研究者の意外な実態!? 東北大准教授に聞くAIの世界 ー東北大学言語AI研究センター准教授・赤間怜奈先生ー

2月10日、N高グループ・N中等部に所属する女子生徒向けのプログラム「『理系の学び』をのぞいてみよう!AI研究体験&キャンパスツアー@東北大学」が行われた。東北大学の工学部のキャンパスツアーや模擬講義などが実施され、非常に学びの多い時間となった。

今回の記事では、そのプログラム内で実施された模擬講義「AIの仕組みを知ろう、作ってみよう」にて講師を務めてくださった、赤間怜奈(あかま・れいな)先生にお話を伺った。赤間先生は東北大学言語AI研究センター(記事内にて詳しく説明)の助教(※2月当時)をされており、模擬講義当日には、現在利用されているAIの多くに共通する仕組みをご説明くださり、ご自身のキャリアについてもお話されていた。

実は私の中で、「研究者」「大学教員」という職業に対し、「男性が多い」「年配の方が多い」という偏見があった。しかし、赤間先生の模擬講義に参加し、そういった勝手なイメージや、さらに私が抱えていた「理系」という分野への苦手意識が払拭されたことで、研究職というのをもっと具体的に知りたいと思った。読者の皆さんにも、この記事を読んで、ぜひ研究者という職業の新たな一面を知ってほしい。

私の日常生活にはすでにAIが深く関わっている。今この記事を書いている最中にも、Googleドキュメントが私の誤字を指摘し、父はChatGPTに意見を求め、塾のクラスメイトはこっそりGeminiに宿題をやらせていて、学校内の調べ学習の時間にはAIの使用についての注意が再三なされている。おそらくそのような状況はこの記事を読んでいるあなたにも共通するのではないだろうか。そしておそらくこの先、AIはもっと身近な存在になっていくのだろう。私たち人間とAIの距離感についても、赤間先生に伺ってみた。

理系に対して苦手意識がある人、AIについて詳しく知りたい人、研究者という職業に対して理解を深めたい人は必見!

( GoogleドキュメントはGoogle社の商標登録です。また、ChatGPTはOpenAI社の商標登録です。)

「『理系の学び』をのぞいてみよう!AI研究体験&キャンパスツアー@東北大学」の詳細が気になる人へ
当日のレポート記事はこちら
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【お話を伺った方】

赤間怜奈(あかま・れいな)先生
東北大学言語AI研究センター准教授。東北大学工学部ご出身で、人工知能(AI)基盤技術の研究をされている。専門分野は自然言語処理。RD育成プロジェクト(※)の監修やAI王(※)の運営などにも携わっている。東北大学言語AI研究センターメンバー紹介

※RD育成プロジェクト・AI王……記事中で後に詳しく説明

取材した人(筆者)

愛禾(まなか)
N中等部3年生(2026年4月当時)。N高グループ新聞で記事を書き始めて1年が経過した。
得意科目は国語と英語、好きなことは読書で、多分文系。理系科目は学習自体は好きだが得意ではない。

先述の「『理系の学び』をのぞいてみよう!AI研究体験&キャンパスツアー@東北大学」に取材者として参加し、情報科学(自然言語処理)に興味が湧いた。赤間先生が監修されている「RD育成プロジェクト」の原作「怪盗クイーンシリーズ」の大ファン。

目次

赤間先生自身について 〜物語の世界とつながっていた「情報科学」の世界〜

ーー赤間先生の専門分野である、自然言語処理とは何ですか?

ざっくりいうと、本来は人工言語(※)で動くように作られているコンピューターが、自然言語(※)をうまく扱えるようにするにはどうすればよいかを考える研究分野です。身近な活用例だと、文章の翻訳や要約、文法修正などがあります。例えばGoogleドキュメントなどで、入力した文章が間違っていた場合に赤や青の線が引かれるじゃないですか。そういった、人間が自然言語で行っている知的活動をサポートするシステムを作り、人間の生活を良くしていく、というのが自然言語処理という研究分野の目指すところです。

※人工言語とは……特定の目的のために人間が人為的に作成した言語のこと。国際補助語のエスペラントや、プログラミング言語がこれに含まれる。

※自然言語とは……人間が生活の中で使用している、日本語や英語などの言語のこと。

ーー赤間先生は東北大工学部ご出身ということですが、なぜ理系を選ばれたんですか?

