学生生活最後に1日で3年分青春しない? 〜合同卒業式に参加してみた〜

卒業式、と聞いて思い浮かべる情景は人それぞれでしょう。いい思い出であれ少し寂しい思い出であれ、長い人生の中での一つの区切りとして色褪せない出来事であることには違いありません。
しかし、一つ問題があります。
筆者は卒業しません(取材で行くので……)。
果たして、卒業式をエンジョイできるのか?
卒業しないのに卒業式をエンジョイできるということは、「卒業しないのに参列して楽しい卒業式=イベントとして楽しい卒業式」ということになるはず。毎年YouTubeで公開されるアーカイブを見る限りは楽しそうですが、実際はどうなんでしょう……。
ネットの高校の型破りな卒業式、赤裸々に紹介していくので最後までぜひお読みください!
そもそも合同卒業式とは?
合同卒業式の正式名称は「N高等学校・S高等学校・N中等部 合同卒業式」。その名の通り、角川ドワンゴ学園合同の卒業式です。
毎年開催場所は異なり、2024年度は2025年度に開校するR高等学校の本校がある群馬県で開催されました。卒業生徒全員が出席するわけではなく、申し込みをした生徒・特別表彰(※)として推薦された生徒が出席します。これも、全国に生徒がいるこの学園ならではの仕組みだと思います。
※特別表彰とは…記事内で詳細に取り上げます
さっそく会場へ! 果たしてどんな雰囲気なのか……?
会場は群馬県前橋市にある「ベイシア文化ホール」。
中に入ると、すでにちらほら卒業生がホールにいました。皆さん興奮を抑えているように見えてやはりどこか嬉しそうでもあり、さらに少し緊張してもいそうという、なんともいえない雰囲気でした。

受付を終えると階段を降り、上の画像のような待機スペースに行きます。このホール、叫んでみたいほど天井が高いです。すでに知り合いを見つけて談笑している人もいました。
3年間Slackでやり取りしていて、名前は知っていたけど卒業式で初めて会った、みたいな人もいます。ネットの学校だからこその不思議な出来事ですね。
待機スペースの奥にはフォトスポットもありました!

この「S高等学校」と書かれている箱ですが、90度回すと「N高等学校」になり、さらに90度回すと「N中等部」になります。R高もできてさらに増えたら一つでは面が足りなくなりますよね。
撮影時は人がいない時間帯でしたが、人が増えてくると長蛇の列になっていました!

開始前に式典ホールを取材してきました。

生徒・保護者合わせて441名が参加していたそうです。
とうとう式典開始! 現地でしか楽しめないことはあるのか?
そうこう言っている間に式は始まりました。
今年の式次第はこんな感じ⤵︎
2時間にわたり行われたのですが、あっという間に感じられました。司会を務められたN/S高の副校長先生、S高の校長先生は、登壇の際に開催地群馬の伝統工芸品、桐生織で作られた着物を着ていました。
卒業証書・修了証授与は希望者が登壇し、それぞれに証書がメッセージと共に授与されます。登壇者のほとんどは制服姿でしたが、立派な袴を着ている人、うさぎの耳をつけた人、ティアラをかぶった人など様々。配信用のカメラに向けて、投げキッスやピースをしている人もいました。
ちょうど1時間がすぎて式も後半にさしかかると、特別表彰が行われます。
特別表彰とは、在学中に目覚ましい活動や評価を納めた生徒に授与されるもの。今年度は26組27名が受賞し、それぞれトロフィーが渡されていました。
今年から高校は学術文化部門、学内文化活動部門、アスリート部門に分かれています。パルクールやブレイキンの現役選手が宙返りをするなど皆さん個性を全開にした受賞でした。

