対しオンライン上でビジネスマナー研修を行ってみていかがでしたか?

榊原さん

 今まで高校生を対象にした研修は、学校に足を運び教えることが多く、なかなか生徒からの質問は出ないことが多かったです。一方的な講座ではなく参加型の研修にしても、質問が1つでもあると「わあ!積極的だな!」と思っていました。ところが、N/S高で行った研修はチャットが絶えず動いていたので、率直に素晴らしいと思います。対面でのコミュニケーションではなく、オンライン上のチャットでのコミュニケーションでしたが、疑問をそのままにしないで積極的な姿勢で参加する意識が伝わりました。本当に素晴らしいなって思います。

ビジネスマナー「プロ」の意外な裏側

今ビジネスマナーのプロとしてお仕事している榊原さんは学生の頃、マナーや作法などに興味がありましたか?

榊原さん

 実はね!元々、ビジネスマナーは苦手だったんですよ(笑)。でも、大学卒業後に全日空の客室乗務員を務めることになり、ビジネスマナーの勉強を始めました。客室乗務員ってすごくマナーが綺麗だと思われているのですが、私は動作が雑だったので先輩に叱られながら学んでいました

 入社してすぐの頃の話ですが、仕事の関係でホテルに泊まった際のことです。ホテルにチェックインした後、足を組み、もらったホテルの鍵をブンブン振り回し、ブスっとした表情で、「会社の制服を着たまま」他の仕事仲間のチェックインをロビーで待っていたんです。それを先輩に見られてこっぴどく叱られました(笑)。そのくらいビジネスマナーがダメダメだったんです。

 でも、身だしなみに気をつけたり感謝を伝えたり、最低限のマナーを備えた上で人と接した方が自分自身が得をすると気づいたんです。当たり前ですが、だらしないことをしていると信頼されにくいですが、きちんとした人でいると信頼されやすいですよね。ムッとしている方よりも笑顔で明るく話される方が人間関係をうまく作れます。それに気づいて実践を繰り返した結果、今に至ります。

なるほど!やっぱり経験や回数を重ねることが大事ですね。例えば、バイト面接の場でも合否だけに縛られるのではなく、時間を頂いているという丁寧で相手を尊重したマインドでコミュニケーションが取れるといいですよね。

面接の時に必要なこと

面接時にどうしても緊張してしまうのですが、どのように対策すればいいでしょうか?

榊原さん

 挨拶をする、ノックをするなど、最低限の社会的マナーは身につけておいた方がいいと思います。でも、しなきゃいけないマナーは実はそんなに多くないんですよ!だから、マナーに囚われずに「自信を持ってニコニコ元気よく」を意識して面接に臨むといいと思います。その若者らしい元気を高校生は求められていると思います。

 とにかくマナーの失敗や間違いを恐れるよりも元気に行くことが大事ですので、失敗しないと自信がつくまで、面接時を想定した練習をしておくといいと思いますよ!

陽子さんが、今の学生が身につけておくべきだと考えることは何ですか?

榊原さん

 もっと視野を広げることを今の学生におすすめしたいですね。
中高生の間は、まだ自分の見えている世界が狭いと思っています。現代はインターネットが普及したくさんの情報に触れると思うのですが、その情報も結局は前から自分の興味関心がある情報に偏ってしまっています。

 情報が溢れる今の社会も、結局自分の見えている世界には偏りがあると思うんです。でも、世の中はもっと広く、自分では見えていないいろいろなものでできています。だから、中高生の見えている世界の当たり前や好みは、世の中の当たり前や好みと少し違いがあると思います。身だしなみやマナーも同じですね!

 例えば、髪の毛を明るく染めていても自分が素敵だと思うならいいですよね。でも銀行などに就職しようと思うと、自分が素敵だと思っている髪型も、銀行に来てくださるお客様は、「お金を預けても大丈夫かな?」と不安になります。そのような見方の違いがあります。

 だから中高生には、自分の好きだけじゃなく、いろんな方の視点に立って想像する訓練をお勧めします。「こういう人たちにとってはこんなのがよくて、こういう人たちにとってはこういうのがいいんだ」っていうのを、多くの人に出会うなかで考えることによって、物事を多角的にみられるようになります。

 そのためには、現地に行くなどのリアル体験をすることで偏りのない情報や人に出会い、視野を広げることができるんだと思います。

いろんな人の視点に立って考えることって大事ですよね。バイトの面接で悩んでる方の多くは、「自分が受かるか」に目がいってることがありますが、お客さんの視点や面接官の視点に立って自分を見直すべきだと思います。

それは、一つずつ経験をしていくことでだんだんと見えてくるものなので、焦らずまず「相手を思いやる」ことが必要だと思います。

榊原さん

 そうですね!面接のマナーは合ってるか間違ってるかでいうと、そりゃあ間違わない方がいいに決まっています。でも、面接官の視点に立ってみると応募者のマナーが正しいか間違っているかを見ているのではなく、その人がうちの店で働けるかどうかを見ています。そこで、マナーが全くなってないとうちの店で働けないと判断されていますが、ある程度ちゃんとしていれば、マナーで判断しないんです。

 そこは学校と違うところですよね。正解であることは大事ではないんです。もちろん、間違っているより合っている方がいいですが……。それ以上にあなたがうちの店で働けるのか、あなたがお客さんからどう見られるのかの方が大事なんです。

榊原さんからのメッセージ

榊原さん

元気よく健康に気をつけて頑張りすぎず頑張ってください! あと、あまりよく見せすぎないように! 無理せずありのままの自分で!明るく元気に無理せず、 でも、挨拶は心がけてください。


今回のインタビューは、冒頭で紹介したワークショップの直後に行いました。そのため私もワークショップに参加し、陽子さんからビジネスマナーを教わっていたのですが、とても分かりやすくマナーを身につけることができました。そしてマナーだけでなくビジネスの場で、「自分がどんな姿勢で望めばいいのか」「マナーよりも大切にすべきこと」をこのインタビューで伺うことができました。

これからだんだんと増えていくであろうビジネスの場で、きちんとしたマナーが振る舞えるよう今のうちから経験と練習をしておきましょう!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次