小中学校の時点で算数や理科のほうが得意だったこともあり、高校から理数科でした。面白いことにはのめり込み、そうでないものとは疎遠になっていく、という性格なので、うっすらと文系科目に対する苦手意識のようなものもあったのかもしれません。大学もそのまま理系に進む気満々で、分野選択のためにオープンキャンパスに参加する中で直感的に「面白そう」と思ったのが情報系でした。

昔から本を読むことは好きだったのですが、展示を説明してくれる方々がSF作品と絡めながら「実はこの作品に出てくるこれは自分たちがやっている研究の延長線上にあってね」とか、「こういうロボットって物語にしか出てこないと思っているでしょう? でも実はもう8割完成していて、5年後には実世界で活躍しているかもしれないんだよ」とか、楽しそうにお話しされていたのが印象的で。夢があって素敵な世界だなと思い、私はそこを選びました。

ーー読書が好きだったということですが、本をたくさん読んでいたことが、現在の研究職で役に立った経験はありますか?

研究をしていく上で、日々の勉強と情報収集は欠かせません。教科書や技術書、論文、報告書など、毎日たくさんの文字を読んでいます。とくに、論文については、情報系分野のここ最近の進展スピードはすさまじく、毎日のように何百本、何千本といった数の論文が公開されています。こういった状況の中でも常に最新の情報を把握していられるよう、できる限り多くの論文を読みまくります。

元の質問が、本を読んでいてよかったこと、ですが、このような「読む」という作業が自分にとっては全く苦にならないというのは大きいと思います。苦にならないどころか、新しい情報や素敵な表現に出会えることを楽しいとすら思っているので、読むべきものが常に溢れているこの環境とは相性が良いかもしれません。

ーー赤間先生の中で、人工知能、自然言語処理という分野の最終的なゴールというか、「人間の暮らしにどう役立ってほしい」という願いはありますか?

これまでSFなどで取り上げられてきた概念が先行して「なんでもできる万能なもの」というイメージを持たれる場合も少なくありません。そこを目指すという考え方もあると思いますが、私の中では、AIは人間の暮らしをよりよくするための科学技術のひとつという認識です。電話や車などと近い感じ。AI技術・自然言語処理技術によって、できる限り多くの人たちにとって日々の生活が少しでも楽に快適になればいいなと思っています。

自然言語処理は一般に工学・情報科学に分類される学問分野ですが、取り扱う対象が言葉である以上、研究成果は言葉が関わる全ての領域に還元できる可能性があります。たとえば、アパレルやエンターテイメントなど一見すると工学とは直接的な関係がなさそうな領域でも当然言葉は使われていますよね。自然言語処理分野の発展を通して、言葉を使うありとあらゆる業界・産業の発展を後押しできると嬉しいです。

「研究者」という職業

ーー普段の仕事内容やルーティンを教えてください。研究者というと、どうしても白衣を着て一人で黙々と実験……というイメージがあります。

白衣は着てないな…。
少なくとも私の分野で「一人で黙々と研究」はほとんどない気がします。たとえば、情報系の論文を見てみると、「著者」の欄に一人しか名前が書いていないことはほぼないんですよ。共同研究者と議論し進捗報告をしながら、複数人で研究を進めていくことが多いです。日々の業務のなかでも、プロジェクトメンバーと打ち合わせをしたり、研究に必要な調査を分担して進めたりと、人と話して進める時間は多いですね。

私は大学にも所属しているので、学生とも一緒に研究をしています。共同研究者と話し合う時間はとにかく多くて、一日に打ち合わせが三件、四件入ることも普通です。 研究室にも普段からたくさんの人がいますしね。研究者の仕事は実は研究以外にも色々あって、たとえば、学会の運営や大学の講義、今回の取材のようなアウトリーチ活動、模擬講義や出張講義などもしています。

ーー私が知っている範囲で言うと、「AI王〜クイズAI日本一決定戦〜」や「RD育成プロジェクト」などのプロジェクトがありますよね。あれはどのように動いているんでしょうか?

