N/S高生がトゥモローゲート株式会社に”働くWell-being”聞いてみた

みなさんは「はたらく上で」何を大事にしたいでしょうか。お金、やりがい、人間関係など人によって比重は十人十色です。ただみなさんの中には「はたらく」ということに不安や抵抗感を感じている人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では「はたらく」ことに対してモヤモヤを感じているあなたへ「令和の新しいはたらき方」を提案していきます。
今回紹介するのはトゥモローゲート株式会社代表取締役の西崎康平さんです。
ブランディングを中心に事業を展開されています。


西崎さん、本日はよろしくお願いいたします!



こちらこそ、よろしくお願いいたします!
400社とのオモシロイ会社作り



トゥモローゲート株式会社はどんな会社ですか?



企業のブランディングが主軸の事業です。依頼主の会社のブランド力を強め、その会社にお客様や社員が定着するためのオモシロイ会社作りをサポートしています。



なるほど。ブランディング事業が主軸なんですね! オモシロイ会社作り……。具体的には何を?



まず私たちがオモシロイ会社を作る際に重視していることは、デザインやキャッチコピーといった外見だけでなく、会社のサービス内容や働いてる人自身のやりがいといった中身の部分も重視しているということです。それに沿って会社の中身をオモシロくしていく会社作りを企業さんと二人三脚でしています。



今までどれくらいの企業さんのサポートを行ったんですか?



400社ちょっとですね。



すごい…….! 400社分のデザインの設計であったり中身の掘り下げを行ってきたということですよね。どの業界が多いんですか?



業界・業種の偏りはあまりないですね。ただ社員数が50人〜100人くらいの企業さんが多いかなと思います。知名度・実績を伸ばしていきたい企業さんや、これから変化していきたいという企業さんがお客様としては多いです。また、最近は大手企業や著名企業からの依頼も少しずつ増えており、さらに仕事の幅を広げていきたいと思っています。


ブランディングに向き合うきっかけになったとある「壁」



ブランディングや今の事業に興味を持ったきっかけなどはありますか?



そうですね。今のブランディングサービスを立ち上げたのが2019年なんですが、それまでは採用支援の事業をやっていました。前職は人材コンサルタントの会社で、中小企業やベンチャー企業に新卒社員を採用するための支援をしていたんです。それから2013年に独立して、採用ブランディングというサービスの提供を始めました。事業自体はうまくいき、お客様にも集客や優秀な人材の採用で価値提供ができていました。しかし、私たちのサービスを利用して入社した人たちが、3、4年ほどで辞めていくという問題が起こったんです。どうして辞めてしまったのかイメージできます?



難しいですね……。その優秀な人材の方達がその会社で学んだことを生かして独立や転職をして行ってしまうから……ですかね?



それも無きにしも非ずだったんですけど、一番の原因は採用のために外見だけをよく見せていたことです。これをすると短期的には魅力を感じてもらえますが、中身が変わらないと、入社した時とのギャップが生まれて定着してくれないんですよね。そこに直面した時にこの事業は長く続かないなと思いましたね。そこから外見だけではなく会社の中身から作り変えていくというサービスに事業シフトしました。それが2019年のタイミングですね。そこが企業ブランディングに向き合うようになった大きなきっかけかなと思います。



なるほど……。ありがとうございます。
今のお話で気になったことがあって、問題に直面した際に事業シフトしようってなった時に周りの人とか社内の環境っていうのはどうやって変えていったのですか?



この話を社員にしたときに社員みんなが「そりゃそうだよね」って同意してくれたんです。でも行動しようにも誰も今までやったことがなかったので「なんでそれをやるのか」という目的のところから考え直して、目的を明確にした上で取り組んでいこうと動いていきました。また、自社の中で試してよかった社内制度や働き方をお客様に提供していたので、次第にお客様に提供できるサービスの選択肢が増えていきました。



まずは自分の会社をオモシロくするために色々試してよかったものを提供するということですよね。行動力と説得力がすごいですね! ありがとうございます!


お客様とともに変化していく



会社を経営する上で意識することや大事なことはありますか?



