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児童館で子どもと関わるプロジェクトのメンバーに聞く! 思いを勇気に変える方法

取材・文=よしき(S高4期・通学コース)写真提供=ゆうろさん(S高4期・通学コース)

誰かに「ありがとう」と最後に伝えたのはいつですか?

今回紹介するのは、「花咲くありがとうポストプロジェクト」です。児童館を舞台に、感謝の気持ちを“ポストに届ける”というユニークなアイデアから始まったこの取り組みは、企画段階から一歩ずつ形になり、多くの出会いや学びを生み出してきました。

なぜ彼らはこの活動を始めたのか。子どもたちと関わる中で、どのような悩みや変化があったのか。そして、活動を通して見つけた、思いを勇気に変える方法とは。

今回はメンバーのゆうろさん(S高4期)、だてまきさん(S高4期)、平次さん(N高10期)にお話を伺いました。

目次

ありがとうを投函するポスト

よしき

花咲くありがとうプロジェクトとは何ですか?

ゆうろさん

児童館に来館する小学校低学年生を主な対象とした、行動として感謝を表せる仕組みを作り、運用するプロジェクトです。
小学校低学年を主な対象としたのは、感謝の気持ちがあってもそれを言葉にして伝えることがまだ難しい時期だと感じたからです。「ありがとう」と言いたくても恥ずかしかったりどう伝えたら良いか分からなかったりする。だからこそ、行動で感謝を表せる仕組みが必要だと考え、ありがとうポストを作りました。

ゆうろさん

ありがとうポストの仕組みを説明しますね。
ポストカードにはあらかじめ「うれしかったよ ありがとう」など、文字が印刷されており、感謝の気持ちを感じたら文字を書かなくても、投函ができる仕組みです。宛名は書かずに投函する仕組みにしています。感謝の気持ちをうまく表現できにくい低学年の子供を対象に「伝える」前に「表現する」ことを目的としているからです。子供たちが書いたメッセージをポストに入れると、壁の木に花が咲いていきます。8日間で177枚のカードが集まりました。

ポストカード
ありがとうポスト

ありがとうポスト誕生のきっかけ

よしき

ありがとうポストが生まれたきっかけは何でしたか?

ゆうろさん

子どもは押しボタン式信号機のボタンや、バスの「次止まります」ボタンなどの「押したくなるもの」が好きなのではないか、という発見から生まれました。そのようなものを形にできないかと考えた末に生まれたのが、投函するという動作を伴う「ありがとうポスト」です。
感謝を感じたらボタンを押す「感謝のボタン」みたいなの作ろうかなと思っていたのですが、電気回路に関して詳しいメンバーがいませんでした。「じゃあポストで行くか」と話したのが最初ですね。

木に花が咲いていく

よしき

木に花が咲いていくとはどのような仕組みなのでしょうか?

ゆうろさん

私たち高校生が子どもたちと一緒に、児童館の室内に貼った木を模した紙に花を貼っていくことで、花が咲いていく仕組みになっています。また、投函数を数えたり、花の形に切った台紙を貼ったりする作業が職員の方の新たな負担にならないよう、これらを子どもたちのお仕事体験として取り入れました。高校生と協力しながらお仕事体験を進めています。

木に花を貼っている様子

チームを支えるそれぞれの仕事

よしき

皆さんのマイプロジェクトでの担当と仕事を教えてください。

ゆうろさん

リーダーです。企画の立案と児童館への連絡、全国高校生マイプロジェクトアワード(※1)などのコンテストへの応募をしています。外部との連携と企画立案を主に担当しています。

だてまきさん

マイプロジェクトアワード・地域サミットに出場するための応募の文章を書きました。ポストやポスターなどの制作を主に担当しています。

平次さん

私は途中から助っ人として入りました。児童館で活動しています。

ゆうろさん

平次さんは児童館の子どもたちに一番親しまれていました。

※1 全国高校生マイプロジェクトアワード :地域やコミュニティなど身の回りの課題に対して自ら考え行動した高校生が自分のプロジェクトを発表したり、フィードバックをもらったり、同じ想いを持つ全国の同世代と出会う、日本最大級の「学びの祭典」。

子どもの幸福度調査から見えたもの

よしき

子どもの幸福度についての調査から、どのようなことが分かりましたか?

