生徒数がついに3万人を超えたN高グループ。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒は、どんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……気になりますよね!
そこでN高グループ新聞では「活躍生徒」と題してインタビュー企画を始めることにしました。第71弾となる今回は、「起立性調節障害」の理解を広める活動や当事者たちの居場所づくりを行っている、和田楓未(わだふみ)さんへのインタビューをお届けします。
周囲の認知を変えていくためのアクション
Q.所属校と学年、名前を教えてください。
N高等学校通学コース、3年の和田楓未です。
Q.どんな活動をされていますか?
私自身、起立性調節障害(※1) という病気があるので、その病気の理解を広める活動や当事者たちの居場所づくりを行っています。また、Instagramでの発信、起立性調節障害の集い同好会の運営、学園内での講演会、富山市の教育委員会や専門家の方々と意見交換会も行いました。前にN高グループ新聞で取材されていた、外所(とどころ)もみじさん(※2)と一緒に任意団体「Kaede._かえで。」を立ち上げ、パンフレットを制作するためのクラウドファンディングにも力を入れました。



Q.その活動を始めたきっかけを教えてください。
中学2年生の時に人間関係に悩み、そのストレスで起立性調節障害を発症しました。そして体調も考慮し別室登校をすることになり、その後も体調が回復せず、全日制高校への進学が難しくなってしまったため、卒業後は通信制高校であるN高に入学することを決めました。私の両親や元々通っていた学校の先生方には、病気を理解してもらえていました。しかし、知り合いや友人などの周囲の方に起立性調節障害を知らない人が多かった影響で、気まずさや話しづらさがあり孤独感を抱いていました。
当事者だからこその価値
Q.その活動であげた実績や成果を教えてください。
コンテストの実績だと、中高生探究コンテスト2026の「困りごと部門」(※3)に参加し、応募総数6,122件、参加生徒数11,912人の中でグランプリを受賞しました。また、全国高校生マイプロジェクトアワード2025(※4)では地域summit特別賞を頂いたり、自由すぎる研究®EXPO2025、2026(※5)の両方で入賞することができました。他にも、パンフレットの印刷代を集めるために実施したクラウドファンディングでは、目標の30万円を上回る33万円を達成しました。当事者の方から同好会やLINEのオープンチャットなどを通して相談を受けた時に「この集まりがあって良かったです」「参考になりました。ありがとうございます!」「この活動を通して起立性調節障害を知ることができて良かった」などの声を頂くと、活動を行っていて良かったと思います。


Q.成果を上げることができた理由は何だと思いますか?
やっぱり、当事者が自ら働きかけるということが大切だったと思います。そうすることで、他の人から興味を持ってもらいやすくなると感じています。当事者が声を上げて活動していることは多くないので、当事者だからこそ伝えられる経験が他の人にはない価値となったと感じています。また、1人ではなく外所もみじさんと一緒に活動できたことも大きかったです。もみじさんが引っ張ってくださり、2人で助け合いながら進めることができました。「起立性調節障害が周囲に理解されない影響で、不登校になってしまう人がいる」という現状を変えたい、この病気に対する理解を広めたいという強い思いがあったからこそ、ここまで活動を続けてこられたのだと思います。
Q.活動にN高グループのコミュニティはどのように役立ちましたか?
学園では起立性調節障害の集い同好会(※6)の会長を務めています。同好会自体が当事者の居場所にもなっていますし、さまざまなデータを収集したり、当事者の声を聞かせてもらったりしているので、すごく役立っていると感じます。もみじさんとの出会いもこの同好会だったので、自分の活動のきっかけにもなりました。また、マイプロジェクトに所属しているので、サポーターの方に活動の相談もさせて頂いています。
苦手を乗り越えた数百回の練習
Q.活動の中で大変だったことを教えてください。
任意団体として大変だったことと、個人として大変だったことの2つあります。
任意団体としては、なかなか活動の方針が定まらず大変でした。起立性調節障害の理解を広めたい、この病気を持っている人が生きやすい社会にしたいという目標は決まっていたのですが、目標が抽象的でした。そのため、どこからアプローチをしていくのか迷子になってしまった時期があり、苦労したと思います。
個人としては、最初自分で思うように話すことができず、悔しい思いをしていた時期が大変でした。起立性調節障害を発症してからあまり人と関わってこなかった影響で、前に出て話すことに対し苦手意識がありました。
Q.それをどう乗り越えましたか?
任意団体の活動方針としては、SNSで起立性調節障害に関する知識の投稿を行う中、目的が迷子になってしまったため、起立性調節障害の団体をすでに運営している専門家の方と意見交換会を行いました。そこでアドバイスをいただいたことで、活動方針が定まったと思っています。今ではN高での講演会、富山市の教育委員会との意見交換会、パンフレットの制作などを通して学校課題にアプローチしています。現在パンフレット配布の準備段階で、講演会も打診していく予定です。
個人としては、この病気の理解を広めるためには、他者へ伝えることが大切だと考え、コンテストや活動報告会への出場、富山市の教育委員会や専門家の方とお話しすることを通してプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を向上させました。また、自分が悔しいと思った部分や悩んでいる部分を考えながらの練習を行ったことで、話すことに対する苦手意識も改善できたと思います。
特にもみじさんと二人で活動してきたので、一緒に悩みながら乗り越えられたと思います。一人が忙しい時はもう一人が頑張るなど、お互いに支え合えたことが大きかったです。他にも、当事者としての経験や同じ病気を持つ方の話を聞くことで、現状を変えたいという思いを再確認し、気合いを入れ直していました。
Q.プレゼンテーションやコミュニケーション能力を向上させるための工夫を教えてください。
コミュニケーションでは、仲の良い人から積極的に関わるようにしてきました。そこから少しずつ関わる人を増やして行くことで、自分から他の人に話しかけられるようになったと思います。プレゼンテーションでは、とにかく練習に力を入れました。一人で練習するだけでなく、もみじさんにアドバイスしてもらいながら練習していました。また、活動報告会などで自分から話す機会を作るようにしていました。特にNプレゼンフェス(※7)では本番に自信を持って話せるように数百回も練習しました。

