【卒業生にインタビュー】N高から東大現役合格! ズバリ、合格の秘訣は? 宍戸桃子さんにインタビュー

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取材・文=芽生(N高8期・通学コース)

写真提供=宍戸さん

今回は、N高から東大に現役で合格された宍戸桃子さんにインタビューさせていただきました。

合格の秘訣や受験期の過ごし方、おすすめの勉強法、使った参考書、などなど大変貴重なお話を伺いました!

ぜひ最後まで御覧ください。

目次

お話をうかがった方

宍戸 桃子ししど ももこさん

  • 東京大学 農学部 4年生
  • N高3期生(卒業済み) ネットコース

大学生活について

ーー大学ではどのような活動をされていますか?

宍戸さん

私はラクロス部に入っていて、部活をガッツリやっています。
一般的な東大生とは少し違う生活をしているかもしれません。
部活をメインにしながら、N塾(※)個別コーチングコースのTA(※)やClassH(※)の作問も細々とやらせてもらっています。

ラクロス:2つのチームが、網のあるスティックを使ってボールをゴールに決め、得点を競うスポーツ

N塾:N/S高生のために生まれた学園内予備校

TA:ティーチングアシスタントのこと。

ClassH:難関大学を目指す人達が集う、N/S高内の学習コミュニティー。詳しくはこちら→N/S高サイト記事

ーーラクロスは週に何回されているんですか?

宍戸さん

練習は週に5回あります。朝7時くらいから練習しています。休みの日もミーティングや自主練をしていて、ラクロス漬けの生活をしています。

ラクロスに打ち込む日々

ーーすごいですね! とてもお忙しそうですね。

宍戸さん

忙しくはあるけど、楽しいですね。自分がやりたいことに時間を使えますし、高校生のときよりもバイトができたり自由度が高くて、とても楽しいです。

東大を目指したきっかけ

ーー東大を目指したきっかけは何ですか?

宍戸さん

私が東大を目指し始めたのは結構遅くて、高3の春頃でした。
最初は海外の大学もいいなと思っていて、そのために英語の勉強もしていたんですが、ちょうど私が高3になるタイミングでコロナが流行り始め、渡航が難しくなりました。留学自体不可能ではなかったものの、感染症の状況も不透明で、親元を離れて行くのは不安だなと思いました。それで、日本の大学を目指そうと思うようになりました。

宍戸さん

もともと食品分野に興味があり、特に日本食特有の発酵食品や醤油、お酒などの分野に一番興味がありました。それを学べるのは農学部が一番近いんですが、東京で農学部がある大学って結構少ないんですよね。その中で研究設備がしっかり整っているのは東大だと感じて、東大を目指そうと思いました。

ーー高3の春から東大を目指して現役合格されたんですね。本当にすごいですね。

宍戸さん

私はネットコースだったので通学はありませんでしたし、何に時間を使うか自分で決められたので、勉強しやすい環境だったと思います。

N高時代の過ごし方

ーーN高を選んだ理由は何ですか?

宍戸さん

私は元々全日制の高校に通っていて、高校2年生の12月にN高に転校しました。N高に行こうと思った理由は、自由に時間を使えることや、沖縄スクーリングや職業体験などの課外活動がたくさんあって楽しそうだなと思ったからです。

これは、高2のときに突然思ったというわけではないです。高1の時に1年ほどカナダに留学していたのですが、留学を終えて日本に帰ってきた時に、日本の学校は時間割がしっかり決まっていて、みんな一緒に行動しないといけなくて、授業も聞くだけのことが多くて、なんとなく退屈に感じてしまったんです。

宍戸さん

そんなときにN高のことを知って、こっちのほうがのびのびと勉強や好きなことが出来るんじゃないかと思って、転校したいと思いました。

ーーN高での生活はどんな感じでしたか?

宍戸さん

本格的に受験勉強を始めてからは、ほとんどずっと勉強をしていました。受験勉強を始める前は興味のあることを色々やってみようと思い、当時文章を書くのが好きだったのでライターの仕事をちょっとやってみたり、N予備校(※)のプログラミングの授業を受けてみたり、英語の勉強をしたり、本を読んだりしました。毎日同じことをするというよりは、興味を持ったことを次々にやってみて過ごしていました。

N予備校:現在名称がZENStudyに変更されました。幅広いジャンルを学べるオールインワン学習サービスのこと。

ーーN高でやっておいて良かったことはありますか?

宍戸さん

外部の人を招いてお話を聞ける機会が時々あったのですが、面白いお話が多く興味深かったです。あと、N予備校で色んな分野に気軽に触れられたのが良かったです。

ーー逆に、N高時代にやっておけば良かったことはありますか?

