【職業体験・ワークショップ好き必見!! 】元N高生の現役TAさん

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4月で、開校7年目になるN高等学校。これまでに、VRを使った学習が開始されたり、新たにS高等学校が開校されたりするなど、様々な進化を遂げてきました。自分含め、今N/S高生として学園生活を送っているみなさんが、当たり前にあるものだと思っているものが開校当初は存在しなかったなんてことが、もしかしたらあるかもしれません…

今回、N高を1期生として卒業後、TA(※)として働いている大野 直人さんに話を伺いました。
当時オフラインだったワークショップには全参加、同様に当時オフラインだった職業体験への参加も1期生の中で恐らく最多だったと語るほど、ワークショップに熱を入れていたという大野さん。その話について聞いていくうちに、今と昔の違いに興味を惹かれました。当時のワークショップ・職業体験の話を交えながら、N高生としての生活やTAになった経緯なども聞いてみることに…

※ TA・・・ティーチングアシストの略で、活動や授業のサポートをしてくれる学生スタッフ

話をしてくれた人=大野 直人(おおの なおと)さん
現在、立命館アジア太平洋大学4回生
職業体験やワークショップのサポートを担当する経験学習部アルバイト(TA)3年目(2022年度時点)
N高1期生(代々木・御茶ノ水通学)

目次

N高を選んだきっかけ

ーー大野さんがN高に入学した理由はなんですか?

僕は、そもそも高校を転学してるんですよ。転学先の高校を探しているときに、最初はN高はあまり考えてなかったんですけど、調べるにつれN高に「通学コース」ができるらしいぞと。
全部ネットだと自分の生活を正しく送れる自信がなかったのですが、通学コースがあるなら良いかなと思って、そこが決め手ですね。

当時、職業体験やワークショップに熱を入れていたという大野さん

高野山で行われた職業体験中の大野さん

ーーN高生活で思い出に残っていることは何ですか?

特に職業体験にたくさん参加してました。現地で行う職業体験には4回。今やっているワークショップのトライアルみたいなものが、2週間に1回くらい東銀座のN高のオフィスで行われていて、その時はほぼ毎回参加していました。そこで新しいN高生と出会ったりとか。

ーーなるほど。今だと基本オンラインでの開催ですが、当時のオフラインのワークショップと比べてみてどんな違いがありますか?

当時は、オンラインがなかったので、地方の生徒が東銀座のオフィスに参加できないみたいな感じのことが起きるんです。同じくオフラインでやる職業体験も交通費がかかるんですよ。地方の人からすると、単純に交通費が高いんですよね。
でも、コロナがきっかけにと言うと変かもしれないですけど、オンラインで参加できるようになりましたよね。現地参加できなかった地方の人とかも、住む土地の壁を突破できて、色んな人に機会を与えられていいんじゃないかなとは思っています。

ーーそういった面ではオンラインのメリットがありますよね。でも僕たちはオフラインのものを一度も経験できていないので、やっぱりいつか参加してみたいです。

そうだよね。逆にね(笑)。オンラインばかりだとオフラインで現地にいきたくなるよね。

当時のワークショップや職業体験の話を聞いていると昔と今に違いが感じられた。
当時は画面越しではなく、実際に現地で行っていたよう。
N高はスクーリングや試験を除き、ネット上での学習や交流がメインとなるのが開校当時からの特徴です。それに対して、職業体験・ワークショップは実際に現地へ行って実際に交流するため、オフラインならではの楽しみを味わうことができる。
しかし、新型コロナウイルスの影響で2年前から職業体験・ワークショップは基本オンラインでの開催となり、対面での交流は少なくなってしまいました。
大野さんは、オフラインでの職業体験・ワークショップを体験したことのある元N高生のうちの一人ということで、当時の交流や、大野さんの思う交流などについても聞いてみました。

