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AIの仕組みは? 研究者ってどんな仕事? 東北大学の「リケジョ」の世界

取材・文=愛禾(N中等部2年・通学コース)・ゆひのも(N高8期生・ネットコース)

日本の大学における「リケジョ」の割合は、全体で約2割ほど(医療系を除く)だと言われています。その割合の低さの原因として、先輩である女性研究者や大学教授の不足、性別による周りのバイアスなどがあげられるでしょう。

2月10日、N高グループ・N中等部に所属する女子生徒を対象に、東北大学キャンパスツアー&模擬講義が行われました。「『理系の学び』をのぞいてみよう!AI研究体験&キャンパスツアー@東北大学」と称するこのイベントでは、多くの女子生徒が参加し、AIや工学部、理学部についての理解を深めました。この記事では、その当日レポートをお届けします。

理系や大学のキャンパスに興味があるあなたにおすすめです!

目次

集合〜アイスブレイク

集合はJR仙台駅のステンドグラス前。仙台駅のポピュラーな待ち合わせ場所として使われていて、筆者がついた時にはすでにほとんどの生徒が到着していました(仙台駅が想像の数倍広大だったため、筆者はちゃんと迷子になりました)。

簡単に出欠をとると、全員でバスまで移動。駅からバスにのり、東北大学川内キャンパスに移動します。

バスの中では簡単なアイスブレイクが行われ、隣の席の人と自己紹介しあい、今年の抱負などを話しました。東北・北海道からきている人もいましたが、関東からの参加者も多い印象でした。参加者が全員女子生徒だからか、序盤から和やかな雰囲気に。川内キャンパスに到着する頃には、雑談で盛り上がる人もいました。

バスから降り、東北大川内キャンパスに到着する参加者たち

模擬講義「AIの仕組みを知ろう、作ってみよう」赤間怜奈助教授(東北大学言語AI研究センター)

東北大学川内キャンパス到着後、参加者はマルチメディア教育研究棟という大学内の建物に移動。そこで早速模擬講義が行われました。

模擬講義の先生は赤間怜奈助教授です。赤間先生は東北大学語学AI研究センター(※)の助教授をつとめており、怪盗クイーンシリーズ(※)に登場する「RD」というAIを開発する「RD育成プロジェクト」の監修などで知られています。

※東北大学言語AI研究センターとは……自然言語処理で世界的に高い技術を持つ研究所。信頼できるAIの開発や、より高いレベルのAI技術研究を行っている。HPはこちら

※怪盗クイーンシリーズとは……講談社青い鳥文庫から出版されている、はやみねかおる作の児童文学シリーズ。世界一の怪盗「クイーン」が、世界最高の人工知能RDが運用する飛行船「トルバドゥール」に乗って世界中を駆け巡る。HPはこちら/RD育成プロジェクトのHPはこちら

講義のテーマは「AIの仕組みを知ろう、作ってみよう」。普段、GeminiやChatGPTなどのAIを使用する人は多いと思いますが、いざその仕組みとなるとなかなか知る機会がありません。今回の講義では、すでに世間一般に普及しているAIの歴史、AIの分類や定義、そして働く仕組みを学んだ上で、実際に作るというところまでを体験しました。

AIの学習とは「入力と出力の関係から関数(規則)を推測すること」であり、現在普及している生成AIは基本的に、言葉で入力された注文(スプリクト)に対し、システム(規則)に基づいて最もそれらしい言葉を返す仕組みだそうです。普段日常的に使用しているAIがどのような仕組みで動いているのかを知ることができ、参加者の皆さんは熱心にメモを取りながら講義を受けていました。

また、実習パートでは「Google Teachable Machine」を使用して、ジャンケンのポーズを認識するAIを作成しました。これはそれぞれグー、チョキ、パーの画像を大量に用意し、AIに読み込ませることで、カメラに手をかざした際に「最もそれらしいポーズ」を導き出す、というものです。実際にそれぞれがジャンケンの手の写真を50枚ほど撮影し、AIに学習させました。

そこから、サンプルデータに偏りがあると、AIの認識に偏見が生まれることがわかりました。例えば、右手ばかりでチョキをしていると、左手でチョキを出した際に正確に認識されにくくなります。筆者は右利きのため、無意識に右手での画像を増やしていたためか、左手のポーズは全て認識が曖昧でした。ちなみに、「ジャンケン最強の手」と言われる(小学生が出しがちな、小指と薬指を丸め他三本を伸ばす)ポーズは、ほとんどパーであると認識されました。

「AIに『看護師』という入力を与えて画像生成させると、多くが白人の女性である」という赤間先生の話も相まって、現在使用されているAIにも情報の偏りやバイアスがあるということがわかりました。

講義の終盤には赤間先生自身についても紹介がありました。研究者という職業や普段の仕事内容について、なぜ研究者になったのかなど、中高生にダイレクトに響く進路のお話まであり、かなりボリュームがある上にとても興味深い模擬講義でした!

