活躍生徒vol.020 『地元・福島で小学生の授業をサポート!〜誰もが安心して学べる環境を目指して〜』

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取材・文=ゆひのも(N高8期・執筆コース)

※学年の表記等は、2025年3月時点のものです。

生徒数がついに3万人を超えたN高グループ。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒は、どんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……気になりますよね! そこでN高グループ新聞では「活躍生徒」と題してインタビュー企画を始めることにしました。

第20弾となる今回は、国際機関とも連携し、心理的に安全な教育系プラットフォームを立ち上げようと研究・実践を行うみきさんへのインタビューをお届けします。

目次

教育現場での安心安全な環境づくり

Q.所属校と学年、お名前を教えてください。

S高等学校に所属している、ネットコースの3年生の七島海希(ななしま みき)です。ニックネームはみきといいます。

Q.どんな活動をしていますか? また、はじめたきっかけを教えてください。

教育現場において安心安全でやりたいことに挑戦できる環境づくりを目指して活動を行っています!
例えば、地元の小学生の授業のサポートを行なっています。
また、高校生が主体となっている「福島市高校生フェスティバル」での活動などを行っています。

私は福島県に住んでいて、福島県では震災をきっかけに「OECD東北スクール」という国際的に連携した復興活動が行われました。その後継事業である「地方創生イノベーションスクール2030」で活動する先輩方の姿に憧れて始めました。
小学校四年生のときに先輩の地元を盛り上げる活動を見て憧れたことから、自分も活動を始めました。
また、中学の先生に自分の活動のことを理解してもらえなかったことがあり、教育は環境に大きく左右されるという問題意識を持ちました。

外部イベントへの参加のようす

地元・福島での活動と現在

Q.活動での実績や成果について教えてください。

小学生の時は多くの地域活性化などのコンテストに出場していました。
「地方創生☆政策アイデアコンテスト2017」にて地方創生担当大臣賞をいただきました。
また、所属する「地方創生イノベーションスクール2030」の福島市のチームの先輩方は、同コンテストで2015年に地方創生担当大臣賞を受賞されています。

中学生になってから現在までは地元の小学生の学びをサポートするような活動をしています。
教育に興味を持ち、世界中の誰もが自分の学びたいことや挑戦したいことに取り組める場が作れたらいいなと思うようになりました!
先ほど話した中学時代に感じた問題意識がここにつながっています。

地域を盛り上げるために、同じ興味・思いを持つ仲間と「福島市高校生フェスティバル」の実行委員として活動しています。
また、小学校の総合の授業で非常食を開発する学びなどで、アイデア出しやデータ分析でのサポートを行いました。

現在は研究と実践をメインの活動としていて、国際機関であるOECD(※1)との共同研究を通じて、新しい教育の形を模索中です。

※1 OECD(経済開発共同機構)……欧州を中心に、日米など先進38か国が加盟し、パリに本部がある国際機関。AIや気候変動、企業活動などに関するグローバルな課題の共通のルール作りに関する議論を行う。OECD加盟国の政策動向を監視し、有害な社会規範の変革や差別的な法律の廃止に取り組んでいる。

小学生の頃の発表のようす

Q.その成果を上げることができた理由は何だと思いますか?

やはり小さい頃に先輩の姿を見て憧れたことが大きいと思います。
背中を見て多くのことを吸収し、地域の人や意見交換させていただいた人などからもたくさんの学びを得られたのではないかと思います。

また、N高グループマイプロジェクトで一緒に活動している仲間の活躍を見ることで多くの刺激を受けました。

誰もが学びやすい教育の形を目指して

Q.みきさんが目指す理想の教育の形について教えてください。

一人一人が自分の学びたいこと、やりたいことをまっすぐにできる、本音で話せる環境だったら良いなと思います。

この教育の形を目指すための基盤づくりをし、教育モデルとして”こういう教育を行ったらより良い教育・社会につながるだろう”のような仮説を立てて理論に基づいて実践、という流れで研究を行っています。

ただ、全員に当てはまるような教育モデルはないと思っています。それぞれの価値観や想いが異なり、正解がないからこそ、世界中の人と一緒に考えて行けたら良いなと思います。
一人一人が自分に合う最適な教育や環境を見つけられる世界になっていったらいいなと思います。
その点N高グループは、コースが幅広く自分に合うスタイルで学んで行ける学校だと思います。また、いろんな人と出会えるて繋がれることが自分にとってプラスになる三年間となりました。

現在の社会にはさまざまな課題が生じていますが、このような課題を解決する鍵になるのが「教育」であると考えています。
教育は、すべての問題の基盤になるので、その意識を共有していくべきだと思っています。

子供だけでなく、先生方が置かれている環境についても、社会全体で教育を行っていくという意識を持つことが大切です。
誰にとっても安心安全で学び合える社会にしていけたらなと考えています。

マイプロジェクトで培ったチャレンジ精神 

Q.活動で大変だったことはありますか?

マイプロジェクトは自分のやりたいことを突き詰めていくのですが、自由な反面、目標達成に向けて自分で舵を切って進めていくことが大変でした。自分の研究では、どのように研究して論文を書けばいいのか、正解がないからこそ手探りで進めていくことが大変でした。

外部イベントでの展示

Q.それをどうやって乗り越えましたか?

