この記事を読んでいる方は、N高グループに囲碁部があることをご存知だろうか。
同時に囲碁部には、プロ棋士採用試験への合格やタイトル防衛等々、華々しい戦績を生み出している部員がいることも、ご存知だろうか。
今記事では、その囲碁部で活躍するN高グループ在校生や卒業生の囲碁タイトル獲得・プロ合格・昇段を祝う、祝賀会の現地レポートとインタビューをお届けしよう。
会場は品川プリンスホテル!
祝賀会が開催されるのは、東京都品川区にある品川プリンスホテルのメインタワー。
私は品川に足を運んだことはなく、新幹線の車内で「品川駅」の看板を見上げるだけしか関わったことがないため、ホテルに辿り着くまでドキドキだった。
地図に泣きつきながら開催場所に辿り着くと、豪奢なホテルが私を出迎えた。
あんぐりだった。
田舎者の私は高層階の建物というだけであんぐりなのに、装飾ひとつひとつが美しく、ロビーにいるお客様たちも輝いていた。
制服に着られているような、ちんちくりんな私は場違いのように見えて仕方なかった。

囲碁祝賀会当時は3月だったため、桜が飾られていた。
息を潜めながら、祝賀会の会場に向かおうとしたがここで大いに迷ってしまった。
なんと、プリンスホテルのエレベーターは客室用と宴会場用で分かれていたのだ。
機会があって訪れる方がいるなら注意して利用しよう。さもなくば、私のようにロビーで迷う人間になってしまうから!
囲碁部生・谷 豊さんと日本棋院関西総本部所属・関山 穂香さんにインタビュー!
囲碁祝賀会開催直前。私たちは祝賀会に参加される、囲碁部生・谷 豊さんと日本棋院関西総本部所属・関山 穂香さんにインタビューすることができました!
華やかな式典を直前に控えたお二人の、囲碁にかける熱い想いや素顔が見えるインタビューをお届けします。
囲碁部生の谷 豊さん
Q.囲碁部ではどんな活動をしていますか?
谷 豊さん私自身は時間の折り合いがなかなかつかず、あまり定期活動(※1)定例会に顔を出せていないのですが、特別活動(※2)で指導をして頂いたり、学校の外部の大会に学校の代表として出場させて頂いてます。
Q.囲碁の世界で憧れている方はいらっしゃいますか?



プロ棋士の方は大勢いるのですが、やっぱり一番は普段教えてもらってる先生方だったり、三重県の羽根家(※3)という囲碁をやられてる家系の方に憧れています。
Q.羽根さんの魅力について教えてください。



強いことはもちろんなのですが、代々囲碁を続けている家柄なので、棋風を見ていると「あ、これお父さんの戦い方に似てるな」と感じられることが面白いです。
Q.最近の気合が入った試合は何ですか?



昨年の11月に、近畿高等学校総合文化祭(※4)という近畿地方の色々な学校が集まる文化祭がありました。その大会では学校代表と三重県代表として出場させていただいたということもあり、気合いの入った試合になっていたと思います。
Q.好きな戦法や棋風はありますか?



AIが出てきてよく言われるようになった話なのですが、ダイレクト三々(※5)という手法が面白いと思っています。私自身もよくプログラミングを行っていて、AIの研究をしています。そこで出てきたダイレクト三々などの手法が、 AIの考える過程も含めて興味があり、好きだと感じています。
Q.普段対局する時はどのような服装ですか?



今回初めて制服を着たのですが、普段は社会人なのでジャケットを着て対局させて頂いています。
Q.今目指しているタイトルや大会を教えてください



私自身もう2年生なのであまり時間がないのですが、7月に全国大会(※6)があるので、まずはその大会に出場することを目標にしています。また、私以外にも三重県にもう一人、小学生の時から一緒に囲碁をやっている、ライバルのような存在がいるので、その方と一緒に出場できたらなと思っています。
日本棋院関西総本部所属の関山 穂香さん(※7)
※7 日本棋院関西総本部所属の関山 穂香さん
2007年(平成19年)6月26日生 大阪府出身。関山利道九段(関西棋院)門下。
2025年度入段(女流特別採用推薦)、2025年4月より対局。引用元:日本棋院
https://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000544.html
Q.囲碁の世界で憧れている方はいらっしゃいますか?



私の曽祖父でもあるのですが、関山利一先生に憧れています。タイトルを獲得されている方で、尊敬しています。
Q.最近行った対局の中で一番思い入れのある対局は?



少し前の公式戦で初勝利したので、その対局が印象に残っていますね。
Q.上野姉妹のお二方とご交友はありますか?



東京に行った時によくしていただいて、とてもフレンドリーな方達でした。まだ対局したことはないのですが、いずれ対局したいと思っています。
Q.普段どのように過ごしていますか ?



プロになってから仕事が多くなったので、勉強の時間がなかなか取れなくなってしまいました。仕事以外では囲碁の勉強をなるべく行うようにしています。あとは数学が好きでたまに問題を解いています。
Q.囲碁の勉強って 1日何時間ぐらいされるのですか?



日によりますね。1日中仕事だったら全然時間を取れないのですが、 1日何もなかったらずっと勉強しています。
Q.先程お話されていたお仕事ではどのようなことをしていますか?



対局、囲碁のイベントでの指導が中心です。また、父が子供教室を行っているので、手伝いや一緒に講師を勤めたり、司会を行っていることもあります。囲碁界にはシーズンオフというものがなく、1年中対局を行う可能性があります。勝てば勝つほど次の対局が入るので、忙しくも充実しています。
Q.囲碁を始めたのはいつ頃ですか?



