活躍生徒vol.61:地元で子ども食堂を開催し、2000人を超える参加者に食事を提供した、かほさん

取材・文=0(S高4期・通学コース) 写真=かほさん

生徒数がついに3万人を超えたN高グループ。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒は、どんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……気になりますよね! そこでN高グループ新聞では「活躍生徒」と題してインタビュー企画を始めることにしました。第61弾となる今回は、自身の過去の経験をきっかけに、利用者数2000人を超える子ども食堂を地元で開催している、「かほ」さんへのインタビューをお届けします。

目次

「大家族」を目標とし、子ども食堂を運営

Q.所属校とコース、学年、名前を教えてください

N高等学校、通学コース、2年のかほです。

Q.どんな活動をしていますか?

主に不登校の子やその親御さんなどを集めて、「大家族」というのを目標に「〇〇(まるまる)食堂」という子ども食堂※1を開催しています。月1回、火曜日に行っています。

※1「子ども食堂」とは、18歳未満の子どもやその保護者に対し、無料または低額で栄養のある食事と温かな団らんを提供するコミュニティのこと。

「〇〇食堂」という名前には、対象を子どもだけに絞らず、参加者皆さんのやりたいことや意見を聞きながら変化できる居場所でありたいという思いから、どんな食堂にもなる、どんな言葉も入れられる「〇〇」という名前にしました。

(参加してくれたお子さんと提供料理)

その他でも、子どもたちがやりたいと言ってくれたイベントを実施したり、シングルマザーハウス※2へのお弁当配達も行っています。

※2「シングルマザーハウス」とは、複数のシングルマザーと子供たちが共同で暮らす専用のシェアハウス

(子ども食堂のクリスマスイベントの様子)

Q.その活動を始めたきっかけを教えてください

私も中学生の時に不登校だったんです。でも中学2年生に上がる頃に友達が、まるで私が学校に行けなかったことなんてなかったかのように「明日学校に行こう」と自然に誘ってくれたんです。それから学校に行けるようになりました。

だから、私と同じように学校に行けない子や、そもそも外に出ることが出来ない子たちにとって、外に出る理由になるような場所を作りたいと思ったことがきっかけです。子ども食堂の活動自体は、マイプロ※3に参加する前から始めていました。

※3「マイプロ(マイプロジェクト)」とは、生徒が自身の興味・関心や身の回りの地域課題をテーマにプロジェクトを立ち上げ、主体的に課題解決へと導く課外活動。(詳しくは記事の最後に記載しています)

Q.マイプロを始めたきっかけを教えてください

子ども食堂に行ったことがない人とか、そもそも存在を知らない人たち目線のアドバイスが欲しかったからです。N高グループは通信制なので、やっぱり過去に不登校だった人たちも多いんですよね。そういう人たちに「どんな場所なら行きやすいか」などの質問をさせていただいたこともあります。後は、発表することにあまり自信が無かったので、プレゼン力を鍛えたいと思ったことも理由です。

Q.シングルマザーハウスのお弁当配達を始めたきっかけを教えてください

身近に困っているシングルマザーがいたため、「〇〇食堂」として関わっていく対象にシングルマザーをいれました。

そこから調べるうちに「シングルマザーハウス」を知り、声をかけさせていただきました。シングルマザーハウスという新たな存在を知ることができ、「〇〇食堂」についても向こうに知ってもらうことができて、お互いに学びのある機会になりました。

料理から作る「みんなの居場所」

Q.その活動であげた実績や成果を教えてください

2021年から2025年の4年間で、合計利用者数が2207人、合計食事提供数が3341食です。食事提供数は、子ども食堂に提供した分と、シングルマザーハウスへ配達したお弁当数の合計になります。

また、このプロジェクトで「『マイプロジェクトアワード2025』地域Summit※4」の特別賞もいただきました。

※4「マイプロジェクトアワード」とは、高校生が自身で地域課題や身近なテーマを解決する「マイプロジェクト」の成果を発表し、対話を通じて学びを深める大会。地域Summitは、地方予選大会のことを指す。

子どもってやっぱり食の好き嫌いが激しいことが多くて、家だとなかなかご飯を食べない子もいるんです。でも、そういう子がうちの子ども食堂で色んな子たちと一緒に食事をすることで、料理を「美味しい」って言ってくれたり、嫌いなものも子ども食堂では食べてくれたり。そういうことがすごく嬉しかったし、勇気をもらっています。私自身も含めて、みんなの居場所を作れているなという実感も持つことができました。