いろいろな場面での今と昔

ーー当時の交流の仕方について、教えてください。  

僕たちの時は、N高ができて1年、2年目とかだったからオフ会とかも頻繁にありました。ニコニコ超会議のN高ブースとかでも実行委員のお手伝いとかで前日、,前々日から海浜幕張に集まってみんなで用意した後、カラオケ行ったりワイワイしたりとか。
オフラインでの交流は飽和状態だったので、コロナ禍の影響でそういうのがないN高ってのはどんな感じなのかな?ってのは気になったりしますね。

ーー僕たちは”zoom越し”でみたいな感じなので、実際に会ったりとかは少ないです。でもN高ってネットの学校なので、逆にそれがN高生っぽくもあるなって感じます。でもやっぱり実際にみんなと対面して職業体験・ワークショップをしたいなとは思っちゃいますね。

確かに。そうだね。
結局僕らの出会いも最初はネットだけど、最終的にはオフラインで会うみたいなのも結構あった。その「最終的に」がないとちょっと宙ぶらりんな感じがしちゃって、そこはあんまり満足度が得られないかもしれないね。

ーーN高生時代にオフラインで知り合った人とは今でも連絡取ることはあるんですか?

あるある。地方に行った時とか、普通に遊んだりとかご飯行ったりとかしますね。なんなら、3回目くらいに行った職業体験が沖縄だったんですけど、その時に一緒だった人は今一緒にTAとして働いてるから、そういう繋がりがあったりする。
N高ってすごい生徒数多いけど、職業体験とかイベントとかが色々いっぱいあって、同じイベントに参加した人って多かれ少なかれ興味を持ってる物とか共通点みたいなのがあるから、その後も関わりを持ちやすい。そういうので知り合った人とかは必然的に付き合いが長く続いてる感じかな。

超会議、N高ブースでの大野さん

こんな所にも違いが

ーー先ほどの、職業体験等も含めて、先輩の視点から見てN/S高全体で変わったな、進化したなという点はあったりしますか?

みんなにとっては大したことないかもしれないけど、僕がすごくいいなと思っているのがSlackのtimes(※)。同じクラスとか同じ職業体験以外で関わりが生まれる新しいキッカケの一つというか、同じ趣味を持ってる人を見つけられるというか。
プロフィールとかの好きなモノ欄に書いてある事だけじゃ、「どれくらい好き」とか「この中の何が好き」とか分からないけど、timesとかだったら結構詳しく書いてそうだから、そういうのではいいなと思っています。僕の時代にも欲しかったなって。

※ times・・・Slack内で作成することができる、個人のチャンネル。

ーー昔ってtimesなかったんですね!

ないない。昔は雑談チャンネルが1番盛り上がったね。なんなら、生徒がワイワイ言うのはもうそれしかなくて。部活のチャンネルか、雑談チャンネルのみ。
雑談の中でもほぼ四六時中ログインしててずっと喋ってる人たちはまた別の新しい「よく喋る人用チャンネル」みたいなグループ作ってそこに入れられてたりしたけど(笑)。
今は雑談チャンネルは賑わってるのかな?

ーー今は(通学コースの)キャンパス毎の雑談チャンネルとか…

あー、そういうのがあるんだ。それは無かった。もう、生徒の数が全然少なかったから。
全員共通の雑談チャンネルっていうのが一個あってそこが動いてたって感じ。

N高だからこその交流や雰囲気

ーーtimesが無かったとかもう、色々全然知らなかったです。他にもそういった変化を感じられるんですか?

生徒数が増えたからってのもあるし、認知が進んだからってのもあるんだけど、できたばかりの頃のN高を選ぶ人って、良くも悪くも今と比べて結構クセの強い人が多かった。クセというか、飛び出た個性を隠さないみたいな人がすごい多くて。
その中で人間関係作ったりだとか、特にワークショップとかだと一緒に何かをするっていう苦労がある。そういうのがすごい、工夫のしがいがあるし、言葉選ばずに言うとめちゃくちゃ大変だったんだよね。
そういう意味では、今のN高のワークショップとかはどちらかというと、より普通の一般社会でやっても同じようなワークショップができるぐらいのレベルの雰囲気になってる。より、高校感が出てきたなっていう意味では変化かなって思ってます。
逆に、今N高で「この人尖ってんな」みたいな人っていっぱいいる?

