【N中生が作ったノベルゲームでN中PR!!】通学コースシナリオ大公開第7弾 〜3月(またねの会)〜

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文=愛禾(N中等部2年 通学コース)
シナリオ=N中職人計画シナリオチーム

 2025年4月に行われた、磁石祭ZERO2025。筆者はオンライン会場にて、「N中生が作ったノベルゲームでN中PR!! 〜ノベルゲームでN中生になってみませんか〜」(※)という企画を出展した。N中の1年間を体験できるノベルゲームをN中生で制作し公開、またメンバーによるYouTube生配信も行った。

 実は、磁石祭で公開できたゲームは「ネットコースゲーム(※)」のみ。本来、通学コースのゲームも制作していたのだが、期間やメンバーの卒業といった都合により、「ノベルゲーム」という形にすることは叶わないままとなった。しかし、通学コースゲームもシナリオだけは完成していたため、「このままシナリオをお蔵入りにするのは惜しい!」と思い、N高グループ新聞で発表をしようと考えた。

 このシナリオは連載である。何しろN中の1年間を詳細に描いたものなので、長い。ただその分キャラクターやイベントのリアリティある描写などにはシナリオ制作者一同こだわっているため、最後まで付き合っていただきたいと思う。

 それでは早速、本編に入っていく。第7弾となる今回は、「3月(またねの会)」。シナリオ公開シリーズも、これを含め残すところあと2回だ。

※「N中生が作ったノベルゲームでN中PR!! 〜ノベルゲームでN中生になってみませんか〜」について……この企画についての詳細な記事はこちら。シナリオ等のネタバレは一切行っておらず、制作裏やメンバーの意気込みなどを知ることができるため、先に読んでもらえるとさらに楽しめると思う。

※ネットコースゲーム、通学コースゲーム……N中等部には、キャンパスに通学する通学コースと、週に二回zoomで授業を受けるネットコースの二つがある。イベントや授業形態などが大きく異なるため、筆者の企画では二つのゲームに分けて制作を進めた。

目次

初めに・キャラクター紹介

シナリオの表記は以下のようになっている。


「」内の文章|セリフ
()内の文章|キャラの心の声
【】内の文章|架空コミュニケーションツールSlock上でのやり取り
=に囲われている太字の文章|シーンの変更、説明
何も使用されていない文章|テロップ

また、磁石祭ZEROネット企画出展の都合上、アプリケーションの名称等を一部変更している。
この先、〇〇(あなたの名前)はあなた(読者、プレイヤー)と同一人物である。

キャラクター一覧

※この先登場するキャラクター含む

①主人公 〇〇(あなたの名前)
学年:中学2年生(中2 4月入学)
登校頻度(※):週3

②西原梨々華(さいばら りりか)
性格:明るい・たまに天然
性別:女子
学年:中2
誕生日:5/8
趣味:ゲーム・動画編集
slock名(※):リリカ
登校頻度:週3

③伊藤優(いとう ゆう) メンター(※)
学年:20代-30代
誕生日:7/13
趣味:園芸・猫の世話
特技:聖徳太子みたいな聞き分け能力
slock名:mentor_Ito_yu

④早川このみ(はやかわ このみ)
性格:おとなしい
性別:女子
学年:中学1年生
誕生日:1/9
趣味:イラストを描くこと
slock名:このは
登校頻度:週3

⑤天音龍樹(あまね たつき)
性格:明るくマイペース
性別:男子
学年:中学1年生
誕生日:7/21
趣味:楽曲制作・音楽を聞くこと
slock名:龍樹
登校頻度:週3

⑥神楽とと(かぐら とと)
性格:面倒見がよく姉御肌
性別:女子
学年:中学3年生
誕生日:4/27
趣味:アニメ、映画鑑賞・声優の研究・漫画を読むこと
特技:声真似
slock名:とと
登校頻度:週5

⑦宝城五木(ほうじょう いつき)
性格:優しいが短気・少々毒舌
性別:女子
学年:中学3年生
誕生日:5/8
趣味:プログラミング(ゲーム制作)・ゲーム
slock名:タカラ
登校頻度:週5

⑧柊透(ひいらぎ とおる)
性格:内気で無口・打ち解けると比較的よく笑う
性別:男子
学年:中学3年生
誕生日:11/19
趣味:プログラミング(サイト制作)・デザイン
slock名:柊
登校頻度:週3

⑨伊虎香奈(いとら かな)
性格:明るく気が強い
性別:女子
学年:中学2年生
誕生日:8/22
趣味:漫画を読むこと・アニメ鑑賞・サッカー
slock名:Kana
登校頻度:週1

