活躍生徒vol.045:「持続可能な財政運営」を目指し学生団体を設立した、中田裕己さんと服部将昌さん

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取材・文=0(S高4期・通学コース)
写真=中田さん・服部さん

生徒数がついに3万人を超えたN高グループ。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒は、どんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……気になりますよね! そこでN高グループ新聞では「活躍生徒」と題してインタビュー企画を始めることにしました。第45弾となる今回は、国会議員20名に政策提言を行い、イベント開催などを通して財政教育を行っている、中田 裕己(なかた ゆうき)さんと服部 将昌(はっとり まさあき)さんのインタビューをお届けします。

目次

学生団体「財政教育フロンティア」を設立

Q.所属校とコース、学年、名前を教えてください

中田さん:N高等学校、ネットコース、2年の中田裕己です。

服部さん:N高等学校、通学コース、3年の服部将昌です。

(自分たちで開催した、財政教育に関するイベント後にテレビ取材を受ける服部さん(左)中田さん(右))

Q.どんな活動をしていますか?

中田さん:僕たちは政治部※6期生としてアドバンスコース※に所属し、イベントの実施などを通じて、財政について考える「財政教育」に取り組んでいます。あわせて、政治家や官僚の方々に対して政策提言も行ってきました。こうした活動を通して、日本全国に財政に関する考え方を広げていくことを目指しています。

※政治部とは、主権者教育の一環として政治家と直接に触れ合う機会をつくり、生徒に政治を身近に感じてもらうことを目的に活動しているN高グループの部活動。(詳細はこの記事の最後に掲載しています)

※アドバンスコースとは、N高グループに在籍する生徒が、政治分野に特化して専門的な学びを深めるための特別なコース。

また、日本財政の将来的な持続可能性について考える活動にも取り組んでいます。日本が今後どのような政策を取れば財政を安定させられるのかを、現在の政策をもとに考えています。

上記の活動は、僕と服部が設立した「財政教育フロンティア」という学生団体にて行っています。

「財政教育フロンティア」の公式インスタグラムアカウントはこちら!

Q.お2人がこれらの活動を始めたきっかけを教えてください

中田さん:元々政治部内の同じチームの中で活動していたんです。当時はそのチームに6人のメンバーがいて、その中で財政問題に関する研究を行っていたのが僕ら2人で、そこから共に活動を始めていきました。

日本財政は、財政運営に関する短期的な政策を取られることが多く、将来的な視点が不足していると思っています。最近で言えば消費税や寄付金などに焦点が当てられがちで、将来的な議論があまり行われておらず、安定的な財政運営の示しがついていないというのが課題かなと考えています。こうした課題の要因について調査したところ、国民と経済学者の間に、財政政策に関する認識のギャップがあるというふうに感じました。

そこに問題意識を置き、その解決手段として、財政教育や政策提言といった活動を始めました。

Q.お2人が財政そのものに興味を持ったきっかけを教えてください

中田さん:僕は、「失われた30年」と言われる、日本経済が成長しなかった理由を唱えられている方のYouTubeを中学3年生の時に見たことがきっかけです。それから、「こういった問題は本当に財政運営のせいなのか?」という疑問を抱くようになり、新聞や論文などで関心を深めていきました。

服部さん:僕には2つきっかけがあります。1つ目は、昔からよく新聞を読んでいたんですけど、その中で『日本の経済が将来大変なことになるかもしれない』という内容の記事を多く見てきたことです。2つ目は、「オペレーションZ」※という小説を読んだことです。この本を読んでから、1,000兆円を超える借金は主要国で最悪水準であり、このままでは私たち以後の将来の世代が多大な「ツケ」を払わないといけないことを知り、課題意識を抱きました。

※オペレーションZとは、「真山仁」作の経済小説。2017年、新潮社刊。

服部さん:ただ、この2つが直接何か行動を起こそうと思ったきっかけになったわけではありません。N高グループの政治部に入部したことで、中田を始め同じチームのメンバーなどとも議論を重ね、政治に関する様々な問題の根本は財政にあるということに気づいたんです。それならまず財政に関する課題を解決しようということで、これらの活動を進めました。