お、詳しい!  知ってくださっていてありがとうございます、嬉しいです。AI王(※)に関しては、私は実行委員としてイベントの企画と運営に携わりました。実行委員には、私たちのような大学の研究者だけでなく企業の方もたくさんいらっしゃって、分野・業種の異なる方々と密に連携しながら、コンペティション用のデータセットやベースラインシステムを開発したり、競技ルールを決めたり、当日の進行を考えたり、半年以上も前から準備を進めていました。

コンテンツを企画する過程でも、クイズ作家の方やクイズプレイヤーの方と打ち合わせがありました。そういえば、あのイベントは当日の撮影や配信も自分たち(研究者)がやっています。これまでの仕事を振り返ると、本当に多様な人と関わり合いながら各種プロジェクトを進めているなと改めて感じます。もちろん研究者のイメージ通り一人で黙々と作業する時間もありますが、むしろそういう時間はどうにかして捻り出しているくらいです。

(※RD育成プロジェクトについては後に詳しく説明)

※「AI王〜クイズAI日本一決定戦〜」……JAQKETデータセット(日本語のクイズ問題を題材にした、大規模なオープンクイズ質問応答(QA)データセット。東北大学の研究グループによって構築された)などの日本語クイズ問題を使用し、AIの質問応答能力(正答率)を競うコンペティション。東北大学などが主催し、自然言語処理技術の向上と、コールセンター等の実業務での活用を目指して開催されている。回答部門と作問部門に分かれており、AIは回答者と作問者それぞれの能力を競う。
公式YouTubeサイト

ーー大学で情報科学系の勉強をされて現在は研究者・大学教員という職についておられるわけですが、民間企業への就職などではなく大学の研究者の道を選んだのはなぜですか?

私の場合は、研究者になりたかったというよりも結果的になっていたという方が合っているかもしれません。学部4年から自然言語処理の研究を始めたのですが、学生時代からの「推し研究者」というか、その方が書かれた教科書で勉強したり新しい論文が出たらすぐに読んだりしていた研究者の方がいまして。ちょうど自分が博士号を取得するタイミングで、幸運にもその方と一緒に働くチャンスがあり、それが大学教員だった、という感じです。昔の自分が聞いたらものすごく驚くでしょうし、友人からもかなり意外に思われています。でも、大学院卒業後も自然言語処理分野に携わりたいという気持ちは元々ありましたし、研究そのものにも面白さを感じていました。そういう意味では、結果的にかなり理想的な働き方のひとつだったのだと思います。

少し意外に思われるかもしれませんが、実は研究者にとって、企業と大学は思ったより遠くありません。特にこの分野では、企業と大学を行き来するハードルは比較的低いと感じています。企業で研究をしていた方が大学に移って研究室を持つ例もありますし、大学で研究していた方が企業に移って活躍される例もあります。実際、私の周りにもそういう方はたくさんいます。

AIの中身は高校数学が基本!? / 中高生のうちにやっておくといい〇〇

ーー高校生の頃からAIや情報の分野に興味があったのではなく、受験の段階になって興味を持たれたということだと思うんですが、中高生のうちにやっておけばよかったなと思うことは何ですか?

英語です。

学術的なものであれ技術的なものであれ、最先端の情報は英語で発信されることが多いです。プログラミング言語の公式ドキュメントなども英語です。もちろん日本語の教材でも学ぶことはできますが、翻訳をするにはどうしても時間差が出ますし、その間に情報が古くなることもあります。新しい技術を正確に理解するには、一次情報を自分で読めることは重要です。中高生のうちに英語を「情報のやり取りをするための手段」として使えるようにしておくと、強みになると思います。

ーー先日の模擬講義で、AIの仕組みには義務教育と高校で学習する内容が応用されているんだよという話があったと思うのですが、具体的にはどのように利用されているんでしょうか? AIといえば高度な技術が山ほど使われているイメージがあるので、「本当に……?」という疑いの気持ちが強いです。

たとえばChatGPTなどの文章生成AIは、「次にどの言葉が来ると自然か」を予測しながら文章を作っています。AIは会話の流れやこれまでの文脈を見ながら、次に来る内容や言葉を確率的に選んでいます。この「確率」の考え方は、高校数学Aで学ぶ内容と関係していますね。また、AIの内部ではベクトルや対数を用いた計算がなされていて、これらも高校数学で出てくる考え方です。もちろん実際のところは色々複雑ですが、使われている道具や発想の基本には、中学・高校で学ぶ数学が多く含まれています。

「人間が使うものである」という意識が生み出す、AIとの賢い付き合い方

ーー先ほど、確率の高いものをひたすら予想しているというお話がありましたが、AIの仕組みを理解すると、「これも確率が高いから言っているんだろうな」というスタンスになる、ということはあるんでしょうか?

