N高グループ生の知らない読書の世界〜読む派? 聞く派? N高グループ生50人に聞いたリアルな読書事情〜

1グループで一つのテーマに沿って記事を執筆するテーマ記事プロジェクト
本記事のテーマは、高校生の読書事情を通じて”読書の楽しさや面白さ”を伝えること。
この記事を読んだ後には、きっとあなたも本を手に取りたくなるはずだ。

文・取材=ななみ(N高9期通学コース)

【読書は大事

そう言われて、思わず目をそらした経験はないだろうか。
静かに机に向かって本を読む。そんなイメージが強い読書だが、生活リズムも学び方も人それぞれのN高グループ生にとって、それは必ずしも当たり前ではないと思う。「最後に本を読んだのはテスト前の国語の教科書」だという人だっているかもしれない。
「時間がない」「集中できない」「活字が苦手」読書を遠ざける理由は、人の数だけありそうだ。
一方で最近は、音声で本を楽しむ「聞く読書」という新しいスタイルも広がりつつある。本は「読むもの」だと思っていた人にとっては、少し意外だろう。

では実際のところ、N高グループ生はどのような形で読書に触れているのだろうか。
その実態を知るために、私たちはN高グループ生にアンケートを取ってみることにした。

アンケート概要

対象:N高グループ生、N中等部生

調査テーマ:読む? 聞く? N高グループ生の読書事情アンケート

回答人数:50人

方法:Googleフォームによるアンケート

集計期間:1月15日〜1月31日

目次

N高グループ生の読書事情

まず気になるのは、N高グループ生は普段どのくらい本を読んでいるのかということだ。
アンケートの結果を見ていこう。


Q.学年を教えてください


Q.普段、本を読むことはありますか?

50人にアンケートを取った結果、本を「たまに読む」が18人、「よく読む」が17人と、半数以上の生徒が何らかの形で読書に触れていることが分かった。一方で、「ほとんど読まない」は11人、「全く読まない」は4人。
「読書離れ」がよく話題になる現代だが、今回の結果を見ると、完全に本から離れている生徒はそれほど多くないようだ。「よく読む」と「たまに読む」を合わせると35人となり、全体の7割が何らかの形で本に触れていることになる。

とはいえ、「よく読む」が圧倒的に多いわけでもない。 「ほとんど読まない」や「全く読まない」と答えた人も一定数いることから、読書習慣の実態は単一の傾向で語れるものではないようだ。

本は読むだけじゃない? 耳で楽しむ選択肢

次に、オーディオブックや本の読み上げ機能といった「聞く読書」について見ていこう。

オーディオブック】
プロのナレーターや声優が書籍を読み上げてくれる「耳で聞く本」のこと
(例)
Audible(オーディブル)_Amazonが提供するオーディオブックサービス
audiobook.jp(オーディオブックジェーピー)_日本のオーディオブック配信サービス
Google Play ブックス_電子書籍やオーディオブックを購入して読んだり聴いたりできるサービス

Q.「聞く読書」を使ったことはありますか?



Q.「聞く読書」に興味はありますか?

オーディオブックについて、「知っているが使ったことはない」が32人と最多で、「使ったことがある」は12人、「知らなかった」は6人だった。そして、聞く読書に「興味がある」と答えた人は25人、「すでに使っている」4人を合わせると、半数以上が前向きな姿勢を示している。一方で、「あまり興味がない」は13人、「ない」は8人だった。
どうやら「聞く読書」は一つの手段として知られてはいるものの、実際に使っている人はまだそこまで多くないようだ。

有名なのは、amazonが提供するオーディオブックサービス「Audible」だろうか。「人はAudibleを聞くと〜」というキャッチフレーズはよくCMで耳にするかもしれない。
「いつか試してみたい」と思いつつ、アプリを開かないまま時間だけが過ぎている人も案外多いのだろう。
私自身も例外ではなく、アプリは入れたものの半年間で片手に収まる回数しか開いていない。

読む派 vs 聞く派 本は目で読む? 耳で聞く?

Q.内容が頭に入りやすいと思うのはどの方法ですか?

では、内容が頭に入りやすいと感じる読書方法はどちらだろうか。結果はシンプルで、「読む」が圧勝。41人がこの選択肢を選んだ。やはり活字は、自分のペースで読み進めたり、分からないところを手軽に読み返したりできる事が強みだ。「さっき何て書いてあった?」と思った瞬間にページを戻し、確認できる安心感は、なかなか大きいのかもしれない。聞く読書は巻き戻しが大変だ。

一方で、「聞く」方が頭に入りやすいと答えた人は6人、「どちらも変わらない」は3人だった。数としては少数派だが、音声の方が頭に入りやすいという人も確かにいるようだ。

ただし、ここから少し面白い結果が出てくる。日常生活に取り入れやすい方法になると、話は少し変わってくるのだ。

Q.日常生活に取り入れやすいのはどちらですか?