(「〇〇食堂」での配膳の様子)

Q.地域Summit特別賞を受賞された時の気持ちを教えてください

プレゼンのつめが甘く、全国に行けなかったことが悔しいし、リベンジしたいと思っています。でも、自分のやってきたことが地域summit特別賞という形になったことや、皆様に知っていただける機会になったことがありがたいし、嬉しいです。

Q.これまでに提供された料理のメニューを教えてください

地域の人からいただいた食材を元にメニューを考えています。王道のものだと「カレーライス」や「ガパオライス」などですね。

マイナーなものだと「冬瓜のそぼろ煮」や「紅大根とビーツのあえもの」などを作りました。

(ガパオライスの調理の様子)

シングルマザーハウスへ配達するお弁当のメニューでは、運びやすいことを意識しています。カレーを作る時はカレーを入れるためのお弁当パック(画像参照)を使ったり、汁物ではないこぼれにくいガパオライスにしたり、毎回工夫して作っています。

(シングルマザーハウスへ配達するお弁当)

Q.成果を上げることができた理由は何だと思いますか?

私自身が心から「子ども食堂をやりたい」と思えたことがまず一つだと思います。あとは、周りの人をたくさん頼ってきたからですね。しっかりと自分の気持ちを伝えて、「手伝って欲しい」と頼みに行くことが大事だと思います。

地元で愛される「〇〇食堂」

Q.活動について友人に話したことはありますか?

私の通っているキャンパスの友達が子ども食堂に遊びに来てくれたり、活動を手伝ってくれることがありました。

最初、私の友達の1人が「子ども食堂やってみたいんだよね」って言ってたので、「私やってるから、ぜひ」って誘って、参加してくれたんです。そしたら今度は、その友達の友達が話を聞いて来てくれたりしました。

Q.活動の中で大変だったことは何ですか?

運営資金のやりくりが特に大変でした。特に、子ども食堂を開催する際の食材費をどうにか安くできないかと考えていました。

Q.それをどう乗り越えましたか?

色々と工夫してきました。

親御さん世代が見ているfacbookを使って活動報告を行い、寄付金を募ったりとか。こういう気持ちで子ども食堂を続けていきたいという気持ちを自分の口から言語化して、人に熱意ややる気を伝えることも大切にしていました。

他にも、食育にもいいですし、食費が抑えられるのではないかと考えて野菜を育てようと試みたり、そのための畑に使えるスコップを農家さんにいただけないかお願いしたりしています。

単にお金を集めるだけではなく、いろいろな工夫を試行錯誤しながら、地域の方々に助けていただきつつ実践していくことに力を入れています。

(近くの農家の元でかほさんたちが収穫したトマト)

私から声をかけに行かなくても、近くに住んでいるおばあちゃんが「何やってるの?」って子ども食堂を覗きに来てくれて、その日から作った野菜をお裾分けに来てくれるようになった経験もあります。

Q.多くの方々とコミュニケーションを取られてきたと思いますが、その中で意識していることはありますか?

道具などをもらうために仲良くするというよりは、先ほどもお話しした大家族のような関係を作るという目標を意識してコミュニケーションを取って、子ども食堂をやっています。

地元の人たちが「こういうことをやってみたい」と思うことがあったら、「じゃあ、私のところの子ども食堂でやってみませんか?」という提案をしてみたりして、ギブアンドテイクの関係になれるよう意識しています。

特におじいちゃんおばあちゃんの方々は、高校生と話す機会というのが少ないと思うんですよ。だから「高校生の間では今これが流行ってて」という話をしてみたり、おばあちゃんが作っている手拭いなどを「今度私にも作ってくださいよ!」って言ってみたり、そうやってお互いが知らない世界を共有し合うというのも大切なことだと思います。

(地域のお祭りに出店しているかほさん)

自分がリーダーをやるという責任感を持ちたい

Q.活動の中で嬉しかったことはありますか?

色んな方から励ましの言葉をもらったり、たくさん支えていただいたことです。私は辛いと思いながらやっている訳では全く無いんですけど(笑)。

先ほどお話ししたように活動に使えるものを分けてくださったり、車を出してくれた方もいたり、そういった「力になるよ」という声をたくさんもらえたことが嬉しかったです。

Q.活動を通じて得られたスキルはありますか?

