【磁石祭ZERO】バーチャルイベント実行委員会って何してるの?  磁石祭企画の裏側も聞いてみた!

  • URLをコピーしました!

取材・文=瑠璃・のりしお・chikachan

皆さんは、磁石祭ZERO楽しみましたか? 磁石祭のブース、回りましたか?

今回は、ネットとリアルを繋ぐバーチャルイベント実行委員によるバーチャル磁石祭ZERO Networked Spaceイベントの主軸者であるrita 08さんあかねこ(がい)さんに、このイベントの裏側や、バーチャルイベント実行委員の魅力についてお話を伺いました! ぜひ最後までご覧ください。

目次

VR空間でシューティングゲーム!?

バーチャルイベント実行委員(以下: VE実行委員)が開催したバーチャル磁石祭ZERO Networked Spaceはいったいどんなイベントなんでしょう?

オンライン企画では、AI共生委員会(※)や様々な同好会などが、バーチャル空間にブース出展を行っていました!

(※)AI技術の普及を通じて、生徒のAI活用を促進し、充実した学校生活に導くことを目的とした委員会。

リアル会場で行われていたのは、バーチャル空間でネット参加者と現地参加者が協力するスコアアタック型のシューティングゲーム! 

別の記事では、リアル会場でのバーチャル磁石祭ZERO Networked Spaceの様子をお届けしていますので、そちらも併せてご覧くださいね!

画像提供=rita 08さん

rita 08さん

バーチャルイベント実行委員PSチームサブリーダー(※)

(※)PSチーム 磁石祭を盛り上げるために各実行委員の特長を活かして活動するチーム。
project supporter teamの略称。

あかねこ(がい)さん

バーチャルイベント実行委員代表

バーチャルイベント実行委員PSチームアドバイザー

イベントができるまで

ーーこの企画が発足した経緯を教えてください。

rita 08さん

去年の磁石祭2024の振り返りの頃、「何かの同好会とコラボした企画を、磁石祭でやったら楽しそうだよね」という話が出てきたのがきっかけです。だから、構想自体は一年ほど前からありました。

あかねこ(がい)さん

そして、学内の同好会や生徒組織を巻き込んで、Vketみたいなものを行いたいと構想してたんです。

rita 08さん

そうそう。ブイケットは、簡単に言えばVR版コミックマーケットのようなものです。同好会ごとにブースを作って、それを会場に設置して、そして来場者の方が見て同好会のことを知ってもらうことができるような企画があったら楽しそうだね、という話が磁石祭2024の頃からあがっていました。
そして、今年の磁石祭でその企画を行うために動き出しました。

あかねこ(がい)さん

元々リアル磁石祭会場とは別で、バーチャル空間にオンライン磁石祭会場を作りたいという思いが自分の中にありました。そうしたら、オンライン参加の人でも擬似的にリアル会場の展示を楽しめるのではないかと思い、企画の草案を持っていったら「去年のVE実行委員のPSチームの中でもそんな話があったよ」と話を聞いた気がします。

ネット企画の会場の様子。

ーーこのイベントに何人ほど携わっていますか。

あかねこ(がい)さん

最初の10月の募集で集まったのは12人です。そして12月ごろ、VEの新規生が入ってきたタイミングで、追加募集をかけて7人集まって19人になりました。それ以外にも、当日のお手伝いさんもきてくれたので、20人超のメンバーで企画を作り上げました。

ーーどのくらいの期間に渡ってイベントの準備を進めましたか。

rita 08さん

PSチームが発足した時なので、2024年の10月30日からです。

あかねこ(がい)さん

それと、PSチーム発足前に企画を早く進めるために5回くらいPS準備会もやっていました。その段階で出たいくつもの案を、PSチームのキックオフMTGで絞った感じです。だから、そこも合わせると9月の下旬ごろから準備を進めていました。

ーーイベント実施にあたってどんな準備をしてきたかを教えてください。

rita 08さん

それぞれの得意分野に応じて資料作成、3Dモデリング、プログラミング、と担当を分けて準備を進めていました。

イベント実施までの数々の至難

ーーイベント実施にあたって大変だったことを教えてください。

rita 08さん

一番はやっぱり納期ですかね(笑)。ネット企画の方は、企画初期の段階で「最終的には学内だけでなく学外にも公開したいね」という話があがっていました。でも学外公開をするとなると、著作物の利用に関する問題が発生したりする問題があったので、学内限定公開に急遽移行させたりしてました。
また、まぐらを3Dモデリング化させるに当たっても、モデリングに時間がかかってしまい、動きの方までしっかりと作る時間がありませんでした。時間が足りなくて、一部妥協せざるを得ない箇所もあったので、時間に関することが記憶に残っています。(※)

(※)まぐらについての話は後ほどさらに詳しくご紹介します!