「周囲の人の支えが1番」

Q.その活動であげた実績や成果を教えてください

中田さん:先ほどもお話したような政策提言やイベント実施が実績の根幹になります。政策提言の方は国会議員20名の方や、財務省、金融庁の方々などに行わせていただきました。最初はN高グループの政治部として、中曽根康隆議員、大串博志議員、舟山康江議員の3名の国会議員に提言し、これをきっかけに学生団体での活動にも政策提言を取り入れました。

イベント実施の方では、今年の7月中旬ごろに新宿代々木キャンパスにて、財政や社会保障について学び考えるワークショップを行い、その後に参議院選挙の各党の公約を用いた模擬選挙を実施しました。

詳しくはこちらの記事から

また、昨年には一橋大学経済学科の佐藤主光教授や、早稲田大学の教育学部の藁谷友紀教授に、財政についてのインタビューもさせていただきました。

(自民党の衆議院議員である古川禎久氏に政策提言を行った2人)

Q.新宿代々木キャンパスを模擬選挙の開催場所として選んだ理由は何ですか?

中田さん:立地が良く、会場の広さも十分にあったことが主な理由です。

服部さん:補足すると、これまで政治部で行われてきた活動の中で、新宿代々木キャンパスが使用された例があったから、というのもあります。

Q.お2人の活動は「めざましテレビ」などメディアにも取り上げられましたね。反響はどうでしたか?

服部さん:メディア出演は自分たちの力ではなくて、主に政治部の広報の方々の尽力で叶いました。イベントの企画段階からその広報の方々が全面的に協力してくださって、企画を実施する際にメディアの方を連れてきてくれたこともありました。

Q.成果を上げることができた理由は何だと思いますか?

中田さん:僕1人では出来なかったことがたくさんあるので、周囲の人の支えが一番にあると思います。中でもやっぱり服部が一緒にいてくれたことが心強かったですね。普段の活動では、僕が色々とアイデアを出して、それを服部が整理してまとめてくれたり、関係各所に連絡をしてくれたりするんです。そうして彼と上手く連携を取ってやっていけたことが大きかったと思います。また、政治部や学園の方々の手厚いサポートにもとても助けられました。

服部さん:僕も周囲の人の支えが1番の理由だと感じています。20名もの国会議員の方々に自分たちが政策提言をできるなど、最初は思ってもいなかったんですけど、1人の方に提言したら、その方が他の議員の方を紹介してくれました。こういった繋がりがあったからこそ今の実績を積めていると思いますね。

Q.ご自身の活動の中で思い出に残っていることを教えてください。

中田さん:うーん、これはたくさんありますが、まずは防衛大臣である小泉進次郎議員に政策提言できたことです。普段テレビで見ている人に出会えたというのが思い出深かったですね。あとは、自分たちで開催したイベント参加者に「財政に対する見方が変わった」というような声をもらったこともすごく嬉しかったです。

服部さん:僕はイベントの企画運営が1番思い出に残っています。イベントには、政策提言によって繋がりを持った行政の方に参加していただくこともあって、これまでの自分たちの成果を活かしたイベントが開催出来たなと思っています。あとは中田も言っていたように、参加者が財政を少しでも身近な存在と認識してくれたことが、とてもやりがいに感じましたね。

(イベントの打ち合わせを行う2人)

Q.活動に政治部の存在は役に立ちましたか?

中田さん:先ほども話した通り、やっぱりスタッフさんからのサポートにすごく助けられたし、あとはシンプルに交友関係の部分でとても役に立ちましたね。政治に関することでも、メンバーによって活動している分野は多岐に渡るので、色々な考え方の人と巡り会えました。でも全員「政治を通して日本をよくしていきたい」という思いは共通しているので、困った時は相談し合えるというのも良い点だと思います。

服部さん:自分のやりたいことを出来る環境というか、どれだけ遠い存在の目標でも「叶うんじゃないか」と思わせてくれるところが政治部だと思います。サポートももちろんですし、ゲスト講演を定期的に行ってくれるのもすごくありがたいです。政治家の方に実際にお会い出来る機会が豊富に用意されているので、本当にたくさんの貴重な経験をすることができました。

Q.活動の中で大変だったことはありますか?