自分で模索して道を見つけていくことは難しいですが、活動をしたりイベントを企画したりしている人の姿を見て刺激をもらい、モチベーションに繋げていました。
プロジェクトは異なっていても同じように研究やプロジェクトに取り組む仲間に支えていただき、困難を乗り越えることができました!
マイプロジェクトのスタッフさんからのアドバイスをいただくこともありました。正解を示そうとするのではなく、同じ目線に立って一緒に考えてくれたのでとても有難かったです。

あとは、失敗を恐れずチャレンジしていきたいという気持ちが原動力になりました。
答えがないからこそ失敗を恐れずにまずチャレンジしてみるという気持ちでいれば、面白いものが生まれていくのではないかと思います。

身についた分かりやすく伝えるスキル

Q.活動を通じて得られたスキルは何ですか?

いろんな人と意見交換をすることで、その場で意見を考えられる思考力が身につくようになりました。自分の活動と照らし合わせたり、質問したいことを考えたりする中で、他の人の意見を自分事として考えられる力が身についたと思います。
コンテストやマイプロジェクトの仲間と話す時に、初めて聞いたテーマでも自分の意見をその場に合わせて考えられるようになったのではないかと思います。
自分とは異なるテーマに興味を持っている人からも、新たな視点で得られる学びがありました。

また、自分主体で活動をしなければならないので、計画通りに進めたり、計画がうまくいかなくても臨機応変に対応したりすることができるようになりました。

小学生の総合の授業をサポートをしたときに、データ分析などで出てくる難しい言葉をより分かりやすく伝えることを意識していました。子どもたちからこの授業での取り組みをやっててよかったと言ってもらえたことが嬉しかったです。総合の授業では、地域の方と連携して非常食の開発の実現までできました。小学生が楽しく自信を持ってチャレンジをしていく姿を見れたことは嬉しかったです。
小学生のサポートをした経験が、わかりやすく伝えるスキルを得ることに繋がっていったのではないかと思います。

みきさんがサポートした小学生から開発された非常食

Q.活動にN高グループのコミュニティなどは役に立ちましたか?

マイプロジェクトの前はELEC(体験学習実行委員)に所属していました。

いろんな人とアイデアや意見の交換をしたり、多様性に着目したイベントやVRについてのイベントを企画したりし、今の活動につながる経験となりました。

自分が誰かに憧れられるようになった喜び

Q.活動の中で嬉しかったことはありますか?

福島市高校生フェスティバルの実行委員で、人が入れるシャボン玉を作る企画をしたときに、シャボン液の調合がうまくいかないトラブルがありました。

参加者が一緒にアイデアを考えてくださり、課題に対し地域が一体となって解決策を考える様子が、私の目指していきたい社会に重なると思いました!

また、見てくれた小さい子が「私もお姉さんみたいになりたい」と言ってくれて、私も先輩方の姿に憧れて活動を始めたため、先輩方に近づけたような気がしてとても嬉しかったです!

Q.最後に、今後の展望を教えてください。

マイプロジェクトでは『世界中がつながり未来を共創する場づくり』というテーマで研究をしましたが、まだ十分ではなく理論が仮説の段階なので、より実践の場での研究を進めていきたいです。

実践の研究の際には、研究方法に関しても学びを深めてより理論に基づいた信頼度の高い研究を目指したいです。

教育だけではない社会課題にもアプローチしていき、新しい教育モデルをみんなで作り上げる社会になったらいいなと思っています。

私は、住む場所や世代を超えた異なる背景を持つ全ての人が共に学び合える「心理的安全性」の高い場の構築を目指しています!

この社会の実現のために世界中の人々の知恵を結集させたいです。

共に学び合う場の実現のための、『みんなが考えるきっかけ』となる存在になりたいです。平和な社会の基盤となる教育環境を理想とし、誰もが安心安全に学べる環境を新しい教育モデルとして広めていきたいです。

おわりに

「活躍生徒」vol.20として、みきさんのインタビューをお届けしました。

先輩方の背中に憧れて自分も活動をはじめ、今では小さい子に憧れられるまでになったみきさん。

憧れる誰かのサポートをし、次の世代へバトンを渡して継承していく形が好きだとおっしゃっていて、みきさんの素敵な人柄が伺えました。

“教育には環境が大きく左右される”という言葉の重みを理解し、一人一人に寄り添った教育ができる社会を目指していきたいという理想に深く共感しました。

OECDと日本の共同研究に参加し、社会課題や教育問題への解決につながる「きっかけ」となる存在になりたいと話すみきさんを応援したいです。

活躍したいN高グループ生へ! 「N高グループマイプロジェクト」とは

「N高グループマイプロジェクト」とは、地域や身の回りの課題、自身の興味関心などをテーマにプロジェクトを立ち上げ、中・長期的に実践する課題解決型プログラムです。自ら課題を見つけ、問題解決のアプローチを思考し、プロジェクトと向き合うことで、社会や人とのつながりを学び、自分らしく社会を変える一歩を踏み出すことを目指しています。2017年に開講した「N高グループマイプロジェクト」は今年で8年目を迎え、累計1,000名のマイプロ生を輩出してきました。N高グループマイプロジェクトでは随時受講生を募集しています。

詳しくは下記URLからご確認ください。
https://sites.google.com/nnn.ac.jp/2025myproject

※詳しい募集タイミングは n-mypro@nnn.ac.jp までお問い合わせください。

※受講はN高グループ生(N高/S高/R高/N中等部)に限ります。

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