【青春してみた #2】JKなので川に行ってきた。

取材・文=223(N高8期・通学コース)
この記事はシリーズとなっています。前回の「【青春してみた #1】夕日さしこむ部屋で語らう────」も合わせて読むともっと面白いです。
青春。アオハルともいうだろう。夕焼けが差し込む教室、放課後カラオケ、文化祭など、高校生だけが味わうことのできるかけがえのない瞬間。これはネットの高校に通っているからと言って諦めていいものではない。
せっかく女子高校生(通称:JK)になったので全力でアオハルをしたい。アオハルの定番といえば、河川敷に行くことだ……多分。
幸いなことに、私が通う広島キャンパスのある広島市には大きいものから小さいものまで合計721本も川がある。さぁ、川に行こう。
準備
青春を構成する要素として制服と友情が挙げられる。まず制服だが、私は制服を持っていないのでなんちゃって制服を用意する。
そして友情だ。とりあえず田中くん(仮名)を誘ったが2人だと足りない気がする。そこでスマホの充電をしていた充電先輩(仮名)を巻き込み、合計3人が今回のパーティーだ。
出発(16:39)
最初に向かうのはもちろんスタバだ。JKたるものスタバに行かなくてどうする。
期間限定のフラペチーノが美味しそうだが、”いつものやつ”を注文する。もちろんカスタムも忘れない。

冷たい。10月中旬にCOLD商品を持ち歩くものじゃない。指先からくる寒さと薄いタイツじゃ防ぎきれない風の冷たさに耐えて行くのも青春だろう。寒さよりオシャレを優先するミニスカJKになっている喜びで震える体を誤魔化しながら広島の街を歩いていくと、美味しそうなカフェを見つけた。いつも歩いている街でも知らないことがまだまだありそうだ。今回は広島キャンパスから5分ほどで着く元安川に向かった。

到着(16:57)
いい感じに座れる場所を発見したのでみんなでお喋りをする。なるべく高校生らしい話題を選びつつ、青春っぽい写真を撮ってもらう。
「そういや今年プール行ってないや」
「見て、飛行機。大人はまだ働いている時間なんだよね」
「島根はカエルがうるさいんだよ。広島には全然いないよね」
「今年の誕プレ何が欲しい?」
「……大学、東京って聞いたよ。離れちゃうね」
「一人暮らし全然自信ないや」
「私も来年受験生か……」

「あっ! カニ!」

カニだぁあ!!!
特別珍しい生き物でもないが、思わず3人とも覗き込む。
「俺見てくる! やベぇ、白い靴で泥の中入っちまった!」
「その靴で近づいたらこっちも汚れちゃうじゃん! 泥払って!」
高校生らしい青春をするために川へ来たのに、一気に小学生の感性に戻ってしまう。広島にカニいるんだ……。
解散(17:37)
田中くんがバイトの時間になったので解散することになった。会社に入れば正規雇用労働者になってしまうのでバイトをするのも学生らしい行為だろう。一人は自転車を押しながらバイトに行き、一人は記事に何を書こうか迷い、一人は自分用の誕生日プレゼントを買いに行った。
帰り道
私は今までの行為に虚しさを感じていた。
やれる限りのことを行い青春を体現してみたが、結果として青春らしさを感じることはできなかった。なぜ青春をしたかったのか。スタバだって安くないのだ。本当にこのままでいいのだろうか。
私はN高生
私は家に帰って青春を見直した。「10年後思い出した時に懐かしさを感じるもの」、「あの頃は良かったと思えるもの」を私の青春の定義とした。そうすると現役JKの私にはまだ青春は感じられないのかもしれない。
なぜ青春をしたかったのか。それは通信制高校を理由に憧れの青春を諦めたくないからである。
私が所属している高校はどこだ。N高等学校である。
N高生らしい青春……?
そうだ、Adobeのソフトがあるじゃないか。※
授業でPhotoshopを使った作品を制作したことがあるので多分できるはずだ。
Photoshopで画像を開いて色調補正、ノイズ追加、ぼかしなどを使って作業をする。デジタルの世界で写真が色褪せるということはないが、色褪せたような加工をすることはできる。10年後パソコンのファイルから写真を見つけた時のため、今のうちから写真を10年後の姿にする。これが私が辿り着いたN高生らしい青春なのだ。

加工=223
※N/S高生・N中等部生はAdobe Creative Cloudを無料で使用することができる。
終わりに
今回の記事を作るにあたって私が一番感じたことは、「青春は自分で掴み取るもの」ということだ。全日制高校に通っているからといって必ず青春ができるわけでもなければ、通信制高校だから諦めるものでもない。そこに各高校なりの個性が合わされば思い出となり、青春に変わっていくのだろう。
前述した通り、この記事はシリーズとなっています。各委員なりの青春を見届けてください。次回は放課後に街まで遊びにいくようです。
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