活躍生徒vol.027:生徒会の基盤づくりをし、生徒会ライブを主導したTEPPeiさん

取材・文=chikachan(N高9期・オンライン通学コース)
画像提供=TEPPeiさん
生徒数がついに3万人を超えたN高グループ。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒は、どんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……気になりますよね! そこでN高グループ新聞では「活躍生徒」と題してインタビュー企画を始めることにしました。今回は、生徒会の基盤づくりをし、生徒会ライブを始めとした様々な企画を主導したTEPPeiさんにインタビューをしました! ぜひ最後までご覧ください。
日本で一番、生徒自身が決められる生徒会
Q.所属校とコース、学年、名前を教えてください。
通学コースに所属していたN高7期生の川邉哲平(かわべてっぺい)と申します。ニックネームはTEPPeiです。
Q.どんな活動をしていますか?
主に第1期生徒会の近畿地区代表役員として活動をしていました。他には2024年度の磁石祭実行委員(※)や、通学コースキャンパスの委員会の運営をしていました。
Q.生徒会活動を始めようと思った経緯を教えてください。
N高グループ初の生徒会ができるということで、何をやりたいのか、なぜやりたいのかを考えるよりも先に「とりあえず立候補してみよう」と動き始めました。
理由としては、生徒会でやりたいことについてゆっくりと考える時間がなかったからです。選挙の立候補の締め切りまでが、生徒会設立のお知らせからわずか2週間程で、その期間で立候補するのかしないのか、立候補するとしたらどういう風に選挙活動をするのかを考える必要があったのに加え、ポスターなどの資料も提出する必要がありました。
また、生徒会の立候補者説明会でも「日本で一番、生徒自身が決められる生徒会」といったコンセプトに関する情報が中心で「これをやってください」といった学園からの指示のようなものはほとんどなかったんです。でも、だからこそやってみたいと思いました。

Q.その活動で掲げた実績や成果を教えてください。
一つ目は、学園の生徒全員を対象とした「第1回ものづくりコンテスト」の企画・運営を行ったことです。写真やイラスト、アニメーション、3DCGなどの複数の部門を作ってコンテスト企画を行う、これは生徒の代表である生徒会だからこそできることなのではないかと思い、実施しました。
結果的に、219人の生徒から作品の応募があって、賞を決める投票では、438人の生徒に参加してもらうことができました。賞を取った方に向けて授賞式も行いました。

二つ目は、「N/S生徒会ライブ(※)」という番組を制作したことです。しかし、ユニーク視聴者数は配信してから1週間で459人と、あまりいい数字が取れませんでした。
その反省を生かしつつ、翌年の「生徒会ライブ2024」の制作にも関わりました。こちらは1週間で約3000人のユニーク視聴者数を獲得することができました。


また、役員それぞれが好きなテンプレートを使って生徒会活動に関する資料作成を行うと、生徒会としての統一感が感じられないという課題から、生徒会のデザインを策定し、決められたテンプレートで資料を作成するようにしました。他にも、生徒会のことを少しでも知ってもらうために、生徒会に関する情報を集約させた生徒会ポータルを作成したり情報システムを作ったりなど、外からは見えない活動も多く行ってきました。

Q.「N/S生徒会ライブ」を実施しようと思った経緯を教えてください。
第1期生徒会の成果をまとめたいという思いがきっかけでした。任期中も、成果や進捗を小出しにしてSlackに投稿したり、SNSに投稿したりはしていたのですが、結局生徒会が何を成し遂げたのかということを分かりやすく伝える必要があるなと考えました。
また、成果だけでなく、役員一人一人がどういう思いを持って生徒会活動をしてきたのかについて伝える場を作りたいという思いもありました。
そして、ネットの高校だから「ネット上の番組」で発信するのが一番合っていると思い、制作をスタートしました。


「前例がない」……。だからこそできたこと
Q.成果や実績をあげることができた理由は何だと思いますか?
ゼロから自分たちで考えながら進めたからだと思います。今は、企画の進め方の型や効率的な意思決定の仕方を実践していると思うのですが、当時はそういったものが全くありませんでした。「心理的安全性」といった言葉さえ知らない状況でした。
でも、そんな中で20人の役員が「自分に今何ができるのか」を考えてがむしゃらに頑張って進めたから成果を挙げられたのかなと思います。
Q.様々な課題に直面しながらも、挑戦を続けられた理由は何だと思いますか?
みんな最初はほとんど実績を持っていない状態で、同じスタートラインに立って、同じ課題にぶつかって、みんなで一つ一つ考えてベターな答えを出してきたからだと思います。そんな仲間意識のおかげで挑戦を続けられたというのは大きかったです。
前例がない活動というのも響いて、”とりあえずやってみよう”精神もあったと思います。

