活躍生徒vol.14 : 地元である湘南地区にけん玉コミュニティを設立した、YKさん

取材・文=作(S高4期・ネットコース)
生徒数がついに3万人を超えたN高グループ。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒はどんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……。気になりますよね!
そこでN/S高新聞では「活躍生徒」と話してインタビュー企画を始めることにしました。第12弾は、けん玉ワールドカップの決勝にまで進む実力を持ちながら、地元の人達のためにと、けん玉コミュニティを設立したYKさんこと川名優佑さんにインタビューします!
※N/S高新聞は、2025年度より「N高グループ新聞」へ名称を変更しております。
けん玉コミュニティの設立
Q. 所属とコース、学年、ニックネームを教えてください。
S高等学校2年、ネットコース川名優佑です。ニックネームはYKです。
Q. どのような活動をしていますか。
神奈川県の湘南という地区でけん玉のコミュニティを作りました。
Q. けん玉を始めたきっかけを教えてください。
小学校の2個上の先輩がやっているのを見て面白そうだなと思い、小学3年生の時からけん玉を始めました。テレビでストリートけん玉の大会である「けん玉ワールドカップ(*1)」の紹介番組を見て、ストリートけん玉に興味を持ち、小学4年生の夏に広島まで大会を見に行きました。
その年にチャンピオンになったニック・ギャラガー選手*2に憧れて、もっとストリートけん玉が上手になりたいと思い、動画を見ながら独学で練習をするようになりました。
*1 グローバルけん玉ネットワークが開催するけん玉の世界大会。広島県甘口市市で開催されている。100個の公式トリックの中から技を10個選び、前半後半各3分間で出来た技の合計点を競う(予選)。https://kendamaworldcup.com/
*2 けん玉ワールドカップで世界1位になったアメリカ人。11歳からけん玉を始め、2017年に米企業所属のプロ選手となり、18年のワールドカップなど各種大会で多数の優勝歴を誇る。
Q. 湘南地区にけん玉のコミュニティを作った理由を教えて下さい。
家から40分程の所にある横浜の教室で基礎は習う事ができたのですが、ストリートけん玉となると東京や埼玉にまで行かなければ習うことができませんでした。そのため、たまにしか習いに行けず、動画を見て練習するしかなかったです。けん玉は皆が一度は触れるもので、僕のようにハマる子もいるのですが、上手くなった先の世界を知らないまま辞めちゃう子が多いです。
そういう子達のために色々なけん玉の楽しみ方を教えたいなと思って、地元の湘南地区でけん玉ができる場をつくりました。
周りの人の協力で輪が広がり、受賞に繋がった
Q. 活動を通して得られた実績を教えてください。
N高グループマイプロジェクトで「湘南でけん玉しよう!」と言うタイトルを掲げて、けん玉のコミュニティ作りに取り組んだのがきっかけで、けん玉コミュニティを設立しました。
2024年は、けん玉ワールドカップで決勝戦まで勝ち残る事ができました。そして、ありがたい事にタウンニュースという地元情報雑誌*3にその活躍を取り上げてもらいました。その活躍の記事を元に、うみかぜテラスという公共施設が協力してくれてけん玉を楽しむ場を作ることが出来ました。うみかぜテラスでは月2回の頻度でけん玉を教えています。あとは地域の方や学童から依頼が来て、けん玉を教えに行くこともあります。
けん玉のコミュニティ作りに取り組んできた結果、これは最近の事なのですが、全国高校生マイプロジェクトアワード2024*4にて、地域Summit特別賞を受賞しました。
*3 実際の紹介記事 https://www.townnews.co.jp/0603/2024/09/20/751759.html
*4 全国マイプロジェクトアワード https://myprojects.jp/award/
Q. 成果を上げられた理由は何だと思いますか?
やっぱり周りの人の協力のお陰だと思います。特に地元情報雑誌に取り上げてもらった影響が大きいと思います。
あとは、授業の一環としてけん玉をやっている子が多かったのもあって、必要とされているコミュニティだったのかなと思っています。
喜ぶ顔が嬉しい
Q. 活動の中で嬉しかった事はありますか?
地元の子供達やシニア世代など幅広い世代の方が来てくださっているのですが、どの世代の方も技が決まると本当に嬉しそうな顔をして喜びます。そういう顔を見ると、僕も嬉しいなって感じます。