中田さん:自分でも「良くないな」と思っているんですけど、連絡が1番大変でした。何か1つ企画を行うだけでも膨大な仕事量が降ってくるので、つい忘れがちなんですよね。あと、最近では共に財政教育フロンティアで活動するメンバーと方向性の違いを感じることもあります。活動に携わってくれる周りの人たちと何度も意向を擦り合わせる場面が増えたので、そこも大変なところだと思います。

服部さん:僕も基本は中田と同じ意見です。色々なことの調整や、意見のすり合わせというところに苦労しているなと思いますね。去年は政策提言を主軸として活動していて、その際はチームメンバーが6人いました。話し合いの中で『残念だけどここは省こう』とか、『ここは取り入れよう』という意見の調整がとても難しかったです。また、自分たちのイベント企画は自分たちだけで行うのではなく、行政の方や民間企業の方、あとはN高グループの生徒会の人たちにも協力していただくことがあるので、その分の連絡も本当に大変でした。

Q.それをどう乗り越えましたか?

中田さん:連絡に関しては、僕は今乗り越えようと頑張っています(笑)。その為にはやっぱり仲間を頼ることが大事だなと思いますね。自分は本当に仲間に恵まれているなと感じているので。方向性の違いに関しては、企画の度にひたすら話し合いをして、自分と仲間と一緒に企画を作っていくという意識を持つことが大切だと思います。

服部さん:これまでの経験からも、やっぱり1人で抱え込まない方が良いと思いますね。最近行った企画でも、連絡が漏れていたり、直前まで仕様書が完成しないということがあったんです。それを仲間が代わりにやってくれることも多かったので、やっぱり中田も言ってくれた通り、仲間を頼って活動していくのが良いと思います。

Q.活動の中で嬉しかったことは何ですか?

中田さん:成果物が形になることや、イベント参加者の方から好評の声をもらえた時が1番嬉しかったです。あとは、話を聞いてくださった政治家の方からお褒めの言葉をいただくことが、ありがたいことに本当に多いんですよ。僕たちの活動って、高校生があまり目を向けないことですし、泥臭いことも結構やってきてるので、そこを褒めていただけるのが本当に嬉しいです。

服部さん:僕も同じで、自分たちの政策提言が有識者から高く評価をいただけることが嬉しいです。その際に「この提言だったらこの議員に持って行った方が良いよ」とか、「この政策は財務省のこの人が担当してるから、連絡つけるよ」というように、自分たちのために色々な人が動いてくださるんですよ。これが本当に有難いんですよね。もちろん、イベント参加者からの言葉も活動の原動力になっています。

持続可能な財政教育を目指して

Q.普段財政に目を向けていない人に財政の説明をする時、お2人が意識していることは何ですか?

中田さん:財政というのは、政府がお金を管理するツールでもあり、国全体の流れの一部をコントロールするものでもあり、色々な視点から見られるんですよ。だから説明の際は、財政が国全体で動いているお金のどの部分に位置しているのか、どのような役割を果たしているのかというのを元に話していくのが良いのかなと。僕は研究部※で財政学の研究も行っているので、研究部のメンバーへはこういった感じで説明しています。

※研究部とは、N高グループの生徒を中心に、学術研究を志す全国の中高生が、学校の枠を超えて専門的な研究活動を行うためのコミュニティ

服部さん:僕は、出来るだけ簡単な言葉で伝えることを意識しています。財政と聞くと、難しそうなイメージや拒否感を覚える人って多いと思うんですよね。だから中田の言うように財政の仕組みを詳しく説明することは良いと思うんですけど、そもそも政治にすら関心を持っていない人たちには、もっと簡単な解説から始めると良いと思うんです。例えば今でいうと「消費税を減税すべきか?」というのが話題になってるじゃないですか。これを説明するとしたら、「消費税を減税するには、国債という借金のようなものを発行しないといけなくて、これは自分たちが大人になった時に税金としてまた負担していく必要があるんだよ」というように、出来る限り自分たちの生活と結びつけて説明すると良いと思います。