⑩青沼孝介(あおぬま こうすけ)
性格:天然・強烈な博多弁を使う
性別:男子
学年:中学2年生
誕生日:3/16
趣味:ゲーム・YouTubeをみること
slock名:あお
登校頻度:週1

※登校頻度……N中等部では週5、週3、週1の中から登校頻度を選ぶことができる。3ヶ月に一回(4月、7月、10月、1月)変更が可能。

※slock名……架空コミュニケーションツール「slock」では、個人がアカウント名を設定できる。

※N中等部、N高グループにおいて学習面・生活面で生徒をサポートする職員のこと。

=2月下旬=

=某所キャンパス近くの道=

〇〇(あなたの名前)がふとスマホに映る日付を見ると、2月も終盤に差し掛かっていることに気づいた。

〇〇(あなたの名前)
「そっか、もう2月も終わりか……。なんだか感慨深いな。」
「最初は馴染めるか不安でいっぱいだったけど、みんな優しくてよかった。」

思わずふっと笑みがこぼれて、あふれた息が白く染まる。

その時、背後に忍び寄る怪しい影が……。

〇〇(あなたの名前)
「うわっ!? って……」

西原梨々華
「おはよっ!」

〇〇(あなたの名前)は背後を振り返る。怪しげな影の正体は、リリカさんだった。

〇〇(あなたの名前)
「なんだ、リリカさんか……。びっくりしたよ。おはよう。」

西原梨々華
「やっぱ人生には、刺激が欲しくなるからね〜!」

口元にピースを添えて、満足げな表情をしている。

〇〇(あなたの名前)
「それなら私も、リリカさんに刺激をプレゼントしてあげようか?」

西原梨々華
「ごめんごめん、許してよ〜!」

〇〇(あなたの名前)
「あはは、冗談だよ。」
「そういえば、今日は少し来るの遅かったね。何かあった?」

西原梨々華
「そうそう。カイロをどっかに落としちゃった! と思って頑張って探してたんだよ〜」
「結局どこにあったと思う? かばんだよ! かばんの中に入ってたの!」

ぷくーっと頬を膨らませながら、手に握っているカイロを恨めしげに見つめている。
よく見ると、カイロに油性ペンでかわいらしいキャラクターが描かれている。

〇〇(あなたの名前)
「もう、なくさないように気をつけてね。」

西原梨々華
「わかってるよ! さすがにもうなくさない!」
「って、もうすぐ時間になっちゃう! ほら、急ごっ!」

〇〇(あなたの名前)
「あ、ちょっとリリカさん! 待って!」

足早に走り去るリリカさんを慌てて追う。

=休憩時間=

西原梨々華
「さっきはほんとごめん! 君、置いていっちゃったよね!」

〇〇(あなたの名前)
「いやいや、私の方こそ、途中で転けちゃったから。」

西原梨々華
「えっ、大丈夫!? 私、絆創膏持ってるからあげるよ!」

〇〇(あなたの名前)
「いいの? ありがとう。わ、これリリカさんのカイロに描かれてたキャラでしょ?」

西原梨々華
「そうそう、この前見かけて買ったんだよ! かわいいでしょ?」

数分ほど、他愛のない話をして盛り上がっていると、

伊藤優
「少しいいかな?」

話に割り込む形になったからか、尋ねた後に申し訳なさそうにしている。

〇〇(あなたの名前)
「全然大丈夫ですよ! リリカさん、また後で話そう」

西原梨々華
「わかった! いってらっしゃ〜い!」

=面談室=

〇〇(あなたの名前)
「それで、どうしたんですか?
……まさか、何か悪いことでもしましたか!?」

伊藤優
「いえいえ、〇〇(あなたの名前)さんはきちんとグランドルールを守っていますよ」
「今回は、またねの会に関するお話です」

〇〇(あなたの名前)
「またねの会……それって、どういうイベントなんですか?」

伊藤優
「もうすぐ卒業してしまう3年生に、感謝を伝えるために1,2年生が見送る会ですよ〜」
「よかったらまたねの会の実行委員をやってみない?」

〇〇(あなたの名前)
「実行委員!? できるかなぁ」

伊藤優
「キャンパスフェスティバルやオープンキャンパスでも積極的に活動できていたから、きっと大丈夫。」
「それに、お世話になった3年生に感謝を伝えるチャンスにもなるよ。
自分たちで企画を立てて、自分たちでプレゼントを用意できるからね。」