宍戸さん

私はネットコースだったのですが、ネットコースだと友達作りは自分次第というところがありました。家で好きなことをできるのはいいなって思ってたんですけど、N高は全国に高校生がいるし、色んなことに興味を持っている子たちがいるので、そういう人たちともっと交流しておけば、新しい気づきが得られたかもしれないです。

Slack(※)に雑談チャンネルとかもあるんですよね。ネットならではの交流みたいなのをやっていたら楽しかったかもなと思います。

Slack:多くの企業で利用されているチャットツール

受験勉強について

ーーどのような受験生活を送られていましたか?

宍戸さん

結構シンプルに、自分の部屋で1日中勉強するだけでしたが、たまにカフェやファミレスに行って気分転換しました。でも基本は家で勉強していました。

ーー塾に通われていましたか?

宍戸さん

塾には通いませんでした。当時、N高にネット特進(※)という勉強計画を一緒に考えてくれたり相談にのってくれたりする制度があって、そこのTAさんや先生に相談しながら勉強していました。

ネット特進:ネットコース特進専攻のこと。現在は廃止されており、”N塾”が代わりとなるサービスを提供しています。

ーー通信制高校からの受験で、苦労されたことはありましたか?

宍戸さん

最初受験勉強を始めようと思ったばかりのときは、何から始めたらいいのかとか、どの問題集を使ったらいいかとか、どの科目にどれだけの時間使えばいいかとかが分からなかったのですが、ネット特進の方に相談して一緒に道筋を立ててもらえたので、そこは解消されました。

あと、周りに受験生がいないから自分の立ち位置が分からないという悩みがあるかもしれませんが、私は模試を定期的に受けて偏差値を確認していました。

ーー家で1日中勉強すると疲れると思うのですが、どうやって気分転換していましたか?

宍戸さん

当時母も家で仕事をしていたので、一緒にご飯を食べたり雑談したりしました。ずっと座って勉強していると体も疲れるので、毎日ちょっと散歩に行ったり、ストレッチやヨガをしたりしました。Youtubeに10分15分とかのヨガの動画が結構あるので、それらを活用してリフレッシュしていました。

ーー高1高2のときはどれくらい勉強されていましたか?

宍戸さん

私は高1の9月からカナダの高校に留学していたのですが、その留学の前は普通に日本の学校で授業を受けて出された宿題をやる、という感じでした。

留学をしたことで英語はもちろん伸びました。ただ、数学や理科は日本のほうが進度が早いので既に知っていることが多かったり、日本の受験勉強に直接役立つ内容ではなかったりしました。

高2の時、日本に帰ってきてから数ヶ月は全日制の学校に通っていましたが、その間は学校の授業と宿題をやっていた感じです。
塾に通ったことは無いです。

ーー留学から帰ってきて日本の学校に合流する時に、勉強面での隔たりはありませんでしたか?

宍戸さん

数学や理科、社会も1年分遅れていたので、その時は定期テストで出される範囲だけ頑張って勉強するんですが、それだとテストの後は全部抜けちゃう、みたいな感じでした。それで受験のときも数学が最後まで苦手で、ギリギリ合格はできたけど、勉強量は他の受験生よりも足りなかったのかなと思います。その分英語で点を稼ぎました。

ーー英語は留学の経験が活きたんですね。

宍戸さん

そうですね。留学を経て、英文を読むのが速くなったりリスニングも出来るようになって、受験にも結構役立ったと思います。

ーー受験期の1日のスケジュールを教えて下さい。

宍戸さん

受験期は規則的に生活するようにしていました。朝7時くらいに起きて4時間くらい勉強して、お昼1時間くらい休憩して、午後も勉強して、夜ご飯食べて、ちょっと勉強して寝るという感じでした。自分の生活のリズムをあまり変えずに、ルーティン化して過ごしていました。私は結構寝る人なので毎日8時間くらい寝ていました。

ーー1日に何時間勉強していましたか?

宍戸さん

8時間ぐらいです。1日10時間勉強するのを2、3日頑張ってみたこともあるんですが、疲れてしまって、これを毎日続けるのは厳しいなと思いました。自分が体調を崩さずに集中してできるのが7、8時間ぐらいで、結局そこに落ち着きました。

ーー1週間のうち1日だけ休みを作ったりはしましたか?

宍戸さん

基本的には毎日同じ感じで過ごしていたので、完全に勉強しない日はなかったと思います。でも模試を受けた翌日は、午前中ちょっと休んだりしてたかな。

ーー全く勉強しない日を作るのはあまり良くないと思いますか?

