N/S高新聞ライターの頭の中(後編)〜執筆中は何を考えているの?〜

2022年11月9日 09:00
取材・執筆=なかね もえ(N高6期生・ネットコース)
サムネイル画像制作=りら(S高1期生・ネットコース)
⚠️この記事は前編・後編に分かれています。こちらは後編です。
前編では、まどやんのバックグラウンドや成長記録をお伝えしました。
後編では、記事を書く際に意識していることなどをまどやんに教えてもらいます。
前編はコチラ

話を聞いた人

まどやん
・N高5期生 通学コース 心斎橋キャンパス
・N/S高新聞1期生
・ペコちゃんの写真(下)をプロフィール写真に使うことが多い。

記事の書き方(執筆編)
ーーまどやんが記事を書くときに意識していることを教えてください。
技術的な面では、読んだときのリズム感を大事にしています。この位置に句読点があったらちょっと読みづらいなとか、この一文は長くないかなとか、そういったことです。なるべく校正に引っかからないように、何回も見返しています。
執筆しているときは「絶対に最後までやりきる」という気持ちでやっています。いただいた機会を無駄にしないように、最後までやり通すというのは意識していますね。
あと、私はいつも本文から書くんですよ。
ーー本文から書いた方が上手くいくことがあるのですか?
本文の執筆はインタビュー等の書き起こしを並べる作業ですよね。それは、私は比較的簡単に感じます。とりあえず簡単なことからでもやっていこうと思って、本文から書いています。自分のモチベーションを下げないように、出来ることからやっています。
ーーまどやんの記事を読んだときに、前書きと後書きに力を入れている印象を受けました。読者に問いかけをしていて、読者に意識が向いているなと感じました。
前書きと後書きの部分で工夫していることはありますか?
後書きで「こういう感じになりましたね。」と書いたり、前書きで「これってどんな感じなのかな?私も調べてみました。」と書いたりしています。読者に共感してもらえるように、読者と同じ立場に立つようにしています。
私は、前書きと後書きは一番読者に接する場所だと思っています。本文では「調べた結果」や「私とインタビュー相手の会話」しか載せられないですが、前書きと後書きは私の考えを「直」に出せる場所です。なので、前書きと後書きでは自分の思ったことを嘘偽りなく書くようにしています。
ーーそのような意識をするようになったのは、校正者さんの影響ですか?
校正者さんからのフィードバック(※1)の影響が大きいですね。
N/S高新聞に入った当初にタカラトミーさんの記事を書いたのですが、 最初は後書きに「私はタカラトミーさんのお話を聞いてこういったことに気をつけたいと思いました。」と書いたんです。けれど、それだと私の感想だけで終わってしまうと思い、どうすれば良いか悩んでいました。
そのとき、「読者の方にこれを読んだことでどうなってほしいか」を書いてみたらどうかというフィードバックを校正者さんからいただきました。「読者に寄り添って記事を書く」ことの大切さに気付けてからは、その気づきをずっと意識し続けていますね。
(※1)口頭もしくは文章を用いて行われる教育や指摘、あるいは評価のこと。
(引用:カオナビ)
ーー執筆をしていて、自分の話し言葉の癖が文章にも混ざると感じます。まどやんは、記事に自分の癖が入ることをどう捉えていますか?
レポート記事のように「自分だけがその場にいる記事」では、記事にもいつもの自分を出しています。「おー」や「ほほー」といった相槌の癖も出しています。心で思ったことをそのまま書いているんです。
逆に「インタビューや対談などの相手がいる記事」では、それをしすぎないようにしています。注目してほしいのはインタビュー相手の人なのに、自分の存在をアピールしすぎてしまうと思っているからです。
ーー私はN/S高新聞実行委員会に入ってから、ワークショップ(以下WS)の応募理由でさえもしっかり書こうと意識するようになりました。
まどやんは「こんなところでも意識してます」というものはありますか?
私もWSによく参加します。応募理由を含め、どんな文章を書くときでも「私が今から何を話すのか」と「何点話すのか」を説明するように意識しています。「私はこれについて話します。そのために3つの要点を話します。」という感じです。
ーー確かに、応募理由などはそのように順序を決められますね。ですがインタビュー記事は、そのように順序を決めにくいですよね。インタビュー記事では、どのように順序をまとめていますか?
私は応募理由などは小論文に似ていると思っています。「最初に私はこう思っている、理由はこのようなものがある、だから私はこう思う。」という小論文の作り方が、応募理由などの書き方でもあると思うんです。
ですが、それを記事に使うと面白みがなくなってしまうんですよ。「結論はこんな感じでー」とダラダラと続いてしまったら面白くないので、YouTubeやテレビのように、後から結果が出ることで面白くするというのを意識しています。
記事の書き方(その他編)
ーー執筆以外の部分で、絶対に行っていることはありますか?
予め「多すぎるだろ!」ってくらいの質問案を考えています。
私は台本がないと、インタビューでもプレゼンでも絶対に喋れないんです。なので、話すことを迷わないように、予めたくさんの質問案を考えています。そこから当日使う主な質問を選んでいます。