ーーこのイベントのこだわりポイントを教えてください。

rita 08さん

やっぱりロマンですよね。宇宙で宇宙船を作ってかつ近未来モチーフとなったら、もう追い求めるのはロマンでしょう。また、ゲームで使用する効果音などは自分で作れないので、フリー音源や素材を複数のサイトで集めて、効果音を入れたりしました。

ブース企画のバーチャル会場。宇宙船の中にいるワクワク感を感じることができる。

また、この企画は同好会にも協力してもらっているので、同好会の資料などはできるだけバーチャル空間に乗せて、VE実行委員側の資料は解像度を落として容量を節約したりしたのもこだわりポイントです。

ーー磁石祭を終えての感想を教えてください。

rita 08さん

私はネット企画の方でバーチャル空間作成を担当していて、ネット企画が始まってからも頻繁に更新したり、バグ修正などをずっと行っていたのですが、そういった作業が無くなってすごく暇だなというのが正直な感想です(笑)。
寝る時も、「明日はあそこを修正するか」「あれをすればいい感じになりそう」とずっと企画のことを考えていました。

あかねこ(がい)さん

PSチームが発足してすぐの時は結構ガッツリ企画に関わっていたのですが、後半の方は自分のやることはアカウントの管理くらいでメンバーが積極的に活動してくれていたし、このイベントを踏まえてアイデアが湧いてきてる状態なので、特に終わった感じはしないです。
イベントとはあんまり関係ないのですが、東京で取ったホテルから毎日幕張を行き来してたので、肉体的にはだいぶ疲れました(笑)。

磁石祭マスコットキャラ「まぐら」

実は、バーチャル空間のネット企画会場にモデリングをしたまぐらが登場してるんです!

ネット企画会場に登場したまぐら。笑顔がかわいい。

まぐらを初めて知った方もいると思いますのでまぐらについて紹介します!

まぐらとは、磁石祭2024のマスコットキャラクターです。どんなキャラクターなのか、プロフィールを紹介しますね!

性格:明るいけどおっちょこちょい
好きなこと:砂鉄集め
特技:人と人をくっつける
特徴:感情によって、リボンとヘアピンの色が変わる
弱点:強風(体重が軽すぎて飛ばされる)
一人称/口調:ボク/レミ/ボクね!幕張でね!!待ってるレミ!!!
偶田(※)とマグベル(※2)の噂を聞きつけ、磁石祭を求めてmagネット星からやってきた!

(※)磁石祭2022のマスコットキャラクター。
(※2)磁石祭2023のマスコットキャラクター。

そんなまぐらのモデリングをした背景についてもインタビューしました!

まぐらがバーチャル空間に!?

ーーまぐらのモデリングをしようと思った経緯を教えてください。

あかねこ(がい)さん

きっかけは、磁石祭マスコット同好会の人と神奈川県横須賀市の観光課が取り組んでいる「メタバースヨコスカ」について話してたことです。
メタバースヨコスカは、VRを活用して横須賀市の魅力を発信する取り組みです。それ自体は2023年から登場していて、2024年の5月頃に「えーあいそーだんいん」というモーションやアニメーションがついているAI相談員に横須賀市について質問できるサービスが登場しました。
その取り組みを磁石祭マスコットキャラクターを使って磁石祭でも模倣したいね! と同好会の人と言い合って始めました。
ただ、AIに関することはレベルが高くて今回の企画では出来てないです。

ーーいずれまぐらのAI化もチャレンジしたいと思いますか。

あかねこ(がい)さん

やっぱりしたいなと思います。
プロジェクトが始動する前、8月頃に横須賀市の観光課の方から「AIについて使いたいことがあったらいつでも声をかけてね」と言って頂いていました。だから、そういったことが実現できるかなと思ったのですが、時間の関係やレベルの高さもあって、中々できませんでした。

ーーどのくらいの期間に渡ってモデリングを行いましたか。

rita 08さん

今年の1月12日から制作を始めました。磁石祭マスコット同好会の方と相談しながら進めていった感じです。 計算してみると、ざっと4ヶ月以上かかっていますね。
人型のモデリングは初めてだったので上手く作れるか不安だったんですけど、意外と上手く制作できてよかったです。

blenderでまぐらのモデリングをしている画面。

ーー人型のモデリングをするのは初めてだったんですね。

rita 08さん

厳密に言うと初めてではなくて、高1の時にチャレンジしたけどあまりにも難しくて挫折したといった感じです。そこから3、4ヵ月くらい3Dソフトにさわれなくなりましたね(笑)。