Q. けん玉コミュニティではどのように教えていますか?
けん玉は基本的に「やってみる」しかないのですが、自分の経験を元に、習得しにくい技のコツやポイントを教えています。
けん玉を動かす際の目線だったり、力をかける方向などをアドバイスするのですが、教える際は言葉で説明したり、あるいは実際に見せながら、伝わるまで試行錯誤しています。
Q. けん玉コミュニティを作るにあたって大変だった事はありますか?
活動を始める一歩を踏み出すのが一番大変でしたね。漠然とけん玉のコミュニティを作りたいと思っていたので、どこでやれば良いのか、どのくらいの年齢層の方が来てくれるんだろう、どういう時間帯でやれば良いんだろうと。
色々な人に助けられて公共施設の協力を得る事が出来たのですが、実際にけん玉を教えるとなると難しいこともあります。技がすぐに出来ないと嫌になってしまう子がいるので、他にも取り組める楽しい技を沢山用意しておかなければなりません。
成長し続ける向上心
Q. けん玉には資格があるそうですが、今はどの位置にいるのでしょうか? また、「けん玉先生」という資格があるそうですが、取られていますか?
僕は最高の級位であるGLOKENマスター1級を習得しています。
「けん玉先生」は、けん玉の級を認定する為の資格です。16歳以上から資格が取れるようになるので、ちょうど3月8日に講習(*3月1日時点)を受けて「けん玉先生」になる所です。
Q. けん玉の種類は色々とあるそうですが、何を使っていますか?
玉は、日本のけん玉メーカーのSULab.(スーラボ)の製品の塗装が長持ちするので好きです。
けんは、Kendama Israel(けん玉イスラエル)のけんの形が、タップや月面などの技が総合的にやりやすくて一番気に入っています。
強い憧れがモチベーション
(けん玉の技を披露するYKさん。流れるような動きにはこれまでの積み重ねが見えてきますね!)
Q. 独学でけん玉を続ける事が出来た理由は何ですか?
最初の頃は級位や段位を取る事がモチベーションに繋がっていましたが、ストリートけん玉の世界大会を実際に見てからは、選手への強い憧れが原動力となりました。
また現在、けん玉は世界中でSNS(インスタグラム)を中心にしてやり取りが発展していて、投稿するといいねやコメントがつくので、モチベーションを保ちやすくなっています。
Q. 得意な技は何ですか? また、どうして得意になったのでしょうか?
得意技は「風車*5」と「タップ*6」かなって思います。どちらも憧れのプレイヤーがいます。憧れているからこそ一生懸命練習しました。
「風車」はニック・ギャラガー選手、「タップ」は五十嵐拓哉選手です。五十嵐選手は僕より一つ年上の選手ですが、3度もワールドカップのチャンピオンになっているので、よくTVなどで取り上げられている選手です。
*5 けんを持って玉を前方に振り上げ、玉をけんに刺すまでの間に、けんを人差し指を軸にして回転させる技。沢山回転させると難易度が上がる。
*6 玉にけんの柄の部分を半回転させながら交互に叩く技で、回数を続けて叩くことがとても難しい技。
Q. ニック・ギャラガー選手の魅力は何だと思いますか?
ニックは双子の弟ザックと一緒に、10年位けん玉界でトップを走り続けています。繰り出す技がとにかくエグいです。この10年の間進化し続けているストリートけん玉ですが、過去にニックやザックが成功した技をやろうと思っても、今の僕の実力でも本当に難しいです。
ニックとザックはけん玉界を引っ張ってきた人で、僕もそうなりたいです。
コツコツと続けてきたからこそ今がある
Q. 活動を通じて得られたスキルはありますか?
そうですね、これらの活動を通して人前に立つことに慣れた気がします。
Q. 普段はどのくらい練習していますか?
小学生の頃は学校から帰ったら寝るまでずっと練習していたのですが、今は勉強等もあって、1時間から長くて3時間程練習しています。
毎日コツコツと続けることでここまでくる事が出来たと思っています。
Q. 大会に出場する際、緊張すると思うのですが、どのようにして実力を発揮しているのでしょうか?
大会に向けて沢山練習して自信をつけて本番に臨むので、緊張はするけれど「出来る」って信じています。
Q. 今後の展望を教えてください
もっとけん玉ができるコミュニティーを増やしていきたいです。
あとは中高生の年代の人たちが少ないので、中高生にもっと刺さるような活動をしていきたいです。
おわりに
今回は、高校生で地元の湘南地区にけん玉を習える場所を作りたいとけん玉コミュニティーを設立し、自身も高いけん玉の実力を持って活動しているYKさんにインタビューをしました。自分自身の歯痒い思いから、地元の人達のために積極的に活動をしているYKさん。今年受験生な私にとって、憧れを糧に継続して練習する姿勢は見習うべきものが沢山ありました。今後の活躍にも期待が高まります。
「N高グループマイプロジェクト」とは、地域や身の回りの課題、自身の興味関心などをテーマにプロジェクトを立ち上げ、中・長期的に実践する課題解決型プログラムです。自ら課題を見つけ、問題解決のアプローチを思考し、プロジェクトと向き合うことで、社会や人とのつながりを学び、自分らしく社会を変える一歩を踏み出すことを目指しています。2017年に開講した「N高グループマイプロジェクト」は今年で8年目を迎え、累計1,000名のマイプロ生を輩出してきました。
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