そうですね。AIは正解を知っていて答えているというより文脈上もっとも自然そうな答えを出している、ということを知っていれば「AIが言ったから正しい」とは考えにくくなるとは思います。必ずしも正しい答えが得られないという状況は、人間に質問するときも同じです。相手に悪意があろうがなかろうが、尋ねたことに対して誤った情報を渡されてしまうことはあります。AIの場合は悪意がない分、単に間違っているだけ。他人があるいはAIが出した答えは参考になるものも多いですが、最終的にその答えを使うかどうかを判断するのは自分です。間違った情報を採用したなら、それを使うと決めた自分にも責任があります。このことを常に意識しながら、AIを上手に活用していきたいと思っています。

ーーAIの使用の規制をかけている国もあるように、AIとの距離感や使い方というのは様々なところで議論が生まれています。赤間先生はAIとの距離感に関してはどうお考えですか?

人によって意見は分かれると思いますが、私個人としては、「AIは人間が人間のために使う道具である」という意識を持ち続けることが大事だと思っています。どれだけ便利だろうが、あくまでも道具です。そもそも今ここで使うべきか?といったところから自分で判断する必要があります。

ちょっと具体的な例で考えてみましょうか。たとえば宿題。宿題が面倒なときにAIを使うのはどうでしょうか。

愛禾さんはなんのために宿題をしていますか?

ーー自分が賢くなるため……?

なるほど。宿題の目的が「自分が賢くなるため」だとすると、重要なのは、AIを使うことがその目的に役立つかどうかです。たとえば、目的が「提出物を出すこと」だけなら、AIを使うことで素早くそれっぽい答えを出せるかもしれません。その意味では、目的に合っています。一方で、目的が「自分の力を伸ばすこと」なら、目的に対してむしろ逆効果となる可能性があります。自分で考える機会が減る、つまり力を伸ばすための練習機会を失ってしまうからです。

もう一つ考えるべきなのは、AIを使って出した結果も、外から見れば「その人の成果」として扱われるということです。AIを使って良い点数を取ったとしても、評価する側に見えるのは、答えや点数という結果だけです。どこまで自分で考え、どこからAIに頼ったのかという過程までは見えません。その結果をもとに「この人はこのくらいできる人だ」と評価されます。その評価を前提に、次の課題を任されたり、より高いレベルを期待されたりするかもしれません。そのときに本来の実力が追いついていなければ、苦しくなるのは自分です。

AIを使うこと自体が悪いわけではありません。大事なのは、その使い方が本当に自分の目的に合っているかをよく考えることです。目先の楽さだけでなく、その結果が将来の自分にどう返ってくるかまで想像して、自分にとって真に役に立つ使い方をしていくことが大切だと思います。

「歌って踊れる人工知能」を作る!〜講談社の企画「RD育成プロジェクト」について〜

赤間先生は講談社が公開する「RD育成プロジェクト」を監修されている。筆者はRDが登場する原作の大ファンかつ、実際にこのプロジェクトでRDと会話したので、今回は特にRD育成プロジェクトについて詳しく教えていただいた。

【『RD育成プロジェクト』とは】

はやみねかおる作「怪盗クイーン(※)」シリーズに登場する、世界最高の人工知能「RD」。それを実際に作ってみようというプロジェクトで、ファン(読者)がAIとチャット形式で対話することで、物語に登場する「RD」の知識や性格を学習させ、「限りなく本物に近いRD」を共に育て上げる。詳しくはこちら

※「怪盗クイーン」……講談社の青い鳥文庫から出版されている大人気シリーズ。大怪盗であるクイーンが、仕事上のパートナーであるジョーカー、飛行船トルバドゥールの管理システム担当の世界最高の人工知能RDとともに冒険を繰り広げる物語。20年以上続く人気シリーズであり、2022年には映画化もされた。

ーーRD育成プロジェクトの、赤間先生が思うゴールはどのようなものですか?

