【ミラノ・コルティナ冬季オリンピック】N高卒業生の吉田唄菜選手にインタビューしてみた【フィギュアスケート団体銀メダリスト】

私は、画面の向こう側にいる彼女に向けて声を上げていた。
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケート、団体戦。N高卒業生が日本代表選手として出場することからN高の新宿代々木キャンパスでパブリックビューイングが開催された。
私は声をあげた。とにかく彼女に、吉田唄菜選手に向けて、私は応援の声をあげた。
だから、こうなるとは思いもしなかった。目の前にご本人がいる。
日本代表の証であるジャパンジャージを着て、団体戦で戦い抜いて手に入れた銀メダルを首にかけて。
そして、私に笑顔でオリンピックの銀メダルをかけてくれようとしている。彼女が、たくさんの選手が、努力の末に勝ち取った証を。
首にかけられた銀メダルは想像以上に重かった。こんなに重いものを背負いながらも、未来を向く吉田唄菜選手の言葉を、私たちは紡いでいく。
プロフィール紹介

吉田唄菜選手
2019年にN高等学校に入学し、2021年に卒業。現在は京都とカナダを拠点に練習し、木下アカデミーではキャシー・リード氏、カナダではスコット・モイア氏に師事。
日本スケート連盟からアイスダンス強化選手に抜擢され、昨シーズンの冬季アジア競技大会で優勝。
今年度の全日本フィギュアスケート選手権で1位となり、オリンピック出場を勝ち取る。
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは団体戦に出場し、見事に銀メダルを手にした。
オリンピックはどうだった?

ーーオリンピックにはどのような思いで挑みましたか?
今回は団体戦ということもあり、チームのために滑ろうと思いながら挑みました。
ーー銀メダルを首にかけると、どういう感情がありますか。
やっぱりすごく重たいです。メダルの重さだけじゃなくて、チームジャパンのみんなで頑張ったっていう思い出が詰まったメダルなので、メダルの重さ以上に重みを感じます。
ーー団体の銀メダルをとってどのようなお気持ちですか?
チームジャパンのみんなで力を合わせて、みんながいい演技をして取った銀メダルなので、すごく嬉しい気持ちもあります。
けれど、私達アイスダンスがもう一つ順位を上げていたらメダルの色も変わっていたので少し悔しくも思います。4年後も出場を目指しポイント源になれるよう頑張りたいです。
ーー団体競技で他の選手から学んだことはありますか?
チームジャパンの皆さんから、本番で力を発揮する競技力の強さを学びました。また、他国のアイスダンスのトップの方たちは、滑りや表現力が私たちとはレベルが違うと感じました。今後はそこを磨いていけたらいいなと思っています。
ーーフィギュアスケートの選手同士ではどんな交流がありましたか?
鍵山優真君(※1)や佐藤駿君(※2)は同い年というのもあって交流がありました。
鍵山優真君は、六年前のローザンヌユースオリンピックにも一緒に行かせていただき、そこですごく仲良くなりました。
今回も一緒に団体戦に出ることができて、とても楽しかったです。
坂本花織さん(※3)ともすごく仲良くさせていただいて、本当にどんな時でも楽しい方なので、一緒にいて本当に楽しかったです。
ーーたくさんの応援がありましたが、どう感じましたか?
普段はフィギュアを見ない方も、今回のオリンピックという舞台を目にして、声をかけていただきました。地元の方からも祝福の声をたくさんいただいたので、本当にいい経験だなって思っています。
ーーチームジャパンの他競技の選手とは何か交流はありましたか?
個人的に大ファンの、ショートトラックの選手にお会いすることもでき、お話しもさせていただきました。写真も撮ってもらえて、すごく嬉しかったです。
ーーアイスダンスの選手で目指す選手はいますか?
たくさんいます。
今カナダでコーチをしていただいている、スコット・モイアさん(※4)だったり、マディソン・ハベルさん(※5)、エイドリアン・ディアスさん(※6)のような方になりたいです。
本当に皆さん力強くて、かっこいいアイスダンサーなので、そういった選手を目指したいなと思います。
ーー今回のオリンピックをこれからの競技生活でどのように活かしたいですか?
オリンピックという大きな舞台で、自分たちがしたかった演技ができたので、それはすごく自信にもなりました。
また、チームジャパンの皆さんの演技を近くで見て、すごく強い選手ばかりなので「私たちも早くこんな風になれるように頑張りたいな」と思いました。
競技への向上心が高まった試合になりました。
N高をどう活用していたの?
ーーここからはN高時代のお話をうかがいます。まず、N高等学校へ進学を決めた理由を教えてください。
中学校3年生のタイミングでカナダに行くことが決まり、日本の学校への進学が難しくなってしまいました。現地では言葉の壁もあり、勉強面に対する不安も大きかったのですが、そんな時にオンラインで授業を受けることができるN高等学校に出会い、進学を決めました。
ーー学業と競技を両立させるための工夫を教えてください。
競技の練習時間が午前中だったので、午後はしっかり勉強の時間にあてていました。空き時間にコツコツ学習を進めたことが無事に卒業することに繋がったので良かったと思います。
ーー当時のスケジュールを教えてください。
午前中は競技の練習、午後も1時間の氷上練習(※8)とオフアイスのトレーニング(※9)を行っていました。その間の限られた時間に集中して学習を進めるという毎日でした。
ーー海外生活をしながらN高で勉強することの良さや大変さについて教えてください。
他の通信制の高校ではオンラインでリアルタイム授業があり、そこが時差などの関係で受けるのが難しそうだったため、全て自分のタイミングで進められるN高の学習制度がとても良かったです。
アイスダンスという舞台、その舞台裏

