生徒数日本一の高校の“広報の仕事“

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今回は全国に20,000人以上の生徒が在籍する通信制高校「N高等学校・S高等学校」の企画部 広報戦略課の名越さんに、「生徒数日本一の高校の広報の仕事」をテーマに取材を行いました。

学校広報という仕事についてや、N/S高等学校の広報のしごとならではのエピソードについて聞くことができました。
生徒数日本一の高校で、広報の最前線に立つ名越さんに、「広報の仕事」について伺いました。

目次

N/S高校での、広報の仕事とは?

学校広報の仕事内容

――名越さんの仕事内容についておおまかに教えていただけますか?

はい。
私のしている広報の仕事とは、角川ドワンゴ学園N/S高等学校やN中等部で、どのような取り組みをしているか、どんな生徒が通ってるかを、正しく伝えていく仕事です。

N/S高について調べてくれた方の中には、なんとなく調べて間違った解釈をされている部分が結構あると思います。
ネットの高校というくらいだから、ずっとパソコンばかり触ってるような生徒がいるんじゃないかとか。
そのようなイメージから生徒を守るために、正しい情報を発信して、人に伝えていく仕事です。

広報のスキル

文章を見るスキルが身についた

ーー広報の仕事をする上で必要なスキルや、広報の仕事をしていく中で、身についたスキルなどはありますか。

文章を見て誤字脱字を見つける能力は、身についたと思います。

学校のホームページニュースやブログのように広報が担当する案件のほかに、毎日本当にいろいろな内容の原稿を確認しているんですね。
学園内の他部署から発信する自社媒体で記事を出す時に、その記事に誤字脱字がないか、間違った情報がないかっていうのを確認したりもしています。

それって本当に地味な仕事なんですけど、確認しているうちに誤字脱字を見つける能力がついた気がします。言葉づかいなども直したりしているので、普段人と話しているときでも、間違った言い回しなどに気付いてしまう癖がついてしまいました。

ただ、私が書く文章は誤字脱字も多いんですけどね。
急いでチャットでメッセージを送るときなどは、よく間違ってしまったりします。

ーー私も学園のブログに記事を投稿したときに、誤字脱字を修正していただいた事があります。かなり誤字脱字が多かったので申し訳ないです。

大丈夫ですよ。私も誤字脱字は多いので。

学校広報ならではのスキル

学校広報ならではのコミュニケーション能力も身につきましたね。
例えば社会人の大人同士でのコミュニケーションの場合、だいたいの職種の方は初めてでも普通にコミュニケーションを取ることができると思うのですが、学園の広報は高校生に取材のお願いをしたり、大会などに同行したりするんですね。

高校生ってまだそんなに大人とのコミュニケーションに慣れていないと思うんですね。なので自分が警戒されないように、親しみやすさをアピールしながら、話しかけるようにしています。
安心してもらってから話す事は大事ですね。

親しみも持ちつつ、ちゃんと大人として接する事は本当に大切だと思います。

広報の仕事への思い

仕事でのつらい事

やはり生徒の記事やインタビューが掲載されなかった時ですね。
N/S高等学校はすごくたくさんの取材依頼をいただくので、その度に生徒に依頼するんですね。
生徒は勇気を出して取材を受けてくれると思うんですよ。
そうやって勇気を出して取材を受けてくれたのに、他に大きなニュースが入ったりなど、メディアの都合で掲載が流れちゃう時があるんですよ。

生徒自身のエピソードは読んでもらいたいなって思っているので、記事が掲載されない時が一番悲しいですね。
記事が流れてしまった後も、「掲載予定日とは別の日で記事を載せてくれませんか」という交渉はしていくんですが、それが上手くいかなくて記事がお蔵入りになった時は本当にとても悲しいです。

仕事でのうれしい事

記事が掲載できなかった時はとても悲しいですが、掲載されたものを見る時はとてもうれしいです。

掲載される前に記事が、どのように書かれてるか不安なんです。
だから可能な限り事前に確認させていただくことをお願いするのですが、メディアのルールでそれが出来ない事もあって、その時は掲載されるまでずっとドキドキなんですよね。