ゴールという表現は難しいですが、「現行の技術でどこまで本物に迫れるか!?」という挑戦だと捉えています。私も含めて読者の方それぞれが感じている「RDらしさ」があるでしょうし、唯一の正解や絶対的な基準があるわけでもないですが、多くの方が「らしい」と感じられる状態まで持っていけたらアツいですよね。個人的には、何をもって人はRDらしさを感じるのか、それはテキスト上にどういった形で現れるかというところにもかなり興味があります。

ーー私がRDと話した際に、マガ(※)の話をしたんです。怪盗クイーンのストーリー上、一応マガとRDは付き合っているので、これは一ついじってやろうかなと。そうしたら、すごく冷たい返事を返されてしまって。私としてはちょっと照れて欲しかったです。

一応、原作シリーズのテキストは全て与えているので、正しく読めていればRDがマガと付き合っているという情報自体は扱えるはずです。もし相手がRDではない別の、例えばすごくクールな性格のシステムだったら、そういういじりに対して冷たい反応を返したとしても会話自体は成立しているのでそのままでも良いはずです。でも、RDなら、少なくとも愛禾さんの中では「その反応は少し違う」と感じたわけで。いいですね! 会話として破綻しているわけではないけど、なんとなくRDらしくない…そういう違和感こそ、まさにこのプロジェクトで集めたいフィードバックです。ファンの方々のお力をお借りして「RDならこう!」という感覚的な手がかりをたくさん集めることで、作中のRDにどんどん近づけていけたらいいなと思っています。

※マガとは……怪盗クイーンシリーズに登場する、世界で13人しかいない超有能な捜査員「探偵卿」。その中の一人によって開発された女性型の人工知能で、「宇宙一の人工知能」を自称している。「世界一の人工知能」であるRDとは交際中。詳しくはこちら

終わりに

私は普段緊張しないタイプの人間なのだが、今回の取材に限っては自分でアポイントメントから取った初めての外部取材、そして東北大学での現地取材ということもあり、大学の受付でうっかり名乗り忘れる程度には緊張していた。

普段私たち学生が学習する中で、自分が勉強している内容が社会と密接に関わっていることを実感する機会は少ない。読み書きは別として、数学や理科など、「こんなの将来使うのだろうか……」と日々疑問に思いながら渋々参考書をめくっているのが正直なところだ。

東北大学での模擬講義は私にとって、勉強と社会が繋がった時間だった。情報科学という分野は近年社会的に注目されている。AIの仕組みや社会への活用法など、自分が普段からなんとなく使用していたAIがどのようにして動いているのか、どのような目的で活用されているのかを知ることができ、さらに高校数学や自然言語の仕組みに密接に結びついていることがわかった。そして同時に、おそらく私が理解できた内容はこの情報科学・自然言語処理という分野の氷山の一角でしかないのだろう、とも思った。

今回の取材を経て、情報科学という分野により興味が湧いた。模擬講義では聞けなかった内容をさらにお伺いすることができ、また一つ、知らなかった世界を知ることができた。そして、その奥にあるまだ理解に達していない部分を再認識した。本などでさらに詳しく調べ、もっと理解度をあげたいと思う。そしてこれはおそらく今回の情報科学の分野だけではなく、全ての分野にも言えることなのだと思う。学べば学ぶほどもっと知りたいと思うし、好奇心が増してくる。

実際に取材している最中にも、「実はこんな疑問があって……」「そういえばこんなことを考えていて……」など、その分野に精通した赤間先生でも沢山の疑問やアイデアが生まれ続けていることがわかった。

これからも自分の興味関心に忠実であり続け、自分が社会をよりクリアに見るために勉強していきたいと思った。この記事から、読者の皆さんもそのような印象を受けてくれると嬉しい。

改めて、お忙しい中取材に応じていただいた赤間先生に御礼申し上げます。
楽しく学びの多い取材の時間をありがとうございました。

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