ーーその物事にめちゃくちゃ特化してるなって人とかはよくみますね

そうそう。そういう、N高ならではの良さを失わずに、普通の高校の側面も持っているのはすごい良いなって思ってる。なかなか無いんだよね、他のところでは。

卒業式を迎えた大野さん

N/S高には通学コースのキャンパスで「TA」や職業体験やワークショップでアシスタントを努める「TA」など様々な「TA」があります。
N高生時代では、オフラインならではの経験もしてきた大野さんは、現在は大学の学業と両立し、経験学習部でTAとして働いています。
経験学習部のTAは、主に職業体験・ワークショップなどで、僕達生徒のアシスタントやサポーターなどに入ってくれます。もちろんこの「N/S高新聞実行委員」にもTAの大学生の方々に入っていただいてます。
ここからは、話題を変えて何故、TAになったのか。どうやってTAになったのか。TAしか知らないようなことがあるのか。気になるアレコレを聞いてみました。

TAとしての大野さん

ーーTAにはどうやってなったんですか?

元々TAになるつもりは無かったというか、TAには物理的になれなかったんですよ。元々東京生まれ東京育ちだったので、東京にオフィスがある分には全然大丈夫だったんですけど、僕が大学で九州に引っ越しちゃって。それで、九州で職業体験があれば参加できるから、その時があったら声かけるねーっていう感じに経験学習部の人たちに言われてたんですよ。そうしたら、コロナが始まっちゃったと(笑)。それで地方で職業体験・ワークショップができなくなっちゃったみたいなんです。だからTAとしてバイトするのは諦めて、家庭教師とか他のバイトをしてました。
でも、コロナの影響でN高がワークショップとかTAの仕事とかを全部リモート化しました!ってなったときに、声をかけてもらってTAになりました。
なんか、コネ入社っていうと物すごく聞こえが悪いんですけど、職業体験に参加しまくって、そこで割とグループリーダーみたいな感じで話をまとめたりしてたのがきっかけで卒業したら貢献してもらおう、と思ってもらえてたからそのままN高でTAさせてもらってるって感じです。

ーーTAしか知らないような話とか裏話みたいなのって…

参加者側だった時は意識してなかったけど、TAになってすごいなって思ったのが、事後アンケート。TA結構みんなしっかり見てる。数字とかパーセントまですごく気にして見てるから、あれは次の企画とか出す時にすごく参考にしてる。他にも、自分が担当するグループにいた子の書いた感想見てたら「あっ、自分のファシリテーション良かったんだな」「自分ダメだったかなあ」とか反省点にもなるし、あんまり喋ってない子とかがいてもその子が良いことを書いててくれたら、この子にはちゃんと伝わってたんだみたいなのがあるから、事後アンケートは我々の直接的なご意見書みたいになってて効力がありますね。そこは知っておいてほしいなって思います。

ーーそれは大事ですね。

最後に「いついつまでに書いといてね」ということ。これは大事なんですよ。これはね、TAをやってみないと多分分からないことかもしれない。

ーー僕もちゃんと書くようにします(笑)

はい!お願いします!(笑) 。とはいえね、良いことばかり書かなくても大丈夫だからね。ここが悪かったとか言われたらすごい勉強になるから。TAって良くも悪くもブレイクアウトルームに分かれちゃうせいで、客観的に見てもらったりとか評価してもらったりとかがあんまりないんだよね。今TA研修とかが多分あるんだけど、僕がTAし始めたときは、自分のファシリテートを振り返るタイミングが無かったりしたから、そういう要素としてのアンケートは大事だなって思うので、しっかり良かった悪かったフィードバックしてもらえたらなって思います。

