取材・文=よしき(S高4期・通学コース)
オンラインで人とつながることが当たり前になった今、読書の楽しみ方にも新しい形が生まれています。Discordで読書会を開くサーバーを立ち上げ、運営しているしびからさん(S高4期)に、活動のきっかけや内容、読書への思いについて話を聞きました。
Discordサーバーについて
Discordサーバー(※1)を立ち上げたきっかけは何ですか?
A.きっかけは、「自分で読書会を開いてみたい」と思ったことです。
読書会は、さまざまな書店で開催されています。しかし、体調が優れなかったり、場所が遠かったりすると参加できないことが多く、それが大きなハードルだと感じていました。そこで、オンラインのコミュニティとして読書会を開催すればよいのではないかと考え、サーバーを立ち上げました。
読書会とは具体的にどのようなものですか?
「どくどくどくしょ」で行っている読書会では、まず参加者が集まり、30分間それぞれ自由に読書をします。BGMを流しながら30分ほど自由に読書をし、その後の約30分間で、読んだ本の感想を共有します。時間に余裕があれば雑談や交流をすることもあり、全体で1時間ほどの読書会となっています。
読書会にはどのような方が参加されていますか?
頻繁に開催しているわけではないため、はっきりとした傾向はありません。日程が合う方が参加しています。
サーバー名「どくどくどくしょ」に込めた思いはありますか?
正直に言うと、特別に深い意味はありません。1分もかからずに決めた名前です。ただ、柔らかく親しみやすい名前にしたいと思い、ひらがなを使うことを考えました。そこで思いついたのが「どくどくどくしょ」です。ポケモンの毒タイプのような響きですが、かわいらしい印象もあり、そのまま採用しました。
「どくどくどくしょ」では、ほかにどのような活動をしていますか?
基本的には読書会を中心に活動しています。私の都合や体調が合うときに開催しています。また、本についての雑談も行っています。現在読んでいる本や、読んだ本の共有、どこで本を購入したかといった話題です。以前には、メンバーの方が「積読用のグッズがある」と投稿してくださったこともありました。
サーバーにはどのような方が参加されていますか?
読書が大好きな人もいれば、たまに読む程度の人もいます。読書の頻度は人それぞれですが、「読書が好き」という気持ちを持っている人が多いと感じています。
Discordで読書コミュニティを作る良さは何だと思いますか?
もともと、独立系書店(※2)が主催する読書会をInstagramで見かけ、参加してみたいと思ったことがきっかけでした。しかし、独立系書店は名古屋に集中しており、少し離れた場所に住んでいる私にとっては移動が大変でした。オンラインであれば、地域に関係なく、時間さえ合えば誰でも参加できます。そこが一番の魅力だと思っています。現在は私を中心としたコミュニティですが、この場所を通してさまざまな人同士のつながりが生まれたら嬉しいです。
しびからさんの読書について
書店にはよく行かれますか?
よく行きます。週に1回は訪れますし、散歩の途中にふらっと立ち寄ることもあります。
よく覗くコーナーはどこですか?
新刊、文庫本、新書のコーナーです。また、文房具や手帳のコーナーもよく見ています。
書店を訪れる魅力は何でしょうか?
並んでいる本を見て、「これは面白そうだ」と直感で手に取れるところです。通信販売ではできない、書店ならではの楽しさだと思います。
お気に入りの書店はありますか?
「ON READING」と「特殊書店 Bibliomania」の2店です。どちらも名古屋の独立系書店です。ON READINGは選書が自分好みであることと、ZINE(ジン)(※3)が置いてあるところが気に入っています。「特殊書店 Bibliomania」は、大手書店ではあまり見かけない本が多く並んでおり、サブカルチャーが好きな私にとって、これからも残り続けてほしい書店です。
どのような本を、どのようなタイミングで読まれますか?
恋愛小説以外であれば、基本的に何でも読みます。エッセイ、小説、ミステリー、純文学、新書、ZINEなど、幅広く読んでいます。最近は電車の中で読むのがマイブームです。家では昼間に読むことが多いです。寝る前に読むと興奮して眠れなくなることがあるため、寝る前には読まないようにしています。
普段読書をしない高校生におすすめの本3選
普段読書をしない高校生におすすめの本を教えてください。
三冊あります。
一冊目は、みくのしん著『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』です。この本は、本を読んだことがない著者が『走れメロス』を読むところから始まります。名著をわかりやすく紹介しており、読書に慣れていない人にもおすすめです。
二冊目は、時雨沢恵一著『キノの旅』です。全二十四巻ありますが、どの巻から読んでも楽しめる作品で、ライトノベルの入り口として最適です。
三冊目は、浅井音楽著『しゅうまつのやわらかな、』です。文体が柔らかく、短くてとても読みやすいエッセイです。
今後、挑戦したいことや目標はありますか?
参加してくださる人を増やしたいと考えています。現在は14人ですが、人数が増えれば、より楽しいコミュニティになると思っています。読書会に参加してくれる人が増えたり、雑談チャンネルが週に1〜2回ほど動いたりするようになったら嬉しいです。これからも、スローペースで続けていきたいと思います。
最後に、普段読書をしない高校生へメッセージをお願いします。
読書には堅いイメージがあるかもしれませんが、インプットができる優れたツールだと思っています。他人の人生を追体験できるという点も、読書の大きな魅力です。何か頑張りたいことがあるときや、「最近つまらないな」と感じたときに、気軽に本を手に取ってみてほしいと思います。
おわりに
オンラインでのつながりが広がるなか、「読書」という一人になりがちな行為を、ゆるやかに共有できる場所として生まれた「どくどくどくしょ」。しびからさんの言葉からは、「読書が好き」という気持ちを大切にしながら活動を続けていこうとする姿勢が伝わってきました。本を読むペースもジャンルも、人それぞれです。読書から少し離れていた人も、これから始めてみたい人も。この記事をきっかけに、「本を読む時間」や「誰かと読む楽しさ」に、ふと目を向けてもらえたら嬉しく思います。


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