N/S高での大学受験生活・一般受験編 〜筑波大学・みのさんの場合〜
取材・文=Lyra(りら)(S高一期生・ネットコース)かめた(N高6期生・ネットコース)
突然ですが、みなさんは「受験」という言葉を聞いたときにどのような感情を抱きますか?私は「すごく大変そう」という感情を抱きます。
本記事では、そんな大変な受験を乗り越え、2023年4月より筑波大学に通っていて、元N高生の「みのさん」にお話を伺ってきました。
みのさんはN/S高での大学受験生活をどのように過ごし、乗り越えてきたのでしょうか?
受験を検討している全N/S高生に見ていただきたい内容になっています。
ぜひ最後までご覧ください!
話をしてくれた人
みのさん
N高等学校三年ネットコース(取材時)
ゲームが好きで、最近はリーグ・オブ・レジェンズにハマっているそうです。
大学受験を決意したきっかけ
ーー進路について考え始めたきっかけを教えてください。
進路について考え始めたのは、2年生の2月にいったスクーリングがきっかけでした。
そこで進路について考える授業を受けて、本格的に進路について考え始めました。
進路って本当に色んな道があると思うんですけど、自分はバイトをしたことがなかったので、いきなり就職したり専門学校に進学するのはハードルが高そうだなと思いました。
そこで「もうちょっと学生でいてみよう」と大学進学の道を考え始めました。
ーー筑波大学を志望した理由について教えてください。
進路を考え始めた当初は、国公立大学に通われている学生さんの雰囲気が好きで国立大学を検討していました。そんな中、親から筑波大学を勧められて筑波大学に通うことを考え始め、試験内容が決め手になり志望するようになりました。
ーーありがとうございます。みのさんは一般受験でのみ受験されたのでしょうか?
はい、一般受験だけです。
ーー受験方式は様々なものがある中で、一般受験を志した理由を教えてください。
推薦や総合型選抜も考えはしたのですが、面接などが得意ではなかったので、合格する可能性は薄いなと感じていました。
一般受験の方が合格者数も多いので、そちらの方が確実かなと思い一般受験に絞ることにしました。
みのさんの受験生活の始まり
ーー受験対策や受験勉強は一体いつから始めたんでしょうか。
2年生の2月に予備校に通い出して、その時期からやり始めました。受験が迫った8月や10月からはかなり本腰を入れて取り組んでいましたね。
ーーその予備校の名前を伺ってもよろしいでしょうか。
東進です。
ーーありがとうございます。東進での勉強が軸となって、学習習慣が形成されたのでしょうか。
家で受けられる映像授業が中心だったので、校舎に行くことはあまりなく、家で勉強をしていました。映像授業を中心にやっていく中で、勉強に体を慣らしていきました。
ーー受験生の間はどのような1日を過ごしていたんでしょうか。
朝起きて勉強することもあれば、パソコンでゲームをするときもありました。
8月頃までは、ゲームと勉強の時間が半分半分ぐらいで。
自信を持って「凄い勉強頑張ってました」と言える状況ではありませんでしたが、休息の時間も取ることによって心の余裕がありました。勉強と心的負担のバランスをうまく自分の中で保っていたのかなという風に思います。
ーーありがとうございます。受験の最後まで自分の中で勉強とそれ以外の活動とのバランスを保ちながらやっていたということなのですね。
本格的な受験対策
ーー続いて各受験科目ごとの学習の仕方についてお聞きしようと思います。受験科目を一つ一つ挙げていただいてもよろしいでしょうか。
英語と地理で受けました。自分が受けた受験では英語が必須で、もう1教科は国語数学理科社会からの選択でした。
ーーありがとうございます。ちなみに、共通テストでの科目はどういうものでしたか。
共通テストは英語、国語、数学、社会、理科基礎2科目の、いわゆる文系の形で受けました。
ーー英語は、2次試験でも共通テストでもとても重要だと思うのですが、英語の受験対策ではどのように行いましたか。
中学英語までの知識はあったので、いかにして高校英語の土台を築いていくかを重視していて、塾での授業を中心に、N予備校の大学受験講座なども活用して勉強しました。
単語帳や熟語帳は夏頃から始めたので、スケジュールがかつかつで大変だったんですけど、共通テスト前くらいから2次試験の日にかけて一気に詰め込みましたね。
ーーありがとうございます。それでは、地理の方はどうでしたか。
2次試験の地理は、共通テストの知識や考え方を応用して戦えるような内容だったので、共通テストの対策を頑張っていました。
勉強方法としては、東進模試の過去問をまとめたものをひたすら解いていました。それで何回も反復して知識を入れていました。
今の共通テストは、思考力が問われると言われています。
もちろんそういう傾向はありますが、模試の過去問や共通テスト本番の過去問を見ていると、定番に聞かれる考え方のパターンが結構あって。
ひたすら解くことによってそれを身につけられたのはよかったです。
ーーありがとうございます。東進の模試や過去問をまとめたものをたくさん解いたことによって共通テストで問われるような思考のパターンのようなものを身に付けることができたのが良かったのですね。
ーー先程大学受験講座も利用したという話がありましたが、その他に学園のサポートは活用されたのでしょうか。
活用はしていませんでしたが、大学受験講座のわかりやすい解説には本当に助けられました。
東進の授業は早くて、一気にぎゅっと詰め込むような授業だったので、基礎的な部分はN予備校を見ていました。
ーー2次試験で使わない、共通テストでの科目である国語、数学、理科はどのように対策をされましたか。
