活躍生徒vol.019:昆虫観察道具を開発し、昆虫とは何なのかを追求するツノゼミさん

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取材・文=chikachan(N高9期・オンライン通学コース)

画像提供=ツノゼミさん

※この記事では、昆虫の画像を掲載しています。昆虫が苦手・抵抗がある方はご注意ください。

生徒数がついに3万人を超えたN高等学校・S高等学校・R高等学校(以下:N高グループ)。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒は、どんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……気になりますよね! そこでN高グループ新聞では「活躍生徒」と題してインタビュー企画を始めることにしました。今回は、「昆虫観察道具を開発し、昆虫とは何なのか追求する」ツノゼミさんにインタビューしました! ぜひ最後までご覧ください。

目次

「好き」を研究に

Q.所属校と学年、名前を教えてください。

N高3年生の山本惣大(やまもと そうた)です。ニックネームはツノゼミです。

Q.どんな活動をしているか教えてください。

研究部(※)で昆虫を観察する道具の開発研究を行っています。研究部の他にも、マイプロ(※1)と起業部BLP(※2)で昆虫にまつわる活動を行っています。

(※……学術研究を志す中高生をサポートするN高グループのコミュニティのこと。このコミュニティの詳細については、記事の終わりに紹介しています。)

(※1……N高グループで行われている課題解決型プログラム「N高グループマイプロジェクト」のこと。)

(※2……本気でビジネスに取り組む生徒のためのプログラム。BLPは「Business leadership program」の略。)

Q.その活動を始めたきっかけを教えてください。

元々昆虫好きだったのもありますが、大きなきっかけは、小学生の頃に僕のニックネームにもしている大好きな昆虫「ツノゼミ」というセミに出会ったことです。この小さな昆虫が持つ独特なデザインと巧妙な擬態に心が奪われました。そこで昆虫の面白さに改めて気づき、昆虫について追求するようになりました。

また、自分で近所の子供達を募って昆虫教室を何回か開催していまして、その時「昆虫を採集するだけしておわり」といった子供達が多かったのもきっかけの一つです。
このままだと、採集しただけで「観察」まで行きつかない現状が見受けられました。それがもったいないなと感じて、採集した昆虫をじっくり見るというそこのフェーズの面白さを伝えるために、「観察」に焦点をあてたものを作ろうと考え、昆虫観察道具の開発の研究を始めました。

Q.ツノゼミと出会う前は、昆虫についての活動は行っていましたか?

僕はもともと昆虫一筋で、特に「セミ」が好きだったので、セミについてよく調べていました。ですが今考えたら、ツノゼミと出会ってからの方が「自分はどんな昆虫が好きなのか」「昆虫はどういうものなのか」といったことを深く考えるようになった気がします。

Q.昆虫教室はいつ頃から始めましたか?

高校に入ってから始めました。その前もやってたのはやってたのですが、本格的に始めたのは高校に入ってからです。

Q.研究部で出した実績や成果を教えてください。

まずは、子供たちに向けて昆虫教室を企画し実施したことです。

また子供達を集めての昆虫教室での合宿を踏まえて、採集した昆虫をじっくり見るというそこのフェーズの面白さを伝える必要があると思い、単独で昆虫観察道具の開発をしたことです。左右上下色んな方向から観察することができます。

自身の成長を目指して課外活動を駆使

Q.その他研究部以外で出した実績や成果も教えてください。

起業部BLP生として、N/S高起業部ビジネスプランコンテスト2024(※3)に登壇して、学園理事の夏野剛氏と起業部特別顧問の家入一真氏に向けてプレゼンを行いました。

プレゼンを経てお二人から僕の昆虫に関するビジネスに意見をもらうことができ、他の出場者のプレゼンも僕の学びになっていい経験だったなと感じます。

左から家入一真氏、山本惣大さん、夏野剛氏とのビジネスプランコンテストでの記念撮影。

そしてNED2024(※4)に登壇して僕が行っている昆虫の活動についてプレゼンを行いました。

NED2024での様子。探求部門に登壇し自身の活動についてを発信した。

また、マイプロジェクトアワード2024(※5)で昆虫に関する活動を行ったことに対して、地域Summit特別賞を受賞しました。

その他学外の実績だと、色んな大学に訪問したり学会の発表を聞いたり、大学の方から、授業や講演に呼んでもらって行くこともありました。

(※3……起業部内にて行われたN/S高生・N中等部生であれば誰でも参加可能なビジネスプランコンテスト。予選を勝ち抜いた限られたチームが発表を行える。)

(※4……角川ドワンゴ学園の生徒たちが、オリジナルのアイディアを見つけ、広げるために”表現する”『場』をコンセプトとしたプレゼンテーションイベント。)

(※5……探究学習やマイプロジェクトに取り組んだ全国の高校生が、活動発表などを行う日本最大級のプレゼンテーション大会。)

Q.成果を出すことができた理由は何だと思いますか?

