高校生が東大で研究発表!? N高グループ 「研究部」春合宿レポート

文 =賀須井美咲(N高9期生、ネットコース)

N高グループの「研究部」(※)では、部員の学術活動を支える取り組みとして、年に2回、合宿を開催しています。
合宿は、研究の成果を発表するだけでなく、部員同士が刺激を受けながら学問への視野を広げていく、実践的な学びの場です。
今回2026年春の合宿の舞台となったのは、東京大学!
この記事では、研究部5期生である私が、N高グループ研究部の春合宿の様子をレポートします!
(※)中高生(所属校は問わない。無所属も可)の学術探求活動をサポートするコミュニティ。

目次

春合宿2026のプログラム紹介!

今回の合宿は、N高グループ「研究部」、東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC)(※1)、および株式会社「ジブンジンブン」(※2)の三者共同プロジェクトとして、2泊3日の「春合宿」です。
全国から集まった研究部員が、多様な形で研究成果を発信し、ワークショップ等の対話の機会を通じて互いに学び合う3日間です。
部内でのポスター発表・プレゼン発表、YouTube・ニコニコ生放送で配信される全国中高生学術審査会「i²」が組み込まれており、研究のアウトプットに特化した非常に濃密なプログラムとなっていました。
(※1)人文学および関連分野の研究者が部局横断的に連携し、新たな研究協創と対話の場の創出を目指す連携研究機構。
学内外の研究者や社会との交流を通じて、多様な人文学の知見を結びつけ、その発展と社会への発信を推進している。
公式HP:https://hmc.u-tokyo.ac.jp/ja/
(※2)株式会社ジブンジンブンは、人文学に関わる研究者と関心を持つ人々をつなぎ、誰もが「プレイヤー」と「サポーター」として人文学に参画できる社会の実現を目指す団体。個々の視点(ジブン)と人文学(ジンブン)の相互作用を重視し、その架け橋となるプラットフォームの構築に取り組んでいる。
公式HP:https://jibunjinbun.com

東京大学での集合写真。
出典:https://x.com/kd_kenkyubu/status/2038919674889724180?s=46

1日目

全国から研究部員が宿泊施設に集まり、いよいよ春合宿がスタート!
久しぶりに顔を合わせる部員や、初対面のメンバーも多く、どこか緊張感がありながらも、これから始まる3日間への期待が高まっていきます。
最初に行われたのは、株式会社「ジブンジンブン」によるワークショップ。
「ジブンの問いを『テクスト』に、仲間と『問い』を共創する」をテーマに、自分の研究について説明し、部員からフィードバックをもらうワークショップが行われました。
「自分の研究を全く違う分野の人に伝えるなら、どんな説明ができるだろう?」
そんな問いに向き合う中で、研究の前提をどこまで共有するべきか、どのように言葉を選ぶべきかに悩む様子も見られました。
約45名の部員が、普段とは異なる視点からそれぞれの研究を見つめ直す機会となりました。
他の部員が作成したワークシートを読み、疑問点や感想を付箋に書き込んでいきます。
分野の違いに戸惑いながらも、近い領域の部員に解説を求めたり、分野を越えて共通する課題に共感したりと、対話が自然と広がっていきました。

ワークショップの様子。
出典:https://x.com/kd_kenkyubu/status/2037429256570241386?s=46

続いては「哲学対話」。
哲学を専門とする梶谷真司先生(※)のもとで、それぞれの部員が持つ考えを共有しました。
(※)東京大学大学院総合文化研究科教授、共生のための国際哲学研究センター(UTCP)センター長を務める哲学者。
現象学や医学史、身体論を専門とし、哲学対話の実践を通じた思考と対話の場の創出に取り組んでいる。

「お金にならない、実用的でない研究を進めることはよいことか?」
「科学者はどこまで研究の社会実装を担うべきか?」

といった問いについて、梶谷先生の進行のもと、哲学対話の形式で意見交換が行われました。
明確な正解がない問いだからこそ、一人ひとりの考えが引き出され、分野の垣根を越えた議論へと発展していきます。
対話を重ねる中で、思考が揺さぶられ、深まっていく感覚が印象的な時間でした。