宍戸さん

やっぱり人によって勉強しやすいリズムがあると思うから、何もしない日があった方が他の日に頑張れるっていう子もいると思うし、人それぞれかなと思います。ただ私は受験勉強を始めたのが遅くて、早くやらないと間に合わないという気持ちがあったから、丸一日オフにはしなかったです。

ーーおすすめの勉強法などはありますか?

宍戸さん

基本的に私は問題集を解いていたんですが、ずっとやっていると集中力が無くなるので、30分勉強して5分休むサイクルを繰り返して、完全に疲れきる前に休んでいました。

ーーズバリ、宍戸さんが東大に合格された秘訣は何ですか?

宍戸さん

毎日継続して計画通りに勉強できたことかなと思います。計画を立てないで勉強したり、間違った計画のまま進めたりすると、なかなかうまくいかないので、N高のTAさんと一緒に自分に合った計画を立てられたのが良かったと思います。

ーーどうやったら計画通りに進められますか?

宍戸さん

まず月ごとの計画を立てて、それを1週間ごとに細分化するといいです。1週間分のやることが決まったら、その中で今日やることを決めます。勉強って毎日頑張っても、どれくらい自分が成長したかあまり感じられないじゃないですか。だからチェックリストを作って、大問1個やったら1個塗りつぶすみたいにして、”今日はこれだけやれた”という視覚的な達成感を得られるようにしました。それがちょっとしたご褒美になってましたね。

宍戸さん

あとは毎日タイトな計画を立てたら、終わらなかった分がどんどん積み重なってしまうので、週の最後の日は予定をいれず、その週にできなかったものを消化するようにしていました。計画に余裕を作っておくのが良かったかなと思います。

ーーチェックリストはご自身で作られたんですか?

宍戸さん

そうですね。タスクが終わったらスプレッドシートのマス目を進行中から済に変えて、全部済になったら、「自分頑張ったな〜」と思ったりしました。

宍戸さん

あと、紙にマス目を書いてそれを1個ずつ消していったりもしました。

他にも、問題集の解けなかったページに付箋を全部貼って、できるようになったら取っていくこともしました。

視覚的に成果が分かるようにして、ちょっとずつ達成感を味わっていました。

ーー塾に行かずに大学受験されたとのことですが、どんなツールを活用されていましたか?

宍戸さん

受験勉強を始めた時、まだ一度もやってない範囲があったので、そこを勉強するのにN予備校やYoutubeに上がってる「家庭教師のトライ」の動画を見て勉強しました。とても分かりやすかったです。

物理化学は、結構トライを使っていました。数学も見てたかもしれません。

倫理政経は「ここみらいチャンネル」という面白いチャンネルを見ていました。授業のプレイリストがあるのと、穴埋めのプリントもダウンロードできたりして、とても分かりやすかったです。

ーーどんな参考書を使っていましたか?

宍戸さん

参考書もネット特進の人にオススメしてもらったものを使いました。「これ解ければ東大行けるよ」というようなことを言われたので「じゃあやります」と。参考書のおすすめをしてくれたのはすごいありがたかったです。

数学

数学はフォーカスゴールド(※)を使っていました。とても分厚い参考書なので途方もなく感じるかもしれませんが、解説が丁寧で分かりやすいです。数学はほとんどフォーカスゴールドで勉強していました。

※フォーカスゴールド(リンク
「フォーカスゴールド 5th Edition シリーズ」(新興出版社啓林館 フォーカスシリーズ)

物理

物理は最初セミナー(※)をやって、その後名問の森(※)を使って、最後に難問題の系統とその解き方(※)という参考書を使いました。基礎から順にステップアップしていきました。

※セミナー(リンク
「新課程版 セミナー物理」(第一学習社の副教材)

※名問の森(リンク)(リンク
「名問の森 物理 [力学・熱・波動I] 四訂版 (河合塾SERIES)」(浜島 清利著)

※難問題の系統とその解き方(リンク)(リンク
「難問題の系統とその解き方 新装第3版 物理 力学・熱・波動」(服部嗣雄著)

化学

化学はリードα(※)のあとに重要問題集(※)を解いて、その後化学の新演習(※)を使いました。

※リードα(リンク
「改訂版 リードα化学基礎+化学」(数研出版の化学問題集)

※重要問題集(リンク
「2025 実戦 化学重要問題集」(数研社)

※化学の新演習(リンク
「理系大学受験 化学の新演習 改訂版」(三省堂 卜部 吉庸著)

ーー数学はフォーカスゴールドだけで東大の二次試験まで対策できましたか?