昆虫が好きだからだったのもあると思うんですけど、自分の為になりそうだったら何でもやってみる精神で色々行ってきたからですかね。

できたらできたでいいし、できなかったら「なぜできなかったのか」を考えて今後に繋げていけばいい、という思いで色々挑戦が出来たからだと感じます。また、自分の中で考えたことを何でも実践してみる、ということを上手く計画を立てながら出来たからだと思います。

Q.活動にN高グループのコミュニティなどは役に立ちましたか?

N高グループのコミュニティでは、実施する部分より、その前段階の「計画」の部分を色んな人に手伝ってもらっています。だから、本当に役に立っているし、そもそもN高が無かったら僕がいく場所は無かったと思うので……。お世話になっています。

Q.活動の中で嬉しかったことは何ですか?

最近だと昆虫観察道具の開発が軌道に乗って来たことと、研究部の合宿で、他の方が僕の知らなかったことを教えてくれたり、気づかせてくれたりして学びを持ち帰れたのが嬉しかったです。あとは沖縄伊計島セミナー(※6)というセミナーで、僕の視点を共有したり、逆に僕に無かった視点を共有し合うことができて、新しい知見を得るきっかけができました。

沖縄伊計島セミナーでの写真。

(※6……NPO法人数理の翼が主催する数理科学に強い関心を抱いている中学生・高校生を対象とした合宿形式のセミナー。)

Q.活動の中で大変だったことは何ですか? 

いざ道具を作ろう! と意気込んでも道具を作るためには何を用意すればいいのか」「何をどうしたら自分が思い描く昆虫観察道具を作れるのか」を考えるのが難しかったです。

昆虫観察道具など、実際にモノを作るのは結構楽勝ですぐ出来るんですけど、その前段階の計画を立てる段階だったり、何をどういう手順で行ったら上手く進むのかなど、そういった緻密な計画を立てていくのがすごく大変でした。

また、自分が想定していた日数内に終わらないことがあったり、今自分がいる地点を見失ってしまうこともありました。

昆虫の魅力とは

Q.ツノゼミさんが感じる昆虫の魅力について教えてください。

まあいっぱいありますけど(笑)。特に思うのは不完全変態や完全変態など、人間じゃ成し遂げられない進化をしていたり、地球上のどこに行っても昆虫っているので地球は昆虫の星といっても過言ではないということですね。

あと、人間が農業をする前から農業を行っているハキリアリなど社会を作っている昆虫もいれば、単体で動いている昆虫もいたりと、昆虫機能的に生態的に面白い昆虫が沢山います。そういうところが生物として本当に素晴らしいと思っています。

身近にいる生物で、目に見えてかつ人に貢献している部分も大きいし、未知がまだまだ続いている面白い生物だと思います。

Q.昆虫と人間社会との関わり方の理想像は何ですか?

まず、昆虫という生物をちゃんと理解していない人だったり、間違った知識を持っている人がすごく多いと思っています。バイアスの部分だけで、「昆虫は悪」と思っている人もいます。「気色悪い」というのは僕もわかるんですけど、それがあるにしろ「悪」なのかと言われるとそうではないですよね。バイオミメティクス(※7)などでは、そういった偏見が少しでもなくなると、技術的な進歩があると思っています。

また、全員にしろというわけではないんですが、昆虫が嫌いなのであればただ嫌いなだけじゃなく「なぜ嫌いなのか」と理由を考えてもらえると、昆虫と人間社会との上手い具合の付き合い方できるんじゃないかなと思います。

自身の活動に関する取材を受け、テレビで放映された時の様子。

Q.今後の展望を教えてください。

今後はさらに昆虫観察道具を何機か作って、それを用いて子供達に昆虫観察教室を開いて、僕の作った昆虫観察道具に関する「観察ができる道具であることの証明ができる」エビデンスを取っていきたいと考えています。

そして自分の開発した昆虫観察道具で、採集した昆虫をじっくり見るというそこのフェーズの面白さを伝えることができれば、理系教育などにも貢献できると思っています。

おわりに

今回は、昆虫について追求し、昆虫観察道具を開発したツノゼミさんにインタビューをしました。

インタビューを経て、昆虫に対して非常に熱意があることを感じ取れました。筆者は山奥暮らしなのですが、昆虫にあんまり興味を持ったことがなかったため、身近にいる昆虫がこんなにも面白い生態ということを認識でき、とても貴重なインタビューだったと感じます。そして、ツノゼミさんの今後の活躍にも期待です。

活躍生徒のインタビューシリーズ記事は、これからも続々とあがっていくのでお楽しみに。

活躍したいN高グループ生へ! 「 研究部」とは

研究部とは、学術研究を志す中高生をサポートするコミュニティです。

文系・理系を問わず、さまざまな分野で専門的な学修や研究活動を行う中高生が参加しており、研究部アドバイザーによるサポートのほか、発表会や専門家による講演といった不定期イベント、部員同士の交流を通じて、研究に関する知見を広く深めることができます。

研究部HP

https://nnn.ed.jp/attractiveness/extracurricular/club/kenkyubu

研究部X

https://twitter.com/kd_kenkyubu

活動内容によっては資金の支援も行っておりますので、興味関心のある方はぜひ研究部HPをご覧ください。

※入部には選考があります

※研究部にはN高/S高/R高以外の生徒も所属しております

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