こんにちは!
みなさんは、「誰が読んでも伝わる文章」と、「自分の温度を乗せた文章」の間で悩んだことはありませんか?
私はこれまで、“何がどうすごいのか”を整理して書くよりも、自分が感じた熱量や空気感を、そのまま文章に乗せることを優先してしまうことが多く、「伝わりにくい」と言われることもありました。また「伝わる文章」と「自分らしい文章」は別のものなのではないかと悩んでいました。
そんな悩みを抱えていたからこそ今回、私はメディア広報委員会執筆コースで校正を担当されている俵屋さんに、お話を伺いました!
お話してくださった方


若い人たちが”言葉に向き合いながら育っていくこと”を支えたい。
穏やかな口調の中にも、言葉への真剣な思いを感じさせながら話してくださったのは、俵屋さん。
新聞社や出版社関連のアルバイト、大学受験予備校の教材制作など、活字に関わる仕事を続けてこられ、現在はN高グループメディア広報委員会で記事校正を担当しながら、私たちの文章制作を支えてくださっています。
俵屋さんが校正を通して伝えたいこと
ーー校正者って実際どんなお仕事ですか?
一般的な校正・校閲の仕事には、誤字脱字や文法の誤りの指摘、事実関係の確認などがあります。
例えば、西向きの部屋なのに朝日が見えるといった、文章上の矛盾を指摘することもあります。
一方で、N高グループ新聞での校正は、少し違う部分もあります。
N高グループ新聞では、どういうことを言いたいのかを汲み取りながら、『こういう言い方にしたらいいんじゃないか』と提案することもあります。
また、「これはちょっと普通では言わないんじゃない?」と感じた表現に対しても、どう直すかだけではなく、何を伝えたかったのかを考えながら向き合っています。
ーー記事を校正する上で、俵屋さんが大切にしていることはありますか?
記事を書いた人が何を伝えようとしているのかを、一番最初に読み取ることを大切にしています。
“伝わんねえよ”じゃなくて、“何を伝えたくて、こういう言い方になっちゃってるんだろう”っていうことを、一生懸命考えるようにしています。
また、若い世代と関わる中で生まれる新しい言葉に触れられることも、この仕事の楽しさの一つです。
世界線とか解像度が上がるみたいな言葉って、私が若い頃にはなかったんですよね。
SNSを通して広がっていく言葉に、いち早く触れられることも役得です。
ーー校正をする上で注目しているポイントとかはありますか?
校正には、ここに注目すればいいというような、マニュアル化できるものがあるわけではありません。書かれた文章は、人によって全然違います。
例えば、回りくどい表現が多い人には、「もっと簡潔にした方が伝わりやすい」と提案することもあります。一方で、ストレートにしか書かない人に対して、「もっと簡素にしなさい」とは言えません。
その人がどんな文章を書くのかによって、見るポイントも変わっていきます。
また、校正は一度読んで終わりではありません。
最初は誤字脱字や文法の確認から入りますが、一通り読み終えた後に、「この人は本当は何を伝えたかったんだろう」と、もう一度最初から読み返していきます。
「昨日はこう思ったけど、今日読み返したら違うかもしれない」
そう感じることもあるからこそ、何度も読んで、何度も言葉を練りながら皆さんに提案しています。
ーー文章を書く上で、意識してほしいことはありますか?
まず最初に考えたいのは、話し言葉と書き言葉の違いです。
話している時って、その場を共有しているから、「さっきの一言」で伝わることがあるじゃないですか。
でも、記事を書く時は、その場を知らない第三者に伝えなきゃいけない。だから、何に対して、どう伝えたいのかまで考えて、話の流れをきちんと伝えておかないと「そうだよね」では済まないんです。
特定の相手に向けてのメッセージも、文字ではあるけど書き言葉ではなくて、場を共有している言葉なんですよね。
記事にするっていうのは、その場を知らない人に、その場を共有してもらうことなんだと思っています。
あと、「やばい」とか「すごい」みたいな、汎用性の高い便利な言葉も、意識して使わないと、全部同じ言葉になってしまう。
「このすごいは、何が、どこが、どうすごいんだろう」
そういうところまで、一回立ち止まって考えることも大切です。
ーー校正コメントがついたら大事にしてほしいことはありますか?
校正コメントは、あくまでも提案です。
その提案をそのまま書き換えるだけでは、本当の意味で記事にはなりません。
校正で提案を受けたとしても、それを一回自分の中で腑に落として、自分の名前で出せる文章にすることが大切です。
どちらかが一方的に文章を修正して終わりではなく、やり取りを重ねながら、一緒に文章を作っていくことが大事なんです。
それは、校正というより、編集に近いやり取りなのかもしれません。
俵屋さんに見つけてもらった、私の文章の課題とは
今回は、俵屋さんへの取材にあたり、私自身の文章の癖や課題を見つけるために執筆した、CANDY TUNEさんの「倍倍FIGHT!」の歌詞考察文をもとに、私自身の文章の癖や課題について見ていただきました。
その中で特に印象的だったコメントを、実際に執筆した歌詞考察の文章とともに紹介します。
CANDY TUNEさんの「倍倍FIGHT!」はこちら!
https://youtu.be/9HKbo1FstOE?si=UFA4-x_xfu-YM7XE
CANDY TUNEさんの「倍倍FIGHT!」の歌詞はこちら!
https://www.uta-net.com/song/358461/
「私は普段、音楽を歌詞を読むというより、ラジオ感覚で流し聴きしていることが多いです。」
俵屋さんくれあさんのラジオ感覚って何だろう? ラジオをくれあさんのように流し聴きしている人もいれば、ラジオが好きで流し聴きすることなく、一生懸命ラジオを聴いている人もいるから「ラジオ感覚」はもう少し選びたい。
「CANDY TUNEさんの「倍倍FIGHT!」はただの応援ソングではなかった」