ーー今回、銀メダルを獲得されるまでには、並々ならぬ努力を重ねてこられたと思います。それでも、思うようにいかない時や、つらい出来事があった時に、スケートを辞めたいと思ったことはありますか?
パートナーが見つからなかった時などは、「もうやめようかな」と思ったこともありました。でも、オリンピックや世界選手権の舞台で表彰台に立ちたいという強い思いがあったので、その気持ちを支えにして、続けようと頑張ってきました。
ーーシングルやペアという選択肢がある中で、なぜアイスダンスを選ばれたのですか?
アイスダンスには、フィギュアスケートならではのスケーティングの美しさや、二人でひとつの表現を作り上げていく面白さがあります。そうした魅力に惹かれて、私もいつか、そんな魅力的な演技ができるスケーターになりたいと思い、アイスダンスを始めました。
ーーアイスダンスのパートナーはどのような存在ですか?
シングルの選手が一人で大きなリンクに立っている姿を見ると、本当にすごいなと思います。アイスダンスは隣に一緒に滑ってくれるパートナーがいてくれるので、それだけでとても心強いです。緊張や悔しさ、喜びなど、すべての感情を分かち合える、すごく大事な存在だと思います。
ーーアイスダンスの魅力は何ですか?
アイスダンスは、一人ではなく二人で作り上げていく競技なので、表現の幅がとても広がるところが魅力です。本当に上手な選手の演技を見ていると、まるで1本の映画を観たような気持ちになれるんです。そこが、アイスダンスの一番の魅力だと思います。
ーー演技前のルーティーンを教えていただけますか?
特に決まったことはないのですが、本番前の5分間練習の前に、パートナーのまさやくん(※10)と「せっせっせーの よいよいよい」をやっています。
ーー演技前は緊張しますか?
私はあまり緊張しないタイプなんです。むしろ、大きな大会になればなるほど楽しくなってくるので、今回のオリンピックでも、あまり緊張せずに滑ることができました。
ーーその強いメンタルの秘訣を教えてください。
まさやくんはすごく緊張するタイプなので、それを見ていたら「ちょっと緊張してるな」となって、私は逆に落ち着きます(笑)。
ーー試合前に絶対に食べる勝負飯はありますか?
今のところ「これ!」というものはないかもしれません。なので、これから見つけていこうと思います!
在校生に向けて。

ーー最後にN高グループ生にメッセージをお願いします。
N高グループの仕組みがあったからこそ、今の私の競技生活がうまく軌道に乗ったと思っています。この学校で高校生活を送ることができて、本当に良かったです。
皆さんにも自分の好きなことに取り組んで、仲間とともに楽しい時間を過ごしていってほしいです。
終わりに
オリンピックという大舞台を「楽しかった」と笑顔で振り返る吉田選手。
お話を伺うとN高時代に自分のペースで学び、競技に打ち込める環境を自ら選び取ったという自負が感じられた。
通信制高校という選択が、世界へ向かうための足がかりになる。彼女の活躍は、今まさにN高グループで自分の道を探している私たちにとって、大きな希望の光となることだろう。
吉田唄菜選手の挑戦を、私たちはこれからも全力で応援し続ける。
改めて、フィギュアスケート団体銀メダル、おめでとうございます!!
たくさんの感動をいただきました。これからも、たくさんの挑戦を見届けていきます。
本当に、ありがとうございました!


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