「読む」21人に対し、「聞く」も17人と多くの支持を集めた。 「頭に入りやすさ」では「読む」が圧倒的だった一方で、生活への取り入れやすさになると「聞く」もかなり健闘している。
電車の中でも、料理をしながらでも、イヤホンさえあれば本を楽しむことができるのはやはり大きい。紙の本を読むとなると、どうしても「本を開く時間」を確保しないといけないからだ。

つまり、しっかり理解したいなら「読む」、忙しい日常にねじ込みたいなら「聞く」という、なんとも現実的な結果になった。

本を開くまでの長い道のり

とはいえ、「読むか聞くか」以前に、そもそも本を開くところまでたどり着くのが大変だという人も多いのではないだろうか。
そこで、皆が読書をする上で感じているハードルについても聞いてみた。 

Q.読書をする上で、あなたが感じるハードルは何ですか?(複数回答可)

最も多かった回答は「時間がない」で33人、次いで「集中できない」が19人、「本を借りる・買うのが面倒」が13人という結果になった。

筆者は当初、「時間がない」という回答が最も多いとは予想していなかった。通信制高校であるN高グループであれば、比較的自由に時間を作れるのではないかと考えていたからだ。
しかし、どうやらそう単純な話ではないらしい。
物理的に時間が空いていても「よし、本を読むか」と思える精神的な余裕がなければ、読書はなかなか始まらないのだろう。スマホを触る元気はあっても、本を開く元気はない。そんな日もあるのではないだろうか。アルバイトと学業の両立で忙しい人だっているかもしれない。

これらの回答から見えてくるのは、「本が嫌い」というより、読書にたどり着くまでのハードルが地味に多いということだ。

さらにN高グループは通信制高校であり、図書館が併設されている全日制高校と比べると、本を手に入れられる環境が大きく異なる。通学コース生でもキャンパスはビルの一角に構えることが多く、学校帰りにふらっと図書館へ寄る、というような状況ではない。

つまり、本を手に入れるまでにもひと手間かかる。そう考えると、学校の図書館で気軽に、しかも無料で本を借りられていた環境というのは、実はかなり恵まれているのだと感じた。

読書の楽しみ方は十人十色

自由記述欄には、数字だけでは見えてこない、実に個性豊かな読書スタイルが集まった。

「本はロマンです!!!」と力強く宣言する熱血派がいる一方で、「アニメの方が好きです」と言い切る回答もある。
読書の取り入れ方もさまざまだ。
移動中の電車の中で読む人もいれば、勉強の合間に少しずつ読み進める人、睡眠導入としてオーディオブックを使う人もいる。中には、「毎月15冊読むことを目標に、1ページあたりの読書時間を計算し、読書計画を立ててノートにまとめている」というかなりストイックな読書家もいた。

さらに興味深かったのは、「地方に住み始めてから図書館や本屋に行くハードルが高くなった」という意見である。
都会では当たり前だった「ふらっと本屋に寄る」という行動が、地域によってはちょっとしたイベントになることもある。やはり、読書のハードルは生活環境にも左右されているようだ。

そして個人的に印象的だったのは、「オーディオブックで好きな声優がナレーションしている本だけ聞く(※内容はあまり頭に入っていない)」という、声優界に疎い筆者には想像できなかった回答だ。どうやら世の中には、推しの声を聞くための読書という新ジャンルも存在するらしい。推し活から派生する読書の形もあるのだろう。

このように自由記述を読んでいると、「読書」という一言ではまとめきれないほど、さまざまな楽しみ方があることが見えてくる。どうやら読書というものは、思っているよりずっと自由なものらしい。

最後に

今回のアンケートから見えてきたのは、N高グループ生の読書スタイルが想像以上に多様だということだ。
本をじっくり読む人もいれば、移動時間に少しずつ読む人、オーディオブックを聞く人、そして「そのうち読もう」と思い続けている人もいる。

どれが正解というわけではない。
大切なのは、「読書はこうあるべき」と決めつけることではなく、自分に合った楽しみ方を見つけることなのかもしれない。
今回のアンケートが、あなたにとっての読書スタイルを考えるきっかけになれば嬉しい。

そして、もし普段あまり本を読まないという人がいたら、この記事を読み終えたあとに少しでも「久しぶりに本でも開いてみるか」と思ってもらえたなら、今回のアンケートは大成功だ。
もちろん、まずスマホを閉じられたらの話ではあるが。

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