国語の中でも、現代文はそれなりに得意な方だったので、古文と漢文に時間を割いていました。単語帳と文法をひたすらやっていましたね。
理科基礎は、問題をひたすら解いてよく聞かれる知識や考え方を反復で覚えていました。
数学は一番苦労して、問題をいっぱい解いても共通テスト直前までなかなか身に付かなかったです。高校1、2年生で習う基礎がしっかりしていなかったのが原因かなと思っています。基礎は凄く大事だなと痛感しました。
ーー受験勉強ではどんな参考書を使っていましたか。
書店にあるものだとか、ネット検索の上位にあるようなものを使っていました。
自分に合うか合わないかをよく吟味することよりも、まず手に取ってみてやってみることを重視していたので、特に拘ってはいなかったです。
どんな参考書も1周やってみるだけで、その教科に対しての苦手意識がちょっとでも薄れるかなと思いますし、何よりも自信になると思うんです。
もちろん、自分に合うか合わないかを吟味することもとても大事だと思いますが、それよりもまず手に取ってやってみることはとても重要だと思います。
ーー自分に合うか合わないかをよく吟味することよりも、まず手に取ってみてやってみることが大切なんですね。
そうですね。N/S高であれば、全日制の高校に比べて受験勉強に割ける時間が多いですから、1冊参考書をやってみて「何か合わないな」と思ったら別の参考書を買って試してみることもできます。それを早いうちからやっていれば尚更ですね。
ーー実際に使っていた参考書はどのようなものでしたか。
共通テストの対策では「大学入学共通テスト『面白いほど』シリーズ」というKADOKAWAの参考書を使っていました。
二次試験の英語の対策では「POLARIS」という英語長文の参考書をやっていました。
受験期のメンタルの保ち方
ーー受験生の間は家にいながら勉強していたとのことでしたが、その時に孤独のような感情は感じていましたか。
孤独はあまり感じませんでしたが、不安は感じました。
勉強以外のことをしてサボってしまうことが多くて。
それをやってるうちは楽しいんですけど、やった後に「これで大丈夫なんだろうか」「他のみんなはもっと勉強してるんじゃないか」と不安を感じることはありました。
ーー先程、孤独は感じなかったとおっしゃいましたよね。ずっと家にいて、誰とも話さないと孤独を感じてしまいそうですが、孤独を感じないような何かがあったのでしょうか。
そうですね。自分はSNSで繋がった人とゲームをすることも多かったので、人との関わりはあったのかなと。
ーー受験当日、緊張はされましたか。
めちゃくちゃしました。
特に共通テストの時は本当に緊張していて、その前日も眠れずスマホで緊張を和らげる方法を調べるほどでした。
ーーその緊張にはどう対処したのですか?
鏡を見ながら笑顔を作ってみて、自分ならやれるって強く思うようにしました。
そのような根拠のない自信を無理やりにでも持って「周りの受験生よりも自分の方が上だから」と心の中でつぶやいたりもして。とにかく周りと不安に押しつぶされないようにしてました。
ーーありがとうございます。当日は緊張したけど、自分ならできるぞと自分を奮い立たせていたのですね。
実際には緊張や不安の方が大きかったと思うのですが、自信がなくても自信があると思い込むようにしていました。そこまで来たらあとはもうぶつかるしかないです。
後輩へアドバイス
ーー受験生活を通してやって良かったことを挙げるとしたら、何がありますか。
そもそも受験をやってよかったと思っています。受験を通してメンタルが安定するようになったと感じているので。
受験期は気分の波がとても激しかったのですが、受験を終えた今は凄く安定していますね。受験での激しい気分の波を飲み込んで、それに耐性がついたと考えています。
ーー反対に、受験生活を通して「これがまずかったな」と思ったことはありますか。
早いうちから基礎を固めなかったことですね。英単語や数学の基礎を早いうちからしっかりやっていれば、勉強も苦労しなかったのだろうと思いますし、自信にも繋がったのではないかと思います。
「基礎を固めるのがとにかく大事」とよく言うじゃないですか。高1、高2のころはそれを信じていなかったので「発展の応用問題をいっぱい解いたら自然と基礎は身につくんじゃないか」と考えてしまっていたのですが、振り返ってみると基礎があるとないとじゃ全然違いましたね。
ーーありがとうございます。それでは、受験を迎える後輩へのアドバイスをお願いします。
受験を少しでも考えているのであれば、早いうちから学習を進めてほしいです。
受験まであと1年や2年と言っても、本当にあっという間なので、とにかく早いうちからやってほしいなと思います。
あとは、押しつぶされないように自信を持ち続けてほしいということも伝えたいですね。
問題をうまく解けなかった時は、落ち込んちゃうことも多いと思いますが、自分の実感として「できなかったと思ったものは、想像よりもできてて、できたと思ったものは想像よりもできてない」ので、自分の感覚に惑わされず一貫して自信を持ってほしいです。
終わりに
みのさんは自分の環境と上手に付き合い、N/S高のネットコースだからこそ作り出せる多くの時間を活用して受験生活を乗り越えていました。
N/S高での受験は大変なこともある一方、他の受験生と比べて多くの時間があったり1人で勉強する時間と人とつながる時間を両立させやすかったりと、利点も多くあります。N/S高ならではの利点は、みなさんの将来に良い影響をもたらしてくれるでしょう。
この記事が、受験を志すみなさんの一助となれば幸いです。
コメント
コメント一覧 (1件)
他のN/S高生がどうやって受験に向き合っているのか聞いたことがなかったので、このトピックとってもありがたいです!