そうですね。まず変化しようという気持ちがあまりない会社さんの依頼は断っています。ブランディングをしていく中で会社の中身をよくしないと継続的なファンは生まれません。ですので、会社を一緒に変化させていける会社でないとご契約は難しいですね。いくらお金をいただいてもできません。昔は違ったんですけどね。とりあえず仕事が欲しい状態だったので変化しようとしない会社さんでも取り引きしていましたけど、そうするといろんな問題が起こってしまって。



具体的にどんな……?



例えばこちらがサービスを提供しても会社が変化しようとしないと僕たちの提案は意味がなく、上手くいきません。その結果その会社からクレームが来たり、値下げ交渉をされたりしましたね。



なるほど。イメージが沸きました! お客様との二人三脚が大事な要素なんですね。
リアルな現場の雰囲気をより感じて欲しい



YouTubeではどんな動画を発信してますか?またどういった目的で発信してますか?



会社の認知を高めて、いろんな人にオモシロイ会社があるということを知ってもらうのが1番の目的ですね。内容としては自分たちの仕事の考え方とか成果の生み方にフォーカスして発信しています。それをできるだけ生々しく発信したいと思っていて。講義ではなく実際の現場を切り抜くことで、親近感を感じてもらったり、机上の空論にならずに実際のマネージメント現場とか営業現場で活用できるような動画を発信しています



なるほど。ありがとうございます。基本は認知をベースにして、その上で付加価値をつけていくということですよね。私もプレゼンのコツの動画を拝見したことがあるのですが、こちらに語りかけるわけではなく、社員さん同士で話すことがメインだったので雰囲気が伝わって来やすく、すごく学びになったことを覚えています!





なるほど。ありがとうございます。基本は認知をベースにして、その上で付加価値をつけていくということですよね。私もプレゼンのコツの動画を拝見したことがあるのですが、こちらに語りかけるわけではなく、社員さん同士で話すことがメインだったので雰囲気が伝わって来やすく、すごく学びになったことを覚えています!
経営理念を体現するためには



ブランディング事業を続ける上で失敗したことやそれを解決した方法はありますか?



1番壁にぶつかったのが2018年で、会社をどういう方向性で経営していくか、我々が提供できる付加価値って何だろう、というところで壁にぶち当たりました。それを乗り越えるきっかけになったのがビジョンマップです。これで会社の方向性とか判断軸を定めたんですよね。





めっちゃ細かいですね……!



そうですね。上の方に記載している「世の中にきっかけを。」というミッションと「世界一変わった会社で、世界一変わった社員と、世界一変わった仕事を創る。」というビジョンは創業時からあったのですが、逆にこれしかなくて、具体的にどういうことなのかが明記されてなかったんです。そこで自分たちが思う「オモシロイ」とか「変わってる」って何?ということを「ささる」「あがる」「ひらく」という3つのキーワードに設定しました。そして「ささる」の中の8項目と「あがる」の中の8項目のうち、それぞれ3つ以上を満たしていればそれはやろうっていうふうに決めています。



なるほど! だから企業として一貫性が出るのか……。



そうですね! 経営理念を体現している会社が少ないっていうのが現状なので、経営理念を体現するためにまずは「大阪で一番オモシロイ会社」と言われることを中期ビジョンに設定して、そこに向かうために8つの具体的な行動の目標を決めて、これが達成できたら大阪で一番オモシロイ会社になれるという仮説の元にはたらいています。



ビジョンに向かうための会社の方向性が事細かく設定されていてわかりやすいですね……。 ありがとうございます!
社員の声は実現させる



社員の方のやりがいを向上させるためにどのようなことをされてますか?



一言でいうなら巻き込みながらですかね。僕が考える1番強い組織って自発的な組織とか楽しんでいる組織だと思っていて。言われたことをやるだけってどうしてもやる気になりにくかったりするじゃないですか。だから先ほど紹介したビジョンマップも社員と一緒に決めて社員の意見を反映させましたね。



なるほど。ビジョンマップの他に具体的にどんなものを作り上げたんですか?