「ただの応援ソングではなかった」って、見出しだよ。“ただの応援ソング”って、例えばテンポがいいとか、励ます言葉がいっぱい入っているとか、そういうイメージかもしれない。でも、“ただの応援ソングじゃない”って感じたなら、「じゃあ何が違ったんだろう?」っていうところに、くれあさんの考えが一番出る。そこが具体化されると、「そんなふうに感じるなんてどんな歌なんだろう」って、気になって曲を聴きに行く人もいるかもしれないよね。



私の課題は具体化ですね。



そうかもしれない!!
「やめたい やめたい けどだけど…という歌詞にも強く共感しました。飽き性だったり、ネガティブだったり、自分に自信が持てなかったり。そういう弱さを抱えている人は少なくないと思います。私自身も、「分かる……」と思いながら歌詞を読んでいました。」



この「分かる」は、どこへの共感なのかが少し分かりにくいかな。自分に自信が持てないことなのか、 そういう弱さを抱えている自分をやめたいなのか。そこがもう少し具体化されると、くれあさんが何に共感したのかが、もっと伝わりやすくなると思う。
今回、俵屋さんに文章を見ていただく中で、自分の中では分かっている感覚を、相手に伝わる言葉にする難しさを実感しました。
「分かる」「すごい」と思った気持ちを、そのまま書くだけでは伝わらない。具体化することによって、初めて相手に伝わっていくのかもしれません。
そして私は、この気づきを通して、「伝わる文章」と「自分らしさ」の関係について改めて考えるようになりました。
私が目指したい文章とは
俵屋さんに文章を見ていただく中で、改めて伝わる文章について整理してみました。
今まで私は、「誰が読んでも伝わる文章」と、「自分の温度を乗せた文章」は両立できないものだと考えていたのかもしれません。


内容が伝わる文章とは:ニュースのように、事実や情報が正確に伝わる文章。
自分の温度を乗せた文章とは:小説のように、空気感や世界観に引き込まれる文章。
しかし取材を通して、その2つはどちらかを諦めるものではなく、その間のバランスを探っていくことで、自分が目指したい文章に近づけるのかもしれないと思うようになりました。
取材を通して感じたこと
今回の取材を通して、伝わる文章とは、自分らしさを削ることではないのかもしれないと感じました。
自分の中では当たり前になっている感覚を、「何が」「どこが」「どう」そう感じたのかまで具体化すること。
その場にいない、その場を知らない第三者に伝えること。
そうした小さな積み重ねによって、「自分の温度を乗せた文章」を残したまま、相手に届く文章に近づいていけるのかもしれません。
まだ私自身、答えを見つけられたわけではありません。
それでもこれから、読んでくれた人に“伝わる”ことと、“自分らしさ”の両方を大切にしながら、記事を書いていきます!



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