ーーまぐらのモデリングにあたって難しかったことを教えてください。

rita 08さん

一般的に「物」って角張ってることが多いんですよ。スマホもそうだし、パソコン、モニター、家などもそうです。でも、「人」って曲線でしか表せないんです。直角のものだったら、簡単に作れるんですけど、曲線となると、数値入力で作れないので一気に難しくなります。
また、人を作るとなると、筋肉のつき方や指の太さ、そして髪の毛などは立体的にし、さらに、まぐらはツインテールだったので、ツインテールならではのふわふわ感を表現するのが難しかったです。

無限の可能性を秘めて

ーーまぐらのモデリングにあたってこだわったことを教えてください。

rita 08さん

やっぱりツインテールですかね。磁石祭マスコット同好会の方に、自分が作ったものにフィードバックをもらいながら、ツインテール2本だけでも1時間半かけて修正しました。
同好会の方にはたくさん協力してもらっていて、出来るだけ再現もしたかったので頑張りました。
しかし、やっぱり時間の問題もあって妥協してしまった部分もありました。

blenderでまぐらのモデリングをしている画面。形や色が出来てきている。

ーーもし時間があったら、こだわりたかったことを教えてください。

rita 08さん

見た目に関しては上手く作れたので文句はないんですが、バーチャル空間に持っていくとなると、どうしても動きが必要になるんです。
それなのに、モーション作成をする期間が2日間しかなかったんです。また、ネット企画が始まる4月18日までにモデル自体も完成しなかったんですよね。本当は、ネット企画が始まった時から出したかったのですが、22日にモーションもモデルも完成させて、更新してまぐらを登場させました。
そういった時間の関係で、表情付けや待機モーションしか作れなかったので、もっと動きをつけたかったなというのが心残りです。

ーー来年の展望を教えてください。

あかねこ(がい)さん

個人的に次はボイスをつけたいなと思ってて、ソシャゲでよく見る、一言決まったパターンのセリフが出るようなものは出来そうだからやりたいなと思っています。

rita 08さん

本当に理想ですけど、他のマスコットキャラも来年はモデリング化出来たらいいですよね。でも、もしかしたら来年はボイスやモーションがついたまぐらが帰ってくるかもしれないですね。

来年度はパワーアップしたまぐらが登場!?  乞うご期待!

バーチャルイベント実行委員ってどんな活動してるの?

ーーバーチャルイベント実行委員の活動内容について教えてください。

あかねこ(がい)さん

普通科生徒を対象にVRのイベントを通してVRの利用促進を目指しています。

rita 08さん

VRを使って生徒の交流の場を作るということを目的としていて、VRを使って離れた人とも交流する場を作ることです。

ーーイベント運営の他にプロジェクトも行っているんですか?

あかねこ(がい)さん

N高グループ新聞にもSlackのチャンネルがあると思うのですが、VE実行委員のパブリックチャンネル(※)が元々なかったため、プロジェクトを立てて、広報などを行ったりチャンネルの運用を行っています。

(※)Slackのワークスペースにて参加した方は誰でも検索・閲覧ができるチャンネルのこと。

rita 08さん

VRイベントはオンラインでの開催がほとんどで、特にキャンパス生は普通科でもVRの使用率が低いらしく、各キャンパスでVRを実際に体験できる初心者向けのイベント「キャンパス横断イベント」を開催し、キャンパス同士をVR空間で繋げたりするイベントを実施しました。

ーーリアルでのイベントも開催しているんですか?

rita 08さん

中心的にはVRですが、磁石祭以外でもいろんな場所に出て活動しています。

ーーお二人がVRに触れたきっかけとVE実行委員に入った理由を教えてください。

rita 08さん

単純にVRが楽しそうだなと感じたからです。
実際に始めてみたら綺麗にハマって、そうしたらVRを使っている実行委員があるらしいというのを知って、楽しそうという理由で入りました。

ーー楽しそうだけでまぐら3D化しちゃうんですね。(笑)

rita 08さん

最初は制作とかの話は知らなかったんですけどね。
気づいたら楽しそうで始めちゃってました。(笑)

ーーではあかねこさんはどうでしょうか?