特別表彰のあとは送辞、答辞がそれぞれ中等部代表、高校代表と続き、とうとう最後の校歌斉唱が。普段歌うことのない校歌なので筆者は口パクでしたが、大ホールで聞くと迫力がありました。
そして本当に最後!
卒業式には毎回豪華ゲストが呼ばれます。これまでに歌手の小林幸子さん、漫才コンビハリセンボンのお二人などが招待されていますが、今年はお笑い芸人のみやぞんさんがきてくださいました!
それまでの式典特有の厳かな雰囲気と打って変わり、登場の瞬間にはびっくりするほどの大歓声が。正直、校歌斉唱よりも歓声の方が大きかったように思います。
ギターを片手に歌を歌ったり、事前に募集したお悩み相談に答えたりして、卒業式は幕を閉じました。みやぞんさんの無茶振りに惑わされずに無茶振りし返す校長先生も素敵でした。
式典自体は2時間にわたり行われたのですが、あっという間に感じられました。
結論:現地に行かないと感じられないことが意外と多い
卒業しない筆者がこんなに楽しめたということは、卒業生が参加したらどんなイベントになるんだ……? 恐怖さえ感じます。
卒業式に登壇した生徒にインタビュー!
式典中の様子も最高に素敵ですが、登壇していた人たちがどんな人なのか、もっと気になりませんか?
卒業してしまうので、お話を聞く最後のチャンス! というわけで、突撃取材してきました。
式次第からもわかるように、卒業式に登壇できる場面は以下の通りです。(公式から出ているものではなく、筆者が把握できた範囲です。)
- 代表送辞・答辞(中等部、高校各1名ずつ)
- 特別表彰(中等部、高校)(各若干名、高校は分野ごとに選出)
- 卒業証書代表授与(中等部、高校ごとに若干名)
今回は中等部代表送辞、中等部特別表彰、高校特別表彰、高校卒業証書代表授与の方々にインタビューしました! (突然話しかけにいったのに、皆さんにこやかに応じてくれました。)
話をしてくれた人のプロフィール
学内活動部門特別表彰
N高等学校三年(取材当時)高橋歩奈(たかはしあゆな)さん
ーー名前と所属を教えてください
高橋歩奈です。N高等学校三年生で、通学コースに所属しています。在学中は第2期生徒会と起業部BLPに所属していました。
ーーN高生活で1番力を入れた活動について教えてください
一番は生徒会活動かな! 中でも、学園の資金不足を解消したいと思っていました。新しい資金源を確保するために、主に協賛活動に特に力を入れていました。
ーー在校生に向けて一言、メッセージをお願いします
N高って、やりたいことがなんでもできる、やりよう次第では不可能がない学校だと思います。だから、N高に所属していることに対して誇りを持ってほしいし、みんなの力でさらにN高を素敵にしていってほしいなって思います。
話をしてくれた人のプロフィール
学術文化部門特別表彰・卒業証書代表授与
S高等学校三年(取材当時)山内結月(やまうちゆな)さん
ーー名前と所属を教えてください
山内結月です。S高等学校三年生です。
ーーS高生活で1番力を入れた活動について教えてください
1番はN/S高マイプロ(※)です。高校三年生の六月に初めて、三年生の最後まで所属しました。最初は商品開発のプロジェクトを推進していましたが、最終的に教育の会社を立ち上げ、今回その内容で特別表彰をいただきました。
ーー在校生に向けて一言、メッセージをお願いします
やりたいこと、挑戦したいことを一つに絞る必要はない、ということです。興味関心がある分野は色々あると思うので、今やりたいと思ったことをその時々に学べばいいと思います。とにかく楽しんでください!
※N/S高マイプロとは…身の回りの課題や関心をテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通して学ぶ、N/S高の探求型学習プログラムのこと。
話をしてくれた人のプロフィール
卒業証書代表授与
N高等学校三年(取材当時)坂入康汰(さかいりこうた)さん(まーるんさん)
ーー名前と所属を教えてください
まーるんです。N高のネットコース所属で、卒業証書代表授与で登壇しました。
ーーN高生活で1番力を入れた活動を教えてください
学内の活動では、磁石祭実行委員や、企画の運営者などさまざまな角度から活動してきました。
学外活動ではN高にいるからこそ生まれる自由な時間を使って、野球の審判活動をやっていて、全国大会まで出場しました。
ーー在校生に向けてメッセージをお願いします
何をするにも自分次第だと思います。自分で選んだことは後悔しないと思うので、後悔だけは絶対にしないように自分で選んだ道を突き進んでもらえればと思います。
話をしてくれた人のプロフィール
在校生代表送辞
N中等部二年(取材当時)市村魁哉(いちむらがいや)さん
ーー名前と所属を教えてください
市村魁哉です。ネットコースに所属しています。今回は中等部代表の送辞でオファーをいただき、喜んで参加させていただきました。