「もちろん、無理にする必要はないけど……」

〇〇(あなたの名前)
「うーん……。せっかくの機会だし」
「わかりました、やってみます!」

伊藤優
「引き受けてくれてありがとう! また後日、実行委員のSlockチャンネルに招待しますね。」

〇〇(あなたの名前)
「はい!」

今までの出来事を振り返ると、先ほどまでの不安が飛んでいったようで、やる気に満ちあふれてきた。

〇〇(あなたの名前)
「このN中等部でここまで成長できたのは、先輩達のおかげでもあるんだ……」
「よし、喜んでもらえるように頑張ろう!」

そう強く決意して、面談室を離れた。

=1週間後の6コマ目=

伊藤優
「みなさん、またねの会実行委員に立候補していただきありがとうございます〜」

〇〇(あなたの名前)が辺りを見回すと、リリカさんや伊虎さんなど知っている人が何人か視界に入った。

〇〇(あなたの名前)
「よかった、知らない人だけじゃなくて」

どれだけ決意を固めていても、緊張はしてしまうものだ。

伊藤優
「それでは、新入生のためにも改めて自己紹介していきましょうか!」
「えっと……。誰か最初に言いたい人はいますか?」

西原梨々華
「はいは〜い! 私から時計回りとかどうですか〜!」

伊藤優
「あら、積極的でいいですね。では、リリカさんからどうぞ」

リリカさんは持ち前の明るさを発揮して、その場の空気を盛り上げた。

伊藤優
「次は、青沼さんかな? どうぞ〜」

青沼孝介
「青沼孝介、中学2年生や。ゲームばするとが好きったい」

そういえば、話したことがなかったなと顔をまじまじと見つめる。

青沼孝介
「ん? 何ば見よっと?」

〇〇(あなたの名前)
「えっ、いや、話したことないなって」

青沼孝介
「そういやあ、そうやったな。ま、これから仲良うしような〜」

思っていたよりフレンドリーな人で、内心ほっとした。
そして、何人かの自己紹介の後に、ついに自分の番が回ってきた。

伊藤優
「次、ではどうぞ〜」

〇〇(あなたの名前)
「は、はい!」
「〇〇(あなたの名前)です! 趣味は……」

緊張はしていたけれど、無事に自己紹介を終えることができた。

伊藤優
「これで全員終わりましたね!」
「それでは、これからまたねの会の詳細を共有した後に、やりたい係を決めていきますよ〜」

またねの会は、3月〇日の6コマ目の時間に行われるらしい。
メンターさん達ではなく、〇〇(あなたの名前)達が主体的に企画をしていくのだという。

〇〇(あなたの名前)
「なんだか楽しそう!」

伊藤優
「次は、係ですね〜」
「たしか、去年は企画係、装飾係、贈り物係があったかな。」

西原梨々華
「私、装飾係とかやってみたいな! 楽しそうじゃん?」
「〇〇(あなたの名前)はやりたいのある?」

〇〇(あなたの名前)
「うーん、迷うけど……。企画係をやってみるよ。」

西原梨々華
「いいじゃん、君にぴったりだよ! じゃあ、お互い頑張ろっ!」

彼女を呼ぶ声の方に駆けていくリリカさんの姿を目で追いながら、〇〇(あなたの名前)も企画係が集まる席へと向かった。

〇〇(あなたの名前)
「あっ、さっきの! ……ごめん、名前を聞いてもいいかな?」

青沼孝介
「青沼孝介ばい! 全く、自己紹介の話聞いとらんと?」

〇〇(あなたの名前)
「ごめん、その時ちょっとぼーっとしてたのかも……。話したことないなって思ってさ。」
「青沼さんも企画係?」

青沼孝介
「話聞いとって、興味あったっちゃん。そっちはどうと?」

あの時の出来事を、〇〇(あなたの名前)は今でも鮮明に覚えている。

キャンフェスの時、タカラさんに依頼された案件をすっかり忘れ、そのおかげで作業に遅れが出てしまった。〇〇(あなたの名前)やリリカが一所懸命に作業し、結果的に企画は成功したが、タカラさんを含む企画に関わる皆に迷惑をかけてしまったことがある。

〇〇(あなたの名前)
「……だから、企画係を選んだんだ。リベンジというか、償いって感じかな」

青沼孝介
「そうなんや……」
「一緒に頑張ろな、応援しとうよ」

〇〇(あなたの名前)
「ありがとう。青沼さんも、応援してるよ!」

なんだか少しだけ、心が軽くなったような気がした。

=3月上旬=

伊虎香奈
「こっち! 来てくれる?」

〇〇(あなたの名前)
「今行くよ!」

またねの会当日も迫ってきていて、みんな大忙しだ。
かくいう〇〇(あなたの名前)も、他の係との打ち合わせで毎日バタバタしている。でも、きちんと活躍できている。その事実に心が軽くなった。
あの時とはもう違うんだ。