ゆうろさん

チームで子どもの幸福度についての調査をして、子供たちの精神的幸福度が低いことが分かりました。
感謝は自己肯定感を上げる効果があることも分かりました。また、感謝を伝えられた側が嬉しいのはもちろん、伝える側も幸福度が上がる効果があることを知りました。
これはとてもwin-winだと思いました。

年長の子が「ゆうき!」と呼び捨てで呼んでくれたのが、ああ、馴染めたんだなって。

よしき

児童館での活動で大変だったことは何ですか?

ゆうろさん

児童館のエピソードはやっぱり、平次さんでしょ。

平次さん

はい。子どもと接することは、やはり最初が肝心でした。接するときに怖がられてしまうと、企画まで行けなくて、成果が得られないから少し緊張しましたね。私自身、子供にとって私が違和感のない存在になれたらいいなと思い、頑張りました。

よしき

悩みをどう乗り越えましたか?

ゆうろさん

客観的に平次さんを見ていると、平次さんはコミュニケーション力を持っていると私は思ってて、児童館などで子供たちと接するときに積極的に話しかけに行ってくれるんですよね。

ゆうろさん

私は事務的な内容を根気強くこなすことができます。今日の取材のような真面目なものは得意なのですが、子供たちと話すことが苦手です。接するときに積極的に平次さんが頑張ってくれていたのはすごく助かりました。

平次さん

確かに、積極的に話しかけることを頑張りました。

ゆうろさん

先陣を切っていってくれて、本当に助かりましたね。高校生だからやはり身長も大きいし、子供たちからしたら緊張すると思うんです。子どもとの距離感が縮まらない中でも一番乗りで子供たちに話しかけに行くんだと、気合いを持って取り組んでくれました。「私たち仲良くなれないまま終わっちゃう」と私は焦りを感じましたが、平次さんは場の空気作りっていうのをしっかりしてくれました。私は平次さんに「もう〜大好き!」といった気持ちです。

よしき

積極的に関わっていったという平次さんが子どもとの触れ合いの場面で特に嬉しかったことは何ですか?

平次さん

「ゆうき」と名札に書いて、自己紹介の時に「ゆうき君って君づけで呼んでね!」と言ったのですが、年長の子が「ゆうき!」と呼び捨てで呼んでくれたのが、「ああ、馴染めたんだな」って思って嬉しかったです。

自分自身の変化、メンバーの変化

よしき

自分自身の変化やメンバーの変化はありましたか?

ゆうろさん

仲間を信じることが出来るようになりました。
私はふと、全ての仕事を私がやれば効率的に進むのではないのか、と考えるのですが、1人だと仕事量は多くて困難だし、「何のための仲間なのか」と思いました。

ゆうろさん

だてまきさんは、以前は話すことが苦手な印象でした。子どもたちと触れ合うことはとても難しいのに、頑張って話をしていて、素晴らしいなと思いました。

ゆうろさん

さあ、私を褒めたまえ。

だてまきさん

ゆうろさんは元々活発的な印象があります。変わったというより、もともとあったポテンシャルがもっと磨かれました。
「何でもできる」じゃなくて、多分、「何でもできるようにする」のだと思う。

平次さん

ゆうろさんは私に見合った仕事を振ってくれます。私自身が持っている力を見極めて仕事を振ってくれます。すごい人です。

普段の授業では出会うことのない人との交流

よしき

先日参加された、全国高校生マイプロジェクトアワードの地域sumiit(※2)で得られた学びや気づき、出会いはどのようなものですか?

