活躍生徒vol.009:行政書士試験に合格し、茨城のいじめ問題を考える会を立ち上げた悉知信さん

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取材・文=富永裕音(角川ドワンゴ学園 マイプロ/アントレ担当TA)

生徒数がついに3万人を超えたN/S高。多様な生徒が様々な分野で活躍しています。そんな中、キラリと光る実績を生み出した生徒もたくさんいます。実績を生み出した生徒は、どんな活動をして、どうやって実績を生み出したのか……気になりますよね! そこでN/S高新聞では「活躍生徒」と題してインタビュー企画を始めることにしました。第9弾となる今回は、高校生で行政書士試験に合格し、茨城のいじめ問題を考える会を立ち上げた悉知信さんへのインタビューをお届けします。

目次

不登校経験の過去、そこから生じた反骨精神が原動力

Q.所属校と学年、ニックネームを教えてください。

S高等学校の2年生(※1)です。通学コースに所属しており、名前は悉知 信(しっち あきら)です。

Q.政治部ではどんな活動をしていますか? また、入部のきっかけを教えてください。

昨年度の活動としては、生徒たちがより主体的に学ぶための提言活動を展開していました。具体的には、従来の学校の一斉授業のシステム(教師が黒板の前で一方的に授業を行う方式)に疑問を感じ、「ブレンド型学習(※2)」や「アクティブラーニング(※3)」の要素を取り入れる政策提言を行いました。

入部のきっかけは、私自身昔から法律や政治に興味があり、政治部では国会議員と直接会って政策提言を行う機会があったため、そこで具体的なノウハウを学びたいと思い入部しました。

※1)取材当時
※2)対面授業とオンライン学習を組み合わせた教育方法
※3)生徒が主体的に学びながら、協働や実践を通じて知識を深める学習方法

Q.これまでの実績や成果について教えてください。

これまでの実績としては、行政書士試験に合格したことや、茨城のいじめ問題を考える会を立ち上げ、そちらで交流会を開催したことが挙げられます。他にも政治家との対談回数がついに100回を超えたこと。私が活動の中心地としている市議会での質問回数が増えたことが成果になるかと思います。これは子供の居場所作りや、そのための意見聴取に関する議会での質問回数で、従来の2回から5回に増加しました。質問回数を増加させたぶんそれらの課題に関心を持たせることに成功したと感じています。

また、実際にいただいた声としては「あなたの活動を見ていて、同じように頑張ろうと思えた。あなたの活動を見るのが生きる理由になった」といった内容のDMをいただいて、それが本当に嬉しかったですし、今自分が頑張る理由にもなっています。

Q.その成果を上げることができた理由は何だと思いますか?

やっぱり1番は、私自身がいじめの被害を受けて、そこで不登校を経験したっていう過去があるので、そこから生じた反骨精神が原動力になっています。あとは活動の中で子どもたちと触れ合う機会が多いのですが、その子たちの笑顔を守りたい、過去の自分のようになってほしくないという気持ちも活動の支えになっています。

子どもたちと触れ合う悉知さん

ゴールは一緒、ルートが違うだけでみんな向いてる方向は同じ

Q.政治部は自分にとってどのような場所でしたか?

自分と同じように、社会を変えようとしている人たちが集まっている場所です。活動のきっかけになる原体験がある方もいれば、障がいのある家族のために取り組んでいる方もいます。

それぞれで思想や感性が異なっている部分ももちろんありますが、最終的な目標は「社会をより良くする」という点で一致しているので、意見交換の中で互いの考えを深め合える環境だったなと感じています。ゴールは一緒だけれどそのルートが違うだけで、みんな向いている方向は同じで、その認識があるからこそ、同世代で本気の議論をすることができる貴重な場所だと思います。

Q.政治部での活動で大変だったことはありますか?