哲学対話の様子。
出典:https://x.com/kd_kenkyubu/status/2037454094508712260?s=46

夕方には夕食を取り、その後は交流会へ。
この日の交流会は「夜ゼミ」。
立候補した部員が中心となってテーマごとにグループが分かれ、それぞれの関心に応じて議論を行います。
所属グループに関わらず、興味のあるテーマに自由に参加できる形式で、分野横断的な対話が生まれていました。
中でも「数理系雑談」は特に盛況で、席が足りず立って話す部員の姿も見られました。議論は次第に白熱し、時間を忘れて語り合う様子が印象的でした。
多様な学問のあり方に触れたり自分の研究を言語化したりすることで、部員同士の距離も縮まり、合宿全体の熱量がぐっと高まった1日となりました。

夜ゼミの様子。
出典:https://x.com/kd_kenkyubu/status/2037497693971575239?s=46

2日目

2日目はいよいよ、東京大学での発表日です!
都心のキャンパスへ向かう道中では、発表内容を最終確認する姿や、スライドを見返しながら小さく練習する様子も見られ、本番直前ならではの緊張感が漂っていました。

発表会場となる東京大学。

まず行われたのは、ポスター発表。
生命医療・数理・社会科学・人文など、多様な分野の研究が一堂に会し、会場はまるで小さな学会のような雰囲気に包まれました。
部員同士での対話を通して、「伝えること」と「問い返されること」を何度も繰り返しながら、議論が少しずつ深まっていきます。
自分では当たり前だと思っていた前提が伝わらなかったり、逆に思いがけない視点から鋭い質問を受けたりと、新たな気づきが次々と生まれていました。
部員同士でのフィードバックも活発に行われ、それぞれの研究に新たな視点が加わっていきます。
分野を越えた対話だからこそ、自分の研究の本質や面白さを改めて見つめ直すきっかけにもなっていました。

ポスター発表の様子。
出典:https://x.com/kd_kenkyubu/status/2037722322531225780?s=46

続いて「プレゼン発表」へ。
大学院生が審査員として参加し、部員一人ひとりが15分間で自身の研究を発表します。
限られた時間の中で、背景・目的・手法・結果を的確に伝える必要があり、ポスター発表とはまた異なる難しさがあります。
スライドの構成や話し方、時間配分など、それぞれが工夫を凝らして臨んでいました。
発表後には、専門的な質問やフィードバックが次々と投げかけられます。
鋭い指摘に思わず言葉に詰まる場面もありつつ、審査員や聴衆の姿勢は終始あたたかく、「よりよい研究にするための対話」としての空気が保たれていたのが印象的でした。
「自分の研究を伝えたい!」という強い思いが感じられる発表が続き、真剣なやり取りが会場全体に広がっていきます。

プレゼン発表の様子。

すべての発表が終了した後には、表彰が行われました。
審査員による最優秀賞・優秀賞に加え、部員の投票によって決まるオーディエンス賞、そして研究発表に取り組んだすべての部員に贈られる奨励賞が発表され、1日の成果を締めくくりました。
名前が呼ばれるたびに会場から拍手が起こり、それぞれの努力を称え合うあたたかい時間となりました。
賞の種類に関わらず、「ここまでやり切った」という達成感が、多くの部員の表情に表れていました。

表彰式の様子。

夜には、東京大学の食堂にて、審査員との立食パーティーが開催されました。
発表に対するフィードバックを直接もらったり、研究についてさらに深く語り合ったりと、学びを広げる貴重な機会となりました。
発表中には聞ききれなかった疑問をぶつけたり、進路や研究の進め方について相談したりと、距離の近い交流ならではの会話が生まれていました。
また、部員同士でも互いの発表を振り返りながら、「あの発表よかったよね!」と感想を共有する場面も多く見られました。

立食パーティーの様子。

研究発表をやり切った達成感とともに、研究の話から雑談まで、さまざまな会話が自然と広がっていきます。
発表という大きな節目を越え、部員たちの間には達成感とともに、「もっと研究を深めたい」「次はこうしたい」という新たな意欲も芽生えているように感じられました。