やっぱり不登校の子たちの中でも色々なケースがあるので、子供たち1人1人のケースと関わり方について理解を深められたことだと思います。それと、「これが足りないから次回買おう」「今回の反省点はこれだから、次回はこういうことをしよう」という状況把握能力も身につきました。

あとはやっぱり料理スキルですね。料理は家でもやっていたので比較的できる方だとは思っていましたが、地域のご年配の方や主婦の方と一緒にお料理をしていると、知らないこともたくさんあって、「まだまだだったんだな」と思うこともありました。

Q.人との関わりや料理など様々な役割を担当されて来たと思うのですが、それらを両立する際に意識していたことはありますか?

現在は私が子ども食堂の運営のリーダーになったので、1つのタスクに集中するというよりは、各タスクを人に振るということに徹しています。

料理のメニューは私も考えるけど、その後は調理の中心となるメンバーに「今日はこれをこういうふうに作ってください!」という指示を出して、別の担当も見に行くというふうに、私1人が全ての責任を負わないように意識しています。

Q.この活動を通じて人に変化や影響を与えられたエピソードがあれば教えてください

不登校だった子が来てくれたというのがそもそも大きな変化だと思うんですけど、それに加えて、案外けろっと学校に戻れた子もいるんですよね。もちろん全員ではないですが。

子ども食堂には学校に行っている子も来てくれるので、そういう子たちと不登校の子を一緒に遊ばせてあげると、「こういう子たちもいるんだな、また学校行ってみよう」って戻ることが出来た感じです。

あとは、包丁も使ったことがないという子たちを手伝いながら一緒に料理をすることもありました。こういった部分が、良い影響を与えられているんじゃないかなと思います。

(参加者の子どもと一緒に調理している様子)

Q.今後の展望を教えてください

拠点拡大にもっと力を入れて、お弁当班や食事班など、各班ごとに活動していく形を作れたら良いかなと思います。現在は、子ども食堂で提供する料理を先に作って、そのあとお弁当を作って私の母の車でシングルマザーハウスへ配達するという形で動いているので、結構バタバタしちゃうことが多いんですよね。だから各班ごとに拠点を作って、子ども食堂もお弁当配達もどちらも安定して行えるようにしたいです。

あとは今もやっている自給自足を継続して、子どもたちに自分で育てた野菜や作った料理を食べるという経験をこれからもさせてあげたいです。

といっても活動自体はボランティアなので、自分もメンバーも無理することなく続けていきたいと思っています。

大学では経済や経営が学べるところに進学して、子ども食堂を持続的に運営していくにはどうしたら良いのかというのを学びたいです。現在は基本的に参加者の方からお金はもらっていないんですが、やっぱりそれだと寄付金でしか回す術が無いので、そういったところの改善策も学びたいと思っています。

(ボランティアで参加してくれた方との調理の様子と、そのお料理)

Q.現在のかほさんから、子ども食堂をやり始めた頃のかほさんにメッセージをお願いします

最初の頃は、子ども食堂なんて出来ないかもしれないって思ったこともあるし、結構人任せに動いちゃったこともあるんです。だから、「しっかりリストアップして、『自分がリーダーをやる』という責任感を持ってやりなさい」

こんな感じですかね(笑)。

終わりに

今回は、活躍生徒企画第61弾として、かほさんのインタビューをお届けしました!

過去の経験を活かし、たくさんのお子さんや保護者の方の支えとなっているかほさん。最後のメッセージでは自分自身にとてもストイックで、真剣に活動と向き合ってきた方なんだと感じました!

かほさんの今後の活躍に注目です!

〜かほさんの開催する子ども食堂はこちら〜

名前:「〇〇(まるまる)食堂」 住所:〒270-0128 千葉県流山市おおたかの森西2丁目6−13 ※こちらの子ども食堂は「紹介制」です。

「〇〇食堂」のFacebookはこちら!

【活躍したいN高グループ生へ! N高グループマイプロジェクトとは】

「N高グループマイプロジェクト」とは、地域や身の回りの課題、自身の興味関心などをテーマにプロジェクトを立ち上げ、中・長期的に実践する課題解決型プログラムです。自ら課題を見つけ、問題解決のアプローチを思考し、プロジェクトと向き合うことで、社会や人とのつながりを学び、自分らしく社会を変える一歩を踏み出すことを目指しています。2017年に開講した「N高グループマイプロジェクト」は今年で8年目を迎え、累計1,000名のマイプロ生を輩出してきました。

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※詳しい募集タイミングは n-mypro@nnn.ac.jp までお問い合わせください。

※受講はN高グループ(N高/S高/R高/N中等部)の生徒に限ります。

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