伊虎香奈
「そういえば贈りものって、どこに置いておけばいいの?」

〇〇(あなたの名前)
「最後に渡す時間があるから、そこの、モニターの後ろのテーブルに置いてあると助かるかな」

伊虎香奈
「わかった。物を置くスペース、足りない。テーブルまだ余ってる?」

〇〇(あなたの名前)
「うん。持ってこようか?」

伊虎香奈
「あ、ありがとう」

西原梨々華
「あ! ねえねえ〜! 飾りこんな感じになったよ〜!」

〇〇(あなたの名前)
「わかった、少ししたらそっち行くね」

西原梨々華
「ゆっくりでいいよ! ちょっと見せたかっただけだから!」

伊虎香奈
「青沼さん、その画用紙は何に使うの?」

青沼孝介
「そりゃ……、あれ、なんやったかな」

伊虎香奈
「ふんっ。だったら、ちょっと手伝ってあげる!」

=またねの会当日=

またねの会の企画の一部で、〇〇(あなたの名前)は代表としてスピーチをすることになった。
おかげで今は、心臓がバクバクと音を立てている。。

宝城五木
「続きまして、1,2年生代表からのスピーチです」

前でまたねの会の進行をしているタカラさんと、ぱちっと目が合った。席に戻るために、〇〇(あなたの名前)の横を軽やかに通り過ぎるその時、

宝城五木
「スピーチ、楽しみにしてる。頑張れよ」

そう耳元でささやかれた。

〇〇(あなたの名前)
「あ……、はい、頑張ります!」

タカラさんの通った道をなぞるように、前へ出る。みんなの視線が刺さって痛い。正直、今すぐにでも逃げ出したくなる。でも、それでも、頑張ると決めたから。

〇〇(あなたの名前)
「卒業する3年生の方、そして仲良くしてくれたみなさんへ。」
「入学したばかりのときの自分は、キャンパスがどこかもわかりませんでした。」

声は震えている。でも、そのまま続けた。

〇〇(あなたの名前)
「でも、リ……西原さんが話しかけてくれて、驚いたけど嬉しかったです。」

西原梨々華
「そっか、あの時!」

〇〇(あなたの名前)
「他のみなさんもそうです。慣れなかったパソコンの使い方や、ツールの使い方……。特に、3年生の方にはとてもお世話になりました」

〇〇(あなたの名前)
「キャンパスフェスティバルで、みんなにものすごく迷惑をかけました。
でも、タ……宝城先輩はこう言ってくれたんです。『いつまでも拗ねていたら先輩として恥ずかしい、こんなに頑張ってくれてるからもう怒ってない』って。」

宝城五木
「……!」

〇〇(あなたの名前)
「この1年間、こんなに変わることができました。感謝してもしきれません。本当に、ありがとうございました。高校でも、良い学校生活が送れることを願っています。」

〇〇(あなたの名前)は言い切った。あたたかいもので胸がいっぱいに満たされていく。
そうして……。

宝城五木
「ちょっと、大丈夫!?」

安心しきったからか力が抜けて、その場に崩れ落ちた。

=放課後=

西原梨々華
「もう、あの時びっくりしちゃったよ!」

〇〇(あなたの名前)
「話し終わったから、安心しちゃって……」

あの後、すぐに立ち上がってから、「わっ、ごめんなさい! 失礼しました!」と、慌てて席に戻ったのだった。

西原梨々華
「もう、せっかくそれまでかっこよかったのにね〜」

〇〇(あなたの名前)
「うう……。恥ずかしいから言わないで〜!」

西原梨々華
「まあでも……お疲れ様!」

伊藤優
「そろそろ帰る時間ですよ〜!」

遠くから、〇〇(あなたの名前)達を呼ぶ声が聞こえる。

〇〇(あなたの名前)
「あっ、今支度します!」

=某所駅前=

西原梨々華
「それじゃ、1年間ありがとう! 3年生になってもよろしくね!」

〇〇(あなたの名前)
「うん。ありがとう、リリカさん!」

ちらちらと雪が降るいつもの道を踏みしめる。なんだかしみじみとしてきて、後ろを振り返ってみた。
もうとっくに向こうへ消えていったはずの、リリカさんが見えたような気がした。

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