3日目

合宿最終日となる3日目は、これまでの研究中心のプログラムとは少し趣を変え、東京大学のキャンパスツアーが開催されました。
歴史ある建物についての説明を受けながら、東京大学構内の有名なスポットを巡りました。
何気なく目にする景観の一つひとつにも背景があり、そこに込められた歴史や意味を知ることで、キャンパスの見え方が大きく変わったように感じられました。

東大キャンパスツアーの様子。

キャンパスツアーのあとは、研究部内から選ばれた部員4名と、全国から選考を経て出場する外部生2名、合わせて6名が登壇する「全国中高生学術審査会 i²(アイツー)」(※)が開催されました。
(※)中高生が分野を問わず自らの学術研究を発表し、第一線で活躍する研究者から講評を受ける機会を提供する審査会。

発表は一人あたり15分間。
自身の研究の意義や面白さを、限られた時間の中で全世界に配信される形で発表する場ということもあり、登壇者の一言一言には強い熱意が込められていました。
質疑応答では、審査員からの専門的な問いが次々と投げかけられます。
鋭い指摘に戸惑いながらも、自分の言葉で必死に応答する姿からは、問いに向き合い続けてきた時間の積み重ねが感じられました。

審査会の様子。
出典:https://x.com/kd_kenkyubu/status/2038125511684284552?s=46

表彰式では、最優秀賞や特別賞が発表され、会場には達成感と緊張が入り混じった空気が広がります。
全ての登壇者が受賞を果たしたという結果はもちろんのこと、この場に立つまでの過程そのものが、次の研究へと向かう大きな原動力になっていくように感じられました。

表彰式の様子。

こうして、3日間にわたる研究合宿は幕を閉じました。
問いを立て、議論し、発表し、そして評価を受けるという一連の経験を通して、
部員一人ひとりが「研究するとは何か」を体感した時間となりました。
最終日を終えた会場には、達成感とともに、
これからも探究を続けていこうとする静かな熱が確かに残っていました。

プログラム外での交流も……!

2日目の立食パーティー後には、上野公園で開催されていた桜まつりに足を運ぶ部員の姿も見られました。
夜の屋台で、1つのかき氷を複数人で分け合いながら他愛のない会話を楽しむ時間は、発表を終えたあとの解放感も相まって、どこか特別なものになっていました。

上野公園での様子。

また、任意の部員で集まり、合宿最終日の打ち上げではサイゼリヤへ。
それぞれが研究部に入ったきっかけを語ったり、春から大学生になる部員が進学先でやりたいことを話したりと、話題は尽きません。
研究の話から少し離れたこうした時間の中で、互いのこれまでやこれからを知ることで、関係がより深まっていくのを感じました。
プライベートでの約束をし合う場面もあり、合宿が終わったあとも続いていく温かい繋がりが、自然と生まれていました。

打ち上げの様子。

終わりに

春合宿2026は、研究に真剣に向き合う時間と、仲間と語り合う時間の両方が詰まった、非常に濃密な3日間でした。
研究発表を通して、学びの深さだけでなく、「伝える力」の重要性も強く実感しました。
限られた時間の中で自分の研究をどう言語化し、相手に届けるかという経験は、これからの探究を続けていく上で大きな糧になると感じています。
また、異なる分野・背景を持つ仲間と出会い、互いに刺激を受けながら議論を重ねることで、自分の視野が広がったと感じています!
改めて、私は「研究部」というコミュニティが世界で一番大好きです!

興味のある方へ! 「研究部」とは!

研究部とは、学術研究を志す中高生をサポートするコミュニティです。
文系・理系を問わず、さまざまな分野で専門的な学修や研究活動を行う中高生が参加しており、研究部アドバイザーによるサポートのほか、発表会や専門家による講演といった不定期イベント、部員同士の交流を通じて、研究に関する知見を広く深めることができます。
研究部HP
https://nnn.ed.jp/attractiveness/extracurricular/club/kenkyubu/
研究部X
https://x.com/kd_kenkyubu
研究に必要な資金の支援も行っておりますので、興味関心のある方はぜひ研究部HPをご覧ください。
※入部には選考があります。
※研究部にはN高/S高/R高以外の生徒も所属しております。

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