Q.活動にN高グループのコミュニティなどは役に立ちましたか?
めちゃくちゃ役に立ったなと感じます。
やりたいことをやるために周囲を巻き込むことの大切さも学びましたし、生徒会で挙げた成果も一人ではなく「生徒会」という組織があったからこそできたものが多いなと思います。
活動の中での苦労、喜び
Q.活動の中で苦労したことは何ですか? また、それをどう乗り越えましたか?
最初にぶつかった苦労としては、情報の発信の仕方です。現在はしっかり「生徒会」という組織として発信ができていると思うんですけど、当時はそんな体制がありませんでした。
だから、生徒会役員個人のSNSで発信をすることもあったのですが、誤った伝わり方をしてしまい学園内外で炎上してしまったこともありました。
また、生徒会が活動していることを継続的に発信する必要があるなと感じたので、生徒会の活動を知りたい生徒に向けて毎月活動報告会を実施しました。公募企画(※)の応募・審査フローの説明や質疑応答など、地道な発信活動を続けました。

Q.活動の中で嬉しかったことは何ですか?
一番は生徒会に対して意見や感想をもらえたことです。その中でも特に心に残っているのが、私が任期中に担当した企画「第1回ものづくりコンテスト」に関するものです。
「今まで学外主催などのコンテストはハードルが高く感じていたが、『ものづくりを始めたばかりの人を重視する』という企画のコンセプトに後押しされ、初めてコンテストに応募することができた」や、「受賞はできなかったが、他の生徒の応募作品から刺激を受け、良い学びになった」など、ポジティブな意見をもらえて嬉しかったですし、ネガティブな意見でも、とにかく生徒会に関心を持ってもらっているということに嬉しさを感じました。
中でも、企画のコンセプトは何度も役員と議論を重ねてつくりあげたものだったので、参加者にその意図が伝わって嬉しかったです。
Q.活動を通じて得られたスキルは何ですか?
一番は未知の環境に飛び込む力です。前例がない、肩書きとお金だけがある箱の中で、役員のみんなと0から組織を作っていく、そういった環境の中で活動をしたことで、それからのチャレンジのハードルも下がったと思います。

また、批判的な意見とうまく付き合う力も身についたと感じます。私たち生徒会は「みんなのための生徒会」として発信、活動をしていたのですが、実際は全校生徒約2万人(※)、そんな大人数の全員が肯定できるような意思決定なんてほぼ不可能です。そんな状況で、色んな意見がある中での最適解を考えることができたと感じます。
Q.今後の展望を教えてください。
生徒会活動を含めて、N高生の時は本当に色んなことにチャレンジしてきました。今は高校を卒業しましたが、まだ自分が将来何になりたいのかが明確に見えていない状況です。だからこそ、興味があることに触れていく、いい意味での行き当たりばったりな人生を送りたいなと思っています。
生徒会や学園にも、今後関われる部分があったら関わっていきたいなと思います。
Q.現在(取材時の2025年6月時点)は第4期生徒会役員選挙の立候補期間中です。立候補者に向けて一言お願いします。
多くの生徒にウケるような政策を考えても全然いいと思います。
ただ、自分の軸をしっかり持って、その軸に対して共感、そして応援してくれる人に想いを届けるというのも同時に意識してもらえると面白い選挙になるのかなと思います。
おわりに
今回は、生徒会の基盤づくりをし、生徒会ライブを主導したTEPPeiさんに生徒会での活動や思いについてインタビューをしました。
第1期生徒会役員たちの様々な挑戦や課題、見えない努力があったからこそ、第2期、第3期生徒会の組織体制、そしてこのN高グループという学園が成り立っているんだなと感じました。
TEPPeiさんの今後の活躍にも期待です。
活躍生徒記事は、これからも続々とあがっていくのでお楽しみに。
N高グループ生徒会は2022年11月に設立し、昨年度発足した3期より7つの実行委員組織を含めた総勢300人以上の組織となりました。
その中でも3万人を超える全生徒の中から選挙で選出された20名の生徒がN高グループ生徒会役員会として活動をしています。
生徒自身が学びたい課外学習・特別授業の企画、卒業式や文化祭等に招待するゲストの選定、学校生活におけるルールの制定などだけに留まらず、より活動の幅を広げるための協賛営業活動などもおこなっております。
<生徒会役員選挙について>
例年6月〜7月に生徒会役員選挙を行なっております。立候補は高校1〜2年生を対象としています。


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