ゆうろさん

良い経験となりました。活動の評価を大人の方から貰えました。発表の後に、「イベントでポストの設置をしてみませんか?」と駅のイベントへの出展に誘われました。活動をしてなかったら、児童館のスタッフさんにも、イベントの主催者さんにも出会えなかった。一歩踏み出して頑張ってみたら、普段の授業では出会うことのない人と交流することができました。人とのつながりが広がりました。

だてまきさん

最初は、児童館で私たちが笑顔にしようみたいな気持ちで訪れていたけれど、子どもと関わっていくうちに名札に私が描いていた絵を子供が書いてくれて「書いたの!」と見せてくれたり、絵とか祈り紙を貰ったりしました。私は「笑顔にしよう」と思ってたけど、子供達に笑顔にしてもらったことが、たくさんありました。子供たちは「笑顔にしよう」と思ってやってるわけじゃないと思うから「純粋な心で人を笑顔にできるんだな」と思いました。

※2 地域sumiit:その地域に在住・在学する高校生が、これまで取り組んできたマイプロジェクトを発表し、参加者同士や、大人との対話を通じて、次の一歩を見つけにいくイベント。

読者へのメッセージ

よしき

子供に関わる人、子供を支えたい気持ちはあるのだけれど、一歩踏み出せない人、児童館や小学校で子供を支える立場で活動がしたい人に向けてメッセージをお願いします。

ゆうろさん

勇気を振り絞ってやってみよう!」と伝えたいです。
私たちも最初は新聞で「ありがとうボックス」という活動をされている方を見かけて、取材してみようと思ったんですよ。
取材なんかしたこともないし、ましてや外部の人たちが時間を割いてまで私たちに話してくれるのかな、と不安になりました。最初はメールの1文でもいいし、大きく一歩踏み出すようなものではなく、LINEでメッセージを送るときのようなスマホのワンタッチの勇気を振り絞ってほしいですね。

ゆうろさん

コンテストでもし上手くいかなくても、人との出会いがある。コンテストの結果よりも、人との出会いを大切に。出会った人は私たちが頑張ってる姿を見てくれています。

だてまきさん

子どもに対して、もちろん気をつけないといけないこともあると思うけれど、相手が子供だから踏みとどまる必要はないんじゃないかなと思います。「やってみたいならとりあえずやってみたらいい」と伝えたいです。子供たちはきっと、あんな人たちがいたな、と覚えてくれています。

ゆうろさん

その出会いとか人の心に残るっていってくれる人もいるし、認めてくれる人もいっぱいいる。だから出会いって大切だし、どんどん増やしていけば、それだけ自分たちの裏側を知ってくれる人たちが増える。活動の幅を広げると、それだけ認めてくれる人が増える。そういうことの積み重ねなのかなと思いますね。

だてまきさん

やりたいことがあっても、未来のために今できることって分からないじゃないですか。 まずはそのやりたいことを大事にして行動するのが良いと思います。「これをやりたい!」というのがあって「なんで私はこれをやりたいんだ」と疑問が生まれると思います。その疑問を大切にしてほしいです。

ゆうろさん

自分の思いをどう表現するのか、どうやって世の中に届けていくのか、自分の思いだったり、この願いだったりそういうのをいかにしてみんなに理解してもらうかを考えていかなければならないと思います。思いを大切に!自分の思いを大切にしてください。

平次さん

私は相当な勇気は必要ないと思います。思いが強ければ、行動に移せる。子どもを支えたい思いが緊張に勝ったら行動できるのではないでしょうか。ゆうろさんと同じく、思いが大事ということを伝えたいです。

ゆうろさん

僕はなんでこういう風に思うんだろう、これってどういう気持ちなんだろうって自分と向き合うことで、思いはだんだん果物の実が熟すようになると思うんですよね。熟した頃には勇気も出て、サッとやってみるかって、きっと行動に移せるはずです。思いを温めておく。勇気が出ないのなら、「なんで私はこうするんだろう」「なんでこれをしたいんだろう」という自問自答を繰り返してみて、思いを温めておいてください。

終わりに

取材を通して印象的だったのは、三人が繰り返し語っていた「思いや疑問を大切にすること」という言葉でした。「ありがとう」と伝える勇気もまた、その思いを大切にすることから生まれるのかもしれません。

さて、あなたは誰に「ありがとう」と伝えますか?

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