代々プロ棋士の家系で、碁石を持ったのは1歳の時でした。
Q.休憩時間にはどんなものを食べていますか?



普段の休憩では、おにぎりやラムネを食べています。やっぱり頭を使うのでブドウ糖などの甘い物が食べたくなりますね。おにぎりは、母が作ってくれたおにぎりを食べています。
祝賀会のはじまりです!
祝賀会は主催・主賓者挨拶からはじまった。
角川ドワンゴ学園の理事の川上量生さん、理事長の山中伸一さん、囲碁部特別顧問の藤澤一就八段、という普段ならお目にかかれない方々が登壇された。
挨拶が終わったら、乾杯となった。
このとき飲んだオレンジジュースの味が忘れられない。ホテルのジュースってどうしてあれほど美味しいのだろう。
来客にはコース料理が振る舞われた。
テーブルマナーをよく知らない私は、周りのテーブルを覗き見することを繰り返して、なんとかありつけた。
今度からは、ちゃんと勉強しようと心に決めた。


食事中に、上野姉妹の対局軌跡が囲碁の解説盤を用いて披露された。
最初は姉である上野愛咲美六段(※8)の「女流棋聖戦」から始まった。
なんとこの大会は27年ぶりの姉妹タイトル戦となり、見事に上野愛咲美六段が制し、タイトル獲得となった。
次は妹の上野梨紗四段(※9)の「SENKO CUP ワールド碁女流最強戦2025」が始まった。
どちらの軌跡についての解説も初心者にも優しく、上野姉妹が世界を驚かせるほど囲碁が強いという事実がひしひしと感じられた。
対局軌跡のあとは、囲碁部生との記念対局が行われた。
今年はペア碁(※10)で行われることとなった。
※10 ペア碁
原則として男女のペア同士で一つの対局を行う。ペアの二人をパートナーと称する。対局者は正規のローテーションに従って着手し、対局中は相談、身振りなど着手以外の方法でパートナーと意思の伝達、アドバイスなど情報交換をしてはならない。引用元:日本ペア碁協会
https://www.pairgo.or.jp/setumei/rulej.htm
上野姉妹が、囲碁部生と組み、わきあいあいと進められて行った。
途中、お助けカードが使われ、祝賀会に参加されていた方が登壇したりなどなど、飽きさせないイベントも盛りだくさんであった。
記念対局が終わったあとは、上野姉妹とプロ合格や昇段した囲碁部生に花束が贈呈がされ、終了の挨拶となった。


上野姉妹にインタビュー!
祝賀会が終了し、私たちは祝賀会に参加されたN高グループ卒業生の上野 愛咲美さん、上野 梨紗さんにインタビューすることができました!
姉妹ならではの和気あいあいとした温かい空気が流れていた、笑顔あふれるインタビューの様子をお届けします。
Q.好きな戦法や棋風はありますか?



私は攻めタイプで部分戦が好きで、姉も全く同じ攻めタイプなのですが碁盤全体を使った戦い方が得意です。
Q.在校生の方々と対局してみてどうでしたか?



新たな手をペアの方に打たれて、「こういう囲碁もあるな」と気づき、すごく新鮮な気持ちになりました。



私も同じで、全然考えていなかった手を打たれたのですが、その手がいい感じで面白かったです。
Q.祝賀会はどうでしたか?



普段N高グループの生徒の方と会う機会がないので、会えて嬉しかったです。また、同じ棋士の中でも「この人もN高生だったんだ」という気づきがありました。



全部言われてしまったかもしれないのですが、そもそもこの祝賀会に呼んで頂けて嬉しかったです。また、囲碁に関わっている人に沢山会うことができて良かったです。
Q.お姉さんや妹さんがいて良かったと思ったことや、姉妹同士でお互い影響されたことを教えてください。



勉強をしている時に、喝を入れてくれる人がいるのがありがたいです。



元々少し暗い性格だったのですが、姉に影響されてどんどん明るくなりました。やっぱり影響力ってすごいですね。
Q.今後の展望や目指している大会・タイトルを教えてください。



姉のように世界戦で活躍し、姉を超えるぐらい頑張りたいと思います。



超えるって言ったね。(笑)
じゃあ妹を置いて行くぐらい張りたいと思います!



そろそろフマキラー女流ブレーンズマッチ(※11)という大会が広島であるので、まずはベストフォーに入り、広島に行けるように頑張ります。



今年からその大会公式戦になったんだよね。
私もたくさんあるのですが、 4月から女流名人戦が始まるので頑張ります。
Q.最後に在校生や囲碁部生へ一言お願いします。



今日囲碁部の方たちに会って、皆さんすごく個性豊かで面白かったので、このまま頑張って欲しいなと思います。



高校生活で制服を着て街を歩くことをやり残してしまったなと思っているので、皆さんは制服を着られるうちに、学割などもたくさん使って、高校生活を全力で満喫してください!
終わりに
この記事では、囲碁祝賀会の現地レポート、谷豊さんと関山穂香さん、上野姉妹へのインタビューをお届けした。
最初はホテルの豪華さに圧倒された私だったが、最後には囲碁の熱量と温かい雰囲気に胸がいっぱいになった。
これからも進化を続け、新たな歴史を刻んでいくであろうN高グループ囲碁部。 彼、彼女らがこれからどんな素晴らしい景色を見せてくれるのか、これからの活躍が楽しみで仕方がない!



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