【第4回】10代が10代におくる地震を題材にした小説

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取材・文=ココぴ(N高7期・執筆コース)

このシリーズもついに四回目を迎えました。
仕組みついての第一回対策についての第二回職業についての第三回を経て、地震について学ぶことはできましたか?

もしまだ読んでいないという方がいたら、ぜひこちらも確認してみてください!

写真や動画など「地震」「震災」は今もいろいろな媒体で語り継がれています。
その中でも、この記事では小説に焦点を当ててみようと思います。小説だからこそできる表現や、伝えられることがあるはずです。

今回は二つの小説作品を紹介します。ぜひ、最後までご覧ください。

目次

「想像ラジオ」いとうせいこう

想像力を使って流れる「想像ラジオ」の話です。

物語の主な視点となるのはパーソナリティであるDJアークです。
故郷である小さな海沿いの町へ心機一転帰ってきた彼は、なぜか高い杉の木の上に引っかかっており、そこでラジオを放送しています。
リスナーから来たメールを読んだり、曲をかけたり、という描写にまるで本物のラジオを聞いているかのような気分が味わえます。

すべての文章がラジオ形式ではありません。二章、四章は別の視点から「想像ラジオ」について語られます。
「想像ラジオ」を聞くことができない生者であるSさんがボランティア仲間と話し合う様子など、当事者ではない視点で描かれているからこそ印象に残るシーンも多いと感じる作品です。

「ムーンナイト・ダイバー」天童荒太

立入禁止の海域で被災者たちの遺留品を回収するダイバーの話です。

いろいろなものが沈む夜の海を探索する様子は詳細に描かれており、想像することで恐ろしさを感じます。
それだけでなく、遺留品を見つけ、回収することの難しさが伝わってきます。拾うことができずに写真でしか残せないものもありますし、海に潜っていられる時間には制限があります。

なにより、海へ潜ることは舟作(主人公)にとってリスクの大きい行為です。
物語の中でも、協力者である文平(亡き父の親友)とはそのリスクについて話すシーンがありました。
それでも舟作が遺留品を見つけようとするのは、依頼者グループの代表である珠井さんや自身も震災で家族を失くしたことが影響しています。

海を舞台とし、行方不明者と向き合うことの辛さが伝わってくる作品です。

終わりに

震災というのは、10代である私にとって遠いものです。
幼い頃の記憶は薄れ、当時のことはほとんど覚えていません。ただその時生きていただけの、当事者ではない存在です。

それでも地震についてもっと関心を持たなければならないと思い、この記事を書きました。
これから高校生になる方にとっては、今回紹介した小説の背景となっている3.11ははるか遠い存在に思えるかもしれません。
「知らない」「昔のことだ」と置いておくのではなく、想像し、その出来事から学びを得られることを願っています。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
世界有数の地震大国と呼ばれる日本に住む私たちは、地震について知ることが必要です。
ぜひこれを機に、学びを深めていきましょう。

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