ーーオファーをもらった時の気持ちを教えてください
まず1番に「なんで僕なんだろう」と思いました。理由を聞いていくうちに「あーなるほど」とは思ったけど、終わった今でもまだ完全に納得はできていないですね……。でも嬉しかったです!
ーー来年度(中3)の意気込みを教えてください
特別表彰の枠に入って表彰を受けたいです!
N中等部登壇の卒業生三人がちょうど集まっていたので、座談会の形で取材ができました! 皆さんN中内では憧れの存在なので、雑談のノリで取材できたことがとても信じられないです……。
話をしてくれた人のプロフィール
特別表彰・修了書代表授与:N中等部三年(取材当時) 菅原澪(すがはられい)さん
特別表彰:N中等部三年(取材当時) 真田涼佑(さなだりょうすけ)さん、間渕拓(まぶちたく)さん
ーー名前と学年、所属を教えてください
菅原さん:みんな中3じゃね?
一同:そうじゃん!
菅原さん:菅原澪です。ネットコースにいました。
真田さん:真田涼佑です。ネットコースにいました。
間渕さん:間渕拓です。通学コースの横浜キャンパスにいました。
ーーN中生活で1番力を入れたことを教えてください
菅原さん:何個かあるんですけど、1番は、初期設定サポートという新入生向けのイベントにほぼ毎回参加していたことです。
真田さん:在校生代表と政治部です。様々な人の思いを背負う、在校生代表という責任の重い立場を経験しました。このような責任ある立場を経験させていただき、いろんな方の支えによって乗り越える事ができたのは最高の思い出です。政治部は中等部で3年連続で参加しています。
間渕さん:3年間中等部にいて、課外活動で知ったことを学内に広めていくことに注力していました。
プログラミングに力を入れていて、未踏ジュニア(※)でスーパークリエータ(※)に認定されています。
※未踏ジュニアとは…独創的アイデアと卓越した技術を持つ小中高生クリエーター支援プログラム。参照
※スーパークリエータとは…未踏ジュニアを修了した人のうち、特に優れた成果を残したクリエイターが認定されるもの。
ーー最後に在校生に向けてメッセージを一言お願いします
菅原さん:中等部のうちにやりたいことは全部チャレンジしておくといいんじゃないかな、って思います!
真田さん:在校生とともに活動してきて、可能性がある人しかいないと感じました。何があっても「自分たちならできる」と思って、道を切り開いていってほしいなと思います。
間渕さん:やりたいことがない人も多いと思います。それがダメなわけではなく、好きなことを見つけるためにN中にいるのだと思うので、機会を存分に使ってほしいです。チャンスは、向こうからやってくるのを待つのではなくて、自分で掴んでいってほしいなと思います。
終わりに
卒業式、楽しむことができました。
全国から卒業生が集まり、三年分の思いをぶつけるこのイベント。この日にしか味わえない思いがたくさんあると思います! 筆者も、N/S高等学校、N中等部のたくさんの人と話すことができ、様々な経験ができました。
学園生活最後を彩るのにぴったりなこのイベント、あなたも参加してみてはいかがですか?
N高公式YouTubeでは2024年度の分はもちろん、過去の回もアーカイブ視聴ができます! 興味が沸いた人はぜひみてみてください。
2024年度合同卒業式アーカイブ視聴はこちらから⤵︎
https://www.youtube.com/watch?v=NJqrL_pHQXM
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