ーー普段から、委員会の活動以外で意識していることはありますか?
間違った日本語を絶対使わないように気をつけています。こういう活動をしているので、「間違っていたら恥ずかしい」という気持ちがありますね。
あとは、知らない言葉の意味を調べてどんどん使うようにしています。この熟語が使えそうだと思ったときには、すぐにその熟語の意味を調べて使っています。
ーーでは、記事を作り上げる工程(取材、アンケート、執筆など)の中で一番好きな工程は何ですか?
全部好きだけど、一番は執筆です。今まで準備してきたことやインタビュー当日のことを、そこで初めてカタチにする、整理するので、自分のものにしていく感覚があって好きですね。
確かに書くこと自体も好きですが、インタビュー相手の言葉も、誰かのアンケート結果も全部私に任せてもらって、私が書ける、自分のものにできるというのは楽しいですね。
ーーでは逆に、苦戦している工程はありますか?
サムネイルの作成です。読者の方はサムネイルを一番最初に見るので、サムネイルは記事の顔になりますよね。いかに見やすく、興味を引くようなサムネイルにできるか、毎回工夫しています。
ーー私は、タイトルを決めるのが難しいなと感じています。目を引くタイトルを作るコツやキーワードを生むコツはありますか?
これは校正者さんから教えていただいたのですが、あえてタイトルに答えを書かないことで、読者は結論を知りたくなると思っています。
記事を執筆していると、伝えたいことや記事の本質は見えてきます。それが答えになるようなクイズや問い掛けをタイトルに設定するように意識しています。
ーーN/S高新聞にはたくさんの学生ライターがいますよね。その中で、自分の個性を出すことはとても難しいです。
記事を書く上で、自分の個性を出すコツを教えてください。
質問を聞いていて、個性がなくても良いと思いました。インタビュー記事なら、自分よりもインタビュー相手のことを知ってもらいたいですよね。
その上でアドバイスをするなら、自分が一番伝えたいことを軸に持っておくことが大事だと思います。先程述べたように、前書きと後書きは自分一人の場所です。そこで「自分は普段どう思っていてインタビュー相手と接することで何を思ったのか」を書くことで、個性は出せると思います。
ーーでは、「これをしてあったらまどやんの記事でしょ!」というものはありますか?
私は、インタビュー記事以外のレポート記事やアンケート記事などで「皆さんこんにちは。N/S高新聞のまどやんです。」と前置きで名乗っているんです。それを、良いねと言ってもらえたんですよね。前書きで自分の存在を開示するのは、独自性があると感じます。
ーー確かに、あの一文があることで、読者が筆者にも目を向けるきっかけになりますよね。

出典:N/S高新聞ってどうやって書いてるの?〜企画書の書き方・インタビューの仕方(執筆:まどやん)

自分が一番成長するんだ
ーーまどやんは、本当に昨年の10月から記事を始めたのかと思うくらい、執筆のスキルが高いと感じます。
ここまでスキルを積み上げてこられた理由は何だと思いますか?
私は、N/S高新聞の前身となったWSに参加してからN/S高新聞実行委員会が発足するまでの期間にも、タスクフォース(※2)に参加させていただきました。なので、他の人よりも成長する機会を多くもらっていたと感じます。
今出ているタスクフォースも、どんどん書かせていただいています。選んでもらったからにはしっかりやろうと思いますし、「自分が一番成長するんだ!」という気持ちで挑んでいます。
でも、現状に満足せず、もっともっと頑張ろうと思っています。
(※2)通常の組織内で行う仕事とは別に、特別なミッション(役割)、作業を一時期的に担うこと。
N/S高新聞では、特定のテーマについての執筆依頼のことをタスクフォースと呼んでいます。
(引用:コトバンク)
ーーそれでは、まどやんの目指しているライター像を教えてください。
たくさんの人の役に立つ記事を書けるライターになりたいです。また、困ってる人に寄り添えるようになりたいです。
ーーまどやんの記事『N/S高スクーリングを休まなければならない事情がある場合』(通称:スクーリング記事)のおかげでスクーリングに行けた人は多いと思います!既に、たくさんの人の助けになっていると思いますよ。
知らないうちに救っちゃってる!『木曜日にはココアを』だ!
(『木曜日にはココアを』についてまどやんが話してくれた記事はコチラ!)
スクーリング記事は、確立したターゲットを設定した記事です。ターゲットを絞った記事を書いた経験があることで、「こういう記事を必要としている人がいるだろうな」というターゲットのイメージができるようになりました。
スクーリング記事を書いたことは、本当に良い経験でした。

この記事が読めるのはコチラ!

ーーずばり、まどやんにとって良い記事とはどのようなものですか?
「執筆途中で挫けてしまっても、文章を完成させてちゃんと配信する」というのは、すごく偉いなと感じます。最後まで、やり遂げることを意識し続けられたものがいい記事だと思います。投稿されている時点で良い記事ってことですよ!
ーーそうですよね!ありがとうございます。
皆さんへメッセージ
ーーこれから記事を書き始める方、チャレンジしてみる方に向けてメッセージをお願いします。
とりあえず最後までやってみてほしいと思います。途中で諦めてしまうこともあると思いますが、チャレンジしようと思ったことがすごいです。着手できる自分を褒めてあげてほしいですね。
私はN/S高新聞に入って、たくさんの人にインタビューをしました。インタビューをした皆さんが「とりあえずやってみて」と言いますね。
私も、やってみることが大事だと思っています。「やってみよう」と思ったことが、N/S高新聞での活動に繋がっています。迷うなら、何でもやってみてほしいと思いますね。
ーー最後に、いつもN/S高新聞の記事を読んでくださる読者の皆様へメッセージをお願いします。
本当に頭が下がります!いつもありがとうございます。
皆さんがいないと私たちは活動を続けられないです。皆さんのために書いていますし、皆さんに読んでもらえたら嬉しいなという気持ちが100%です。これからもご贔屓にお願いします!
※
いかがでしたか?今回は、N/S高新聞ライターのまどやんにお話を伺いました。
記事を書くこと、新しいことに挑戦すること、案外ハードルは低そうではないですか?この記事を機に、何かへ挑戦しようと皆さんの気持ちが動いてくれたら、私もまどやんも大喜びです。
また、この記事で感じたまどやんの雰囲気を味わいながら、是非もう一度まどやんの記事を読み返してみてください。以前の何倍も良い余韻を感じられると思います。
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