このオフィスもそうですよ! オフィスを決める際には社員の意見を取り入れるために1泊2日の合宿を開いて、どんなオフィスにしたいか社員と話しました。実際に社員から上がった声としては、大人だけじゃなく子どもや年配の方も集まる場所にしたいという意見があって。じゃあ子ども専用の滑り台を作ろうとか、コミュニケーションを活性化させるためにバーカウンターを置こうということが決まりました。











すごいですね! 他のオフィスでは見られない光景……。これらも社員の意見を取り入れて実現したんですね! 他に社内の工夫はありますか?



社内制度も社員からアイデアを募集して決定しましたね。現在、福利厚生は合計44個ありますが、その大半は社員からの意見です。



社内制度まで……! 会社として目標に向かっていくために色々なことに取り組まれているんですね。
仕事の「やりがい」



西崎さん自身の仕事のやりがいはなんですか?



これは経営者の特権かなと思うんですけど、変化を目の当たりにできることかなと思いますね。僕は社歴も1番長いですし、マンションの一室から始めた事業の変化を全部見てきたなと感じます。物理的に人が増えたり、オフィスが進化していったり、社内制度が充実していったりという変化に関わって目の当たりにできるのは本当にワクワクしますね。



確かに自分が最初からやってきたからこそのやりがいですね。いろいろな進化や変化が見れるのはすごく魅力に感じました。ありがとうございます!
選ばれる理由があるからこそ



働かれる上で理不尽に感じた時のモチベーションの維持や対処法があれば教えてください



うちは理不尽なことがないようにそういうお客様との取引はお断りしているので、あまり摩擦はないですね。ただ昔はそんなことなくて、ちょっとずつ変わっていきました。自分たちがお客様を選ぶということは我々がお客様に選ばれないといけないということなので、選ばれる理由作りを先ほどお見せしたビジョンマップなどを通してコツコツ作り上げてきたと思います。



なるほど! ありがとうございます



逆に僕から聞いてみたいんですが、皆さんははたらくことに対してポジティブなイメージはありますか?



そうですね……。自分がやりたいことに対してはポジティブなイメージはありますけど、やりたくないことはネガティブなイメージの方が強いですね(笑)。



私も同じで責任が伴う重めのイメージがあります。



いや〜素敵ですね(笑)。私は高校生の時にはたらくことに対してポジティブなイメージが全くなくて、仕事ってつまんないもの、やりたくないものっていうイメージがどうしても強かったんですよね。なので世間的な普通の会社とは180度違う会社を自分で作ろうという考えに至って起業しました。



ポジティブなイメージがないからこそ起業に至ったんですね! ありがとうございます。
好きなことは好きなように



西崎さんが仕事をしたり人と関わる上で大事にしていることとそれをブラさないようにするための方法はありますか?



僕の仕事のポリシーは、「好きなことは好きなようにやる」ということで、これは多分これから先も変わることはないと思います。だからアドバイスをするのであれば、やりたいことを決めるのももちろん大事ですが、やりたくないことを決めるっていうのを決めてしまうのも一つの方法だと思います。





なるほど……! やりたいものだけではなく、やりたくないものにも目を向けるのは大事ですね。私自身、やりたいことに一貫性がなく不安に感じていたので、すごくしっくりきました。ありがとうございます!
最後に



最後にブランディングに興味を持っている若い人に一言お願いします。



1番伝えたいことは、やっぱりブランドって中身がないとできないということです。どうしても今は外見をカッコよくしていくということが多いと思うんですけど、それでは本質的なブランドにはならない。なぜやるのかという目的はしっかりと決めて欲しいと思いますね。そしてそれに対する期限とゴールを設定すると、より自分がやりたいビジョンが見えてくるのかなと思います。



目的……! 確かに1番ベースになってくるところですから大事ですよね。それに対する期限というのも参考になります。ありがとうございます!
驚きのオフィスから仕事に対する考え方、さらにその仕事の中身を通して働くwell-being、そしてブランディングの面白さについて感じることができました。今回の記事のキーワード、「目的」「ポリシー」に目を向けてみる働き方も悪くないのではないでしょうか。
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