ちゃんと正しく伝わる記事になってるかなって。
取材を受けた生徒の言いたい事や思いが正しく伝わっていて、それを見た生徒が喜んでくれた時はうれしいですね。

いい記事だったとか、そう言ってもらえるのもうれしいです。
やりがいみたいなものにつながってきます。
生徒が本当に喜んでいる顔や、喜んでくれたというコメントを見るのが一番のやりがいです。

仕事でいつも気をつけている事

普段から正しく間違いなく伝えるような、話し方と書き方を心掛けています。
メディアの方とお話する時はどの部分を切り取られて記事になっても、誤解を受けないように話をしています。

仕事での失敗談

テレビ撮影の時に、カメラの反対側にいるので映らないと思っていたら油断して映ってしまってる時がありました。

私が必死でパソコンを打っているところが、生徒のインタビューに映りこんでいて、撮影の場ではどんな時も油断してはいけないと思いました。

広報の仕事の魅力

この学園の広報の仕事に限ったことになってしまいますが、魅力を話します。

生徒がインタビューを受けるときはいつも、私も一緒に生徒の話を聞かせてもらっているんですけど、話してくれた言葉にとても感動することがよくあります。

大人になってから高校生や中学生の話を聞くと、柔軟な発想力や、素直さ、可愛らしいさがあるなと感じます。
でも時には自分より大人びたことを言って守ってくれたり、助けてくれたりする場面に遭遇できて、感動してしまう事が多々あります。

自分が高校生の時、そんなこと言えたかなっていうのを考えながら、ここの学園の生徒はみんなすごいなっていうことにいつも感激しますね。
そういう生徒と出会える事は本当にこの仕事の魅力ですね。

取材のエピソード

N高に、転校して来た生徒が取材を受けた時の話です。その生徒は通学プログラミングコースに編入してきた子なんですが、前の学校で挫折してしまった経験がある子でした。

まずはじめに記者の方が「最初に通学プログラミングコースに行った時にどう思ったか」と質問をしました。

その生徒は今まで通っていた学校の生徒と、N高にいる生徒とは違うなと思ったらしいです。一人で黙々と取り組んでたりとか、話しかけても、人と話すのが苦手そうだったりするとの事でした。

記者の方が「そんな子達と仲良くなれるか不安じゃなかったの?」と質問したら、その生徒は

周りの子を見て少し変わっていると思ったのは、自分のことを普通だと思っているからだなって反省しました」って言ったんです!

それからは話しかけづらいなって思っていたクラスメイトと、無理にコミュニケーションを取らなくなったそうです。自分と同じような経験をしたかもしれない子とは、過去に経験した胸の奥にある切なさでつながってる気がして、何も話さなくても登校することが楽しくなったって話してくれました。

その言葉を聞いて、すごく感動しました。なのでその時取材した光景は、今でもはっきりと覚えています。

広報へ携わりたい人へのメッセージ

広報の仕事は、先程言ったとおり細かい仕事や確認作業が多く、皆さんが思っているよりも何かと地味な仕事です。

ただ、自分の好きなことや好きなもの、好きな企業で広報として働くのは、自分が好きなものをアピールする仕事になるのでとっても楽しい仕事です。

この学園の広報をしていると、自分がやりたいことに取り組みながら学校生活を送っている生徒の、楽しそうな顔を見る事ができます。

その子達がこの学園を選んでくれたことには感謝しかありません。
この学園の広報の仕事は、この学園にいることを誇りに思ってくれるような場所だということをアピールする仕事です。

華やかに見える仕事の中には、地道な仕事が積み重なって出来るものがあるんだと思います。

インタビュー後に

ーー私も情報発信の活動をしているのですが、広報などの仕事って、やはり結果が見えづらかったりするんじゃないかと思うんですよね。名越さんはそう思ったりする事はありますか?

そうですね。多くの人に記事を読んでもらうことももちろん大事だけど、記事にしてもらうまでの過程もとても大事だと思います。

学園職員のインタビュー記事も担当しますが、できるだけ多くの人に読んでもらう事も大事だと思います。
初めてインタビューを受けてくれた生徒さんに「すごい良い経験になりました」などと言われる事はやりがいになっていて私の中、の成果かなって思ってます。

ーーなるほど確かに単純な結果だけではなくて、記事を作る過程でも成果が出ているんですね。
私も記事を作る時に、それがどんな成果や意味に繋がるのかを考えながら書きたいと思います。

当日の様子

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