活動中は、合意形成の難しさを常に感じていました。私は6人ほどのチームで動いていたのですが、その人数でも、みんなが納得できる答えをできる限り話し合って決めるのに時間がかかりました。もちろん多数決で決めてもいいのですが、それだと少数派の意見が排除されやすくなってしまうので、それは本質的な政治ではないと思って話し合いを大切にしていましたね。

Q.政治部で得られたスキルは何ですか?

政治部で得られたスキルは、ファシリテーション能力とビジネスメールを作成する能力の2つです。部活動でミーティングをすることが多く、その際積極的に進行役に挑戦することで、話を回す能力が身についた実感があります。また、外部活動を実施するときに作成するメールを事務局の方が添削してくれるので、文章の区切りや表現といったテクニックを学ぶことができました。いじめ被害者向けの交流会や市議会での議論の場など、外部で活動を進めていくときに、これらのスキルが役立っています。

マイナスはプラスに変えるための原材料

Q.資格取得や団体立ち上げなど、挑戦するための心構えや実際に行動に移すためのコツを教えてください。

昔から私が大切にしているのは「やらない後悔よりも、やる後悔」という考えです。政治家とアポイントをとるのも、市議会への陳情もそうですが、行動しなければ何も始まりませんし、成功する確率も0%です。でも行動すれば、もしかしたら1%の可能性があるかもしれません。

仮に失敗しても高校生であれば良くも悪くも大人があたたかく見守ってくれますし、失敗によるマイナスも成長に繋がったり、SNSで自分の取り組みを発信するときの要素になったりします。大人の「高校生だから……」と妥協する目もプラスに変えるための原材料だと思ってうまく使いこなす。そのような思考を持って、積極的に活動することが大切だと感じています。

Q.最後に、今後の展望を教えてください。

将来的には、子どもの権利に注力する政治家になりたいと考えています。現在はスクールロイヤーと呼ばれる学校現場に関わる弁護士が増えていますが、私はその枠にとどまらず、法律の限界に向き合った上でまずは弁護士を目指し、最終的には政治家として法律を作る側でも活躍できるようになりたいです。

今枝文部科学副大臣(当時)と対談する悉知さん

おわりに

「活躍生徒」vol.9として、悉知信さんのインタビューをお届けしました。

不登校経験という自分の過去に向き合って、活動の力にしている悉知信さん。失敗を成長の材料にして、大人の「高校生だから……」と妥協する目さえ使いこなす。インタビューのときに「反骨精神が原動力」と話してくださったように、逆境を乗り切る力、どんなマイナスもプラスへ転化させる力が、彼のとても大きな強みの1つだと思います。

悉知信さんの今後の活動に注目です!

X:https://x.com/akkun7373
インスタグラム:https://www.instagram.com/akkun7373/
ホームページ:https://x.gd/RTadT

活躍したいN/S高生へ! 「政治部」とは

政治部では、今起こっている時事問題や政治について、多角的な視野と疑問を持ち、議論や政策立案に取り組んでいます。

これまで主権者教育の一環として、政治家と直接触れ合う機会をつくり、政治を身近に感じてもらうとともに、メディアリテラシーを高め、情報操作や不正確な情報に流されず、自分で調べて考え、判断できる力を養うことを目指してきました。

配信講義では年5回、現職の国会議員を中心に、テーマに合わせて第一線で活躍されている様々なゲストをお招きし、質疑応答をおこないます。
これまで、多くの生徒が年間を通じて学び、政策立案に取り組む中で、成長を得てきました。政治に興味がある人も、これから学びたい人も大歓迎!!

第6期からは新しいコースの設置を構想中!(継続生向け)
国会見学も開催予定です!
募集開始は4月を予定しています。あなたも政治部で、身近な社会課題について考えてみませんか?

政治部HP:https://nnn.ed.jp/about/club/politics/

※詳しい募集タイミングは politics_club@nnn.ac.jp までお問い合わせください。
※受講はN高グループ生徒に限ります。

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