(制作提言の際活用された資料)

Q.活動を通して得られたスキルを教えてください。

中田さん:まずは、連絡は大事ということを改めて学ぶことができました(笑)。あとは大人の方との関わり方ですね。政治家の方やイベント参加者との交流からコミュニケーション能力を鍛えることができました。また、プロジェクト管理についてもたくさん学ぶことができましたね。普通の高校生では体験できないようなことをたくさんさせてもらっているので、上げるとキリが無いかもしれないです。
服部さん:僕はビジネスマナーが1番身についたかなと思います。政治家の方にアポを取る時の電話対応やメールの作成方法は、たくさん経験したからこそ身についたスキルだと思います。あとは、実際にお会いした際の敬語の使い方もこの活動を通して得られたものだと思います。この間受験の面接があったんですけど、そこでこの敬語の使い方をすごく活かすことが出来たんです。改めて、この活動をやってて良かったなと感じました。

Q.たくさんの人と交流を重ねられたと思うのですが、特に政治家の方などと話す際に緊張などはしませんでしたか?

服部さん:いやいや、めちゃくちゃ緊張しましたよ(笑)

中田さん:というか今でも全然緊張します(笑)。実はさっきもちょうど財務省の方と面談したんですけど、緊張しすぎで頭が回らなくて、上手く話せなかったことを後悔してます。でも本当に優しい人が多いんですよね。

服部さん:自分も毎回緊張するし不安になるので、リハーサルなどにしっかり時間をかけるようにしています

Q.今後の展望を教えてください。

中田さん:僕は今まさに考えているところです。まずは、今進めているイベントや、これから実施予定のワークショップをしっかり成功させたいと思っています。あとは服部が卒業してしまったり、僕も来年からは受験が始まるので、環境が変わる中で学生団体の活動をどう進めていくのかというところもしっかり考えながら、この活動を持続可能なものにしていきたいと思っています。将来的に責任を持った財政運営を政府の方々に行っていただけるように、今後も政策提言などを通して声を上げていきたいです。

服部さん:僕もまずは今企画しているイベントをしっかりやり抜きたいと思っています。自分たちが最初に立てた目標に沿って、これからも活動していきたいです。ただ、今運営している学生団体での活動を今後2人だけで続けていくのは厳しいので、新しいメンバーを探したり、改めて活動内容を見直すなどしていきたいと思います。

おわりに

今回は、活躍生徒企画第45弾として、中田さんと服部さんのインタビューをお届けしました!
国会議員20名の方に政策提言を行ったり、普通の高校生では経験できないような活動を日々行われているお2人をとても尊敬します。しかし、取材中には「今でも緊張する」という言葉を聞けたり、お互いに支え合って頑張られてきたことがとても伝わりました!
中田さんと服部さんの今後の活躍に注目です!

【活躍したいN高グループ生へ! 政治部とは】

政治部では、時事問題や政治について多角的な視点を持ち、議論や政策立案に取り組んでいます。
主権者教育の一環として、政治家と直接交流する機会を設け、政治をより身近に感じてもらうとともに、メディアリテラシーを高め、自ら調べ・考え・判断する力を養うことを目指してきました。
配信講義では年5回、現職の国会議員を中心に第一線で活躍されているゲストをお招きし、テーマに沿った講演や質疑応答を行っています。
こうした活動を通して、多くの生徒が年間を通じて学びを深め、政策立案に挑戦しながら成長しています。
政治に興味がある人も、これから学んでみたい人も大歓迎!
国会見学などのイベントも開催予定です。
募集は年1回、4月頃に行っています。
あなたも政治部で、身近な社会課題について一緒に考えてみませんか?
政治部HP:https://nnn.ed.jp/about/club/politics/
※詳しい募集時期は#政治部(N/S/R高のみ)または politics_club@nnn.ac.jp までお問い合わせください。
※参加はN高グループ(N高/S高/R高/N中等部)の生徒に限ります。

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