ーー元参加者側としてもやってきたからこそ、TAとして伝えたいことがあれば教えて欲しいです。

最近結構ワークショップの設計とか作ったりもしてるんですよ。タイムスケジュールとかあるじゃないですか。何時までとか。あれ、バッファっていう時間の余裕持たせてるから、目一杯喋っても大丈夫なんだよ!って。「あ!時間だ!」っていうのを生徒が気にして盛り上がってた話を終わりに向かわせようとしなくても実は大丈夫。結構余裕持たせて、それに従ってここのフェーズは伸びやすそうだよねとか言って、そのメインファシリの人とかTAとかまとめてる人とかも、すごい調整してくれたりするから、思う存分話し合いはしてくださいっていうのはあるかなって思います。

ーー他にもTA目線や大野さん目線などでアドバイスたくさん欲しいです

これは自分がそうだったから言うし、多分ワークショップに参加してる人の大体4分の1くらいにしか伝わらない言葉かもしれないんだけど、ワークショップ入ると、いつも場を仕切らないといけないって思ってる人いると思うんだよね。自分がメインファシリやったりとかみんなの意見聞いたりとかしないといけない…とか。もちろんそれが全然苦痛じゃない人とかはいいんだけど、結構なんでも出来すぎちゃう子っていて。「自分は本当は黙々と考えてベストなのをいっぱい出したい。でもこのグループ喋れる人いないし、私がなんとかするしかないのかな…」ってファシリテート始めちゃう人とかもいるんだけど、なんだかんだ「ちょっと待って!」って第二の人が名乗り上げてくれることがあるから。できる人には頑張ってファシリテーションとかしてもらいたいんだけど、いつもしてて疲れちゃうと場を回して疲れちゃうなって人は、一回休んでみるワークショップがあっても良いかもしれないっていうのはアドバイスとして、アリかなって思います。

これも、僕がN高にいる間は本当に気づけなかったことなんだけど、大学に入ってから「あっこれ俺黙ったままでも場が動く!」って感動みたいなのを覚えて(笑) 。僕はどちらかというと、それ以外のスライド作りとか発表とかの方が得意だったから、そっち自分やりますと。場を回すのはお願いしますみたいに頼んだりできたから、ワークショップとかそういう上で、生徒さんにはそういうこともあるよってことは知ってもらいたいです。

多くの高校生はワークショップに何回も参加する機会なく過ごすと思うので、たくさんのワークショップの機会があるN高生にはぜひワークショップの中で、会話をうまく回すグループリーダー的な立ち位置から、発言数が少ない子を気遣う役割など、毎回毎回違う役割だったり、前回のワークショップのグループメンバーの良いところを取り入れることだったりにチャレンジしてみてほしいです。きっと将来仕事や、進学する人だと大学や専門のディスカションの授業で役に立つと思います。

今回は「職業体験・ワークショップ」をメインに、開校当時はオフラインでの交流をする機会が多かったことや、TAさんが裏で実は思っていること、様々な話を聞くことができました。
N/S高では自分で自由に学習やバイト、趣味などの自分だけのスケジュールを組んでオリジナルの「N/S高生活」ができます。(N中生もね) 
大野さんもN高生時代はレポート学習はもちろん、色々なテーマパークでアルバイトをしたり、今回の話にも合った「職業体験・ワークショップ」にたくさん参加するなど、自分だけの「N高生活」を作り上げていました。
N/S中高生の一人一人が必ず持っている自分だけの「N高生活」「S高生活」「N中生活」の中にぜひ、“職業体験やワークショップへの参加”を取り入れてみませんか!

そして、参加したときには「事後アンケート」。どんなことを感じたか、どこが良かった、ここは改善してほしいなど、しっかり意識して書いてみよう!!!

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