あかねこ(がい)さん

自分は、我慢していた反動がそのときになって現れたんだと思います。
もともと全日制の高校に通っていて、N高には10月に転入しました。
VRに触れたくて普通科を選んだものの、転入直後はレポートに追われ、なかなかVRに触れる時間が取れませんでした。
そして、転入から2ヶ月が過ぎてレポートが落ち着いたタイミングで、ようやくちゃんとVRに触れることができました。実際に体験してみると、すっかりVRにハマりました。(笑)
そんな中、Slackチャンネルの告知で、自分がハマっているVRをテーマにした実行委員があることを知り、迷わずVEに応募しました。

ーー実行委員に入って意欲があれば技術が身につきますか?

rita 08さん

そういった環境を整えてきています。
私が入った頃にはVE実行委員にワールド制作をする文化がなかったので、やってみようで始めたらだんだん規模感が上がっていって、他の人も続いて始めていって、それを在校生に繋げたりしています。最近は研修も行っています。

ーー研修はどんなことをしているんですか?

rita 08さん

新規生が入ってきたら行っていて、Unity(※)とBlender(2)の基本操作や専用ソフトのインストール方法だったり、簡単なプログラミングなどを行っています。

あかねこ(がい)さん

やりたい人が不定期に研修をプログラムしてる感じですかね。

(※) 2004年にデンマークで設立されたOver the Edge Entertainment (OTEE)が2005年に公開したゲーム開発ツールのこと。
(※2) オープンソースの統合型3DCG製作、2Dアニメーション製作、VFX向けデジタル合成、動画編集ソフトウェアである。

VR好きが集まる実行委員という居場所

ーーVE実行委員にはどんな人が多いですか?

あかねこ(がい)さん

元々VRが好きな人や、新しい挑戦をしたい人が多いかなと思います。新しいデバイスを使って楽しい企画を作りたいなと思う人が多くて、実績作りというよりも、心からVRを楽しみたいと思っている人が沢山いる印象です。制作したいと感じて入ってくる人もいるかなと思います。後はとにかく仲のいい実行委員だと思います。

ーーVEに入って成長したことはありますか?

あかねこ(がい)さん

自分は元々VEにいるだけの人だったんですが、磁石祭2024の企画運営に参加したときに、企画の中で軽いトラブルが起こりました。
そして、それを解決するために、VRChatの月額サブスプリクションに入るために自分が主導して、少額ではありましたが、大人のお金を動かした経験が大きいなと思っています。
プロジェクトを機に成長できたなと感じていて、プロジェクトのフローを整えたり、企画を起案して後輩の成長に繋げたり、VE実行委員の活動のおかげで生徒組織のためにどうすればいいかを考えられる脳になったなと思っています。それが外部の活動にも繋がっていると思います。

ーーVRの魅力とはなんでしょうか?

rita 08さん

VRってとにかく自由だと思います。
手を出しにくく感じるかもしれませんが、ワールド制作やモデリングができるようになれば自分の好きな世界ごと作れるといった本当に自由度の高いものだと思います。
何かしらの理由で外に出られないとか出にくいって人でも、VRを使えばそんな感覚も消え去るし、リアルは不自由でも、VRの中では自由でいられると思います。

あかねこ(がい)さん

オンラインで同じ空間を共有できるというか、イメージしやすいのは、友達の家にみんなで集まってゲームをする感覚に近いかなと思います。ひとつの画面にみんなのコントローラーを繋げて、わいわいしながら隣を見たらみんながいて、同じ空間を共有してて楽しいと思う、これがVRならできます。オンラインゲームだと、自分だけが画面を見てて隣には誰もいないと思うんです。
でも、VRだと空間ごと共有できて、隣を見たらみんながいる雰囲気がVRの魅力だと思います。リアルとオンラインの組み合わせが出来るのがいいなと思います。

ーーVRをあまり使用していない普通科生に一言お願いします!

rita 08さん

来年の磁石祭でのVE実行委員の企画はクオリティも上がると思うので、楽しみにしていてくれたらなと思います。
後輩たちを応援しています!

あかねこ(がい)さん

今いるN高グループ生の中ではVRは持っているけどいろんな理由で使わなくなってしまった人が結構多いと思います。
でも、普通科を選択している人は少なからず新しいものに興味を持って選んでくれていると思うので、VE実行委員の企画に参加するでも、自分に連絡くれるでもいいので、もう一度VRに触れるきっかけを作って欲しいなと思います。

終わりに

今回はVE実行委員のお二人にインタビューしました! 

VRの魅力、伝わったでしょうか?

N高グループのSlackワークスペースには、VE実行委員が普段の活動の様子を投稿している #ve実行委員 というパブリックチャンネルもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!

来年の磁石祭を始め、これからのVE実行委員の活動にも注目です!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次