Q.活動の中で嬉しかったことを教えてください。
当事者の方から活動を見たと言って頂く機会が増えたことが嬉しいです。また、「この活動を通して元気をもらえました」「コミュニティを運営してくれてありがとうございます!」などの声を頂けた時も嬉しかったです。他にもコンテストの審査員の方に「やっぱり当事者が動くことに意味がある」と言って頂いたことで、自分たちの活動にはすごく意味があるんだと気づけた時も嬉しかったです。
Q.活動を通じて得られたスキルは何ですか?
先程もお話しした通り、コミュニケーション能力が上がったと思います。他にも、スキルとは違うかもしれませんが、元々自分が病気で苦しんだ経験のことをマイナスに捉えていたのですが、この活動を通して当事者の経験に価値があることに気づけました。誰にでもある経験ではないからこそ、これが貴重な体験だったことに気づき、それを活かすことができたことはすごく大事な学びだったと思っています。
Q.この活動を通して人に変化や影響を与えられたエピソードがあったら教えてください。
自分自身の変化は感じやすいのですが、人の変化を感じるのは難しいですね。影響を与えられたのかはわかりませんが「私の子供も起立性調節障害で苦しんでいるんです。」と言っていた方に「この活動を見て元気を貰えました。頑張ってください!」と言われた時に、私たちの頑張りが当事者の勇気に繋がっていると感じました。当事者だからこそわかることを伝えて、勇気を与えることができた。これこそが人に何かを与えられた瞬間だと思います。また、同好会などのコミュニティで相談してくださった方の悩みを解決できた時にも人に変化を与えられたのではと思っています。
Q.今後の展望を教えてください。
最近クラウドファンディングが終わったので、そのお金を使い起立性調節障害の理解を拡大するためのパンフレットを出す予定です。パンフレットを学校や子供と関わる場所などに届けることで、起立性調節障害がより多くの人に伝わると良いなと思い頑張っています。
おわりに
「活躍生徒」vol.071として、和田楓未さんのインタビューをお届けしました。
当事者ならではの経験を活かしながら「起立性調節障害」の啓発活動を行っている和田さん。実績はもちろん、自分の苦しんだ経験に価値を見いだす和田さんの姿には、私たちも参考にできるものがあると感じました。和田さんの今後の活躍に注目です!
活躍したいN高グループ生へ! 「N高グループマイプロジェクト」とは
「N高グループマイプロジェクト」とは、地域や身の回りの課題、自身の興味関心などをテーマにプロジェクトを立ち上げ、中・長期的に実践する課題解決型プログラムです。自ら課題を見つけ、問題解決のアプローチを思考し、プロジェクトと向き合うことで、社会や人とのつながりを学び、自分らしく社会を変える一歩を踏み出すことを目指しています。2017年に開講した「N高グループマイプロジェクト」は今年で10年目を迎え、累計1,000名のマイプロ生を輩出してきました。
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※受講はN高グループ(N高等学校・S高等学校・R高等学校/N中等部)の生徒に限ります。


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