また、講義終了後には赤間先生が普段いる鈴木研究所を見学しました。研究所の大学生の皆さんに、開発中のAIの解説や学生生活についてなどを教えていただくことができました。

東北大工学部と女学生支援の紹介

模擬講義と鈴木研究所見学の後、川内キャンパスから青葉山東キャンパスへバスで移動しました。

青葉山東キャンパス内の工学創造センターへ。そこでは有働恵子教授から、東北大工学部の現状と、女性研究者や学生を支援する働きについてのお話を聞くことができました。現在、東北大全体の3分の1の学生が工学部生で、そのうちの400人前後が女子学生だそうです(約1割)。

各学科に女性の先生がいる東北大には「ALicE」という女性研究者のための支援室があり、女性研究者育成にも役立っています。これは大学としてはとても珍しいことで、東北大ならではの取り組みであることがわかりました。具体的な支援内容としては夜間のタクシー利用補助や、産休・育休の取りやすさがあるそうです。特に女性は、大学院卒業前後の時期が結婚や妊娠と重なりやすく、研究時間の確保がサポートされることにより大きな支援がされているとわかりました。

女学生支援についての紹介を聞く参加者

参加者にインタビュー

今回のイベントに参加された生徒にインタビューを行いました!

上島愛莉紗さん
S高2年ネットコース

Q.本イベントに参加したきっかけは何ですか?

N Lobby(※)を見て応募しました。東北大学の工学部を志望していたので、行くしかないと思い参加しました。

※N Lobbyとは……N高等学校・S高等学校・R高等学校(N高グループ)の生徒保護者ポータル。学校予定や学習情報などの学園内の情報が掲載されている。

Q.どちらからの参加ですか?

北海道に住んでいます。

Q.今日の感想を教えてください!

女性が思ったよりたくさんいるんだなということが新たな発見でした。
工学部は男性が多いイメージを持っていたため、自分と同じような興味を持つ女性が1割いることに驚きました。
オープンキャンパスで多少は聞けていたのですが、今回自分の興味のあるAIについて詳しく聞けたので良かったです。

Q.オープンキャンパスとはどのように違いましたか?

オープンキャンパスでは色々なコースの研究が発表されていました。
今回のプログラムは、私の興味のある1つの分野に集中できる形だったのでそれがよかったです。

Q.イベントを通してどのような変化がありましたか?

興味のあった工学部についての理解度がより上がりました。
また、これまでは考えてこなかった大学のその先の研究などについて考えるきっかけになりました。
大学院はお金がかかるところというイメージがありましたが、ポジティブなイメージを持つことができました

東北大の先輩にインタビュー

今回のイベントにはN高グループの卒業生で、東北大学に進学された方も同席されていました。

Aさん:

東北大学は図書館が魅力で、歴史的価値の高い文献があります。
東北大学は2年生から研究を行うので、「とりあえず」で目指しても自分のやりたいことが見つけられると思います。

Bさん:

N高グループから東北大学に進学するのは簡単ではありませんでしたが、面接対策や過去問などで対策をしました。N高グループは授業時間が少ないので、昼間に勉強ができたことは大きかったと思います。

Aさん:

東北大学は、地元より他県から進学する人が多いので、N高と近しい雰囲気があるのではないかと思います。研究施設が充実していて魅力があるので、研究者を目指したい人にはおすすめできる大学だと思います。

終わりに

AI研究体験&東北大学見学ツアーのレポート、楽しんでいただけたでしょうか?

筆者は自分が文系に強い、という思い込みがあり、実際に模試などで理系科目を得点源にできるタイプではありません。しかし、今回のプログラムに参加したことで、理系文系と思い込まずに何事も知ってみる、学んでみることの大切さを感じることができました。実際に、AIのお話は、言葉や人間の話し方、言葉の構造に深く関わっていましたし、何よりAIの仕組みが私たちが普段学んでいる数学などで構成されていることがわかりました。

理系に興味がある人はぜひ、男女問わず東北大のオープンキャンパスなどに参加してみてください。また、生徒会内でも、Geminiを使用したコンテストや、AIを活用するなどのイベントが開催されています。そちらもぜひチェックしてください!

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