宍戸さん

そうですね、他の難しそうな参考書も買ってみたんですが、解説が難しかったりして、結局フォーカスゴールドに戻ってきました。基礎問題から結構難しい問題まで載っているので、最後までフォーカスゴールドをやりました。

ーー他の教科も参考書を使いましたか?

英語

英語は文法問題が苦手だったので、文法問題だけの参考書をやったりしました。

政治・経済

政経は共通テストへの道(※)を使いました。これは過去のセンター試験と共通テストの過去問をバラバラにして、分野ごとに並べ変えてあるものです。普通に過去問演習をすると、色んな分野の問題を解くので復習があちこち大変になるのですが、この問題集は分野ごとに演習できて勉強が進めやすかったです。

※共通テストへの道(リンク
「大学入学共通テストへの道 政治・経済 第3版: 問題と解説」(山川出版社)

倫理

完全MASTER倫理(※)を使いました。

※完全MASTER倫理(リンク
「完全MASTER 倫理+公共 問題集 大学入学共通テスト」(倫理教材研究協議会+清水書院)

その他

N予備校の大学受験コースの問題を、電車移動中などのスキマ時間にクイズ感覚で解いていました。

ーー勉強中に分からない事があったらどうしていましたか?

宍戸さん

N高のネット特進の方にSlackで質問したり、「manabo」というアプリを使ったりしました。塾に入ってなくても、ちょっとお金を払えば質問出来るアプリです。

ーー1人で受験勉強を進めていて、不安に感じることはなかったですか?

宍戸さん

月に2回くらいネット特進の担当の方と話す機会があって、その時に勉強の進捗や模試の結果を共有していました。「いい感じだね」というようなコメントを頂いたり、アドバイスをもらったりしていて、私はその言葉を信じて勉強していました。担当の方が二人三脚でやってくださった事が大きかったです。

ーー受験直前にプレッシャーや緊張などを感じましたか?

宍戸さん

感じていました。家族に”大丈夫だよ”と言ってもらって、気持ちを落ち着かせていました。あと毎日夕方に散歩に行ってたんですが、その時に近所の神社にお参りして、神頼みではないけど、ちょっと安心するっていうのがありました。

あと東大受験の当日に、担当してくれていた先生が門のところまで応援に来てくれました。先生とはずっとzoomで面談していたので、直接会うのは初めてでした。それもありがたかったです。

東大受験の直前
東大受験当日、先生が校門まで応援に!

高校生へのメッセージ

ーーN高で受験することに不安を持っている高校生にアドバイスをお願いします。

宍戸さん

N高は通信制だから受験に不利なんじゃないかと思われる方がいるかもしれませんが、私は通信制ならではの良さがあると思います。

自分がやりたいように勉強できますし、ネットコースなら通学時間もありません。ネット上にある色んな授業の中から自分が見たいものを受けられたり、自分のペースで授業を見られたりと、勉強のやり方をカスタマイズするにはとても良い環境だと思います。

他の受験生との繋がりが薄いかもしれませんが、それこそSlackを活用して勉強仲間を見つけたりすることもできます。

通信制だから受験は難しいみたいなことはあまり思わず、むしろ通信制だからこそやりやすい面がいっぱいあると思います。N高の環境なら、自分が足りないと感じる部分を補う方法はあると思うので、もし受験したいと思ったら諦めずにやってほしいと思います。

ーー大学受験を決意し、頑張っているN高生たちにメッセージをお願いします。

宍戸さん

N高だと一人で勉強する時間が長かったりして、計画通りに進まないとか色々あると思うんですが、志望校に合格するために必要な勉強というのは決まっているので、そのゴールに向かってやるべき勉強をすれば、通信制だろうと全日制だろうと受かると思います。そこに自信を持って、今やるべき勉強をやってほしいです。

もし、受験を頑張っている他の仲間と繋がれるんだったら、繋がってお互い励まし合ったり刺激し合ったりできると、すごくモチベーションになるんじゃないかなと思います。

終わりに 

インタビューは以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。

宍戸さんにお話を伺い、多くの学びを得ると共に大変励みとなりました。

インタビューの中で印象的だったのは、宍戸さんの「志望校に合格するために必要な勉強は決まっている」という言葉です。受験というのは、必要な勉強を着実にこなし、入試本番で合格最低点を超えた人が受かるのです。

ですから通信制=不利とは限りません。

それどころかN高は自由に使える時間が多いので、受験に有利な環境ともいえるでしょう。

この記事が大学受験に挑むあなたの一助となり、少しでも希望を与えられたら幸いです。あなたの努力が実を結ぶことを心から願っています。

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